Bridge between
Japan and London Business School

London Business School Japan Club London Business School
Japan Club

NYU 交換留学体験記(MBA Class of 2023)

交換留学・NYUを志望した背景

私が、NYUで交換留学を志望した理由は、ニューヨーク、並びに、アメリカでのネットワークを構築したかった為です。

私自身、MBAに来た理由自体が、2年間の間に、起業活動に取り組むことを目的としていた為、交換留学の志望理由も、起業関連にバイアスのかかった内容となっておりますが、その旨、ご理解頂けますと幸いです。

2年目の秋から、Finance関連のプロダクトの起業活動に取り組んでおり、当初の想定顧客の一部がアメリカ人であったことからも、アメリカ、更には、Financeの聖地のニューヨークでのネットワークを構築したいと考え、マンハッタンの中でも最も良い立地にキャンパスを構えるNYUで交換留学をすることにしました。加えて、Co-Founderがロンドンにいたことからも、1 Semester(4か月)全てをロンドンの外で過ごすことはしたくなかった為、2か月と4か月のFlexibleな交換留学プログラムを唯一提供するNYUにて、Half Semesterの2か月プログラムに参加致しました。

授業に関して

まず、授業に関してですが、NYUでは、(少なくとも2022年秋の時点では、)交換留学生は、NYUの学生が全て授業を取った後に、余ったスロットを受講するというものでした(恐らく他の学校も、基本的には自分達のFull-time Studentsを優先しているかと思います)。その為、多くの交換留学生は、必ずしも自分の取りたい授業を取ることが出来なかったと認識しております。そして私も例外ではなく、結果として、あまり興味のない授業を取る事となりました。ですので、授業に関しては、他の方の体験談を参考にして頂ければ幸いです。

一方で、授業のクラスの雰囲気に関してですが、左程、LBSとの違いを感じなかったというのが本音でございます。一点、気になった点としましては、LBSとは異なり、NYUはAttendanceを取らないことに加え、授業も全てRecordingされており、授業直後に全て共有されておりました(この点は、個人的には、LBSも見習うべきだと思います)。その為、実際に、大半のMBAの学生は、基本的にはキャリアチェンジの為にMBAに来ており、2年目は就職活動で忙しいことを踏まえると、その様な状況下では、授業への欠席者が散見されるのも仕方がないのかなという印象を受けました。但し、裏を返せば、授業への出席も、自身に裁量がある為、自身が本当にやりたいことに取り組めるという点では、良いのかもしれません。

留学先での学び・印象に残ったこと

下記の2点が、NYUでの交換留学を通じて、特に感じたメリットです。

  1. Entrepreneurial Ecosystem
  2. Supportiveな教授との出会い

1点目のEntrepreneurial Ecosystemに関してですが、まず、NYU自体、LBSとは異なり、UndergraduateからPhDの学生まで、幅広い学生が集まっております。その様な環境下で、NYUは、NYU Entrepreneurial Institute の運営するLeslie eLabという、NYU学生起業家の為のCo-working spaceをNYUのエリアで提供しております。そこでは、UndergraduateからPhDまで、幅広い年齢層のLike-mindedな人々に会えるだけでなく、日々、NYU卒のEntrepreneurや弁護士等の実務家を招き、イベントが開かれております。実際に、私も、日々、授業と仕事の合間に数多くのイベントに参加させて頂き、様々な実務上のアドバイスを頂くことができ、非常に有意義な時間を過ごすことが出来たと感じております。また、それらのイベントを通じて、Like-mindedな友人を見つけることが出来たことも、私のNYCでの生活、更には、今後の人生における、貴重な財産であると感じております。

また、NYUの外でも、マンハッタンという立地からも、昼夜、TechやEntrepreneurship含め、様々なネットワーキングイベントが開かれており、改めて、ネットワーキングをする場所としては、最高の場所であると感じました。

2点目のSupportiveな教授との出会いに関してですが、LBSの教授も同じですが、NYUの教授も、非常にFriendlyで、学生への支援を惜しまない文化があると感じました。実際に、私は、幸運なことに、MarketingやPricing関連の直接話を伺いたかった何人かのNYUの教授の方々と、授業の外で、数時間に渡り、ランチやカフェ等をご一緒させて頂き、貴重なアドバイスを頂くことが出来ました。それらの教授とは、今でも繋がっており、「今後も、是非、相談してきて欲しい」とまでおっしゃってくれました。また、一方で、もし、ビジネスが軌道に乗った際には、是非、彼らや、NYUの学生に経験を共有して欲しいとまで言って下さり、改めて、NYUには、Entrepreneurを支える環境があることを感じると同時に、交換留学生でありながら、心からNYUの一員でもあると感じさせて頂ける瞬間であったと感じております。

交換留学を経て気付いたLBSの魅力

個人的には、交換留学を通じて、改めてLBSに進学して良かったと感じました。その主な理由は、Diversityです。NYC、更には、アメリカ自体、Diverseな場所であると認識されているかと思います。但し、実際に、MBAの学生等を見てみると、様々な人種の方がいらっしゃいますが、大半はアメリカ国籍という方が多く、基本的に、価値観、過去の経験や考え方は、所謂、アメリカ人だなと感じることが多々ありました。私自身、MBA以前から、アメリカ人やアメリカの文化には、既に一定のExposureがあったことからも、良くも悪くもサプライズは無かったというのが率直な印象です。

*NYU学生との交流

一方で、LBSの学生の90%以上は、イギリス国籍以外です。また、イギリス、更には、ロンドンという場所は、第二次世界大戦以降、イギリスの旧植民地の国々を中心に、著しく移民を受け入れ始めていることから、所謂、私達の様な、Foreign-BornのFirst Generationの移民がより多くいる印象を受けます。その為、私個人としては、人種は違えど比較的同じ考えやバックグラウンドを持つ人が多く集まる場所よりも、アフリカや中東、南米等のForeign-Bornの方々が多く集まるロンドン・LBSの環境の方が、刺激が多く、文化的な学びが多いと強く感じます。また、私自身、今後もグローバルに活動していきたいと考えている点に加え、歴史や政治への関心が非常に強いことからも、LBSの様な真のDiversityを持つ環境が、改めて自分にフィットしていると確信しました。

また、今まで様々な海外の国々を見てきましたが、改めて、2022年時点での、アメリカの治安は良くないと感じました。特に、夜間は、場所にもよりますが、基本的に、ロンドンよりも遥かに治安は悪いかと思います。実際に、学校近辺やマンハッタンで銃撃等が起きると、親切に学校から適宜メールが届きます。

留意点(費用、手続き等)

NYUに交換留学する際に必要な、主な追加コストは下記の通りです。

・US Student Visa:$500位?でした

・保険:US-basedの保険会社の保険を購入しなければならず、2か月でも、4か月分程度払うこととなり、$2000弱でした(イギリスのNHSや日本で購入したプライベート保険を持っていたとしても、認められず、US-basedの保険会社の保険を購入することが、Student Visaでの入国条件となっております)

・授業で使用されるケース:基本的にHarvardのケースを用いますが、LBSでは、資料は授業料に含まれておりますが、NYUでは、クラスの都度、自身で購入しなければなりませんでした($10から$20程度)

2022年時点では、家賃を含む生活費に関しては、ロンドンの1.5倍から2倍程度でした。2か月から4か月の短期滞在ですと、周りの交換留学生は、基本的に、他の学生とのルームシェアでも、月$2000から$3000程度は払っておりました。NYU近辺、ミッドタウンより南のエリアでは、ルームシェアでも月$2000以下の短期滞在物件を見つけるのは非常に難しい印象を受けました。また、完全に私個人の問題ですが、3食全て外食をしていた為、その他コーヒーや25%のチップを含めると、毎日普通に生活するだけでも、一日辺り、最低$50程度は使用していたかと思います。

最後に

個人的には、NYUに2か月間交換留学をして、本当に良かったと思っており、是非、LBSに進学される皆様にも、交換留学をおススメしたいと思っております。特に、交換留学を通じて、ベンチマークを持つことができ、改めてLBS・ロンドンの良さを理解することが出来た点は、個人的には、非常に大きな収穫でした。

また、NYUの学生、その他の学校の交換留学生、更には、学外の方々とも交友関係を築くことができ、非常に楽しい日々を過ごせたと感じております。

(他の卒業生の方の交換留学体験記でも言及されておりますが、)一方で、交換留学をすることのデメリットも確りと理解する必要があるかと思われます。特に、私費であり、就職活動をしなければならない場合には、1年目の時点で、ある程度、2年目の自身の就活のスケジュール(Worst case scenarioも含め)を把握しておいた方が良いかと思います。

また、アメリカでは、永住権や国籍を持っていない限りは、アメリカでの就職は困難であるのが現状です。その為、アメリカでの交換留学は、将来的には、そのネットワークが役に立つ可能性はあると思いますが、MBA期間中の就活には役に立たない可能性が非常に高いかと思います。

私自身、現時点では、LBS入学以降、一度も就活をしていないので、個人の原体験に基づくものではないですが、改めて、周りの交換留学をしていたクラスメイトを見てみると、コンサルの社費の方々や、夏の時点でコンサルや大手企業から内定を既に貰っているという方々が多かった印象を受けます(2022年は、LBSの日本人の交換留学生は私だけでした)。

面接自体は、オンライン化が進んでいるとはいえど、業界等によっては、引き続き、オフラインのネットワーキングが大事な業界もあると伺っております。その為、自身が交換留学をしている間も、他の交換留学をしていないクラスメイトや、他の学校のMBAの学生が、ロンドン等にて、オフラインでの就活に邁進している点は、覚えておいた方が良いかと思われます。

また、ご参考までにですが、原則、交換留学をした際には、12月での短期卒業は出来ません。私の様に、2年目の秋に交換留学をした場合には、最短でも3月卒業となります。そして、1月以降に交換留学した場合には、通常の7月卒業となります。

繰り返しになりますが、所謂、コンサル等の大企業の就活も、2年目は忙しくなる一方で、バイサイドやStartupの就活を検討している人の中には、12月や3月で早期卒業をして、その直後からFull-timeでインターンを始めて、夏、遅くとも秋までには、正社員としてのOfferを獲得することを目標に、就活に取り組んでいらっしゃる方を多く見ます。

その為、交換留学をする際には、自身の就活のスケジュールを確りと把握した上で、検討されることをおススメします。


*NYUの校内様子
一覧画面へー戻る