社費学生の夏休み


LBSでは、一般的な2年制MBAと同様に1年目と2年目の間、6月中旬から9月下旬頃に掛けての約3ヵ月間が夏季休暇となります。当該期間はインターンを行って就職活動に充てる学生が大半ですが、卒業後の進路が既に決まっている社費学生にとってはインターン以外にも様々なオプションが有り、この長い夏休みの過ごし方次第でMBA生活の充実度も大きく変わります。そこで今回は、LBSの社費学生がどのように夏休みを過ごしているか、代表的な事例をご紹介します。

 

1. 授業

  • 「休みじゃないじゃん!!」とツッコミを受けそうですが、希望すれば夏休み中も一部の選択科目を受講することができます。これは、「ブロックウィーク」という形式で行われ、通常は「1コマ×10週」で行われる講義を「2コマ×5日間」で集中的に受講し、1週間で1単位を取得するものです。
  • これにより、所要単位数を早期に充足して前倒しで卒業したり、通常の学期中に履修するコマ数を減らすことでクラブ活動に集中したりと、2年目のカリキュラムをよりフレキシブルに組むことが可能となります。

2.インターン

  • 社費学生であっても、外資系の証券・コンサル・メーカー等を中心に、将来的なヘッドハントを見越してインターンを受け入れてくれる場合が有ります(然し、転職意志が明確でない場合は門前払いの企業も多いので、数は非常に限られます)。他には、地場のベンチャー企業や、派遣元企業の海外現法等にトレーニーとして受け入れてもらうケースも多いです。
  • 応募の選考プロセスは私費学生と一緒ですので、詳細は本リンク先の過去の投稿等をご参照下さい。但し、転職しないにも関わらずロンドンから態々ボストンキャリアフォーラムへ行くのも大変ですので、社費学生の場合は情報収集のみ定期的に行っておき、年明け1月の応募から本格的に活動を開始するケースが多いです。
  • 尚、派遣元企業の内規によってインターンが禁止されているケースも多いですし、仮に可能な場合でも、税金の関係から無給での契約が義務付けられる場合も有りますので、応募に際しては事前に派遣元と擦り合わせておく方が良いでしょう。

3. ボランティア

  • UNESCOや青年海外協力隊などが短期ボランティアを募集しているケースが有ります。実際にインドでのボランティアに参加された方の体験談をこちらからご覧頂けます。
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4. 旅行

  • 長期旅行には「時間」と「体力」と「お金」が必要ですが、長い人生の中でこの三要素が揃うことは稀ですので(大学時代は金が無く、社会人は時間が無く、老後は体力が無い)、「MBA中は借金してでも旅行しろ!」とは、卒業した多くの先輩が残す金言となっています。ロンドンは、格安航空網の充実と地理的要因から、ヨーロッパや近隣諸国への旅行に非常に適した拠点ですので、夏休みを利用して長期旅行に出掛ける人も多いです。
  • 各地への旅行体験記は過去の投稿でも多々触れられていますが、MBA2015の同級生の中ではクルーズ旅行に行く人が多かったです。これは、北ヨーロッパや地中海、カリブ海等の各都市を客船で周遊するもので、近時多くの企業が参入したため費用もリーズナブルなものとなり、欧米を中心に世界的に人気が高まっています。Msc
  • また、夏休み期間中も同級生が企画するソーシャルトレックキャリアトレックが多数催行されていますので、それらに参加することで世界各国への見聞を広めつつ、興味の有る業界への知識や人脈を深めることもできます。

最後に

  • 私の場合は、外資系コンサル2社のインターンを東京とミュンヘンで行い、残った期間に授業と旅行を組み込みました。過ごし方は人それぞれですが、上記の選択肢から2つ3つを組み合わせて過ごす人が多いです。
  • どのオプションを選ぶにせよ、社会人時代はなかなか味わえない貴重な体験であることは確かですので、この長い夏休みはMBA生活をよりバラエティ豊かなものにしてくれるはずです。一般的な欧州MBAは1年制ですので夏休みが有りませんが、2年制のLBSを選択するメリットの一つとして、この夏休みの魅力がアプリカントの皆様に少しでも伝われば幸いです。

MBA2015 A.S

LBS Japan Trip 2014

2014年3月25日~30日にかけてLBS Japan TripをJapan Clubにて開催致しましたので、皆様にも一端をご覧頂ければと思います。

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Japan Tripとは?

MBAには様々な国や地域から学生が集まっていることから、出身国の学生が中心となって同国への旅を企画することがあります。Diversityを標榜するLBSも御多分に漏れず、様々な国から来ている学生が週末或はWinter BreakやSpring Break等を活用し、様々な地域へのTripが企画されています。地域は多岐にわたりSpain, Portugal, Brazil, Africa, Hong Kong, Moscow等、数え切れないほどの企画が飛び交っており、チケットは学内イントラネット上のページを通じて行われ、人気のTripは数時間もたたぬに売り切れ、というのは日常茶飯事です。Japan Tripとはそのようなtripの一つで、Japan Clubの活動の中でも目玉の一つであり、実行の半年以上前から準備を重ねていた一大イベントでした。Japan Tripの目的は単に旅行という親睦を深める契機の提供のみならず、日本の文化並びに経済を知るという側面も備えており、今回は日本銀行総裁である黒田総裁との面談を実施致しました。尚、黒田総裁が1つの学生団体と面談を行うのは国内外問わずLBSが初だそうです。

 

Japan Trip概要

  • 参加人数:120名(内オーガナイザー12名)
  • 旅程:2014年3月25日~30日
  • 訪問地:京都→広島(宮島)→東京
  • オプショナルツアー(*1)数:16種類
  • オプショナルディナー(*2)数:10種類

*1・・・参加者の多岐にわたる関心に対応する為、地域或は文化体験毎にブレイクダウンした企画を実施(陶芸・書道体験、秋葉原電脳体験、広島原爆ドーム訪問、鎌倉訪問、築地マグロ競り見学等)

*2・・・皆で同じ釜の飯を食べるのも良いが、日本の豊富な食文化を体験してもらう為、様々なジャンルの日本食に焦点をあてた少人数夕食会を実施。

 

準備から実行まで

2013年10月、Japan Trip実行部隊を発足。

Japan Clubに所属する日本人学生の内10名(8名がTripに帯同)、マレーシア国籍学生1名、カナダ国籍学生1名、並びに日本人学生のパートナー2名の総勢14名で準備を始めました。昨年のJapan Tripは120名の学生を率いて大成功した事もあり、1つ上の学年の先輩方から噂を聞きつけたのか、私たちの同級生からは廊下ですれ違う度に「Japan Trip絶対参加するからね、期待してるよ!」「LBSの中でも一、二を争うオーガナイズなんだって?期待してるよ!」と声を掛けられ否応なく前回と同様、それ以上の旅を成功させなければならない、という雰囲気が入学当初から出来上がっていたのは驚きでもあり、発奮材料でもありました。

 

2013年12月初旬、第一回目のTrip説明会を実施。

大学院の授業(特にファイナンス関連)で死にそうになっている中でしたが、12月中旬に控えたチケット販売前に需要を喚起する事、Japan Tripの概要を今年の参加希望者に知らせることが目的で、ビデオと20枚ほどのスライドにてプレゼンテーションを行いました。期近のアナウンス且つ試験前の昼休みという時間帯でありながらも講堂に立ち見が出るほどの盛況を博しました。

 

12月中旬、チケット販売開始。

チケット販売開始前は人気のBrazil Tripと時期が重なる為、MBA一学年400人の中120名という枠が本当に埋まるのだろうかという不安がありましたが、蓋を開けてみれば2分という記録的なスピードで完売という有難い結果となりました。

 

2014年1月、Tripの趣旨に賛同頂ける企業様へのスポンサー依頼を開始。

参加者にビジネスの場所としての日本に興味を持ってもらう為、在日本企業様から当該Trip並びにJapan Club活動支援を頂き、参加者に当該企業様をお知らせする形をとっております。また、同月には第二回の説明会を実施。スライドも説明時間も大幅に増加し、旅程詳細は勿論の事、黒田総裁との面談に備え日本経済に対する講義を同級生のEさんから行いました。

 

2014年2月、最終調整を実施。いよいよ間近になり参加者学生120人夫々との各種調整に加え、日本側との調整を、春学期試験準備と並行しながら行いました。何をどのようにアレンジする事が参加者にとって最善なのか、また我々は何を参加者たちに感じて欲しいかを念頭に置きながら議論を行い、深夜まで続くこともしばしばでした。

 

2014年3月24日、春学期試験直後或は翌日のフライトで参加者達はロンドンから遠く日本へ旅立ち、3月25日に集合地京都にてJapan Tripが始まったのでした。

 

旅の模様

冒頭に記した通り、Japan Clubには日本国籍以外の学生も所属しており、彼らもJapan Tripのオーガナイザーとして参加してくれています。日本人だけで準備をしていると日本人の視点だけで考えてしまいがちですが、彼ら(日本に来たことはあるが日本語は話せず)からの視点での意見を取りに入れることによって参加者が疑問に思う事、予め配慮しておくべきことなどを事前に対策を練っておきました。

しかしそんな入念な対策をも超える予想外の事が旅の途中でたくさん発生し、臨機応変な対応を我々が迫られることもあれば参加者たちが日本の慣習を身をもって体験することもあり、喜怒哀楽が混じり合い、単に旅行のオーガナイザーと参加者という関係性ではなく、一緒に旅を創り上げる仲間としての絆が深まったように感じました。

 

京都では、希望者は着物を着付けてもらい、洋服に慣れた身からすれば不自由な格好で、京都の街をそぞろ歩きしながら出会うものに感嘆し、生食が多い日本の食事をおっかなびっくりで口に運び、景観保存と経済発展の妥協点はどう見出すべきかを抹茶をすすりながら議論しました。街並みを保存する傾向にある欧州に勝るとも劣らない京都の景観に心を打たれ立ち尽くす参加者も見かけました。夜はベジタリアンや食べられるものに制限がある参加者に配慮し、少人数での夕食会を京都の至る所で実施し、諸外国で提供されている日本食との違いを身をもって体験していました。

 

広島(と宮島)では、原爆ドームを訪問。戦争の凄惨さを目の当たりにし現在世界で起こっている紛争へと話は広がり、戦争に対する夫々の認識について教育並びにメディアがどのように役割を果たしているのかにまで議論は発展しました。夫々の思いを抱えながら夕日に映える宮島の厳島神社を見て、日本が東京と京都という二大訪問地だけではなく、日本各地に紐解くべき歴史と文化があることを理解してもらいました。宿泊先である伝統的な日本旅館では、公衆浴場でのマナーの由来について学び、夕宴には参加者全員が浴衣を羽織り日本的な飲みニュケーションに参加者一同盛り上がりました。翌朝には旅館の朝風呂の素晴らしさを語る参加者も多数いました(笑)

 

広島から東京へ向かう新幹線では、スーツに着替え直した参加者が日本銀行総裁との面談前に配布された資料を読み込みつつ、新幹線の静かさと速さ、そして正確さに歓声を上げておりました。日本銀行総裁との面談のテーマは【日本経済の現状並びに今後の展望】。総裁からスピーチの後、参加者からは量的緩和並びに欧州経済に対する総裁の御見解をお伺いするなど、終始和やかながらビジネススクールの学生の面目躍如とばかりに闊達な議論が繰り広げられたのでした。日本銀行総裁との面談後は屋形船に乗り、東京湾から東京をのぞむ夕食会。スーツ姿で楽しく歓談をする海外からの一団は、私たちが日頃見かける日本のそれと違わぬものでした。

 

東京では、冒頭にも記した通り、参加者からの多様なニーズに応えるため、20~30人程度の少人数に別れ様々な日本文化体験・見学を実行しました。神社から若者の最先端に興味がある学生は明治神宮から原宿・渋谷までを練り歩き、日本の食流通に興味ある学生たちは早朝に起床したのち築地のマグロ競りの見学、陶芸/書道に興味のある学生たちは千駄ヶ谷の体験講座に出かけ・・・等々。一つの側面から日本並びに東京を理解するのではなく、学生たちが各々の側面から日本や東京をとらえ、それを夕食時或は朝食時にお互いの体験をシェアすることで、そこで議論が生まれ、新たな視座を参加者同士で交換しあう、そんなことを企図したオプショナルツアーでしたが、参加者たちの会話で様々なトピックが飛び交っているのを耳にする度に狙いが機能していることを感じました。

  

参加者の声

旅の途中、そして終わりに近づくと参加者からは様々な声が寄せられました。

  • 日本は本当に素晴らしい国だし、人々も親切。ネット等で目にする「海外から来る人に対して冷たい」ことは全くない。文化、人々、食事が本当に好きになった。
  • 原爆ドームを訪問することによって、戦争の爪痕が如何に凄まじく悲惨であることをこの目で確りと認識した。母国に帰ってからもこの経験は周囲の家族・友人と共有する。
  • 京都の歴史ある街並み、厳島神社の荘厳な景色から一変して東京のCutting Edgeな雰囲気、それらが一つの国として存在しているのは本当に興味深い!
  • 金融都市ロンドンにいると経済は当地が最先端だと思ってしまいがちだが、今回の日本銀行との面談を通じ、経済に対する視座をまた一つ手にいれられた

などなど、色々なフィードバックをもらいましたが、笑顔で目を輝かせながら「日本のファンになった!絶対にまた来るから!」と沢山の参加者に勢いよくハグされながら言ってもらう事ができ、我々は今回の旅に対する確かな手ごたえを感じたのでした。

 

所感

勿論、上記の参加者たちからの声は旅行中の一過性の熱から発せられたものであることは否めないと理解しております。然し、

  • 今回のJapan Tripを経て日本語のレッスンに通い始めた。
  • 交換留学に日本の大学を選択した事への不安があったが、今ではそれが正解だと思っている。
  • 日本企業でのインターンを検討している。
  • 日本経済を真剣に考えることが欧州経済を見通す一つのヒントになる。
  • 日本人たちのチームワークの強さを諸外国人である我々も参考にしなければならない。

等のPositive Feedbackは、今回の旅が同級生達の胸の内に日本への好感の萌芽を助けるものであったと私達Japan Clubは思っておりますし、それを誇りに思っております。

 

海外に出てMBAをやっていると出羽の守になりがちで、斜に構えて出身国を腐す事がクールだと思いがちです。しかし、多様なバックグラウンド(ビジネスマンだけではなく弁護士も医者もいます)の中で一線を張ってきた同級生達から—旅行客としての御世辞もあろうとは思いますし、盲目的な母国礼賛に与する意図はありませんが—「日本って本当に素晴らしい国だ!」「なんでもっと世界は日本の良さを知ろうとしない?」「日本人はもっと自信をもって世界に自分達をアピールすべき!」という賛辞を私たちは胸を張って受取っても良いのではないでしょうか。そうしたことをこの場を通じて皆様にお伝えできるだけでも今回の旅を行った価値があると思います。

 

最後になりますが今回のTripの成功は自分達だけによって成り立ったものではなく、御支援頂いたスポンサー企業の方々、私達の細かい要望に応えて下さった受入れ先のホテル・旅館・レストランのスタッフの皆様、そして我々が旅の途中で困っている時に道端で助けて下さった皆様のおかげです、本当に本当に有難うございました!!

クラブ活動について

多くの方がMBA留学の目的として、体系的な知識の修得、ソフトスキルの強化、ネットワーキング、学生で無ければ得難い機会や経験との遭遇等を挙げるのでは無いでしょうか。これにつき、明敏犀利な教授陣が教鞭を振るうクラスや、多国籍グループメンバーと膝詰めで考え抜く課題等が資するのは言うまでもありませんが、実は負けず劣らず課外活動、なかんずくクラブ活動が重要な役割を担っています。という事で、今回は過去の投稿で然程書かれていないLBSのクラブ活動について触れさせて戴きます。

さて、十把一絡げに「クラブ」と言っても、合計75ものクラブが活動しています(2014.3現在)。全体像を掴む上で、趣意に従って大別すると下図の通り、Professional Interest、Regional、Social、Sportsに分類されます。

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各分類の概説は過去の投稿ご参照:http://www.lbsjapan.com/archives/708。他にもどういったクラブがあるかを知りたい方はhttp://clubs.london.edu/club_signup から一覧を確認戴けます。 

これらクラブが年間通じて各種イベントを主催しているので、規模の大小、公式非公式を問わず数えると一説では年間約1,500件もイベントが開催されているそうです。それもアカデミックな内容から、趣味の世界を深耕するものまで、多岐に渡る魅力的な企画が日々目白押しなのである程度絞って参加しないと体が幾つあっても足りません(笑)

ご参考まで、最近開催されたイベントを幾つか紹介させて戴きます。アカデミック系ですと、ウォーレン・バフェットやケネス・シュノールト(American Express CEO)といった著名人との面談や講演会、ファイナンスの授業で学ぶバリュエーションを実務的見地からエクセルモデルに落とし込むワークショップ、欧州拠点の投資ファンド・ベンチャーキャピタル数十社を参集したカンファレンス等。一方でお遊び系(と括ると語弊がありますが…)だと、学生と教授によるロックバンドコンサートや、ワインエキスパートを招いたワインテイスティング、他大学とのスポーツ大会、ヨーロッパ各国への就活ツアーや文化観光、等々。我らJapan Clubが誇るJapan Tripも今月末に開催予定です。

本旨から幾分脱線しましたが、こういったイベントは普段接点の無い在校生・卒業生、教授や業界人と親睦を通じた刺激が得られるのは然る事ながら、企画の運営プロセスに携わり、自ら考え、コミュニティに対して発信する経験こそが醍醐味だと思います。失敗を寛恕する環境で、思いのまま企画を構想、実現する機会は働いているとそうそうありません(大企業にお勤めの方であればより共感戴けると思います)。その伝でクラブ活動は冒険をするにはうってつけのフィールドであり、学生の多くが、どれかのクラブに執行委員として属し、企画やイベントでイニシアティブを取っている事も首肯できます。

因みに小生はTurnaround Management and Restructuring というクラブで執行委員に就いています。企業再生・リストラクチャリングやディストレスト投資を主軸に、実務家の講演や企業訪問を開催しており、他のクラブより歴史こそは浅いものの、アクティブ会員約2300名を擁する一大コミュニティです。ここで「自分のチャレンジしたい事に挑戦する!」、と息巻いて執行委員会と各種企画の統括を担う事にしたものの、実は仕事で企業再生実務に携わっていた訳では無いので、知識も経験もネットワークも無い丸裸状態。それこそ投資ファンドやコンサル出身者、会計士に弁護士といったエキスパートが揃う執行委員会を仕切るのは毎々大変ですが、これも含めて成長の機会と信じ、恥をかきながら艱苦に耐えています(失笑)

過去の投稿を読み進めて戴くと、LBSの魅力はロンドンという立地、学生のダイバーシティ、教授陣の質やプロミネンス等、重層的な要素の集合体であると感じて戴けるのではないでしょうか。どの様な志しで留学されるにせよ、これらが目的達成に貢献するのは間違いありませんが、願わくは本稿がLBSの魅力に彩りを添える事に繋がればと思っています。

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Tattoo 2014 <日本チーム優勝!!>

2月22日に”Tattoo”というLBSの文化祭が行われました。1618583_1380156022230128_1337089757_n

Tattooとは、軍隊用語で「音楽・行進などを行なう夜間の催し物」の意味で、当日はキャンパス内に仮設のステージやテントが設置され、世界各国のフードコートや相撲大会、音楽ライブなど、様々なイベントが繰り広げられました。

 

祭の目玉は”Talent Show”という出身地域別のパフォーマンス大会で、今年は15の国と地域からチームが集まり、各国の伝統芸能やダンスなどを披露して、その腕を競いました。

日本チームはソーラン節とパラパラを融合させた一糸乱れぬ踊りを披露し、数多の強豪を押し退けて見事に史上初の「優勝」を果たしました!!

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他国のチームにはプロ顔負けのバレエやソロダンスを披露する人も居て、個人の力量では完全に劣っていましたが、愚直にも過去の優勝チームの勝因分析から始め、個々のレベル差を圧倒的な練習量と統率の取れたチームプレイでカバーして並居る強豪に打ち勝った様は、まるで「なでしこジャパンのW杯優勝」を見るかのようで、歓喜に包まれた日本チームはその後夜中まで祝杯を上げ続けました。

フードコートでは寿司を提供し、例年通りの人気であっという間に完売となりました。他にもスペインのパエリアや韓国のプルコギ、フランスのチーズやワインなど、各国の郷土料理やお酒をたっぷりと満喫することができ、LBSのダイバーシティを象徴する素敵な夜となりました。

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LBS Japan Club 一同

ロンドンにまつわる二つの誤解(天気と食事)

「天気悪いんでしょ??」&「ご飯マズいんだってね」

9ヶ月前に日本でロンドンへの赴任の挨拶周りをしていた時、たくさんの方からこの憐憫の言葉を頂きました。私もそうでしたが、「ロンドン=天気と食事が最悪」というのは、多くの日本人が思い描く強いイメージのご様子。

然し、実際に住んでみて思うのは、「それ、ちょっと誤解です!!」ということ。天気も食事も思っていたほど悪くないどころか、良いところもたくさん有ります。その理由を、『8つの事実』でご説明します。

 

まずは「天気」のお話。

 

事実①:「ロンドンの降水量は、東京よりもずっと少ない」

確かに雨の降る日は多いですが一日中降ることは稀で、ザッっと降っても直ぐに晴れたり、長く降るにせよ霧雨程度のことが多いです。日本と違って梅雨や台風が無く、夏場の集中豪雨も無い為、年間の降水量で見ると実は東京の3分の1程度しかありません。

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 (出典:気象庁(1981年 – 2010年)及びMet Office “Climate averages 1971-2000″データを元に筆者作成)

 

事実②:「真冬の気温は、東京とほぼ同じ」

ロンドンの緯度は北緯51度。札幌の北緯43度を大きく越えて、樺太中部と同じくらい北に位置します。然し、真冬でも気温が氷点下に下がることは少なく、最低気温は0~5度、最高気温は5度~10度程度。東京の冬と然程変わりません(但し、寒い期間がずっと続くので、コートが必要な期間は長いです)。

ヨーロッパの西岸には暖流の北大西洋海流が流れており、大西洋上の偏西風が常に海流上の暖気を運んでくれることから、ロンドンのように海に近い地方は然程寒くならないんだそうで、パリやベルリンなどの内陸部よりも温暖な冬が過ごせます。

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 (出典:同上)

 

事実③:「夏場は最高!!」

緯度が高いので、6月ともなると22時位まで明るく、テムズ川沿いのパブで太陽を浴びながら遅くまでビールを楽しんだり、仕事帰りにテニスやゴルフに興じる人も多いです。夏場は30度以上まで上がる日も有りますが、湿度は低く日本のような蒸し暑さは全く無いので、日蔭に入れば快適に過ごすことができます。

 

事実④:「でも、日照時間はやっぱり少ない。。。」

と、良いことばかりを書いてきましたが、やはりイマイチな点も有ります。その最たるものが「日照時間の少なさ」でしょう。統計によると、東京の年間日照時間は平均1,900時間程度なのに対し、ロンドンは1,500時間程度しかありません。

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 (出典:同上)

上のグラフの通り、特に11月から3月上旬にかけての日照量がヒドいです。12月ともなると8時~16時位までしか昼間がなく、太陽も「君、ヤル気ある??」と問い詰めたくなるほどにしか上がりません。

しかし、この暗い冬の見返りに上述の最高の夏が有るわけで、プラマイはゼロです(適当)。どうしても太陽が恋しくなったら、週末を利用して地中海沿いのリゾート地へ繰り出して心も体もリフレッシュできます。格安航空を使えば、片道2時間のフライトで往復100ポンド程度です。

 

続いて、もう一つの大きな誤解であるロンドンの「食事」について。

 

事実⑤:「イギリス料理だって、美味しいものも有る!!」

例えば、悪名高きフィッシュ&チップス。確かに、道端の露店なぞで買うとベタっとしたマズいものが出てきます。しかし、学校の近くに有るSeashellという店はいつも地元の人でにぎわっており、新鮮なタラを使用したアッサリとしたフィッシュ&チップスを味わうことができます。その他の料理も全て美味しく、私はこの店でイギリス料理に対するイメージが変わりました。

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事実⑥:「レストランのレベルは非常に高い!!」

世界中から人の集まるロンドンは、レストランの種類も非常に多様で、且つレベルも高いです。特に、歴史的な繋がりからインド料理の質は日本より圧倒的に高いですし、街の中心部には大きな中華街もあります。値段は張りますが美味しい和食屋も有りますし、日本ではなかなか味わえないレバノン料理や中央アジア料理なども満喫できます。

為替の影響もあって、ディナーともなると一人/5,000円~15,000円程度掛かってしまうのが痛いですが、質とバラエティに関してはロンドンのレストランは世界有数の水準だと思います。

 

事実⑦:「食材の質は高い!!」

ロンドンでは新鮮な食材が手頃な値段で手に入ります。日本と比べると、霜降り牛肉や魚のバラエティの点では物足りなく感じることも有りますが、貝類やチーズ、ワインなどは日本よりもずっと安くて良質の物が手に入りますし、野菜も種類が豊富で新鮮です。また、日本食材店も数多く有りますので、食材の確保の点で不自由を感じることはあまり有りません(但し、原材料に近いうちは良いのですが、少しでも人の手が入るともうダメで、パスタソースやソーセージなどですら不味くしてしまう食品メーカーには殺意を感じることはしばしば有ります)。

 

事実⑧:「でも、安くて美味い店は無い。。。」

では、イギリスの食事で何がマズイか??というと、日本のように「安くて美味い!」を実現しているレストランやコンビ二というものが全く有りません。

学校で売られている寿司のシャリは消しゴムの味しかしませんし、街中の不便なコンビニ(日本語が崩壊してますが。。。)のサンドウィッチは、一口食べただけで思わず笑ってしまうほどマズいです。

レストランは上述の通り美味しいところもたくさん有りますが、下調べせずに通りすがりの店に入るとハズレが多いのも事実なので、観光客の方々が英国料理にマズい印象を持つのは已むを得ないと思います。

 

以上を踏まえると、やはり日本人の舌に一番合うのは日本の食生活なんでしょうけれども、ロンドンでも「手間」か「お金」を掛けて自炊や美味しいレストラン探しに励めば、充分に満足の行く食生活が送れます。

 

最後に

一つ注釈を加えると、ロンドンとイギリスは違います。ロンドンはイギリスの中でも特に雨の少なく暖かい地方で、ウェールズやマンチェスター等はロンドンよりもずっと多くの雨が降ります。地方に行くと、美味しいレストランも減ってきますので、「イギリス=天気が悪くてメシが不味い」というのは、強ち間違いでは無いと思います。

然し、繰り返しになりますがロンドンの「天気」と「食事」は、それほど悪くありません。加えて、治安の良さや、英語圏であること、ミュージカルや博物館など文化面の充実、格安なヨーロッパ旅行や街並みの美しさなどを考えると、個人的には東京での生活よりも、今のロンドンでの暮らしの方がすっかり気に入っています。

最後は、使い古された引用では有りますが、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンの名言を:「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与え得るもの全てがあるから」。この言葉、大いに賛成です。

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MBA2015 A.S.

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る