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Brand ManagementとFinancial Engineeringを受講しての感想

こんにちは、MBA2021に在籍しているSです。LBSで受講したElective(選択科目)が非常に良かったので感想をシェアしたいと思います。今回受講したのはBrand ManagementとFinancial Engineering & Risk Managementです。

1. Brand Management

3月末のBlock Week(1週間に10回の授業を集中的に実施)で受講しました。担当教授はSimona Bottiというイタリア人の気さくな女性で、非常に熱意をもって授業をされる人気のある教授です。
LBS websiteより(https://www.london.edu/faculty-and-research/faculty-profiles/b/botti-s)

 Brand ManagementではBrandとは何か、Brandをどのように理解・分析し、どのように改善していくか(Brand revitalization)をフレームワークとケースを通じて学んでいきます。私がBrand Managementを受講した理由の1つ目は、製品の性能で差別化するのがより困難になってきているビジネス環境でBrandの理解が必要であると考えたこと。2つ目はCoreでのMarketingを受講してMarketingの分野への興味が強くなったことです。

 個人的には以下の2つの理由でBrand Managementに非常に満足しています。1つ目はBrandを理解するフレームワークを理解出来たことです。10回の授業で様々なケースを通じて1つのフレームワークを学ぶため、フレームワークを詳細に理解出来ますし、様々な実例に対してどの様に適用するのかを実用的に理解出来ます。1つのフレームワークというと学ぶ内容が限定的と思われるかもしれませんが、様々な観点からの分析を含んでおり、時間をかけて学ぶ価値のある内容だと思います。

 2つ目の理由は豊富なゲストスピーカーです。Burberryのケースを授業で扱った後に実際にBurberryでBrandを担当している方がゲストスピーカーとして授業で話をしてくれます。Simonaはゲストスピーカーとも入念に打合せしている様子で、ゲストスピーカーの話は毎回授業の内容やポイントに沿った話をした上で、実務上の話をしてくれます。ゲストスピーカーは他にAston Martin(高級車)、Passionbrand(ブティックコンサルティング)、Brand Finance(ブランド価値の算定)、Johnson & Johnson、Coca Colaの方々でした。

 最後はグループでBrand Audit Reportを提出して終了です。インタビューやアンケートも実施するので負担は大きいですが、学びを再確認できるので非常に勉強になります。ちなみに私はSuperdryというブランド(下記)について分析しました。日本には進出していませんが(名前も変だしビールとも被るし)、欧米や日本以外のアジアの国ではそこそこ知られているファッションブランドです。ロンドンに来られたら一度は目にすると思います。

参照:https://www.superdry.com/
(注:日本からはアクセスできない可能性があります)

 マーケティングのバックグラウンドの有無に関わらず、多くの学生が高く評価していました。またMBAだけでなくExecutiveプログラムの方も履修されており、他の学生からも多くを学んだ授業でした。おススメです。

2. Financial Engineering & Risk Management (FERM)

 この授業はSuleyman Basakという変人と名高い教授による授業です。Goldman Sachsの債券部門で働いていたとのこと。また、Financial Engineeringの分野に多大な貢献をした日本の数学者、伊藤清を尊敬して止まず、伊藤の定理が授業に登場するたびに「ハイ!」と寄声を挙げます(日本人好きな様子)。でも教授は熱心で、本当に素晴らしい授業を提供してくれます。
LBS websiteより: https://www.london.edu/faculty-and-research/faculty-profiles/b/basak-s

 FERMは5 Weeks(週に2コマを5週間、他には上記のBlock Weekと通常の10 Weeksがあります)という形態で提供されており、実質4月の約1ヶ月でこの授業を履修しました。なおFERMはMBAだけでなく、MiF(Masters in Finance)とMiM(Masters in Management)の方々も受講していました。受講した理由は3つで、1つ目は単純なFinance分野への興味、2つ目は証券会社から来ている友人からの口コミ、3つ目は電力価格等、別の分野への応用が出来る部分があると考えたからです。

 内容は様々なオプションの価値を数式を用いて表現し、そこから読み取れるリスクを分析するという内容です。非常に難解な数学の部分が厳密性は担保しつつもわかりやすく解説され、理論と実務が見事に関連付けて説明されます。

 FERMの履修をお勧めするのはファイナンスバックグラウンドのある方、又はファイナンスバックグラウンドは無いがファイナンスと数学が好きな方です。私は工学部出身で学部時代に教養科目の数学は履修していましたが、それよりも難しい内容でしたので、数学が苦手だと厳しいと思います。私を含めて数学がそれなりに好きな人が受講していた印象ですが、多くの人が苦労していたようです(念のために捕捉するとFERMは数学的にマニアックな科目ですが、他のほとんどのFinance系科目では高度な数学は使いません)。LBSが誇るファイナンス分野の素晴らしい授業の1つだと思いますのでこの分野に興味のある方は是非チャレンジされることをお勧めします。

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