受験体験記No.11 / 社費 /総合商社

MBA2021

1.基本情報

  1. 職歴: 商社(海外営業、投資管理、経営企画、事業開発 計7年)
  2. 留学形態:社費
  3. 英語・海外経験:英語圏への長期出張、通常業務でも利用
  4. 受験校:Round1:LBS, Stanford MSx
  5. 合格校(Waitlist除く):LBS
  6. GMATスコア: 680 (V31、M50)
  7. TOEFLスコア:106 (R28, L29, S23, W26)
  8. 奨学金:無
  9. LBSへのキャンパスビジットへの有無:無 (合格後にWelcomeセッションへ参加)

2. Why MBA?

<海外留学への憧れ>
所謂「純ジャパ」として商社に入社。海外事業に携わり、苦労する中、留学経験のある他の同僚の“海外慣れ感”に漠然とした憧れを持って居た。斯かる状況の中、海外で活躍する近しい先輩が、実は元々は海外経験が全く無く、努力してMBAを取得して居たという事実を知り、MBA取得を志し始めた。

<体系的知識の獲得>
キャリア初期に於いて、ビジネススクールの教材を用いた管理会計の研修を受け、その手法が実際の投資管理業務に於いて応用出来た体験から、経営学の勉強に興味を抱くようになる。その後、借り入れ条件の交渉など、折に触れて必要な知識を学習して行くものの、何処まで行っても場当たり的で非効率であると感じて居た。より体系的に経営学を学び度、という思いが強くなっていった。

<価値観・ネットワーク>
その後、エネルギー関連の新規事業開発を行う中で、社会情勢の急激な変化や技術革新等により、従来のエネルギー業界の枠組みの中では完結し得ない複雑なビジネスの難しさを痛感していった。重厚長大で複雑なエネルギー事業をより良き方向に変革していく為には、自らが経験のない領域に対しても深い洞察・優良なネットワークを持ち、常に価値観を問い直していく事が必要なのではないか、と強く考える様になった。
価値観の変革の重要性を感じた象徴的な出来事としては、クリーンテクノロジーに特化したM&Aアドバイザリーとの打ち合わせに於いて、自らが化石燃料のビジネスに之まで関与して来たという自己紹介をした際に“Oh, you are the enemy of clean society. Get out of my office!”(勿論、冗談めかして)という言葉を掛けられた事があった。化石燃料とは謂え社会を支えるエネルギー産業に従事する事に幾ばくかの誇りを感じて居たが、それが如何に狭い視野に基づいたものであったのか、思い知らされた。
また、実際に新規技術とビジネスの境界領域でお会いするビジネスパーソンにはMBAの学位を保有して居る方も多く、MBAに於いて学術的な知識の獲得と同等か、それ以上に多様な経験・価値観を有する学友と切磋琢磨し度、という思いが強くなった。
働き盛りに実務を離れる事に対する葛藤もあったが、上記の様な価値観の多様性に触れるのは早い方が良いとの考えから、MBA留学する事を決意した。

3. Why LBS?

社費留学に於ける制限に依って受験可能だったのは、1年制/LBS 15か月卒業/エグゼクティブMBAのみ。一方、大学側はエグゼクティブMBAへの受験資格として「8年以上の勤務経験」を課す事が多く、7年しか勤務経験のない私は選択出来るプログラムが少なかった、という特殊な事情がある為、多くの受験生の参考にならない可能性が高い事をご了承頂きたい。

<ESG投資の中心地>
エネルギー事業に関与する人間として昨今のESG投資機運の急激な高まり、その中心地である欧州のビジネススクールで学ぶ事に大きな魅力を感じた。実際にLBSの教授陣はESG投資に関する公的機関へのアドバイザリーを行う等、非常に重要な役割を担って居る。

<都市部の立地>
ロンドンの中心地に立地して居る為、企業との直接交流が盛んである事に魅力を感じた。LBSでは学生中心に運営されるClub活動が充実して居る。Club主催の講演会や企業訪問が非常に頻繁に開催されて居り、志望動機にあった様々な知見や価値観に触れる機会が多い。都市部の立地の為に、学期中にもパートタイムでインターンシップを行う事が可能である点にも魅力を感じる。
King’s College London、London School of Economics、Imperial College London、University College Londonなどの他大学との距離が近い。更に少し足を延ばせば、University of OxfordやUniversity of Cambridge等の大学にもアクセス出来る。実際に、エネルギー関係やテック関連のイベント、自主的な勉強会等に積極的に参加する事で、此れ等の大学関係者との交流も広がり、想像以上のネットワークの広がりを感じて居る。
生活面では、教育や医療の観点からロンドンは非常に充実して居る。又、日本食スーパーやレストランの充実、博物館や演劇等の文化的な面の豊富さは、帯同する家族の幸福度を上げる重要な要素であると感じた。日本人駐在員家族が多く住む地域も多く、初めて海外生活をする家族にとっても安心感がある。

<多様性>
多様なバックグランド(職種・国籍)を持つ学生が集まる点に魅力を感じた。更に出張中に参加した在米卒業生との対話会でもバランスの取れた国際感覚を持つ卒業生が多く、自身とのカルチャーフィットを強く感じた。
英語話者に対しては、少なくとも一つの他言語授業の履修が義務付けられて居る点や、GBEと呼ばれる一週間程度の外国研修を必修として居る点等、学校としても多様性への理解を重視して居る。交換留学にも力を入れて居り、18か月以上の卒業プランであれば2-4カ月程度の交換留学も可能である。

<キャリアセンターの充実>
LBSのキャリアセンターのサービスは非常に充実して居る。キャリアコーチングや、インターンに向けての模擬面接などが無料で受けられる。更に、業界で活躍し、業界に顔が効く人物をキャリアリードと呼ばれるポジションに置き、学生への直接のアドバイスを行う制度もある。特に私費留学生は、次の職を見つける上で、その恩恵に浴して居る様子。

4. 受験スケジュール及び準備

可能な限りスコアメイクは早期に完了させ、エッセイやインタビューの練習に時間を割き度、と目標を始めに立てた。当初難航する事が懸念されたTOEFL Speakingのスコアメイクは、英語圏への長期出張が決まり、早期に完了出来て幸運であった。逆に反省点としては、学校が夏季休暇に入る前のより早いタイミングでキャンパス訪問を行った方が、より在校生との交流ができた点である。

スケジュール:
2017年
12月  社内選考合格

2018年
2月  英語圏への長期出張開始
3月 TOEFL 94点
3月  TOEFL 98点
4月  TOEFL106点 提出スコア
5月  GMAT 680点 提出スコア(※)
8月  在米Alumni交流会に参加
9月  アプリケーション提出
9月  長期出張から帰任
10月  書類選考 合格通知
10月  書類選考合格者向けの来日中Deanとの朝食会
10月  インタビュー
11月  合格通知

※目標して居た700点は越えなかったが、業務が多忙を極めた中でGMATのスコアメイクに費やす時間とエッセイの充実に費やす時間を天秤にかけ、又、学部・修士GPAも悪くない状態であった為、コンサルとも相談の上、680点でスコアメイク終了とした。

5. 使用教材、予備校、カウンセラー

TOEFL:

  • 学習方針:語学の習得に於いては学習習慣の定着が特に必要と考えた。業務上、会食が多く、夜は学習効果が低かった為、可能な限り早朝での学習習慣確立に努めた。海外への長期出張中は、日本人向けの予備校へのアクセスが無かった為、ウェブサービスを中心に活用。結果的に、ウェブサービスは自分の時間に合わせて早朝に学習する事が出来、効率的であった。
  • Reading/Listening:得意な自然科学系のテーマと、不得意な人文系のテーマとの間で点数のバラツキがあった。単語力の充実が重要と痛感、単語アプリを使って隙間時間で語彙力を強化した。単語アプリのメリットとして発音を聞ける事があった為、自分自身でも復唱しながら覚えた。更に馴染みのない単語は語源を確認し、イメージと共に記憶の定着に努めた。結果的に、語彙力の強化に応じて点数が安定したと感じる。
  • Speaking:TOEFL特有の設問への回答に付いては、Web TOEFLの回答パターンを活用。
    自分の回答をスマホに録音し、聞き返す事で苦手な箇所も確認する事が出来た。
  • Writing:当初は絶望的に感じて居たが、Web TOEFLの学習方法が非常に効果的であった。まずは解説・補助付きでも自分自身で高得点回答を制作する事を体験し、徐々に解説・補助なしで書ける様に繰り返し練習していくというステップ。経験豊かな採点者によって添削される為、実力の向上も実感できた。高得点回答と、自身の回答との間にあった絶望的なギャップを、到達不可能ではない程度の道のりと感じさせてくれた。もしWritingの点数に伸び悩んで居る受験生が居れば、強くお勧めし度。その他に英語でのタイピング練習により入力できる単語数も増えて、その点も点数の伸びに寄与したものと思料する。 

GMAT:

  • Verbal: Official GuideとManhattan Prepで、練習回数を熟す事に注力。特にMPのウェブ上の模試は非常に有益。CAT独特の得点の推移も確認し、なぜ自分の点数が上がらないかが可視化できた。私の場合は、前半に時間を掛けすぎてしまい、後半で急いだ回答になり、結果最後で点数が急落するという点数の軌跡が模試上で認識できた。その結果、「難しい問題を解ける様になろう」という学習方針から、「(自分の目標点数を取る上で正解の必要がない)難しい問題を適切に切り捨て、時間内に完了させる様にしよう」という学習方針へ転換した。
  • Quantitative:理系バックグランドがあった為、点数は初期から安定して居た。但し、数学特有の単語や言い回し、OGやMPで確認する事に留めた

Interview:
なぜMBA?、なぜその学校か?、等の定型質問に付いては表現の仕方を含めた事前の発話練習が有効であった。然し、所謂behavioral Questionと呼ばれるタイプの質問に付いては、様々な変化球があり得る為、周到な準備を行った。複数のエピソードを自分なりに深堀して置き、様々な角度で回答できる様に準備を進めた。模擬面接を繰り返すよりも、想定質問に対してどの様に回答するかの議論を深める事に力点を置いた。

私がLBSを受験した年はWebベースの録画式のインタビューと、Alumniとの直接面談の二つがあった。録画式のインタビューに付いては、用意されて居るウェブ上の練習画面で繰り返し練習した。自分のしゃべり方の癖や時間感覚を確認した。Alumniインタビューに付いては、面接官は事前に深く書類を読み込んで居り、鋭い質問が多かった。想定外の質問にも考えを事前に深堀しておいたお陰で、慌てずに落ち着いて答える事が出来た。特徴の一つである即興プレゼンは、経験のない業界の成長戦略に関するケース問題であった、自身の前提知識が乏しい事もあった為、自らは問題の前提や用語をどの様に解釈したかを丁寧に共有した上で、回答を述べる様に注意した。

コンサルタントはEd Lee氏を起用。時差のある場所に長期出張して居た為、メールベースでの添削相談を受けた。

6. 入学後に感じたこと

入学前は国籍の多様性が意見の多様性を生むのではないかと無意識に想定して居たが、実際に入学後は、個々人が経験して来た事がその人の想いや性格の多様性を構成して居る事を感じた。この国の人はこんな人だろう、というバイアスがあった事に改めて気が付かされた。一方、世界中のニュースを目にする時に、その舞台となっている国出身の同級生を思い浮かべる事が多くなり、世界をより近く感じる様になった。

LBSには日本人や日本にルーツを持つ学友がMBAのみならず他のプログラムにも多く所属して居る。今後も日本やアジアを中心にビジネスを行い度と考えて居る私にとって大きな財産となる事と確信して居る。

LBSは時間の使い方に於いてかなりの裁量が与えられる。コンペに応募する人や、クラブ活動に力を注ぐ人、家族との時間を大切にする人、等様々である。自分の遣りたい事を実験してみる好機であると共に、気を抜いたら無為に時間が経過してしまう恐怖もある。悩んだら取り敢えず顔を出してみる、遣ってみるという自主的・積極的な姿勢が求められる学校でもあると感じた。

7. 受験生へのメッセージ

これからビジネススクール受験に挑戦される方には、体力面・精神面で相当な負荷がかかる場面があると思います。特に皆さんにお伝えしたいのは、コンディション維持の重要性です。私の場合は、モチベーションを保つ為にキャンパスビジットや合格者の記事を読む事は有効でしたし、メンタルタフネスを保つ上でも定期的な運動も有効でした。夫々に適したコンディション維持の方法があるはずなので、適切に手法を選び取りながら長期戦の受験に臨んでください!

色々な情報がネット上に溢れて居ますが、ビジネススクールを経験された人の話を直接聴くのが一番良いと思います。私の経験上、ビジネススクールの在校生・卒業生は世話好きの人が多いですので、遠慮なく話を聴きに行く事をお勧めします。このLBS Japan Clubのサイトからもキャンパスビジットやウェブミーティングの依頼が出来ますので、ぜひご活用ください。