受験体験記No.11 / 社費 / 証券

MBA2022

基本情報

  • 出身業界:証券
  • 職種:投資銀行
  • 職歴:5年
  • 留学形態:社費
  • 海外経験・英語使用頻度:業務で日常的な読み書き程度
  • 合格校:LBS, Booth, Stern, UCLA
  • GMAT:710
  • TOEFL:106
  • 奨学金:無
  • LBSキャンパスビジット:有(2nd出願後)

 

Why MBA

2014年12月某外資系IBD面接

面接官「What do you think will the new election of Iranian leader affect the US diplomacy in Middle East Asia?」

わたし「…(え?イランのハメナイ導師が外交に与える影響?そもそも導師って英語で何?)」

わたし「…(そもそも何で日本人に日本語でも説明難しいこと英語で聞くん?)」

わたし「Well, ahh, Master Khamenai will ~(導師=スターウォーズのマスター・ヨーダ的なアレやろ?と考えながら)」

面接官「ま、ま、ますたーはめない(爆笑)」

面接官「あ、いいやもう。説明要らない。こっちの質問はもう無いけど、何か質問とかある?」

わたし「…」

かくして私はその外資系投資銀行にお祈りをくらい、目出度く面接官の彼は私の「いつか○す」リスト入りしました。

お祈り後直ぐに彼のFacebookを見つけ、学歴欄にあるMBAスクールをFinancial Timesのランキングで確認し、必ずいつか上位の学校に進んでやると心に決めました(中途で同じ会社に入社したって、余程が無い限り在職中に彼より上には行けないですからね)。

 

2015年4月某日系IBD入社式

同期「この会社MBA留学できるし、俺最短でMBA行くわ」

わたし「そうなんよ。ボクも行きたい」

同期「あれ?(私の名前)って英語できるっけ?MBAって英語ペラじゃないと厳しいよ?TOEICとか先に頑張ったほうがいいんじゃないかな?笑」

わたし「…」

かくして同期の彼も私の「いつか○す」リスト入りしました。

※弁護すると、彼は率直なだけで、普段は大変好感が持てる男です。今でもしばしば麻雀卓を囲みますが、オーラスで満貫直撃から順位捲くって不機嫌にさせない限り、とても楽しい男です。

 

そんな訳で、2014年のお祈り事件から、ぼんやりと頭の片隅にMBA受験を考えながら過ごしておりました。

当然受験の際はバラ色なこと(後述)をエッセイとインタビューに散りばめましたが、最も原始的な動機づけは以下のとおりです。

① 高校1年生のころ、リーマン・ショックでド田舎の高校生が初めて(ガソリンスタンド的な名前の)世界を牛耳る大企業を知る

② 調べると、彼らはレバレッジを極限まで活用し世界を動かし、莫大な報酬を得ているらしい

③ 20代早々に大金を手にしたウォール街の若者は、更なるキャリアアップ(平均年俸7,000万円の先が有るのか!という驚き)としてMBAに行き、多くはPEへと進むらしい

④ どうやら日本ではPEは然程多く無いらしい(当時の認識、これは誤解です)

⑤ それならボクも取り敢えず外資系IBD行ってMBA行くか!

⑥ (時は飛んで2014年、前述のとおり)祈られる

⑦ 今から外資系IBD行っても後塵を拝するだけやし、MBA行ったろ!

 

書いていて何とも稚拙で嘆かわしい限りですが、虚飾をお話しても仕方がないので、原体験をお伝えすると、世界への憧れと惰弱な矜持がMBAへの第一歩だったことは紛れもない事実です。

 

真面目なお話をすると、IBDで業務を進める中で、自分の中で「本当にこれは自分がやりたかったことか」という疑念が強まったため、一旦ゼロベースで考え直したところ、今の業務を継続したり、仮に転職を考えても、自分が本来目指すキャリアへの転向は(社内の事情も含め)難しい(※ここが大事)と判断し、MBAを志願しました。

 

先述したバラ色な志望動機とは、具体的にはFintechに強く興味が有り、欧米に比較して十年近い遅れをとる日本のFintech発展に貢献したい、という考えです。

もちろん、これは嘘では有りません。

熱い思いを語るにはこの余白は小さすぎるので割愛しますが、Fintechへの転向、プロジェクトを率いる身(私は別にプログラマになろうとは考えていません)を見据えると、一介のジュニアバンカーに過ぎない身からFintechのプロジェクトリーダーとして社内異動、転職を考えるのは、現実と理想との間に余りに開きが有り過ぎました。

その点、MBAでマネジメント、ストラテジーの考え方を体系的に身につけるとともに、金融分野の広範な知識(自身の専門分野には一定の自信が有りますが、少し畑が違うと理解が浅いと痛感していました)を習熟することで、Fintechマネージャーの基礎部分を形成、キャリアチェンジを図りたい、というのが最終的な志望動機になりました。

 

Why LBS

結論、MBAでFintech分野の知見を深めるならロンドンが最適だと信じているからです。

欧州で2000年代初頭にFintechが興隆した当初から各企業が集結し、そのコミュニティは世界随一の活発さです。

米国西海岸が「IT DrivenのFintech」、NYが「巨大銀行とのコラボを目指したFintech」だというイメージを個人的に持っていましたので、Issue DrivenでFintechが活発なロンドンに惹かれた部分も有ります。

もちろん、これは個人の見解ですし、西海岸でもNYでもFintechは大いに盛り上がっています。

 

LBSはExperimental Learningの機会が豊富です。

入学してまだ半年に満たない私から見ても、座学だけでなく、実務から学ぶ姿勢を重視しています。

GBE、London CAPはあまりに有名ですが、それ以外にも毎日有名起業家たちがコーヒーチャット、スピーカーセッションに協力してくれるため、教科書に載るのはあと10年後であろう実務の集積をMBAに居ながらリアルタイムで学ぶことが出来ます。

特にFintechだけでなくスタートアップは失敗が99%ですので、彼らのサバイバル経験から学ぶことは非常に多いと感じます。

折角貴重な20代の2年を費やすのですから、最高の学習環境に身を置きたいと思い、LBSを志望しました。

 

受験スケジュール及び準備

これはあまりに参考にならないので、簡単にご説明します。

理由は後述します。 

  • 2019年2月 社費選考合格
  • 2019年4月 TOEFL目標スコア達成
  • 2019年10月 米国1校出願
  • 2019年11月 GMAT目標スコア達成
  • 201912月 米国1校不合格通知
  • 2020年1月 LBSおよび米国4校出願、月末に1週間で各校弾丸ビジット
  • 2020年2月 LBSおよび米国3校インタビュー招待
  • 2020年3月 各校面接
  • 2020年4~5月 2ndラウンド出願校全校合格
  • 2020年6月 LBS進学決定

 私の場合、TOEFLに3ヶ月、GMATに7ヶ月を費やしました。

エッセイは1校目が一番重く、次第に書きやすくなるので、具体的にどの程度時間を要するかにコメントすることはできません。

私の場合、LBSのエッセイ執筆は1ヶ月程度を要した記憶が有ります。

人生経験が豊富な方でないので、エッセイ執筆ではストーリーを捻り出すのに苦労しました。

 

使用教材、予備校、カウンセラー

こちらも殆ど参考にならないので、簡単にご説明します。

  • TOEFL:公式問題集
  • GMAT:公式問題集、Androidアプリ(GMAT Clubとそんな名前の)、予備校教材(Y.E.S.)
  • カウンセラー:Adam Markus

 TOEFLは沢山書籍が発売されていますので、お好きなものを使って大丈夫だと思います。

大いに研究された問題集が有りますし、どれに取り組んでも効果は有りそうです。

GMATはTOEFLほど信頼のおける問題集が無いので、過去問を丁寧に解きました。

英語力に自信の無い私には予備校も必須だったと思います(受講後に大きく点数が上がりました)。

 

カウンセラーはAdamに依頼し、エッセイ、インタビュー対策で手厚いサポートをいただきました。

個人的な見解ですが、(人生経験が豊富で他にない強みが有るor帰国子女で日本語と同程度に英語が堪能な方を除き)カウンセラー選びが合格の9割近い要因だと感じました。

Adamは辛辣なコメントが多いと言われますが、別に遊び仲間を求めているわけではないので、プロフェッショナルに徹した彼のスタイルは私には非常に合いました。

豊富な合格実績に基づくシャープなアドバイスが多く、私は他の受験生の噂や自分の弱い心には一切惑わされず、迷ったときはAdamのアドバイスに素直に従いました。

ちなみに、契約の決め手は深夜対応(25時から面談など)が可能なことでした。

社費選考後もIBDで働きながら準備していましたので、深夜対応とクイックな反応・添削には最後まで助けられました。

この場を借りて改めて御礼申し上げるとともに、このカウンセラー選びだけは、自信を持ってAdam Markusを他の受験生にも推薦したいと思っています。

※後述しますが、Adamが万人に最適と申し上げるつもりは有りません。

 

入学後に感じたこと

イギリスの食事は美味しくないと言われますが、余程の美食家でない限り全く問題ないと思います。

費用が嵩むので(日本が安すぎるだけ)、意外と料理をするようになりました。

フードデリバリーも充実していますので、世界中の料理を手軽に楽しめるのは想定外の楽しみでした。

各国の生徒から自国の料理の話を聞くのも面白いですし、その出身の生徒とその国のレストランに行くと、歴史的・文化的な食材・調理方法の由来を聞くことができ、一層楽しめるでしょう。

 

真面目な話をすると、入学前に想定していなかったことは多いです。

① COVID-19と学習環境について

これは私が進学を決めるうえで米国某校とLBSで最も迷った部分でした。

当時はBLM運動と相まって米国は大都市でも暴動が頻発し、医療体制等の不安もありLBSを最終的に選びました。

しかし、米国校でもLBSでも、新型肺炎の世界的流行がマイナスに作用することは避けられませんでした。

具体的に私がやりたかったことで大きく影響を受けたのは、在学中のインターンです。

Fintechカルチャーを最大限体感すべく、在学中のインターンを画策していますが、大半の企業が在宅勤務にシフトしているため、募集も在宅形式が多いです。

個人的に在宅インターンはメリットが薄まると感じているので、今後応募する中でも障害になると感じています。

一方、思わぬプラスの影響も有ります。

その最たる例は、スピーカーセッションなど著名人とLBSの交流がより容易になり促進されたことです。

既往は大半のセッションが学校に来る形だったため、そのアレンジには手間と時間がかかり、依頼を受ける側も簡単には受けることが難しかったと聞きます。

今では世界的にZoomでのイベントが一般化した(従前はあくまで「オンラインも可」程度だった)こともあり、ロンドンのキャンパスに行く手間もなく、その時間だけZoom用に予定を空けていればOK、ということになりました。

これで依頼を受ける側も格段に対応しやすくなりましたし、聴講する側もスケジュールの調整が簡単になりました。

ほぼ毎日こうしたセッションが有ることで、自分が興味を持った分野について一流の実務家から話を聴講する機会が容易なことは、大いにMBA生活を充実させています。

また、米国含め他校のセッションにもご厚意で参加させていただく機会も有り、COVID-19の感染拡大に伴う社会イベントのデジタル化の恩恵は計り知れないものだと感じています。

 

② Diversityがもたらす学びの深み

受験生時代の私がこのタイトルを見たら「ふーん」で終わりだったと思います。

LBSはDiversityを強調していますが、私は出願時一切その点に触れずにエッセイを書きました。

しかし、これは在校生になってみないと分からない、と入学して痛感しました。

建前でなく文字どおり世界中から学生が集まりますので、行動様式や考え方は本当に大きく違います。

グループワークも多いですが、そうした違いの中でどうすれば上手く進行するか、毎回些細なことでも沢山の学びが有ります。

そもそも、日本では(たとえ外資系といえど)一定の文化的フレームワークが提供された中で働く訳で、無意識のうちにアジャストされた考え・行動が協働を容易にしているのですが、これはDiversityの徹底された中で行動してみないとそれに気付かないと思います。

一方、本当に「リーダー」になりたいのであれば、多種多様な考えが有ることを実体験として認識し、各人を最大限尊重した意思決定があらゆるプロセスで発生するので、MBAでこうした徹底的なDiversityの中で行動を考える経験ができるのは、LBSの明確な財産だと思います。

もちろんそこから得る学びは各人に依りますので(余計な先入観を排すため)具体的な事例は控えますが、もしジェネラルマネジメントに着意が少しでも有るのであれば、この体験は大いに進学を決定する要因になり得ると自信を持って言えます。

 

受験生へのメッセージ

まず、MBAへの進学を例え一瞬といえどもご検討され、そしてLBS在校生のホームページをご覧いただいたこと、MBAコミュニティの末端ではございますが、御礼申し上げます。

そして、MBA受験を一年以内に控えている皆様におかれましては、今後多大な困難が待ち受けていることと推察しますが、拙筆が僅かながらでもヒントになればと思いつつ、エールをお送りしたいと思います。

私は人生経験、英語の習熟度の両面で非常に苦労をしましたので、その困難は拝察して余りあるものがあります。

しかし、MBA在校生、卒業生でMBAへの進学を後悔したと語る人を寡聞にして存じませんので、その毎秒の苦痛は必ずや大きな学びに繋がるものと確信しております。

 

Why MBA、Why LBS、受験Prepの全てにおいて、私は一貫して「他人の体験談は全く宛にならない」ものだと感じています。

人生経験や語学力、境遇、MBA後のキャリア観の全てが異なる受験生が集まる中で、その再現性には常に疑問が耐えないからです。

受験体験記の中で語るには身も蓋も無い話ですが、私が何を使ってGMAT対策をし、何をエッセイに書き、何をインタビューで喋り、何をもってアドミッションから合格を許可されたかは、皆様のMBA受験に直接的にトレース出来る要素は一つも無いとお考えください。

もちろん予備校の先生方は素晴らしい分析のもと問題を解説してくださり、カウンセラーは真摯に皆様の体験を掘り起こし、最善のエッセイ・インタビュー対策を提供してくださります。

しかし、予備校に通えばGMATで700点を越える保証はなく、有名カウンセラーを起用すれば必ずロータリー財団の奨学金を得られる訳では有りません。

TOEFL/IELTS、GMAT/GREはどちらが良い?カウンセラーは誰がベスト?なぜこの学校に受かった/落ちた?と聞かれることが多数有りますが、個々人のバックグラウンド、語学力、学校の方針etcに影響される部分が非常に大きく、残念ながらその答えは「分からない」しか有り得ないので、聞くだけ/考えるだけ時間の無駄です。

特に、合格体験記は有名校に合格した人の体験のみが語られる場で、不合格体験記とも言うべき、失敗した事例はその他に大量に有ること、そしてそれは表に殆ど出ていないことは念頭におく必要が有ると感じます。

そのため、憚りながら、もし他人の体験談の受け売りを熟慮することなくMBA受験を進まれているのであれば、今一度時間を取って、改めてお考え直しいただくことをご進講申し上げます。

もちろん、過去の素晴らしいMBA生の体験を聴講するのは(受験準備に限らず)大変意味のあることだと思いますし、私もコミュニケーション担当として受験生の皆様に最大限そういった機会をご提供させていただく所存ですが、皆様が意思決定をされるのはご自身であることを常に心に留めていただくことで、最良の意思決定、受験準備が出来るものと存じます。

より多くの日本人/日本に縁の有る海外の方にこの日本人ウェブサイトをご覧いただき、それを通じてLBS乃至MBAに興味を持っていただければ、それ以上の幸せはございません。

末筆ではございますが、受験生の皆様のご健闘をお祈り申し上げます。