インターンシップ参加報告➀
MBAでの学びというと、授業やケースディスカッションを思い浮かべる方が多いかもしれません。ですがLBSの大きな魅力の一つは、ロンドンという世界有数のビジネスハブというロケーションを生かし、インターンシップの機会も豊富にあることです。サマーインターンのようにまとまった期間で取り組むものだけでなく、学期中に授業と並行して動くin-termのインターンシップも非常に活発です。今回は、スポーツテック領域のベンチャースタジオでのインターンシップ参加についてご報告します。
参加のきっかけ
MBAへの留学を考えたとき、私が重視していたのは教室の中だけでなく、キャンパスの外で実践的な学びを得られる環境にも身を置くことでした。先述の通りLBSは、在学中から現地企業と直接関わる機会が豊富にあります。この機会の多さは、私がLBSを選んだ大きな理由の一つでした。
私は社費留学生という立場ということもあり、本格的なキャリアチェンジを目指すというよりは、できれば帰任後の業務にも活かせる分野でユニークな実務経験を積みたいという思いがありました。長くコンサルティングの立場で働いてきたこともあり、事業会社、それもスタートアップならではのビジネスの動き方を自分の身で体感してみたいという思いが強くありました。
領域としては、これまでコンサルティングで携わってきた脱炭素・サステナビリティやスポーツビジネスの分野を中心にインターン先を探していました。そうした中で出会ったのが、今回ご紹介するスポーツテック分野のベンチャースタジオでのインターンでした。
現地インターンへのアクセス
LBS生が現地企業でのインターンにアクセスするルートは、大きく4つのパターンに分けられると思われます。
- Career Centre経由:正規採用型
学校のCareer Centreを窓口として、企業がMBA生を対象に募集する正規のインターンシップ。コンサルティングファーム、PE/VC、金融機関等が中心で、キャリアチェンジを本格的に目指す学生にとって主要なルート。一方で選考は非常に競争的で、特に現地就職を目指す日本人学生にとってはアクセス難度が高いケースも多い。 - Student Club経由:プロジェクト型 [今回はこちら]
アルムナイや企業とのネットワークを起点にクラブを経由して案件が紹介される。学期中でも柔軟に参画できる。特定業界・テーマへの関心を持つ学生にとって、実務経験を獲得しやすいルート。unpaid(無給)の案件も多い。 - 個人ネットワーク経由:ダイレクト型
教授、アルムナイ、同級生、LinkedIn等の個人的なネットワークを起点に、企業へ直接アプローチして案件を獲得するルート。公募されていない案件にもアクセスできる一方、機会の発掘から企業との交渉まで個人のネットワークに大きく依存する。 - 授業・学校プログラム経由:派生型
LondonCAP等の実践型授業や学校プログラムを通じて企業と接点を持ち、プロジェクト終了後に追加の業務や継続的な関与につながるルート。個別企業との継続案件に発展するケースは限定的。
目的(キャリアチェンジ、業界理解、実務スキルの獲得など)によって適したルートは異なりますが、複数を並行して模索する学生が多い印象です。
参考までに、案件にたどり着くまでの流れ(パターン2)もご紹介します。私はLBS Sports Business Clubに所属し、Junior ExCo(運営メンバー)を務めていました。そうした活動を通じてクラブのメンバーから今回のインターンシップの紹介を受け、まさに自分の関心領域と重なっていたことから応募を決めました。選考はCVの提出と2回のオンライン面談で、その後正式にインターンとして参加することになりました。
多くのin-termインターンはビザ要件※との兼ね合いもあり、週10〜15時間程度のコミットメントが目安とされています。この範囲であれば授業との両立は十分可能ですが、実働がきれいにその時間に収まらないこともあります。私自身は、「LondonCAP」とも時期が重なり、なかなか忙しい期間となりました。
※イギリスの学生ビザ要件では、学期中に週20時間までのインターンが可能です(2026年時点)。最新の情報は公式情報をご確認ください。
インターンでの取組内容
参加したのは、スポーツテック分野のベンチャースタジオ(LBSアルムナイが創業)での約3ヶ月間のインターンです。当初のミッションは、スポーツテクノロジー業界の包括的なランドスケープレポートの作成でした。学生4名とCEOでチームを組み、週2,3回のミーティングを設定し、日々スピード感を持って議論と作業を進めていました。市場規模や投資動向、AIによる構造変化などを独自の切り口で整理するリサーチに取り組んでいました。
ところが、です。
「君たちは卒業後嫌でもいろいろなレポートやパワーポイントを作成することになる。今ここで綺麗なレポートを作るより、実際にAIツールを駆使して短期間でプロダクトを立ち上げる経験をした方が、今後のキャリアにとって価値がある」
プロジェクトが2週間ほど進んだ頃のMTGでCEOが放ったこの一言で、プロジェクトは突如ゼロイチの事業創出へと大幅なスコープ変更が起きました。翌日にはメンバー各自のスタートアップ案のピッチコンペが組まれるという、スタートアップらしいスピード感です。そこからはテーマ選定と需要検証、AIツールを用いたプロトタイプ構築、ユーザーテストと改善、ピッチデック・事業計画・GTM戦略を含む最終パッケージの完成、という4フェーズで進めていきました。プロトタイプ構築では、Claude Code等を用いたデータベース構築からUI設計、コア機能の実装までを担当することになりました。また、ユーザーテストではチームメンバーのネットワークを活かし、ポルトガルの強豪クラブ「スポルティングCP」のスポンサーシップ担当者や、LBS卒業生が運営するフットボールチームの経営陣にヒアリングを重ね、プロダクトとビジネス戦略を磨き込みました。
学び:AIが変える、スタートアップのスピード感
もちろん、関心のあったスポーツテック領域の技術トレンドや投資動向、現場のクラブチームが抱えるリアルな課題を内側から知れたこと自体も大きな収穫でしたが、最大の学びは、AIがもたらす「スピードの次元の変化」を肌で感じられたことです。プログラミング経験がなくても、AIへの指示だけで、データベース構築からUI設計、コア機能実装までを数日で終えられる。アイデアと明確な要件さえあれば、誰でもプロダクトを形にできてしまうという事実は、スタートアップにおける意思決定と実行のスピード感を根本から変えていると実感しました。
終わりに
インターンシップは、こうしたスタートアップ特有のスピード感やAI活用の最前線を肌で感じられる貴重な機会でした。何より、こうした実務の経験は純粋に楽しく、MBA生活1年目のハイライトの一つになりました。2年目もいくつかインターンシップに応募しているところです。
キャリアセンター経由の正規ルートを待つだけでなく、関心のあるテーマがあれば関連するクラブにコミットしてインターン情報をチェックしたり、LinkedIn経由で直接アプローチしたりと、積極的に動いていくことで、機会は大きく広がります。受験を検討されている方には、こうした機会がLBSでの2年間にどのように広がっているかも、ぜひイメージしていただければと思います。

