MiF受験体験記No.2 / 官費 / 官庁
基本情報
出身業界:官庁
職種:経済政策の企画立案
職歴:5年
留学形態:官費
海外経験:旅行程度、社会人1・2年目は業務の1割程度で英語を利用
出願校:LBS, Imperial College, City
合格校:LBS, City
GMAT:690 (Math50, Verbal:32)
TOEFL:OA7.5 (R7.5, L8.5, S6.0, W7.0)
奨学金:無
LBSキャンパスビジット:無
Why MIF?
実を言うと、社会人3年目までは経済学への関心が強く、金融への関心はあまりありませんでした。しかしながら、渡航前の2年間にわたって金融機関の監督とコロナ禍に対応するための政策立案に従事するなかで、経済政策のツールとして金融の有効性・重要性を強く認識するとともに、(自分も含め)政府内における金融に関する理解不足に危機感を覚えるようになり、まずは自分の知見を深めたいと思うに至りました。また、今後の行政官としてのキャリア形成という観点を抜きにしても、金融という制度自体への興味も強くなっていたため、今回社費留学の制度を活用して、一から勉強していくことを決意しました。
Why LBS?
自分の大学院選びにおけるポイントとして、①実務への応用を意識したコース設計であること、②組織のマネジメントなど、金融以外のことも学ぶ余地のあるカリキュラムであることと、という2点を重視していました。①については、行政官として業務に従事するなかで、学術的に学んだことを実務で活用することの難しさを日々痛感していたこともあり、理論の習得に留まらず実務への応用を学ばないのであれば、そもそも勉強する意味がないと思っていました。②に関しては、キャリアを積む中で組織運営に携わることも増えていくことが想定されるなかで、(専攻する気にはならないものの)マネジメントに関する知見も得られれば、よりこの留学の機会を有意義にできると考えていました。
上記の観点で大学院を比較検討した結果、LBS・MiFが必然的に第一志望となっていました。社費留学という立場上、行き先を必ず見付けなければいけないので、上記2点に比較的沿うような他の金融修士のコースも出願しましたが、LBSに合格することを第一に考えて対策を進めていきました。なお、CambridgeもPost-experienceの金融修士コースを提供していて魅力的ではありましたが、(1)LBSの方がより学生の平均年齢が高くmatureな環境である、(2)ロンドンという都市が個人的に魅力的だった、という2点から、そもそも出願を行いませんでした。
受験スケジュール
2020 | |
10月 | 社内選考にてスコアを提出する必要があるため、IELTSを初めて受験(OA6.5)。出願のためには点数を上げる必要があるのは分かりつつも、新しい業務に悪戦苦闘していたこともあり、なかなか勉強に手が回らず。 |
12月 | 社内選考に申し込むにあたり、英国内の金融修士のコースを比較検討していくなかでMiFの存在を知り、カリキュラムの内容や職場の卒業生からの評判も踏まえ、第一志望に設定。 |
2021 | |
1-7月 | 業務が多忙を極めていたこともあり、隙間時間の英語学習以外の準備を行えない状況に陥る。肝心のIELTSのスコアも全く上がらず、かなり焦り始める。 |
8月 | 業務が落ち着き、各志望校の出願要件やスケジュールの整理をようやく行うも、各校の要件に「GMAT」という語を見付け、この時期になってはじめてGMAT受験の必要性を認識して絶望する。一方で、お盆に受けたIELTSで運よくOA7.0を取れたこともあり、「Oxbridge以外からは、英語を理由に落とされることはなさそう」と精神的に少し落ち着く。下旬からはCVの作成を開始するとともに、GMATの学習を手探りで開始。 |
9月 初頭 | GMATを初受験(スコアは600点強)。Verbalが想像以上にできず、対策を強化する必要性を痛感。CV・エッセイ等を全部2ヶ月程度で仕上げて 、Round.2で出願するという無謀なスケジュールを早くも断念し、GMAT対策・CV作成を初秋に集中的に行い、10月下旬からエッセイなどに取り組むことを決める。 |
9月 下旬 | GMAT2回目を受けるも、前回よりスコアが落ちて(500点台)かなりへこむ。一方、これまで漫然と学習をしていたことを反省し、1.単語力を強化する、2.(Verbalに関して)出題傾向に沿って体系的に対策する、という2点を意識することとした。GMAT対策に苦戦する合間にCVの初稿を作成 |
10月 | 単語集・参考書(後述)との相性がよく、Prepの結果は上下を繰り返しつつも、学習が軌道に乗るようになる。下旬に3回目を受験し690点を取ったため、700点以上を取ることへの未練を少し感じつつも、MiF出願には十分と考えGMAT対策を終了。エッセイ・推薦状の文案作成に移行するとともに、アドミニが開催するイベントへの参加、CVレビューへの申込など、(効果があったのかは分からないが)アドミニへの売り込みもちょこちょこ行うようになる。 |
11月 | 職場のMiF卒業生などにCV・エッセイを見てもらうなど、出願書類の完成に注力。最初はひどい出来だったエッセイも、的確なフィードバックを大量にもらえたことで完成度も上がってきたため、エッセイの内容との一貫性・ストーリーも意識しながら、推薦者との間で推薦状の内容を詰めていく。 |
12月 | 併願校も含めて年内の出願完了を目標としていたため、LBS用のエッセイを各併願校用に加工しつつ、LBS用のエッセイ・推薦状の仕上げも行う。LBSの出願フォームの記載事項の多さ(長文の自由記述欄が多く、記入に相応の時間が掛かる)に悶絶しつつも、中旬~下旬に各校への出願を完了。年忘れIELTSチャレンジをクリスマスに実施したところ、GMAT対策・エッセイ作成により単語力や文章力が鍛えられたからかOA7.5を取れたので、出願校に連絡してスコアアップデートを行う。 |
2022 | |
1-2月 | 年初にLBSより書類通過の連絡を貰うとともに、中旬にはCityから合格の連絡をもらい、行き先が確保できたことに安堵する。一方で、再び業務が多忙を極めた結果、面接準備に全く時間を割けないまま2月を迎え、Imperial Collegeのビデオ面接で撃沈する。LBSのオンライン面接も、会社に泊った日にそのまま受けることとなり、面接官(ドイツで金融監督を行っている方)をドン引きさせてしまうが、自分の志望動機・業務内容に対して熱心に耳を傾けてくださったこともあり、拙い英語ながらもきちんと自分をPRできたのではないかと手応えを感じる。2月下旬にLBSより合格連絡を受けたため、Cityに辞退の連絡を入れて受験を終了。 |
受験対策(予備校、カウンセラー、エッセイ、他)
予備校・カウンセラー
上述の通り、出願準備を開始したタイミングが非常に遅くなり、そもそもカウンセラー・予備校という選択肢を選べない状況となってしまっていたため、手探りでの対策を行う羽目になり、「これで間に合うのか」「エッセイなどの出願書類はどこまでクオリティに拘る必要があるのか」「面接対策はどうすればいいのか」といった不安を抱えながらの準備となってしまいました。幸運にも、同期・先輩・カウンターパートにそれぞれMiF在校生・卒業生がいて助力を仰ぐことができたうえ、出願準備に理解のある素晴らしい上司に巡りあえたこともあり何とか出願を完遂できましたが、大いに反省の残るプロセスとなりました。いま出願を考えていらっしゃる方のなかにも、出願と業務の両立に悩んでいる方が多いのではないかと思いますが、せめて出願要件の整理・スケジュール作りだけでも早めに行っておくと、「何から始めていいのか分からない」といった漠然とした不安感を取り除くことができていいのではないかと思っています。
エッセイ
「エッセイなどの出願書類の作成において絶対の正解は存在しないし、自分の考えを素直に書くのがまずは大事」と思っていたこともあり、自分の金融を学ぶことへのモチベーションやLBSについて魅力を感じている点などについて、論理的かつ素直に書くことを意識しました。一方で、
・日本人が自然に感じる論理展開と外国人が自然に感じる論理展開は異なるので論理構成に関するコメントをなるべくもらうようにする
・LBSが重視する価値観に沿うようにするという観点から、金融に関することだけでなくリーダーシップに関する記載もきちんと入れる
ということは留意するようにしていました。また、LBSのアドミニブログの内容はこまめにチェックし、どのような点を求めているか把握するように努めていました。
GMAT
対策開始1カ月程度は公式問題集を漫然と行っていましたが、2回目の失敗を経て、AGOS中山先生の「GMAT®重要単熟語」を何周もすることで単語力強化を行うとともに、Verbalの問題対策としてマンハッタン社の書籍を購入して、設問パターン別に体系的に対策を行うようになりました。元来、単に問題数をこなすような学習法よりも、内容を体系的に整理するような学習法が性に合うタイプだったこともあり、マンハッタン社の書籍による対策は非常に効果的だったので、同タイプの方には同社の書籍をお勧めできるかなと思っております。
受験生へのメッセージ
プログラムが開始して3か月弱が経ちますが、(今まで体系的に金融を学んだことがないこともありますが)授業内容はとても興味深いものが多く、matureかつ様々な職務経験を有しているクラスメートの人柄・知見に日々感銘を受けており、コースに対する満足度は非常に高いです。また、都心にあるにも拘わらずキャンパス周辺は緑豊かで環境もよく、日頃の授業やクラブ活動を通して交友関係も広がりやすいため、かなり充実した学生生活を過ごすことができているなと感じています。
1年制のMBAや他の金融修士との間で迷っている方も多いかと思いますが、LBS Japanのサイトを通じてLBS・MiFについて前向きにご検討頂ければとても嬉しく思いますし、お悩みのこと・聞いてみたいことなどあれば、お気軽にご連絡頂ければ幸いです。
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