MBAと子育て〜MBAとライフイベントの両立に悩んでいる女性の方へ

8月中旬にプログラムが始まって早3ヶ月が経過し、Term1が終わろうとしています。今学期はFinanceやAccounting、Macro/Microeconomics などコア科目の授業のみでしたが、日々たくさんの課題に追われ、あっという間に過ぎてしまいました。

 

さて、今回私からは “LBSにおけるMBAと子育ての両立”についてお伝えしたいと思います。今まさにキャリアとプライベート(特に結婚や出産などのライフイベント)、どちらか選ばなくちゃいけないのか、と悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。ご自身の人生の選択肢や可能性を考える上で、少しでも参考になればと思い、私自身が今経験していることや感じていることをご紹介できればと思います。

 

まずは簡単に自己紹介を。私は社費派遣で留学をしていますが、入学する直前の6月に第一子を出産し、7月末に渡英しました。私自身は 育休なしで復職、主人が長期育児休暇を取得して家族でこちらに来ています。渡英時に生後2ヶ月だった娘はありがたいことに順調に成長し、現在6ヶ月になりました。

 

出産する前はミルクで育てようと思っていましたが、いざ生まれて来た我が子を胸に抱いた時に、できる限り自分で授乳したいという思いが強くなりました。ということで、授業と授乳をどう両立するか夫と相談しながらなんとかここまでやってきた、という感じです。ちなみに、校内には授乳スペースが用意されていますし、搾乳して冷蔵庫に保管しておく事もできます。学校は学生の個人的な事情を考慮して、様々なリクエストに比較的柔軟に対応してくれるので助かっています。

 

毎日会うクラスメイトも「子供は元気か?」といつも声をかけてくれ、時にはイベントにも一緒に参加しています。パートナーや子供を含めて“LBSコミュニティ”の一員として受け入れてくれるカルチャーがとても気に入っています。

 

さらに、同級生には子供を連れて留学にきている女性も何人かいて、私のクラス(ストリームと呼びます)にも私を含めて3人ママがいます。ナイジェリア出身の女性は、2人の子供がいて平日は家族と別居、週末に郊外の自宅に帰るという生活をしています。中国出身の女性は、お子さんをナーサリーに預けているそうです。2人とも授業だけでなく、クラブや自身のブランド立ち上げなど本当に精力的に活動しています。彼らのパートナーや家族にも会う機会がありましたが、お互いの人生を尊重して協力しあっている姿がとても印象的でした。

 

私自身、MBA受験を決意するまでに、キャリアとプライベートの両立に何度も悩み、受験を諦めようかと考えた事もありました。しかし、今身近でそれぞれのキャリアの実現に向けて努力している同級生を見て、キャリアかプライベート必ずしもどちらかを選ぶ必要はない、やるかやらないか自分次第であり、強い意志と覚悟があれば、やり方はいくらでもあるんだということを感じています。

 

ロンドンという土地柄、学校内外で日々たくさんの面白いスピーカーイベントやネットワーキングの機会がゴロゴロ転がっています。優先順位づけがとても難しいですが、自身のキャリアや人生を見つめ直す貴重な2年間、家族にとっても刺激ある毎日にしたいと考えています。

多様性下でのリーダーシップ

 

「多様性の中でのリーダーシップ」これが私の留学のテーマです。

その観点において入学後最初に力を入れた活動、Impact consultingでの2ヶ月の案件が終了しました。

Impact consultingはLBSの学生が地元のNPO等に対してプロボノコンサルを行う活動であり、コンサル出身の学生がマネージャを担当、コンサル未経験の学生がアナリストロールを担います。私はマネージャを務めました。

以下、私の備忘録という側面が強いため共有すべきか迷ったのですが、多様性・リーダーシップというワードは多くのアプリカントがLBSに対して感じる最大の魅力であり、本活動はLBSのもつ多様性の奥行きを大いに感じさせてくれる活動でしたので、入学後のイメージを持って頂けるかと思い詳細を共有させて頂くことにしました。

 

[テーマ]

多様性下におけるPeople leadershipどのように動機づけをしていくか

多様性下におけるClient leadershipどのように共感を醸成するか

 

多様性下におけるPeople leadership – どのように動機づけをしていくか

私のチームはプログラム・国籍ともに多様性に満ちており、まさにLBSの醍醐味と言われるチームでした。MBAから4名(インド/イギリス/スペイン/シンガポール)、MiM(Masters in Management。学卒向けのMBAのようなもの)から2名(アメリカ/ルーマニア)というチーム。

マネージャとして最大のチャレンジは、如何にチームのモチベーションを高め・維持するかという点でした。仕事ではなくボランティアであり、皆複数の活動を掛け持ちしているため、「面白くない」と思われたら即コミットメントレベルが低下します。(例年6名中半数が離脱というケースも珍しくないそう)

更に、フィードバックやコーチングでモチベーションを高めるのはマネージャの大きな役割ですが、育った環境によりフィードバックの受け取り方は全く異なるという難しさがあります。エリン・メイヤー著「異文化理解力」に詳しいですが、例えばイギリス人は言葉をダウングレードする(Kind ofや、a bit等を多用して表現を和らげる)ため、彼らが「少しこうした方が良い」といった場合、強い不満を持っている可能性があります。あるいはスペイン人はハイコンテキストで間接的なコミュニケーションをすると思われていますが、実際はネガティブ・フィードバックを多用します。これらの差異を理解せずにフィードバックを行うと認識の齟齬が生まれるばかりか無用なコンフリクトに繋がりかねません。

私のチームでは、案件開始時に出席率が低い二人のメンバーがおり、彼らのモチベーション維持には大変苦労しました。仕事ではないのでTo doをやるか否かは自分次第であり、如何にチームの内なる動機づけを行うかが鍵となります。私が当初失敗したのは、チームを2つのワークストリームに分けた結果、チームメンバーから活動の全体像が見えにくくなり、モチベーション低下に繋がったことです。この課題意識を持っていたのは北部インド出身の女性だったのですが、私は南部インドにいた経験から北部インドは比較的ダイレクトに意見を伝えてくれるというステレオタイプを持っていたのですが(南部インドのタミルではシャイかつコミュニティ意識が強く、入り込むまで本音を伝えてくれないが、北部は対照的だと聞いていた)、実際にはそんなことはなく、このフィードバックを共有してくれたのは信頼関係ができたプロジェクト後半になってからでした。結果としては、クライアントミーティングでCEOが強くInvolveされ、本気で議論してくれていることに彼女は感銘を受け、「このクライアントのための一助になりたい」という動機を持ってくれました。彼女はラスト3週間はまさにチームのエンジンとしてProactiveに提案・分析をやりきってくれました。

私が何より嬉しかったのはチームが徐々にモチベーションを高め、最後には個人的な相談を持ちかけてくれるようになるなど深い絆を持つことができたことでした。この経験を経て多様性環境でのPeople leadershipに関して小さな自信を感じることができましたが、もう一度はじめからやり直せるならば、One-on-oneやカジュアルセッティングでのパーソナリティ把握にもっと時間を割き、上記のような認識の齟齬を最小化できれば良かったと反省しています。

 

多様性下におけるClient leadership – どのように共感を醸成するか

「もしDay1に戻れるなら、もっとチームメンバーを巻き込めばよかった。本当に勉強になった」

最終日にクライアントCEOはそういってくれました。

クライアントは40年の歴史を持つチャリティ団体で、サステナビリティ・サイエンスに関する活動を行っています(科学者・プロフェッショナル対象のワークショップ主催・ジャーナル発行・政府への働きかけ等)。私のカウンターパートは40代半ばのイギリス人CEOでしたが、初回は露骨にHostileであり、彼に如何に共感を感じてもらうか、私達と働くことへの面白みを感じてもらうにはどうしたらよいか、が鍵となりました。特に、LBSに来るような学生は前職で大手企業相手に仕事をしてきたメンバーばかりであり、小規模なチャリティ団体という全く異なるクライアントの環境にどのように入り込むかは大きなチャレンジとなりました。

上記イシューについて私たちは非常に上手く乗り越えることができたのですが、それは相手の立場・困り事を想像し、当初のスコープから外れた仮説であってもポジションをとってぶつけに行ったことでした。最初のクラブ事務局から与えられたお題はデジタルマーケティングだったのですが、チャリティ団体で予算が限られることから、よりROIの高い他のマーケティング手法(ペルソナを主軸としたカスタマイズマーケティング)を提案したところ目の色が変わり、Collaborativeなパートナーとなって頂けました。

このクライアントは予算と人的リソースが非常にタイトであること、赤字環境でQuick turn-aroundが必要であること、という特徴があり、この状況を踏まえてCEOの立場を想像して柔軟に提案を変えたことが一つの成功要因でした。また、「たかが学生」のボランティア案件というのを感じさせない工夫、具体的にはチャートのクオリティから服装・話し方までの「見せ方」に気を配り信頼を得ることができました。第一印象で刺さらない相手に対してどのように関係を深めていくかというのが個人的な課題でしたので、このCEOとの関係を構築できたことは一つの自信となりました。

 

 

「多様性=良いこと」、それは多くの環境下で正しいことでありますが、一方で、多様なチームをリードする力、それなしでは多様性は直ぐに瓦解し得ます。私自身、目の前にいる「違う」あるいは「合わない」人間と仕事をするのはとても得意とはいえませんが、多様性下におけるリーダーシップのあり方を考えさせられ・試し・失敗もできるImpact consultingの活動は非常にLBSらしい活動であったと考えています。

LBSで得た気づき

MiFFT2017の山内絢人です。MiFFTを今夏に卒業し、この10月からイギリス・ケンブリッジ大学のロースクールでコーポレートローを勉強しています。

この度、私の母校である長野県立飯田高校の同窓会報に寄稿させていただきました。
海外にいる同校OBが、海外で得た気づき・知見を共有するというコーナーの記事ですが、私自身がLBSでの1年間の生活を振り返る非常に良い機会ととなりました。

私がロンドン/LBSで得た気づきとして、

・社会全体の話として、今年夏までロンドンにいて感じた、あらゆる人間を「ロンドン市民(Londoner)」として受け入れ、マイノリティーを包摂する多様性に開かれた社会・コミュニティづくりの大切さについてと、

・社会のトレンドとして、今後のテクノロジーの加速度的発展により、個々人が位置する物理的な場所はさほど重要でなくなり、それぞれが属する(バーチャルも含めた)コミュニティーにユニークな、ソフトな価値にこそ人が集まるということと、

・最後に、わが地元の南信州について、これまで都市圏とのアクセスが悪かったこともあって、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)を蓄積させてきており、コミュニティとしての魅力・ソフトな価値は十分に備えているため、引き続き世界に目を向ける開かれた地域であるべき、

といった趣旨のことを述べさせていただきました。(記事前文は画像ご参照)

上記3点目については、今年3月に、LBSの学生128人に飯田市での農泊を実際に体験してもらい、地元の人々と交流を楽しんでもらう企画を実施する中で感じた私の気づきでもあります。(LBS Japan Trek 2017 の記事はこちら:http://www.lbsjapan.com/archives/3091

農泊体験では、言語でのコミュニケーションこそ十分に取れなかったのかもしれませんが(そしてそれは今後のインバウンド拡大の課題でもあるというフィードバックも得られ非常に有意義でしたが)、相手を大いに歓待し受け入れるという今回の飯田の農家の方々の姿勢には、多くのLBSの外国人学生にも非常に喜んでもらえました。私は、こういった、飯田の人々自身が気づいていない潜在的なソフトな価値こそが、今後の体験・交流型インバウンド拡大に向けての鍵になると思いますし、今後の地域コミュニティ作りの肝になると思っています。

何より、こうした諸々の気づきは、昨年度、LBS Japan Trek 2017に企画側として携わらせていただき、入学当初から約半年間の準備を経て、さまざまな仕掛けを試み、最終的に多くの関係者を巻き込みながら、LBS Japan Trek 2017を皆で盛り上げていく中で得られたものです。非常に貴重な経験をさせてくれたLBS Japan Trek 2017及びLBSには本当に感謝しています。

引き続き、地元南信州を盛り上げたい一個人として、色々な形で飯田市との協業を続けさせていただければと思っておりますし、LBSの日本人Alumniとしても、母校LBSと日本とのつなぎ役の一人として、微力ながらも貢献を続けさせていただければと思っています。MiFFT2017 山内絢人飯田高校同窓会報

London Business School(LBS)での2年間を終えて

はじめに

 

Time flies…
Heathrow空港で東京行きの飛行機を待ちながら、このコラムを書いています。LBSに留学してからの2年間、正しく”光陰矢のごとく”日々は過ぎていきました。

大学生の頃に漠然とMBAを夢見てから10年。今は2年間が終わってしまった事に呆然としています。

前回コラム http://www.lbsjapan.com/archives/3137 にて1年生から「LBSは他と何が違うの?」という点について、とても詳細にレポートされています。私も同じことを感じていました。

今回の卒業を機に「結局LBSの2年間はどうだったのか?」、寄稿する機会をもらいました。

本稿では卒業直後のこのタイミングだから伝えられる、
LBSの「手触り感のある」「ぶっちゃけ」情報をお届けできればと思います。
(*以下、私個人の意見ですのでご留意頂ければ幸いです)

昨年の説明会資料 http://d.kuku.lu/930cd56063 ではLBSの魅力を”Diversity”、”Flexibility”、”Amazing London”の三つの切り口で説明させてもらいました。今回はそこから2年生としての経験を踏まえ、”具体的なアクションベース”で、LBSでの生活について、可能な限りイメージを持ってもらえればと思います。特に受験生の皆さんには、エッセイのネタ出しにお役立ちできれば幸いです。

長文駄文ですが、卒業直後で気が高まっている為、何卒お許し下さい。

 

目次

  1. バックグラウンドとWhy LBS
  2. MBA中の主な活動について
  3. 振り返り
    • 想像以上だった点
    • がっかりだった点
  4. 総括
  5. 受験生のメッセージ

 

1) バックグラウンドとWhy LBS

  • 純ドメ。大学時代に語学研修、ボランティア等で英語圏に短期滞在したことはあるも、長期での海外滞在は今回が初めて。就職後も殆どが国内業務であり、実質「初海外」。(受験は本当に苦労しました。。。)
  • 様々な業種の経営を見たい、海外で活躍したいと銀行に就職。7年間業務に勤しむが、成長曲線伸び悩み。グローバルなフィールドで活躍する為に必要なソフトスキル(コミュニケーションやネゴシエーションスキル)の不足を自覚していました。
  • 加えてハードスキルについても、金融という視点を越えて、ビジネスの本質的な良し悪しを見極めることのできるノウハウ(マーケティング、戦略、経営のノウハウ)の研鑽が必須と考えていました。
  • これらのGapを埋める具体的なイメージとして、

a) 授業内外問わずDiversityの中で多量のグループワークができる環境であること
b)授業にある程度の余裕があり、インターン等課外活動に時間を割ける環境であること
c)多数の課外活動の機会が得られる大都市であること
d)グローバルトップレベルの人材が集まるスクールであること

以上の観点からLBSを志望しました。

 

2) MBA中の主な活動について

当初は少数のクラブにコミットして中心メンバーとして活動する事も考えましたが、むしろ一年目は「場慣れ」と「人脈の拡大」を目標とし、課外活動の数をこなす事に注力しました。キャリアの方向性が決まった二年目は、主にStart-up系の活動に顔出す事に専念しました。

(i)     1年目

① 各種コンペティション:コンサルケース、Venture Capital、Social Impact Investing、Private Equity等

  • 概要:
    • コンサルクラブ、PE/VCクラブ等のLBSのクラブによって主催されるコンペティション。多くの場合は在ロンドンの企業が協賛して行われ、ATカーニー、Cinven等、名だたる企業が資金的・人的サポートをしています。
    • チームを組成し参加。お題となるケース(経営改善提案であったり、投資提案であったり様々)が与えられて以降、通常1週間程度の期間が与えられ、プロポを作りプレゼン、優勝チームが決められます。
    • 多くの場合複数のMBAでコンペが行われ、LBS内での選考後、本選がグローバルに実施されました。
  • Take away:
    • 最初のうちはチーム組成自体で苦戦しました。例えばInvestment系コンペでは、ファイナンス出身者(インベストメントバンカー及びVC/PE出身者 *当方の様なCommercial Bankingはこれに含まれず・・・)は重宝され、ドラフト制でどんどんチームが決まっていきます。
    • 情け容赦なく「声の大きい=押しの強い」ファイナンス出身者がどんどん「自分好みの」チームを組んでいきます。ご多聞に漏れず「スキルを謙遜する、声の小さい、押しが弱い」我々アジア人はあっという間に取り残されてしまいました。とても寂しい、悲しい、あー惨め。
    • しかし、コンペの数をこなすうちに、顔も広がり段々とコツが掴めてきます。特に1年目後半、ジャパントレックでそれなりに日本人として評判が高まった(?)、PEコンペの頃には、自身でメンバーを募り、ある程度「勝つため」の理想的な布陣を構築することも可能に。
    • 限られた時間の中でのチームアップやモチベーション向上等、マネジメント面でのソフトスキル向上に、自信と手応えを得られた様に思います。
    • また、某PEやコンサル出身者から、各社で使われているパワポやモデリングテンプレートを(内緒で)もらい受けることができました。(最初は「企業秘密だから」と出し惜しみしますが、コンペ後半締め切りが迫るとになると皆必死。ドサクサに紛れてゲット。)
    • コンペでは、内容について個別の授業がある訳ではないので、ハードスキルの点では、「いかにしてできるヤツから(こっそりと但し積極的に・・・)スキルを盗めるか」が、自身の成長に関わるような気がします。

② Impact Consulting

  • 概要:
    • ロンドンのNPO向けに、実際にLBS生がコンサルをするクラブ活動。期間3か月程度でMckinsey, Bain等のコンサル経験者が各プロジェクトのマネージャーを担当し、そこに非コンサル出身者数人が入る事で、チームを組み活動します。
    • 依頼が来るNPOは大抵の場合、人が足りていないようです。そのため、支援内容としても「投資家向け説明用の事業計画作成」や、「財務モデリングの作成支援」等々、プロジェクト毎に特徴があります。
    • 当方は在インド(ん?)の貧困地域における母親と子供向け教育・発育支援NPOプロジェクトにアサインされました。最終的には当該NPOの投資家向けアプローチ戦略の立案を支援。
  • Take away:
    • 他の多くのProfessionalクラブの活動は就活対策が多い中、本件は実在する企業に対し実際にコンサル活動をする「Hands-on」な活動で、手ごたえがありました。
    • 依頼するNPO側はとにかく手が回ってないので、プロジェクトリーダーの力量次第で、活動の質が大きく変わります。その点、わがチームはインドとの時差もあり、先方の依頼事項変更に振り回されるケースも多く・・・正直「リーダーしっかりしてくれよ」と思う事もありました。

③      Japan Trekオーガナイズ

    • 今やLBSの学生活動の中でも最も注目されていると言っても過言ではない、一大イベント。Class of MBA2017の代は、出身42か国、120人強の同級生を連れて、約1週間日本のフィールドトリップをアテンド。正直、一年目で最も負担が大きかった活動です。
    • 複数の在校生がポストhttp://www.lbsjapan.com/archives/3091 http://www.lbsjapan.com/archives/2814 していますので詳細は割愛しますが、当方にとっても未だに最も思い出に残っている活動の一つです。自分が生まれ育った環境を世界各国から集まったクラスメイトに見てもらう事、感動してもらう事、そして感謝の言葉をもらうこと。文章にすると淡白ですが、何事にも変えられない体験です。
    • またトレック自体の体験もさることながら、これを境に学生の間に顔が売れ、「日本人、オーガナイズ能力あるから、チーム組むとイイ事あるかも」と、授業・課外活動のチーム編成が格段に組みやすくなりました。

(ii)     2年目の活動

①      LBS Hackathon

  • 概要:
    • LBS Entrepreneurship Club主催により行われる『実践型』のビジネスコンテスト。プログラミングスキルを持つ”ハッカー”と、MBA生及び卒業生を中心とする”ビジネスマン”、”Design guru”をチームメンバーとして、ビジネスアイデアが競われます。
    • 2016年度は、Londonを起点に活動するベンチャーキャピタルBalderton Capitalを主要スポンサーとし、この他にロンドンのAccelerator, Angel Investor, 起業家の協力を受け、11月下旬の週末、2泊3日にて行われました。参加者はLBS生の他、LondonのTech系大学・専門学生や、Oxford・Cambridgeの学生も募り計100名規模で行われました。(詳細ご参照:http://www.hacklbs.com/blog–recap
    • Hackathonが通常のビジネスコンテストと異なる点は、「実際にMVP(Minimum Viable Product:プログラミングによって作成されたビジネスプロトタイプ)の実演が求められる」点が挙げられます。言い換えれば、「アイデアは良くても2日間で動作が形にできないビジネスは評価されない」といも言えます。
    • なお、本Hackathonの卒業生からはLending Club,Crowd Bank,WorldRemit等、著名Start-upの創設関係者が多数輩出され。また昨年優勝のAsset Vault (https://assetvault.co/:アセットマネジメント向けセキュリティツール開発)も、MBA2017の学生により設立されたStart-up。2015年のHackathon優勝後にTech StarからSeed roundの調達を受けています。
  • Take Away:
    • アイデアの創出からロジックによるビジネスプラン化、そしてMVPによる具現化という一連のプロセスに関心を抱き参加しました。
    • プレゼンでは、着目したマーケットの将来性については大きく見せる必要がある一方で、MVPで表現できるレベルにコア技術部分の”落とし込み”が必要となります。そのある種矛盾する二つの方向性についてバランス取るべく、2泊3日間チーム内で常に議論が絶えませんでした。
    • 結果的には参加15チームでトップの評価を得て運よく”優勝”する事ができました。

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②      Fintechカンファレンス”Lend it”でのメディアボランティア

  • 概要:
    • 2016年10にロンドンで行われた、Fintechの中でもP2PもしくはDirect Lending企業に対象をフォーカスしたカンファレンス”Lend It”に、メディア広報ボランティアとして参加しました。http://www.lendit.com/europe/2016
    • 本カンファレンスはNew York、London、Beijingにて年1回ずつ行われている、Fintech Lending系のカンファレンスとしては世界最大規模のもの。当日は25か国から900人を越える関係者(Fintech Start-up、銀行、投資家、メディア関係者等)が集まり、業界動向やNew Technologyに関する発表、ビジネスマッチングが行われました。
  • Take Away:
    • 想像以上のPenetration:勢いを感じました。リーマン以降、市中銀行が手を出せない「ミドルリスクミドルリターン」の企業/個人に融資を拡げることで、英国ではSME(中小企業向け)の融資のうち、実に20%が既にFintech企業からのLendingで賄われています。銀行APIが公開されている為か新規参入が激しく、大小さまざまなセグメントに分かれた多様な企業がプレゼンに来ていました。(Credit Scoringの外注を請け負う企業、スマホからワンタッチで融資申し込みができるインターフェイスを売っている企業・・・等)Traditionalな金融業界から来た身としては、「融資ってこんなにカジュアルになって良いのか・・・」とカルチャーショックを感じ続けました。
    • 人材の豊富さ:Start-up全体に言えますが、実に色々なバックグラウンドの人材が同業種に流れ込んでいる印象。Key Note SpeakerのFunding CircleのSamir CEOも元々はBCG出身。HSBCのStrategy HeadもMckinseyからの転職。ヒアリングをかけたZopaのCredit Analystも元々はIT業界のデータエンジニア。金融「外」から、優秀な人材が流れ込んでいる印象。
    • とあるCEOの「頭が凝り固まっているFinance出身者は要らない。それよりData ScientistとSystem Guruが欲しい」との言葉が印象的でした。

③      大学発MedTech Start-upでのPart time intern

  • 概要:
    • ロンドンのImperial Collegeにて研究中の医療モニタリングデバイス”AcuPebble”の商業化を図る案件。呼吸器及び循環器のポータブルデバイスを通じ、”てんかん”、”睡眠時無呼吸症候群”等の各種疾患の発見・治療を簡易化させることが目的。これをLBS 卒業生のスペイン人実業家E氏がCEOとして事業化を推進しています。http://www.acupebble.com/
    • 研究室側はコア技術の開発、特許は取得しているけれども商業化のノウハウが無し。E氏は過去に2つのStart-upを起業し売却。次にメディカル系のビジネスを目指していたが、コア技術無し。双方の思いが一致し、事業化を目指しています。
    • 足許は、次ステップのClinical Trial(複数の病院と提携して、実業化に向けたテストを実施)を前に、必要となる資金計GBP 3Mの調達を計画しており、イギリスのベンチャーキャピタルを中心に訪問、プレゼン実施しています。
    • 当方は約半年間、プレゼン用の戦略策定、マーケット・競合分析、ファイナンシャルモデル作成、アプローチ先のVC選定などについて、Part-timeでサポートをしていました。
  • Takeaway:
    • E氏は既に複数の事業を立ち上げ、本件が3件目の起業となるSerial Entrepreneur(連続起業家)です。また過去にはIT Start-upおよび戦略コンサルでの勤務経験もあり、彼の論理的思考法、PDCA、立ち振る舞い、投資家/事業関係者へのアプローチ方法、コミュニケーション手法等を、間近で体感することで、大きなインスピレーションを受けました。
    • 同時に、過去の経験では殆ど触れる事の無かった最先端の医療テクノロジー、イギリスの特殊な医療事情等、授業では学ぶ機会のなかった新しい分野に触れる事ができました。
    • ちなみに、このPart-timeを得るまでも中々大変でした。LBSはロンドンにある為、ポータル上でほぼ毎日の様に新しい求人案件が出ますが、MBA以外にもMiM、MiFと多くの学生が在る上に、皆積極的に応募する為非常に競合します。倍率10倍、20倍は当たり前、かつ欧米人は非常にプレゼンが上手い。(実際にスキルが在るかは別として)当方もこの案件に落ち着くまで、10回は落ちました。
    • ただでさえ英語にビハインドのある日本人としては、必然的に「あの手この手」が必要となります。最終的には、今まで出た各種コンペやImpact Consultingのピッチ資料をE氏にあれこれ送り付けて、何とかPart-timeの機会を手にすることが出来ました。そういう点でも、非常に身になる経験でした。

④     各種トレック:

  • 概要:
    • 約70か国から出身者が集まるLBSでは、各国出身者をオーガナイザーとして様々なトレック(Professional、Regional共に)が行われます。
    • 時間ができた2年目は、Octoberfest Trek, India Trek, Peru Trek等、複数のトレックに参加しました。
  • Take Away:
    • 「所詮、単なる旅行でしょ?」と思いがちですが、振り返るとこの期間が最も多くの学生と会話できたように思います。
    • 普段の授業で会話する人は、クラスメイト等どうしてもメンバーが偏ります。加えて、授業中・休み時間くらいしか会話する時間がないので、その「人となり」や「文化」そして彼らの「人生」を知るには、あまりにも時間が足りません。
    • 特にLBSの場合、基本的には授業が終わると課外活動・インターン等の為街中に「散る」ので、自身で能動的にアプローチしないと、中々顔が広がりません。
    • この点で、トレックは非常に良い機会になりました。特に大型トレック(India, Peru等)になると、丸々1週間以上の時間を共にすることになります。
    • また授業や就活時とは異なり、「話さなければいけない」決まったContextも無いので本当に色々な会話が出ます。自身の生い立ちから人生相談、国民性、国ごとの結婚観の違い等、普段のカリキュラムの中では中々知る事の出来ない情報を色々仕入れることが出来た様に思います。

 

iii) 振り返り

(1)     想像以上だった点

①      クラスメイト・同級生のクオリティ

(個人によって感想は違うと思いますが)私には想像以上でした。

  • まずグローバル経験。「海外で生活するの、今回が初めてです」は恐らく日本人がほとんど。(というより日本人でも少数派。)確かに約70か国から人材が集まっていますが、蓋を開けてみればその多くがUS/UK/AUS/シンガポール等の英語圏の大学卒、もしくは就業経験あり。また複数国籍(パスポート)持っている人が驚くほど多いです。
  • そうなると3,4か国語話せるのは当たり前、自然「ブラジル出身だけど米国とフランスでDual Degree取った後、ドイツでエンジニアして、マネジメントを学びにLBS来てみた。あ、ちなみに4世代前がイタリアからの移民だから(イタリア)パスポートもあって、ヨーロッパどこでも働けるの♪」・・・という超ド級のハイブリッド人材が現れます。私には全くもって未知の人材でした。
  • Academicな意味でも差を感じました。彼らの学歴尊重カルチャーは尋常じゃなく、例えばLBS入学前にマスター2つ修了は普通、PhDホルダーも相当数います。中にはMBAが2つ目(なぜ・・・?)という学生も。
  • 恐らく他の国はLBSに入るのにもっと競争が激しく(いや、日本でも相当大変でしたが・・・)、間違いなく各国の上位数%が来ているイメージ。それも巷で言われるコンサル/投資銀行偏重ではなく、起業家・コーポレート等幅広く集まっています。

② Flexibility:

  • こんなに課外活動を拡げられるのはLBSだけではないでしょうか。昨年、米国MBA各校の学生と情報交換をする機会がありましたが、ここまで時間を割けるMBAは、他には無かったように思います。(米国MBAの方が基本的に授業による時間の制約が大きい)
  • 一方、自由な時間が多い分、課外活動を活用していかに自分のキャリア・興味分野に関わる活動ができるかが肝だとも言えます。言い換えると授業面でのTime-Pressureが少ない分、自分でハンドリングできないと学びが得られない、厳しい面もあります。極端な話、授業後に毎日家に引きこもってYoutube見ていても、卒業自体は(恐らく・・・)可能です。
  • クラスメイトの殆どは、何かしらのPart-time、場合によってはFull-timeのインターンをしているイメージです。社費派遣が多い日本人でさえ、その半分以上が何かしらのStart-upの活動をしています。中にはグループメイトと共に在学中に起業している日本人もいます。

③      Start-up他 “London”コミュニティ”

  • 前述”Flexibility”を最大限に活かす事が出来るのは、やはりLBSがLondonの中心地にある点が非常に大きいと思います。バス・電車で20分移動すれば、世界的金融中心地の”City”へのアクセスが可能、また多くのStart-upがひしめくOld Streetへも同程度の時間でリーチが可能。結果として学期期間中にPart-timeでインターンしている学生も多いです。
  • またUnofficialなイベントとしても、近時はMeetup、Eventbrite等各種ツールを用いて学外活動への参加が可能です。Finance、Fintech, Venture Capital, Start-up系のイベントは、ほぼ毎日のようにLondonのどこかで開催されており、例えば授業後に起業家のPitchイベントを見学に行くことも可能です。

(2)     がっかりした点

①      キャンパス

  • LBSにはMBA以外のプログラムも多く、学生数が毎年増え続けているので正直手狭でした。立地が抜群、かつ他のMBAとは異なりUndergradの学部が併設されていない為、これは已む得ない点はあります。
  • 受験生のみなさんはご安心を!!歩いて5分の場所に、ステキな新校舎がもうすぐ竣工予定です。これで相当改善されるはずです。(当初は我々在学中にオープンすると聞いていたのですが・・・涙)

http://www.sheppardrobson.com/architecture/view/london-business-school-the-sammy-ofer-centre

②      授業は”ピンキリ”

  • MBAを志したものとして、誰もが通る道と思いますが、当方も岩瀬大輔さんの「ハーバード留学記」を読んで受験していたので、全部の授業が泣けるのかと。が、そんなことは無く、授業によって当たり外れはあり。(「ハーバードとLBSは違う!」と言われたらスミマセン。。。)「おぉ、これは!!」と思うものもあれば「時間と金返せ!」と言いたくなるものもありました。
  • LBSの学生は教授に対して本当に辛辣、容赦がありません。教授もファーストネームで呼ばれる世界。一回授業出席してみて、「身にならない授業」と判断されれば次回以降、出席者が激減します。
  • 授業は分野(Finance, Strategy/Entrepreneurship, Marketing, Organizational Behavior etc)と授業形式(ケースディスカッション主体、hands-on主体、レクチャー形式 等)共に幅広いので、効果的に情報を収集して「地雷」を踏まないようにカスタマイズが可能です。

③   “Diversity”が過ぎることの弊害

  • 学生のDiversity(92%が英国外からの留学、全70か国から学生が集まる)に加え、教授もこれまた然り。英国出身の教授は意外に少なく、イタリア、インド訛りの英語で授業が行われることも多数。
  • こうなってくると、もはやどこの国に来たのか分からなくなります。印象的だったのは昨年のBrexit。国の行く末を促す根本的な社会問題だが、そもそもロンドン長期在住の、投票権ある学生の方が少ないので、驚くほど話題に上がりませんでした。
  • そもそも、ロンドン自体が世界的にも最も”Diverse”な街の一つです。一説に、市民の半数が”非”British人。在住10年以上の登録上だけ”British”な移民も多いので、実数はそれ以上と思われます。
  • サマーインターンの一環にて1週間ほど米国で研修しましたが、何となくLBSのグループワークの仕方に違いを感じました。LBSでの2年間で、確かにDiversityの中での経験は積めましたが、逆にDiversityがそれほどでもない他の国に行った際に、同じように自信を持って対応できるのか。(そういう点でも、米国への交換留学は良い経験になるのかもしれません)

④      “Attractive London”過ぎることの弊害

  • 必修クラスを終えた1年目の終盤、および2年目になると、クラスメイトもその多くがパートタイムで仕事をするようになります。すると皆、効率性を重視し、学校に来ても、短期集中で一気にタスクを片付け、自分の活動の為に街に散って行くようになります。
  • 感想として、当初イメージしていたような、「放課後食堂に行くと、クラスメイトがたむろしていて、世間話をして、夜になったから飯を食べに行く」・・・といった機会は、思ったより少なかったです。良くも悪くも。

 

iv) 総括 Reflection

  • 本当にTransforming な時間でした。それは決してビジネス/キャリアの話だけではなく、改めて”人生とは何なのか?”、その中で”なんで働くんだっけ?”を考えさせられる時間でした。
  • 留学前の新卒から7年間、今まで会社の中からしか見えなかった世界が、様々な出会い・経験を通じて広がる事。そしてロンドンというフィールドが様々な人種・カルチャーを交えて、尋常じゃなく広い事。
  • 今まで日本でごくごく普通に思っていた「”新卒で就職”⇒一つの企業に勤め上げ⇒定年」、の3段階モデルが世界的には普通じゃないんだ、と気が付いた時。国籍関係なく、”あ、この人のように生きたいな”という、人生のロールモデルを見い出した事。結果として、留学当初の計画からは大幅に違ったキャリアを歩むことに。
  • この刺激的な地を後にし、一旦は東京に戻りますが、TransformingはAlumniになってからも続くはず。世界中に散らばる45,000人のAlumniの一人として、今後どのように社会に貢献できるか、”豊かな”人生を歩んでいけるか。常にチャレンジし続けたいと考えています。

 

v) 受験生へのメッセージ

長らく夢に見ていたMBAが終わってしまい、今は茫然としています。

受験生のとき、自分は非常に出来の悪い学生でした。

3年以上かけて準備したはずなのに、スコアメイクが終わらず。
出願後もGMATを受け続ける日々。予備校の先生からは「なぜ点数が上がらないのか分からない」と、
あきらめにも聞こえるアドバイス(?)をもらう。

出願期限が迫る為、意を決してエッセイを優先し出願後にリスコアする戦略に。
でもエッセイを書きながら「こんなスコアで見てもらえるんだろうか」と不安になる日々。
「あんなに長い事行きたかったのに・・・あんなに努力したのに・・・」
自分の不甲斐なさに、ただただ悔しくて何度も涙が出ました。

 

MBAに行かなかった自分にはきっと違う2年間があるし、他のMBAも分からないけど。
今あの頃の自分に言えることは、

「LBSに行って2年間を過ごして、一片の後悔も無い」ということ

当時はたくさん情報を収集して、精一杯背伸びして、想像してエッセイを書いたけど。
それを遥かに越える出会いと、挑戦できるフィールドが広がっていること。
だから、最後に受験生の皆さんに伝えたいのは・・・

どうか自分と、その未来を信じて最後まであきらめないでください。
絶対に今の苦しさに見合うだけの・・・いえ、その何倍もおつりがくるほどの、
素敵な2年間が待っています。

そして、”いいな”と思った学校には必ず出願してください。
満足いくスコアが出来てなくても、たまにミラクルが起きます。
私自身そうでしたし、そういった人を何人も見てきました。
出願しない限りは、勝負しない限りは、その思い描く未来に1%も可能性はありません。

 

日本人のグローバルなプレゼンス低下が叫ばれる中、

私費、社費問わず多くの方が海外MBAに挑戦してくれれば良いなと思いますし、
Alumniとして全力で応援できればと考えています。

 

最後になりましたが、今週末7月29日(土)に在校生及び卒業生によるLBSの説明会が行われます。

当方も参加予定です。ぜひ皆さんに、生の声をお伝えできればと思います。
登録がまだの方は今すぐ以下のリンクへGo!!

https://lbsintokyo2017.eventbrite.co.uk

 

たくさんの皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

 

MBA2017 K.N.Congregation2

LBS Japan Trek 2017

多くの方々のご支援のもと、本年度も3月25日から4月1日にかけLBS Japan Trek を開催できましたので、こちらでご報告させていただければ思います。

 

Japan Trek2017 ブログ掲載用1 (3)

 1.Japan Trekとは何か

LBSでは学生が自ら企画・運営する旅行(通称Trek)が毎年、数多く開催されています。ニューヨーク、香港などの都市を訪れ、その土地のビジネス慣習を学んだり企業訪問を行うTrekから、その国の文化・伝統を体験をするカルチャー系のTrekまで、毎週のように何かしらのTrekが行われています。

特にLBSには世界80か国以上から学生が集まっており、各国出身の学生が中心となり企画するこのTrekをおかげで、なかなか訪れる機会が少ないような国でもその土地ならではのディープな体験をすることができます。スペイン、イタリアなどの欧州各国やインド、ブラジルなどの大国はもちろん、南アフリカ、ナイジェリア、ジョージア、チェコ、ブルガリア、ミャンマー、などなど、数え上げればきりがありません。

さて、その中でも例年随一の人気を誇っているのがJapan Trek。過去の先輩方のおかげで、LBS生活の中で必ず参加すべきもの、という評判が確立されており、今年の日本人学生も入学するやいなや、「今年のJapan Trekの開催はいつなんだ?」「どうやったら確実にチケットがとれる?」と質問攻めにあったくらいです。

 

2.Japan Trek開催までの足跡

(1) Organizerチーム結成

校内屈指の一大プロジェクトということで、入学後すぐの9月初旬から準備を開始しました。より一層Japan Clubの活動のすそ野を広げ、多くのプログラムより参加者を募るため、今年度は(おそらく)初めてMBA・MIF両プログラム合同チームでの企画となりました。また、こちらも初めての試みとして日本人以外のオーガナイザーを公募し、8名もの生徒が参加を表明してくれました(アメリカ人、ブラジル人、イギリス人、ドイツ人、インド人など)。結果、総勢17名のチームとなり、さらに各々が担当をもち、トレック直前の3月末まで毎週欠かさずにミーティングを行っていくこととなりました。

また、このTrekの目的として、将来活躍が期待される世界中のビジネスエリートの卵達に日本のことを知ってもらい、好きになってもらい、“コアファン”を増やすことを掲げ、このTrekでしか得られることができない経験を参加者に提供できるようオーガナイザー一同がその目標に向かって走り始めました。

 

(2) Trekの概要決定

過去のデータをもとに議論し、以下のように骨子を決定しました。

参加人数:120名(最終的に128名)

旅行日程:2016年3月25日~4月1日(7泊8日)

訪問先:京都(2泊) ⇒ 有馬(1泊) ⇒ 飯田市(長野県)(1泊)⇒ 東京(3泊)

昨年度のアンケートの結果、6泊7日では短いという声が多数であったこと、また、本年は飯田市出身のオーガナイザーがおり、彼を通じて飯田市役所の全面協力を得られることとなったので、例年の旅程に飯田市訪問を加え、全体として7泊8日の旅程となりました。また、より多くの参加者に対して興味に沿った内容を提供できるように数多くのオプショナルツアー、ディナーを提供することとしました。

 

(3) プロモーション・チケット販売

上記概要を決定後、具体的なプランを詰め始めるのと同時に、校内へのプロモーション活動も開始しました。SNSを通じての情報発信や、説明会を開催などを行いつつ、オーガナイザー自身のネットワークベースで属人的な売り込みも積極的に活用しました。

Japan Trekは随一の人気イベントではあるものの、今年はBrexitの影響もあり、前年比大幅な円高ポンド安となってしまい、ポンド建てで20~30%のチケット値上げが避けられない状況となってしまいました。参加者のすそ野を広げるために、なるべく値段を抑えたいと思う反面、赤字は避けなくてはなりません。チケットリリース直前までいくらにプライシングするか議論が続きました。

そして、チケットリリース当日。会議室に集合し、オーガナイザー一同で緊張しながらリリース時刻を待ちます。このときはすべて売り切れるか不安もありましたが、いざ発売が開始されるとわずか20秒ほどでチケット100枚以上が完売。その場にいた全員が喜びを爆発させました。その日のLBSでは、Japan Trekのチケットが取れたかどうか、という話題で持ち切りとなり、改めて期待の大きさを実感しました。

その後2月にはオプショナルツアーに関する説明会、3月には日本の文化、宗教、伝統、流行等を紹介する勉強会等を開催し、参加者のTrekへの期待は最高潮に達しました。

 

(4) スポンサー企業様への協賛ご依頼

12月からは、各企業様向けにJapan Trekを含めたJapan Clubの活動趣旨をご説明申し上げ、Clubへのご協賛をご依頼させていただきました。例年同様、今年も多くの企業様にご協力いただき、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。残念ながらLBSの授業等で日本に関連する事項が取り上げられる機会はあまりありませんが、このTrekを含むClub活動を通じて、学生達の間で日本企業への関心度が上がっていると感じております。

 

3.Trekの様子 

総勢130名近くの団体をプロのガイドなしで我々学生だけで引率するというのは非常にチャレンジングでTrek中は寝る暇もない日もありましたが、幸い大きな問題もなく、非常に満足度の高い旅ができたと思っています。日本人は細部を気にしがちですが、なるべく我々オーガナイザー自身も旅を楽しめるよう、事前には入念な準備を行い、旅が始まってからは無理のない範囲で個々人が対応するように心がけました。

過去のトレックの様子は以下のリンクでもご覧いただけます。

2016: http://www.lbsjapan.com/archives/2814

2015: http://www.lbsjapan.com/archives/2593

本記事では2017年Trekにおいて、新たに取り入れたことを中心にご紹介したいと思います。

 

(1) 京都

本年度は初日のWelcome Partyに芸妓をおよびし、芸を披露していただきましたが、日本人も含め、ほぼ全員が初めて見る宴会芸に興味津々でした。

また、2日目のディナーは例年よりもオプションの選択肢を多くし、なるべく参加者の満足度を高められるよう意識しました。どのディナーも非常に評判がよかったですが、特に京野菜料理など、京都特有のものに関しては特に喜んでもらったように思います。

 

(2) 京都・広島・奈良

3日目には、昨年同様、参加者の希望に応じて京都のさらなる探索、広島、奈良の三手に分かれてのツアーとしました。

昨年、広島の原爆資料館訪問に際して、参加者の関心が非常に高かったというフィードバックがあったため、今年は地元のボランティアの方にガイドを頼み、これが非常に好評でした。真剣に歴史を学ぼうとしている参加者にたいして、良い機会を提供できたのではないかと思います。

 

(3) 有馬温泉

3日目の夜には全員で有馬温泉に宿泊し、大宴会を行いました。全員で浴衣を着て、宴会ゲームや、カラオケ大会などを行い、一同大盛り上がりでした。ちなみに、Trek後のアンケートによると、この宴会がTrek期間中で最も評判の良いディナーでした。

 

(4) 飯田市(長野県)

今回、Japan Trek史上、初めての試みとして、長野県飯田市へ訪問させていただきました。例年の予定に加えて飯田市を訪問することで、通常の観光とは違う、このTrekでしか得られることができない経験を参加者に提供することを目的としました。

まず到着後、京都外国語大学の学生や地元の高校生のボランティアガイドの案内で、飯田市内を散策したのち、4人組のグループに分かれて、全32軒の地元農家の方のご家庭で農家民泊体験をしました。各農家の方々に、日本農家の伝統的な暮らしをご紹介いただくなど、おもてなしをしていただきました。茶室にて茶道を体験させていただくグループもあれば、五平餅などの伝統的な料理をふるまわれたグループもあり、非常にバラエティに富んだ経験ができ、何よりも農家のみなさまの暖かい心遣いに多くの参加者が非常に感動しました。写真はその内の1グループでの、農家のご夫婦を囲んだ晩御飯でのショットです。

Japan Trek2017 ブログ掲載用2 (2)

翌日は、伝統芸能である文楽の観劇と、天竜川舟下りを楽しんだ後、焼肉パーティーをご用意していただきました。そのパーティーには市長含む関係者の方にも多くお越しいただき、また、太鼓によるパフォーマンスなどいたれりつくせりの歓迎をいただき、参加者一同大いに食べて飲んで楽しみました。

この体験の様子は、多くのメディアでも報道されましたが、一例として日本農業新聞にて取り上げていただいた記事(同記事がYahoo!ニュースにも掲載)をご紹介させていただきます。

“「インバウンド効果」地方に波及へ 来日したら農泊でしょ 「観光立国」推進も・・・”(日本農業新聞2017年4月1日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00010003-agrinews-soci

(日本語記事リンク切れの場合以下の英語版ご参照)

http://english.agrinews.co.jp/?p=6508

今回の飯田市訪問を通じて、大都市の観光地を回ることでは難しい「人との交流」が農家民泊などを通じて行うことができたと思っております。多くの参加者が一生に一度の素晴らしい体験になったと喜んでおりました。

このような機会をいただき、我々を受け入れるために多くの時間を準備に割き、我々の訪問中は温かいおもてなしをしてくださった飯田市役所のみなさま、農家の方々、学生ガイド、地元ボランティアの方々には感謝してもしきれないほどのご厚意をいただきました。本当にありがとうございました。ここに改めて御礼申し上げます。

 

(5) 東京

いよいよ旅の最終目的の東京に到着です。旅の後半ということもあって、少しバテ気味ではありましたが、東京を楽しみにしていた人間ももちろん多く、連日遅くまで夜の街に繰り出していた参加者もいたようです。

東京では個々人がそれぞれの興味に沿ったオプショナルツアーを選び、少人数に分かれて行動しました。新しい試みとしては、浅草公会堂にて日本舞踊、長唄、三味線、尺八、お囃子、茶道の先生方19人を招待し、日本文化を学び・体験するツアーを提供しました。師範の方々に直接教わり体験できたことは貴重な経験であったとの声が大きかったです。

また、日本酒造組合連合会さまにご協力いただき、Shochu & Sake tastingを体験するツアーも日本の酒情報館で実施しました。焼酎に関するレクチャーをいただき、その後のテイスティングでは焼酎7種類を試飲させていただきました。

Trek最終日は昨年同様、渋谷スクランブル交差点からほどない天空レストランでのFarewell Partyを行いました。酒樽の鏡開き、フォトコンテストや旅の思い出ムービーの放映など、最後の夜を全力で楽しみ、参加者全員が口々に最高のトレックだった、というのを聞いて、我々オーガナイザー一同も達成感で一杯になりました。

 

4.Japan Trekを終えて

(1) 参加者の声

Trekの途中、また、ロンドンに帰国後も、参加者から様々な声が寄せられました。それらに加え、帰国後に実施したSurveyの結果から、我々が掲げた『日本のことを知ってもらい、好きになってもらい、“コアファン”を増やす』という目標を達成できたと感じています。以下、一部サーベイの結果を抜粋します。

①     総合満足度:5段階評価4.78

Japan Trek2017 ブログ掲載用3

 

 

 

 

②日本をまた訪問したいか:全員が訪問したい、7割以上が5年以内に訪問

4

 

 

 

 

③日本を家族・友人に勧めたいか:全員が勧めたい

5

 

 

 

 

 

(2) 最後に

なぜこのTrekをやろうと思ったのか、このTrekを通じて得たものはなんだったんだろうか、考えてみるといろいろと思いつきはするのですが、うまく言葉にできません。

Trek運営は、給料が発生するわけでなく、言ってしまえばボランティアなわけです。また、時としてプレッシャーは大きく、多くの時間を取られることもありました。そんな中で、なぜ最後までみんなが力を合わせて頑張れたのか。それは単純に「楽しかったから」だと思います。過去このTrekのオーガナイザーをしてきた先輩方も口をそろえて、「大変だけど、それ以上に楽しかった!」とおっしゃっていました。

みんなで力を合わせて、一つの目標に向かって頑張ることの素晴らしさをこのTrekは教えてくれました。これから先の人生で、Trek参加者やオーガナイザーに再会したときに、「あのとき、こんな楽しいことがあった」「あんな失敗をした」などの話で盛り上がるのが今から楽しみです。

最後になりますが今回のTrekの成功は、御支援頂いたスポンサー企業の方々、私達の細かい要望に応えて下さった受入れ先のホテル・旅館・レストランの皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 

今回も例年に引き続き、近畿日本ツーリスト様の太田様にサポートいただきました。旅行運営に関して素人である我々にとって、訪日団体旅行を幅広く手掛けてらっしゃる太田様の細部にわたるご支援がなければこのTrekは実現することができなかったと思います。今後新たにJapan Trekの開催を検討される留学生の方等いらっしゃれば、是非ご連絡を取ってみみてはいかがでしょうか:

近畿日本ツーリスト株式会社グローバルビジネス支店

担当:太田様

TEL: +81-3-6891-9600 / FAX: +81-3-6891-9600

E-mail: dmcjapan「アット」or.knt.co.jp:「アット」を@に変換下さい)

 

 

R. O.

*詳細についてご関心の方は個別にご連絡下さい(rogiwara.mba2018「アット」london.edu:「アット」を@に変換下さい)

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