受験体験記No.8 / 社費 / 商社

MBA2022

基本情報

  • 出身業界:総合商社
  • 職種:営業
  • 職歴:7年
  • 留学形態:社費
  • 海外経験:短期留学、1ヵ月~半年の長期出張を複数回
  • 英語使用頻度:業務で毎日使用
  • 合格校:LBS, Cambridge, IESE, HEC Paris
  • GRE:325 (V157, M168)
  • IELTS:7.5 (R8.5, L7.5, S7.0, W6.0)
  • 奨学金:無
  • LBSキャンパスビジット:有

 

Why MBA

【現状への危機感】

総合商社にて様々な業務を担当させて頂き、仕事はとても楽しく充実していましたが、社会人経験が長くなるにつれ自身のラーニングカーブが鈍化している事に徐々に焦燥感を感じ、「Change or Die」の危機感を感じていました。

又、新規の投資案件を構想した際に、柔軟な発想で新しい事業を構想する能力や、構想した事業を収益性を伴った案件として組成する能力(含ハードスキル)が足りない事を痛感し、小手先の勉強等ではなく、環境も変えて大きく自己変革する必要性を感じました。こうした中、複数の選択肢を比較検討し、投資・事業経営業務に必要なスキルの網羅的なインプット、そして新たな刺激を得て自身の構想力の殻を破る修行場として、今の自分にはMBAが最適だと思い受験を決めました。

【MBAに対する初期衝動】

そして、そうした思いと共に根底に強くあったのは、MBAに対する純粋な初期衝動です。私は大学生の時にMBAの存在を知った時や、社内のMBAホルダーの方々のお話を伺った時から、MBAに対して漠然とした、一方で強い憧れを抱いていました。社会人になってから仕事は常に楽しかったものの、この思いは心のどこかに常にありました。これは一度MBAを志してしまったものがかかる「MBA病」だと私は思っており、考えた結果この病に対する処方箋は実際に行く事だけであり、行かないと人生において長期的に確実に後悔すると考えました。そして、最後は自身のこうした感情を信じて、突き進む事に決めました。

 

Why LBS

MBAに対する憧れとは別に、自身がMBAに求める要素を、上記の問題意識や総合商社における業務に落とし込んで考えました。具体的には、①事業構想→②投資案件化→③実行・経営、という事業を作る3フェーズそれぞれにおいて自身に不足している力を考え、③実行・経営は自身が様々な業務にて鍛えてきたもの、そしてどのビジネススクールでも共通して学べる経営学の普遍的要素と考え、以下の通り①事業構想と②投資案件化の観点で志望校を絞りました。

①事業構想 (欧州のトップスクールである事)

7年間の業務を通じ、中国/東南アジア/中東/米国/欧州等、様々な国・地域の業務を担当させて頂きました。その中で新たな国での経験や異なる業務経験を積むたびに自身の視野が広がる事を感じており、Diversityからの学びに対し非常にポジティブな考えを持っております。こうした経験から、MBAにおいても様々なバッググラウンド・経験を持つ同級生からの多角的なインプットが自身の視野を広げ、柔軟な事業構想力、発想力に繋がると考え、米国校との比較で職務経験豊富かつ圧倒的な多様性を持つ欧州校を志望しました。

②投資案件化 (Financeに強い学校である事)

投資案件化、案件検討に際する自身のハードスキル不足を感じたことから、コーポレートファイナンスを基礎から発展的内容まで確りと学べるファイナンスに強いスクールを志望しました。又、ファイナンススキルは机上の学びだけでは風化すると考えたことから、こうした知識を実際に応用して血肉と出来る、つまりパートタイムインターンを行えるプログラムのFlexibilityや都市としてのJob Opportunityを重視しました。

これらに加え、欧州市場における業務経験があった事から、欧州の人々の人生を楽しもうとする考え方・ライフスタイルが好きで、そこに一度どっぷり浸かってみたいという思いがありました。また、特にサラリーマンである以上は、自身の生活する場所の選択権(特に海外)を持つのは難しい中で、MBA受験は能動的に住む場所を選択出来る稀有な機会だと考えた事から、人生で一度住みたかったロンドンを選んだという理由もあります。

トップクラスのDiversityを誇り、Financeスクールとしても名高く、かつ各自の志向に合わせてカスタマイズ可能な柔軟なプログラムを持つLBSは、自身にとって上記すべての条件を満たす唯一無二のDream Schoolでした。

 

受験スケジュール及び準備

【受験スケジュール】

ざっくりと以下の通りです。

  • 2018年8月:IELTSの勉強を開始
  • 2019年3月:IELTSスコアメイク終了 / 社内選考応募
  • 2019年6月:社内選考合格
  • 2019年7月:カウンセラー契約(Ed氏)、CV作成
  • 2019年7-12月:スコアメイク、各校の説明会・セミナー参加、Essayドラフト作成 、推薦状の依頼等を同時並行に行う。
  • 2019年12月:GREスコアメイク終了、Essay完成
  • 2020年1月: LBS/IESE/HEC Paris(2nd Round)出願、Cambridge(3rd Round)出願、IESE / HEC Paris インタビュー@東京、この間ひたすらインタビュー対策
  • 2020年2月:IESE Assessment Day参加@バルセロナ、HEC Paris合格発表、Cambridgeインタビュー@ケンブリッジ、LBS Video Essay提出
  • 2020年3月:LBSインタビュー@東京、IESE / Cambridge合格発表、LBS合格発表、受験終了

 

【受験対策全般】

受験に当たっては、受験を一つの長期プロジェクトと考え、MBA受験におけるKSFと自身の現状の立ち位置の整理から始め、まず全体感を掴む事に努めました。そこで、様々な書籍を読んだり先輩方の話を聞き、全体感としてMBA受験の合否を決める要素は以下に分類出来ると考えました。

a. バックグラウンド/CV (※忘れがちだが極めて重要)

b. テストスコア(※テスト選択も重要な観点)

c. エッセイ/推薦状

d. インタビュー

これら要素がある中、各個人によってスタート地点や業務経験は異なり、また、スクールにより各項目に対する評価の比重が異なると思われる為、志望校及び自身の現状の立ち位置次第で、取るべき戦略が浮かび上がってくると考えます。私の第一志望校であったLBSの場合は、

a. バッググラウンド/CVは傾向として社費や大企業有利(この定説はMBA2022では崩れてきてはいますが)

b. テストスコアはGMAT/GREで700以上あればそれ以上は大きな差別化要因にはならない

c. エッセイ/推薦状はそこまで内容が重くない(ドラマチックなストーリーは求められずWhy LBSを中心としたロジック重視で淡々と書けば良い)

d. インタビューは長丁場であり独特のケース面接もあるなど重要

と考え、かついわゆる日本育ちの「純ドメ」である自身のバックグラウンドを鑑み、b)スコアメイクと d)インタビュー準備にリソースを注ぐ受験戦略を取りました(例えば、エッセイはあまり時間をかけずさっと書き上げ、残りの時間はひたすらインタビュー準備やスコアの向上に努めました)。

又、全般に言える事ですが、MBA受験は各トップスクールに対し世界中からApplyがありますが、他国の受験生を同じ間尺で比較する事は難しく、又Diversityの観点からも各スクール国ごとの大まかな人数枠を設けている傾向がある為、基本的には多くのスクールは日本人が競合であると考えられます。よって、その競合プールの中で如何に抜きん出るかを考えるのが受験戦略の基本であると考え、それを常に意識していました。

 

使用教材、予備校、カウンセラー

上記各項目に基づき、自身が行った対策について特に良かった点を中心に記述させて頂きます。

(受験対策に正解は無いと思いますし各個人によりけりと思いますので、あくまで一例として参考程度に見て頂ければと思います。) 

 

a. バックグラウンド/CV

生い立ち(海外経験)、業界、私費/社費などの要素を指します。一般的には卒業後の雇用が安定しており、かつ社内選考という受験前段階からのSelectionが存在する社費生の方がAdmission Officeにとっての優先順位は高い(他条件が全て同じならばという有り得ない仮定ではありますが)と言われており、又総合商社での業務は、海外経験・規模の大きさ(社会へのインパクト)等のMBA受験における加点要素を持った性質の業務が多く、見栄えの良いCVが書きやすい事から、こうした点はアドバンテージととらえました。一方で、私は日本育ちで特段ユニークな経歴ではなかった、そしてバックグラウンドそのものは変えようがない為、カウンセラーと議論しながら魅力的かつ一貫性のある内容になる様工夫しCV作成を行いました。具体的には、大学時代及び会社に入ってからの豊富な海外経験にフォーカスし、日本育ちでありながら如何に様々な海外経験を積み重ねていったか、そのステップアップが分かるように記載しました。

 

b. テストスコア

MBA受験における山場の一つで、まず留意すべきなのは、日本人のMBA受験生の学力は東大・早慶レベルがデフォルトであり、さらに多くが帰国子女など高い英語力を有しているという厳然たる事実だと思います。そうした競合プールの中での高得点の争いだという事を理解し、慢心を捨て戦略的に取り組むべきであると思います。

テスト選択

私は当初より欧州校を志望していた為、英語試験は英国式であるIELTSを受験しました。学力試験はGMATも受験しましたが最終的にはGREにフォーカスしスコアメイクを行いました。GMAT/GREは人により得意不得意の傾向が異なりますが、GREは暗記式の問題があったり問題間の移動(見直し)が出来るなど、日本の大学受験の問題様式に近い為、私のような非帰国子女かつ日本の大学受験経験者には一般的に向いている試験であると思います。同様のバックグラウンドの方は、GMATの基礎を勉強しある程度のスコアが取れる状態になった上で、本番はGREも検討してみる事をお勧めします。一点注意ですが、GREとGMATは似ているものの飽くまで別の試験なので、GMATの基礎がある人でもGREで高得点(GMAT換算700以上)を取る為にはそれなりの対策時間が必要です。よって、「見極めの時期」が極めて大事だと考えており、GREの方が高得点が見込めそうな場合は、早めにリソースを振り向ける事も大事かと思います。 

IELTS対策

様々な問題集を独学で解きましたが、日本語の参考書よりも英語の公式問題集(Cambridge Englishが出版しているもの)が一番実際の試験のレベルに近く、これを過去のもの含め何度もやりこむことが近道だと感じました。その上である程度実力がついたら(具体的にはRとLが8.0程度の実力で安定したら)、後は運要素もあるだろうと思ったので、複数回纏めて試験を予約して連続受験し、スロットの目が揃うのを待つ戦略を取りました。

GRE対策

<Verbal>

GMAT用の単語集(Agos中山氏のもの)を一通り覚えた上で、ManhattanのFlash CardをEssentialとAdvanced合わせて1,000語暗記、その上で問題演習で出会った新しい単語を単語暗記アプリ(Anki)に入れて通勤時間等で覚えました。ここまでやってもまだ分からない単語に出会いますが、これ以上の単語学習は費用対効果が低いと考え、後は日々単語のメンテナンスをして忘れないようにしました。又、AffinityのVerbal講座を受け主にRCを中心に勉強しましたが、独学では得られない解法アプローチを学ぶ事が出来、非常に有意義でした。

<Quantitative>

GMAT用ですがマスアカの教材で基礎を確認したうえで、オンライン教材のMagooshを全問解きました。GREのQuantitativeは一見簡単に見えて引っ掛けが多い上に、満点近い点数の取得が必要なので、特に文系出身者は油断せずに徹底的に対策した方が良いかと思います。

英語試験及び学力試験どちらにもいえる事ですが、日本育ちの純ドメが陥りがちな罠(日本の大学受験の弊害)として、GMATでいうSCのような、解法テクニックが存在し勉強の費用対効果が高そうな科目に注力してしまい、本質的な英語力が伸びず得点が伸び悩むケースが周囲にも非常に多かったですし、私自身も当初この罠に陥り苦労しました。GMATもGREも肝は英文の速読及び正確な読解力(つまりRC)にあると思いますし、私と似たようなバックグラウンドの方は日々の地道な読解や単語トレーニングを怠らない事をお勧め致します。(逆に帰国子女など英語力のベースがある方は、こうした受験テクニックの効用が高いと思われるので、塾を活用されると良いのではないかと感じました。)

 

c. エッセイ/推薦状

カウンセラーにEd氏を起用し、内容につき過去の経歴を元にゼロベースからDiscussionを行いエッセイを作りこんでいきました。カウンセラー選択ですが、

  • LBSへ留学された会社の先輩方が多く起用されていた事
  • 面談してみて人柄が信頼できそうだった事
  • カウンセラーはあくまで2nd OpinionでありOwnershipは自分にある(カウンセラーをどう使うかは結局自分次第)と考えていた事

から他と比較せずにすぐに契約を決めました。特に、カウンセラーに頼りがちな日本人ですが、最後の「Ownershipは自分にある」という部分は、忘れてはいけないと思います。

尚、推薦状は受験時の上司及びその前の上司(いずれも私の業務内容を一番よく理解してくれている直属の上司)にお願いしました。

 

d. インタビュー

MBA受験最後の難関ですが、スコアのようにどこまで対策すればよいかの正解がなく、出願(エッセイ提出)までで燃え切り対策を怠る人も多いので、最も個人差がつきやすい部分と感じます。スコアが高く良いエッセイを書けていてもインタビューで失敗すると落ち、一方でインタビューは想定Q&Aの作成、デリバリーの仕方の練習など事前対策がしやすく、極めてトレイナブルな項目の為、最後まで惜しみなく対策を講じるべき(特に英語能力が劣る純ドメは全力を注ぐべき)と私は思います。

インタビュー内容

LBSのインタビューは以下二つから構成されています。

  • Video Essay(動画を再生すると、事前に通知された質問+ランダムで与えられる質問の二つが再生されるので、それらにその場で回答して録音を送付)
  • アルムナイとのインタビュー(主に日本人アルムナイと1.5 - 2時間程のインタビュー。15分ほどの即興ケースプレゼンを含む。)

行った対策

まず、主要カウンセラーのインタビューレッスンは1時間3万円程度のコストであり割高です。これらカウンセラーは各校の過去の面接内容にも精通しているプロであり質も高いと思われますが、私の場合は

  • 純ドメとして兎に角英語インタビュー練習の数をこなして、場慣れしたり受け答えの精度を上げる事が最重要
  • 受験校の過去の質問集はEd氏から入手可能で、それらに対する回答は自分で作成可能

という理由から、想定問答集を作成した上で、費用の安いインタビューコーチを軸に毎日Prepを行う方法で対策を行いました。想定問答集は各学校に共通するGeneralな質問をトピック毎(時事問題、生い立ちや家族、大学、業務、リーダーシップ、強み弱み、キャリアビジョン等)に整理し、スクール毎の個別質問を加えて作成し、インタビュー練習をしながら適宜回答をブラッシュアップしていきました。(最終的には150問程の想定問答集となりました。)

インタビュー練習はNish氏をメインにMatthew氏、Ed氏等で計40回ほど行いましたが、特にNish氏は元々TOEFLやIELTSのスピーキング対策の講師であるもののMBA受験生の顧客も多く、1時間約5000円の価格ながら質の高いフィードバックをくれるのでとても良かったです。(単価3万円の主要MBAカウンセラーのレッスンを一回受けるよりも、Nish氏のレッスンを6回受けた方が確実に練習になると私は感じました。) 

その他、LBSの即興ケースプレゼン対策などはEd氏の個別セミナーを受講しました。ここで出会った受験仲間はその後多くが同期となったり近い学校に進学するので、人脈を広げる意味で参加して良かったと感じています。

 

入学後に感じたこと

【自律性を求められる環境】

どうしようもない外部環境(COVID-19)等も勿論ありますが、そうした中でも出来る事やすべき事を考え、実際にアクションを起こしていく事の重要性を実感している毎日です。LBSは良くも悪くも自由な学校ですので、こうした自律的思考や行動の重要性がより増してくるものと思いますが、自律性を持ってアクションを積み重ねていける人にとっては、リソースもそろっており最高の環境だと思います。自分もその事を常に念頭に置き、日々思考を整理しながら試行錯誤でアクションを積み重ねております。

【講義の質】

授業に関してはまだ一部のコア科目しか受講しておりませんので評価が難しいですが、StrategyやLeadershipなどはハッキリ言って内容が薄く感じてしまう事もあります(これは科目のGeneralな特性故かもしれませんが)。 逆にFinanceやAccounting等は体系立っており問題演習も多く、教授も良いので満足度は高いです。授業の選択に関しては、1年目の秋から翌年の科目の選択が始まり、早くもFlexibilityを感じております。LBSの本領は広範かつ専門的なElective科目であると先輩方が皆仰るので、Electiveに期待をしつつ基礎固めをする毎日です。

【LBSの代名詞、Diversity】

そして、よく言われるLBSのDiversityは本当に素晴らしいです。Majorityが存在しない世界に初めて来た感覚があります。人生で今後ここまで多様な集団と日々を共にすることはもう無いかもしれないので、世界各国から集まってきた友人たちから思い切り学びたいですし、こちらもGiveしていく精神を忘れないようにしたいと思っています。

 

受験生へのメッセージ

【受験経験自体が貴重な財産】

MBA受験は今までの人生やキャリアを見直し、将来成し遂げたい事やその為にどんな能力が足りないか、色々な方の話を聞きながら、また自ら時間をかけて深く考える稀有な機会であると思います。また受験は精神的につらいものであるが故に、人間的に成長するとても良い修行の機会となると思います。目の前のスコアメイクやエッセイ執筆をこなす事だけに捕らわれず、長期的な視野で貴重な経験をしていると思って前向きに取り組んで頂ければと思います。

【同志の皆様へ】

MBAを目指す理由は千差万別と思いますし、それがGeneralな学位であるMBAの良い所であると思いますが、「MBA病」にかかってしまった皆さんは皆同志であると私は思っております。

私はLBSを志望して入った身ですし、ここはLBSの日本人サイトですが、他のスクール志望であろうと、私費・社費などのカテゴリーやバックグラウンドが違おうと関係なく、この時代に海外MBAを志す皆さんは仲間であると勝手ながら思っております。

受験には困難も多いと思いますが、そんな仲間の皆さんがご自身のドリームスクール合格を勝ち取られることを心から応援しております。

頑張ってください!!!

 

PS① : 息抜きにこの受験体験記を読んで下さった皆様へ

引用元:「鬼滅の刃」14巻 (C) 吾峠呼世晴 / 集英社

 

PS② :

もしかしたらこれを見られているかもしれない受験でお世話になった方々へ、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。本当に有難うございました。そして、これからも何卒宜しくお願い致します。(土下座の呼吸×100)