受験体験記No.7 / 社費 / 弁護士
基本情報
・出身業界:弁護士
・職種:企業法務(特に事業再生・倒産)
・職歴:4年半
・留学形態:社費
・海外経験:事務所のシンガポールオフィスでの3ヶ月の執務経験のみ
・出願校:LBS、Cambridge、Oxford
・合格校:LBS、Cambridge、Oxford
・GRE:322(Math 166, Verbal 156)
・IELTS:8.0 (R8.5, L8.0, S8.0, W7.0)
・奨学金:無
・LBSキャンパスビジット:無
Why MBA
これまで留学経験がなかったので、いつかは留学したいという希望を持っていました。私の事務所には留学制度があり、多くの先輩・同僚がLL.Mという1年制の法学修士のコースに進み卒業後にニューヨーク州の弁護士資格を取得するという途を歩んでおり、私も入学前年(2020年)の3月頃までは米国のロースクールに出願するつもりでいました。
ただ、以前から漠然とビジネススクールにも興味を持っており、留学経験のある先輩にも相談し、色々と悩んだ挙句、下記のようなことを考えて、ビジネススクールへの出願を決めました。
まず、私の専門としている事業再生・倒産の分野では、金融機関やPEファンドなどファイナンス畑の方々がカウンターパーティーになることが多く、また事案の性質上、会計士の方々と協働することも多くなるため、ファイナンスや会計の知識が必要になる場面が出てきます。弁護士はあくまで法律の専門家としての役割を期待されているので、ファイナンス・会計に精通していることまでは求められませんが、基礎的なファイナンス・会計の知識はこういったプロフェッショナルと議論する際の共通言語になるため、きちんと勉強したいと思っていました。
また、外国の法律事務所とチームで仕事をした際、多様なバックグラウンドを持つメンバーとしっかりと議論ができる能力の重要性を痛感したため、ディスカッションやグループワークの機会が多いビジネススクールに魅力を感じました。
ロースクールに留学し専門性を極めるという途も魅力的で、ロースクール・ビジネススクールどちらにするかは最後まで悩みましたが、司法試験の勉強と弁護士としての職務経験で長い間法律に関わってきましたので、異なるバックグラウンドの人と新しい分野の勉強をすることは、今後どういうキャリアを進むとしてもとても有意義なものになると考え、最終的にビジネススクールへの出願を決めました。
WHY LBS
同時期に留学をする妻とも相談の上、イギリスの学校に絞って出願することに決め、LBS、Cambridge Judge、Oxford Saïdの3つに出願をしました。
法律の世界ではCambridgeとOxfordのネームバリューは絶大なのでこの2校はかなり魅力的でしたが、最終的には以下の理由から、第一志望であったLBSへの進学を決めました。
事業再生関連の授業
ビジネススクールでは幅広く色々なことを学びたいと思っていますが、自分の専門である事業再生について法律以外の切り口からも勉強してみたいと思っていました。LBSには事業再生(Restructuring/Turnaround)に関連する授業が豊富にあり、またTurnaround Management and Restructuring Clubという事業再生に特化したStudent Clubがあり、専門知識の深化という点では特に魅力的でした。
2年制であること
私にとっては初めての海外留学なので、1年という短期間では慣れてきたタイミングで留学が終わってしまい消化不良になってしまうのではないかという不安がありました。また、特にSoft skillや英語力は一朝一夕で身に付くものではないため、できるだけ長い期間留学したいと考え、1年制のCambridge, OxfordではなくLBSを第一志望にしました。
受験スケジュール及び準備
当初はロースクールへの出願を予定していたためTOEFLの勉強はしていましたが、GMAT/GREは無対策でしたので、3月にMBA出願を決めて慌ててGMAT/GREの対策を始めました。
20年3月:MBAへの出願を決め、GMAT/GREの準備を開始。ただ、何から始めて良いか全くわからなかったので、マスアカをなんとなく眺めただけ。
20年7月:江戸義塾のオンラインセミナーに参加し、カウンセリングも併せて受講。スコアメイクを含めて自分の準備がかなり遅れていることを認識。GMATはこの時期に対策を始めたのでは間に合わない可能性が高いと考え、GREで行くことに。また、イギリスに絞って出願するため、TOEFLではなくIELTSを選択。IELTSを受験したところ、Overall 7.5を取得できたので、とりあえず当面はGREに専念することに。
20年9月:業務の多忙を言い訳にGREの対策が遅々として進んでいなかったので、気合を入れるためにもとりあえず1度目を受験(317点)。
20年11月:GREで322点取得(出願スコア。Verbal 156, Math 166)。十分なスコアではないものの、時間がないので、エッセーの準備に着手。
20年12月:年末年始の休暇を使って一気にエッセーを書き上げる。
20年1月:年始にLBS、Cambridge、Oxfordの3校の出願が終わり、少し余裕ができたので、IELTSを再度受験したところ、Overall 8.0が出たので、スコアのアップデートを申請。
20年2月:Cambridge、Oxfordのインタビュー。 最初にCambridgeから合格通知。
20年3月:LBSのインタビュー実施。Oxford、LBSから合格通知。LBSのオファーを受諾し、無事受験終了。
使用教材、予備校、カウンセラー
IETLS
以前からロースクールの出願のためにTOEFLの練習をしていたので、TOEFLと形式の異なるSpeakingと、点数の出にくいWritingの練習を意識して行いました。
SpeakingはSkima Talkというオンライン英会話のサービスを使って実際の試験形式に沿って何度か練習をしました。IELTSは、機械に向かって話すTOEFLとは異なり、実際に人と話す形式なので、私にとってはかなり受けやすかったです。TOEFLのSpeakingの形式に苦しんでいる方は是非IELTSの受験もご検討ください。
Writing対策としては、AffinityのJessica KingのWriting/Speaking対策講座を受講しました。かなり少人数のコースで具体的なアドバイスももらえて満足度は高かったです。
GRE
短期間でいかに最低限のスコアを取るかが鍵でした。過去の合格体験記を読んだところ、GMATにはかなり時間をかけている人が多かったのに対して、GREは短期集中で済ませている人が何人かいたので、GREに絞ることにしました。GMATとGREどちらが良いのかは人によるので正解はないと思いますが、時間もなかったので入り口の段階でGRE一つに絞って対策をしたのは良かったかと思います。
Verbal:AffinityのVerbalのコースを受講しましたが、短い時間でポイントを押さえた講義だったので時間がなかった私には大変助かりました。ただ、よく言われているようにGREのVerbalは単語が鬼門で、単語がわからないとどうにもならない面があるため、自分で根気強く単語を覚える必要があると思います。単語をひたすら覚えるのは辛かったですが、やるべきことは単純明快だったのでメンタル的には楽でした。なお、GREのVerbalを勉強した後にIELTSを受けたところ、GREで覚えた単語が何度も出てきたので、両者には親和性があると思います。
Math: MathはMagooshの練習問題を解くことをメインに進めていました。ただ、本番では若干形式が異なる問題も出たので、まずは公式の問題集を1番に対策した方が良いと感じました。
もっとも、Magooshの問題すらも解き終わらず、公式問題集もやっていない問題があったなど、GREのMathはもっと時間をかけてしっかり対策するべきだったと反省しました。
エッセー
エッセーは短期間で集中して書けばなんとかなるだろうと甘く考えていましたが、当然そんな甘いものではありませんでした。。各校とも多くの小問を課してくるため、それに自分の言葉でしっかり回答することは予想以上に大変で、年明けのラウンドでの提出に向けて、年末年始の休暇返上で朝から晩までエッセーと格闘する羽目になりました(スコアメイクよりもこの経験が1番辛かったです。)。
また、LBSはエッセー提出後、インタビュー前に、ビデオエッセーの提出を求められます。TOEFLのスピーキングのようなもので、その場で質問が表示され、1分程度で回答するというものですが、想定質問をいくつか用意し、それに対する回答を繰り返し練習しました。これは後のインタビュー対策のベースにもなりました。
インタビュー
色々なサイトにMBAのインタビューでよく聞かれる質問集が落ちているので、それを拾ってきて、自分なりの短い回答案を作りました。あとは千本ノックのつもりで、オンライン英会話の先生も含め、色んな方に練習台になってもらい、インタビューの練習をひたすら重ねました。
カウンセラー
江戸義塾(Ed Lee):多くの合格者を出してきただけあって、こちらの質問にいつも端的で的確な回答をくれます。耳が痛いこともしっかり言ってくれますし、セッションの最後は必ずポジティブな言葉で励ましてくれるので、とても信頼していました。
Jesse:オンラインベースのカウンセラーで、Top MBA Consultantsという名前のサービスで活動をしています。他のカウンセラーと比べて価格設定がリーズナブルなので、エッセー準備の際はかなりの時間をかけてJesseとbrain stormingを行いました。こちらの話をじっくり聞いた上で、引っかかった点などをコメントしてくれるタイプなので、時間はかかりますが、インタビューの良い練習にもなりました。何より人柄が素晴らしく、留学準備の悩みにもよくのってもらっていました笑。
Nish:インタビューの練習をお願いしました。リーズナブルな価格で、かなり具体的なアドバイスをくれるので、インタビュー対策にはおすすめです。ただし、インタビュー直前期は予約が埋まってしまうことがあるので、早めに予約をすることをお勧めします。
受験生へのメッセージ
忙しい仕事を離れて、2年間海外の地で好きなことを勉強できるというのは本当に贅沢で素晴らしいものです。仕事をしながらの留学準備は本当に大変だと思いますが、皆様是非頑張ってください!
私自身も出願前には多くの在校生の方に相談にのっていただきましたので、私に力になれることがあれば是非お気軽にご連絡ください。
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