MBA2019(日本人)の夏の過ごし方

気が付けばもう6月。早くもロンドンに来てから約1年が経ったこととなります。現在二年生であるMBA2018の一部の学生は既に卒業し(厳密には卒業式は7月ですが)、現在一年生の我々MBA2019も今週末の期末試験を潜り抜けると、ほぼMBA一年目が終了することになります。筆者も明日が最後の試験で、その後一部授業の課題はあるものの、明日で実質的に終了です。あ~、時間が経つのはなんと早いことか・・・。試験勉強をしなくて良いのか?という素朴な疑問はさておき、今回は非常に簡単ではありますが、MBA2019(日本人)の夏の過ごし方を皆さんに簡単にご紹介したいと思います。

 

そもそも夏の過ごし方は人それぞれで、大別すると以下となるようです(重複あり):

①    インターン

②    出身企業の現地法人・支社等に勤務

③    起業準備

④    LBS主催のEntrepreneurship Summer Schoolに参加

⑤    企業との短期プロジェクト

⑥    教授と共同研究

⑦    過去一年間の授業を総復習

⑧    旅行、等

 

インターンについてですが、営利企業で実施する人が大半ですが、NPOや国際開発金融機関でのインターンを予定している人もいます。営利企業の業種としては、戦略コンサル、投資銀行、PE/VC、Tech、Startupなどです。大半の人は夏から開始しますが、一部学生については、学期中から既に開始しており、そのまま夏も継続、という事例もあります。地域も日本に帰国する人のみならず、イギリスやケニアなど、幅広い地域でのインターンを予定しているようです。日本人以外を見渡しても、コンサル、投資銀行、PE/VC、Tech系、Startup系はやはり人気で、ある程度日本人のインターン先も、MBA全体のインターン先を反映しています。

 

またLBS主催のEntrepreneurship Summer Schoolについてですが、これは起業ネタや新規ビジネスアイデアを持っている人が、実現に向けて教授やMentorのサポートを受けて具現化に向けて検討をしていく場です。在校生はもちろんのこと、卒業生やLBS外部の人にも門戸が開かれており、応募にはいくつかの選考プロセスを経る必要があります。なかなか選考は厳しく、今年もWait listに回されてしまった人もいるようです。詳細は以下をご覧ください。

https://www.london.edu/programmes/entrepreneurship-summer-school

 

みんなが夏の生活でどのようなことを得たのか、何を感じたのか、将来の人生にどのように繋がりそうと感じたのか。この辺りを秋学期にみんなとビールを飲みながら議論するのが楽しみです。またその頃にはMBA2020の皆さんも入学しています。新しいメンバーで、LBS内での日本人の存在感をますますアピールしていければ、と思っています。

英国に学ぶ、先端産業の破壊的イノベーション

筆者は日本のコア産業たる先端産業の強化を志とし渡英しています。一方、日本における多くの自動車・重工業や工程/技術集約産業、医薬/機器産業にとって、英国への注目度は高くないように感じます。(例外はあります)

とりわけBrexit後、欧州医薬品庁のアムステルダム移転に伴う医薬/機器産業の流出や、EUへの自動車輸出時の免税の(潜在的)撤廃などは、英国のGDPの2割超を占める先端産業へ壊滅的な影響を与え、日本との結びつきを更に削弱させる可能性もあります。

一方当地でモビリティ・イノベーションに携わる筆者の印象からすると、英国は依然として多くの先端産業において世界をリードしています。その魅力は、先端産業における著名なイノベーション・ハブであるシリコンバレー・イスラエル・ドイツ・中国に比肩する点も多くあると考えています。

本稿は筆者の自動運転分野でのスタートアップにおけるインターンから垣間見えてきた英国の先端産業の強みを簡易的に整理したものであり、包括的でない議論が含まれますが、先端産業に従事する読者の方の英国への関心、ひいてはLBSへの興味の契機となれればと思い筆を執りました。

 

一国における先端産業でのイノベーション創出において重要なポイントは多々ありますが、ここでは下記2点を強調したいと思います。

1. 先端産業に横展可能な、”超”先進技術を主導できる産業があること

2. 起業家・技術者・資金提供者・政策決定者から成るエコシステムが機能していること

 

1. 先端産業に横展可能な、”超”先進技術を主導できる産業があること

インターネット・人工知能・VR。これらは、軍事産業から使われ始め、その後他産業に応用された技術であることはよく知られています。あるいは自動車のカーボンファイバー・タイヤの路面識別技術・アクティブサスペンション等のコア技術の多くはモータースポーツから発展したものです。それは、軍事やショーケース産業(モータースポーツ・プロスポーツ選手向け用具等)は、費用対効果以外の指標で技術開発がなされるため、資本集約かつクローズドな研究(オープンイノベーションのメリットが少ない研究)で成長させる類の技術と親和性が高いからであると思われます。

この点において、英国は軍需・国防分野の巨人たるBAEシステムズを有し、航空宇宙分野の規模は米国に次いで二位を誇ります。さらに、オックスフォードを中心とする、「モータースポーツバレー」という名で世界的に知られる産業地域は、マイケル・ポーター教授から「世界随一の成熟した経済産業地域で、英国エンジニアリングの結晶」と呼ばれるほどの地位を確立しています。英国は、電気自動車レースのフォーミュラEの技術拠点であり、素材・回生技術等において英国企業はどの国よりも先進技術の導入に成功しています。

結果として、英国の軍需・モータースポーツ企業は、自動車部品・エネルギー等の技術で高い実績を上げるに至りました。筆者がインターンを行っているオックスフォードを拠点とする自動運転技術のスタートアップも例外ではなく、共同設立者はF1のマクラーレンの技術ラボのヘッドを務めた後にフォーミュラEのチームを設立した人物であり、自動車の電動化・自動化においてモータースポーツの知見・ネットワークが大いに活かされています。

 

2. 起業家・技術者・資金提供者・政策決定者から成るエコシステムが機能していること

シリコンバレーやテルアビブの例を挙げるまでもなく、エコシステムはイノベーション創出の中核たるものです。この点においては、言うまでもなく英国は非常に優れたシステムを有しています。

・大学主導の科学・基礎研究分野の強さ: LBSが所属するロンドン大学や、オックスブリッジを始めとする競争力の高い大学を多く有することから、トップ1%ジャーナルにおける論文の世界シェア3位に君臨

・研究の支援・法律の高レベルでの整備状況: 知的財産に関する法整備に加え、キャメロン政権時の緊縮財政でも基礎研究費は維持されるなど、研究者が優遇

・大学・政府・VCのシームレスな連携: 政府主導のプログラムや大学発の技術に紐づく形で、多分野のイノベーション拠点が構築

結果として、複合材料のブリストル、エネルギーのグラスゴーやバーミンガム、バイオのケンブリッジ等、付加価値の高い産業の技術者・資金提供者が集う拠点が英国中に存在しています。筆者が勤務するオックスフォードでは、前述の通り自動車等の先端産業が強く、私が携わっただけでも自動車・バス・航空・通信・ドローン等との多分野連携によるアイデア創出が議論されました。

 

上記のように、英国の先端産業はBrexitを踏まえても大変魅力的なものであり、筆者は日本との協働事例がもっと増えてほしいと願っています。実際、日産はリチウムイオンバッテリーの量産をサンダーランドで行っており、私の元同僚が活躍するKudan社はブリストルでドローン・ロボット等に活用できる自己位置測定・マッピング技術を日英共同チームで開発し世界トップのコア技術を持つに至っています。筆者はロンドンを拠点にオックスフォードに通ったり、他地域に視察を行ったりしておりますが、各地域における産業間連携・産学連携のあり方は目を瞠るものが多くあります。先端産業に従事されている・あるいはキャリアチェンジを検討されている読者の皆様も、ぜひ仕事や留学といった形で、同産業における英国の底力を感じ、その優れた仕組みや技術を日本の発展に役立てて頂ければ幸いです。

 

(出典:研究開発戦略センター 「英国の科学技術情勢」)

日本人留学生の夏期インターンシップ事情(MBA2019)

皆さん、こんにちは。MBA2019のNです。今回は日本人留学生の夏期インターンシップの状況について書きたいと思います。

そもそもLBSの夏休みですが、非常~~に長いです。どれぐらい長いかと言いますと、ブロックウィーク(集中講義)も夏期のアントレ等の特別プログラムも全く取らない人は、6月の半ばから、なんと9月半ば(!)まで、約3か月間、おおよそ社会復帰も学生復帰も出来なくなりそうな長~い期間の夏休み(またの名をモラトリアム期間)があります。周りの多くの学生は、就職活動の一環でコンサルティングファームや投資銀行、最近ではテック(Amazon等)、PE/VC(僅か)で、卒業後のキャリアに直接結びつくようなインターンをして過ごすことが一般的です。

日本人留学生はと言いますと、これも過ごし方は様々でせっかくなので3か月間ひたすら旅行する人もいれば、いやいや、学生なので勉学に励まなくては!と夏期プログラムを取る人も少なからず(?)います。このように様々な過ごし方がありますが、今しか出来ない過ごし方ということでインターンを選択する人が多数です。

日本人留学生のインターン事情ですが、毎年実に幅広い業界でインターンをやっています。以前の記事にも紹介がありましたが、アフリカにフォーカスした政府系のPEファンドでインターンをしている者もいれば、他のノンジャパの学生のように卒業後の進路を考え、外資系投資銀行・コンサルティングファームなどでインターンする者もおります。

さて、今年はと言いますと、まだ年が明けたばかりじゃないか!と思う人も多いと思いますが、MBAの学生は基本せっかちな性格(先が見えていないと落ち着かない!?)から既にインターン先(または方向性)を決めている者も多く、以下の通りとなっています(一部プロセス中のものも含む)。

日本:外資系投資銀行/外資系コンサル、PEファンド、スタートアップ

欧州:政府系金融機関、派遣元企業のロンドン拠点、スタートアップ(FinTech/ヘルスケア)

米国:西海岸のメガベンチャー(どうやって見つけてきた…)

例年どうかは分かりませんが、今年はスタートアップでのインターンが多い印象です。特にロンドンというロケーションから、通常時のPart-timeに限らずスタートアップでのインターン機会は非常に多く、MBAの2年生からの紹介、学内のJOB BOARDでの募集、派遣元の紹介と、皆あの手この手で見つけてきています。米国のMBAと比較しても、LBSの日本人留学生のスタートアップにおけるインターン率は非常に高いと感じています。ロンドンというロケーションは、勿論スタートアップの数が多いということもありますが、日本人を含む非英語圏の人間に対しても非常に多くの機会が開かれています。特にLBSの学生ということで、LinkedInでコールドメールをしても大抵レスポンスが返ってきます。ロケーション×ブランドを上手く活用すれば、日本人でもいくらでもチャンスがあると言えるのではないでしょうか。

先日Managing Organizational Behaviourという授業でPluralistic Ignorance(=“多元的無知” – 組織の中でトップの方針に違和感を感じたとしても、各個人は「そういう方針もあるだろう」という雰囲気に流されてしまい、そのまま全体としての方針として決定されてしまう現象)について学んだのですが、スタートアップでは大企業との比較という意味において、各個人がどのように行動しているのか、またPluralistic Ignoranceに対してどのような対策が実行されているのか、はたまたその対策がどの程度実効性があるのか等についても垣間見られる点においても、貴重な機会だと思います。

これからLBSに入ってくる皆様、将来入ることを検討している皆様、このLBS特有の長~い夏休みに、自分を見つめ直す機会、または1年生の間のLBSでの学びを実践の場で試す機会としてロンドンでのインターンを活用してみることも考えてみては如何でしょうか?

(※尚、筆者は単身赴任故、愛する妻に会いに日本に帰ります。)

Londonというロケーションについて

全世界3億人のLBS日本人在校生HP読者の皆様、こんにちは!

MBA2019のSです。

皆様は今頃2ndラウンドでアプリケーションを提出されて、これから各校の面接対策!という段階でしょうか。それとも3rdrラウンド以降、あるいはMBA2021のアプライを検討されていらっしゃる方でしょうか。何れにせよLBSを受験される際に、避けて通れないWhy London?(意識高い系書籍風にいうと『なぜ一流企業と各国のエリートはロンドンにあつまるのか?』)について、自分なりに考えてみましたので、共有させていただきます。極めて簡単な記述ですが、ご参考になれば幸いです。

 

(1)プログラムの観点

MBAでは大抵の学校で外部企業へのコンサルプロジェクトが授業や課外活動の一環として提供されています。しかしながらその実態の多くは地元の商店や中小企業が対象、というケースも多いと聞きます。

他方、LBSはLondonに位置していることから、この点が大きく異なります。MBA1年次のTailored Coreにて選択可能なLondonCapでは、某EC世界最大手や某国営放送局からテック系スタートアップまで業種、規模共に様々な企業が対象になりますので、自分の興味にあう対象を選ぶことができます。また、Elective(選択科目)ではStrategy Labにて同様に外部企業へのコンサルティングプロジェクトに従事することができます。(尚、Strategy LabはA.T. Kearneyのサポートによって行われ、Chicago Booth等他校でも同様のプログラムがあるそうです。)

課外活動でもImpact Consulting Clubや欧州の有力VCであるSeedcampとのLBS共同コンサルプログラム等、ロンドン周辺のアーリーステージスタートアップと直接仕事ができる機会が数多くあります。

また、大企業やスタートアップによるプレゼン(プレゼンターは主に各種プログラムの卒業生)も頻繁に開催されており、MBAに在籍しながら各業界のトレンドをキャッチアップすることができます。ほぼ毎日何かしらの企業イベントが行われており、魅力的なイベントの時間が重なって苦渋の選択をすることも多々あります。(個人的にはPE系とTech系が被った時に悶絶することが多いです)

 

(2)インターンの観点

既述の内容と被りますが、Londonは、金融・Fintechの中心地でありますし、その他大企業の欧州拠点も集積しております。よってLBS生の間では、サマーインターンは勿論のこと、学期中のパートタイムインターンもとても盛んです。純ドメ日本人が当地の企業でインターンをすることは決して簡単ではないですが、過去にも例は多く、チャンス(特にフィンテックをはじめとするスタートアップ)は無数にあるため、『数を打ちやすい』という意味でも非常に魅力的と言えます。

社費留学の方の中には、『転職する気はないし、折角なのでインターンは現地でしたい!』と思っている方も多いと思います。例えば銀行員であれば、フィンテックでインターンして最先端のトレンドを学んで、留学後の実務に活かすということも、モデルとして良いのではないでしょうか。

 

(3)生活の観点

MBA受験中は余裕がなくてあまり深く考えない(私だけですか?笑)生活環境についても、ロンドンはお勧めです。ここではカテゴリーに分けて説明いたします。

 

【既婚・子供持ち】LBSからバスで10分ほどのところにあるSt John’s wood、通称センジョン)は日本人の駐在員が山ほど住んでいます。日本クラブには日本人の医者が数名常駐しておりますし、周辺にはリージェンツパーク(広大な自然公園)、保育園、日本食材店など大抵の生活には困らない素晴らしい地域となっております。学校にも歩いて行けるので、LBSの日本人の多くもここに住んでいます。ロンドンとは思えない、ゆったりとした時の流れの中で優雅な生活が約束されています。

 

【既婚・子供なし】London自体は当然大都市なので、シティライフを楽しみたい若夫婦は、Marylebone high streetなどが学校から遠くなく、且つオシャレなエリアです。(独断と偏見)。学校が終わった午後や週末は数あまたの美術館や博物館を巡るもよし、Oxford CircusやPiccadilly Circusあたりにショッピングに行くもよし、レストランやバーに行くもよし(ロンドンでもお金を払えば美味しいところはたくさんあります笑)。

旅行好きにもロンドンは最適のロケーションです。欧州各国は数時間、ちょっと足を延ばせば中東やアフリカも行けてしまうので、週末ちょっと思い立ったからイタリアにパスタを食べに行く、なんてことも楽勝です(文字に起こすと、とてもイラっとする行動ですが)。でも、お高いんでしょ?いえいえ。LCCとAirbnbを活用すれば、コストを掛けずとも色々なところをまわれます。奥様が退屈するということは、決してないでしょう。

 

【独身】『書を捨てよ、町にでよう』とはまさにこのこと(当該書籍を読んだことがないので、タイトルからのイメージです)。自分の時間がたくさんあるので、同級生と飲み歩いたり、他校の方と『異業種交流会』をされたりするも良いでしょう。

前項に共通しますが、旅行もお勧めです。特に、LBSの学生主導で頻繁に行われるTrekがとても魅力的です。純粋な遊び系から、キャリア系(中東やアジアなど、特定地域にフォーカス)、産業系(ダブリンやイスラエル、ベルリン等へのTech Trek、イタリアへのAutomotive Trekなど)、歴史系(ポーランドのWW2 & Holocaust Educational Trekなど)など枚挙に暇がない無数のTrekが欧州は勿論のこと、世界中で開催されます。こういったTrekに参加することは独身の特権ですし、MBAの醍醐味でもあります。

 

(4)その他の観点

皆さんのイメージ通り、英国はPub文化。何をするにもPubです。実は新橋あたりと変わらないですよね。そう、「ちょっと一杯やっていく?」がロンドンでは当たり前なのです。LBSも御多分にもれず、授業や部活後、あるいはイベントの打ち上げ等で頻繁にPubに行きます。日本人の間では、『LBS=クールな学校』というイメージが結構あるようですが、実際は意外とわっしょい系なんじゃないでしょうか(多分に主観が入っています)。兎に角何も食べないで飲み続けるので、途中で抜け出してご飯を食べてから、戻ってまた飲むということもよくやります。当然Pubでもハンバーガー等食事は可能です。また、市内のPubをめぐる(要ははしご酒)Pub Crawlはイギリスならではです。

 

以上、4つの観点からロンドンの魅力を考えてみました。これを読まれた皆様は更にLBSに魅力を感じていただけたのではないでしょうか。もっと詳しく話が聞きたい、という方は、フォームから是非お問い合わせください。

 

Private Equityコンペティションを終えての振り返り

以前の投稿ではインパクトコンサルティングプロジェクトが取り上げられましたが、今回は私が1st Termに参加したPrivate Equity(以下PE)コンペについて書こうと思います。

 

LBSには数多くの学生主導イベントが存在します。大きく分ければ、ゲストスピーカー、トレック、コンペ(プロジェクト)、勉強会などに分かれます。コンペは複数種類のものが計年間20個程度行われ、ケース、PE、ヘルスケア、投資、ベンチャーキャピタル(VC)、スタートアップ、NPOなど様々な分野で行われます。例えば、ケースコンペではあるケーススタディをチームで分析し企業のストラテジーを立案するという内容、VCコンペではある企業がテーマとして与えられ、投資のTerm sheetを作成するという内容でした。

私は入学してすぐに、オランダのRotterdam School of Managementが主催し、LBS内ではPEクラブが主導するRSMコンペティションという大きめのPEコンペに参加しました。9月の頭に募集及び説明会があり、その後各自が仲間集めをします。周りの人たちに声をかけることからスタートです。私は英語も得意じゃないですが、こちらからポジティブにアクションを起こすと簡単に周囲と打ち解けられます。

声をかけると必ずバックグラウンドを聞かれます。各チームは多様なメンバーにしたいと思っており、私が入ったチームもM&A1人、コンサル1人、弁護士1人、PE1人、エクイティリサーチ1人という布陣になりました。国籍もバラバラです。チームを作った後はお題が与えられます。このコンペでは、あるアメリカのフードチェーンが対象企業として与えられ、そのバイアウト、バリューアップ、売却すべてのプロセスのストーリーを考え、最終的にプレゼンするという流れでした。5人メンバーで以下のような点を議論・分析しました。

(1) その会社が何をしているのか、
(2) その会社の競合は何をしているのか、
(3) バイアウトしたのちPEとしてどうバリューアップできるのか、
(4) 業績予想、
(5) LBOストラクチャーを組み、
(6) 売却手段(出口戦略)、
(7) ポテンシャルリスクは何か。

提出締切まで1週間半しか与えられた時間がなかったので、毎日4時くらいまでみんなで議論し、プレゼンを作りました。当初、議論は正直交錯しました。バリューアップの手段について議論し始める人もいましたし、プレゼンの見た目に大変こだわる人もいて、思うように議論が進みませんでした。また、フリーライダーを非常に嫌う性格のUK育ちのメンバーが他のあるメンバーに対してこの点をはっきり指摘して重い空気になることもありました。皆のやる気が停滞した時もありました。(日本人としては普通ですが)私が徹夜で業績予想を立てて翌日持っていったら、「ジャパンハクレイジー」的なことを言いながら他のチームメイトが自分のパートを急いでやり始める、なんてこともありました。議論や仕事の進め方が各々バラバラなので大変でした。

提出日当日にほぼ徹夜で完成させた15枚のプレゼンスライドを提出し、翌日の夜にはその結果が出ました。「ファイナリストに選ばれました。明日、プレゼンテーションを持ち時間30分でお願いします」とのこと。急だなおい。。。と思いつつも、そこからいきなりプレゼンの練習が始まります。英語が苦手であることには無関係に、役割を分担し、リハーサル。そしてダメ出しの嵐(みんなプレゼンが非常にうまいことに感激しました)。チーム全体で声のトーンや話すスピード、ワーディングに指摘を入れあい、なんとか翌日プレゼンを行いました。

結果として、優勝は逃しました(優勝するとアムステルダムのPEカンファレンスでプレゼンできる権利が与えられたのですが残念)。優勝したチームのプレゼンでは、バリューアップ戦略について具体的かつ緻密に述べられていて、法律面も含め戦略の現実的な遂行について深い議論がされていました。

さて、終わって振り返ると、全くよくわからない分野の物事にとりあえずガッツだけ持ってチャレンジしにいくと、大変色んなことを学べるんだなと、当たり前のことを再認識することができました。本当に多様な経歴の人たちがいるので、そういう人たちから学ばない理由はないな、と思いながら今は過ごしています。最初は「別にPEの勉強しに留学しに来たわけじゃないし。。。」と思ってこのコンペへの参加は見送ろうかとも思っていたのですが、「どうせリスクもないんだし、やってみればいいじゃん」という友人のコメントに従いとりあえずやってみたのが大正解でした。もともと無知だったLBOモデルなども、チームメイトが組んでるのを見る中で大変理解が深まりました。

また、チームワークも勉強になりました。どのチームにもモチベーションの濃淡はあります。私のチームも、あまりコミットしない人、モチベーションが大変高い故に他の人に無理やり頑張らせようとしている人、意見を必ず口に出す人、控えめにしているけど譲れないところは必ず声をあげる人、色々いました。モチベーションが停滞したときに、どうやったらみんなのやる気を引き上げられるんだろう、そう思った時もありました。その時は自分が無茶苦茶がんばることで皆をうまく刺激することができましたし、そういう経験をしたのは生まれて初めてでした。結果には満足できなかったものの、そういう勉強をできたのはいい経験でした。

反省点は、もう少し議論に対する時間の使い方をコントロールできればよかったなと思っています。課題を与えられるとやらなければならないことは膨大ですが、その中でどの部分が最も重要で時間をかけるべきなのかを考えるべきだったな、と。もっとバリューアップをどうやるのか、ユニークな具体策をもっと織り込むべきだったと反省しています。次に活かします。

さて長く書きましたが、この記事が学生イベントの一つであるコンペをイメージすることに役立てば幸いです。

 

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る