ロンドン名うての語り手から学ぶ、言葉の技術

MBAの授業に出ていて、これは凄い、という教授に出逢うことがある。教授の実績やフレームワークではなく、「80名もの生徒を、3時間惹きつけ続ける技術」についてである。

 

某教授曰く、MBAは教育産業でありつつ、エンタメ産業でもある。世界各国のリーダーの卵が高額な授業料と時間を投資して来ている。ロンドン・ウェストエンド名物のミュージカルの如く、観客(生徒)に面白い、と思わせ、飽きさせない工夫が必要なのである。

 

MBAの教授は世界中で引き抜き合戦が行われており、評判が良いとなれば高額サラリーでトップスクールへと移籍してゆく。世界ランク4(Financial Times:2018)LBSともなると、名うての語り手が揃うというわけだ。

 

では、その名エンターテイナーたちは、どのように観客を惹きつけているのであろうか。

 

1. テンポ・ケース・アナロジー

2. 参加性

3. 「良い人」であり続ける

  

1. テンポ・ケース・アナロジー

本題に入る前に、前述のミュージカルの話をしたい。

 

ミュージカルの三要素は、歌・ダンス・演技だと言われる。この三要素がお互いに働き合い、作品をより人々の心に響くものに仕上げている。

 

レ・ミゼラブルで言えば、「ジャン・バルジャンは息を引き取り、フォンテーヌが天に導きました」と棒読み朗読されているのを聞くのと、今まさに死にゆく俳優の演技を眼下に、名曲”Do you hear the people’s sing?”の生オーケストラを聞くのと、どちらが心に染み入るか、というのは一目瞭然である。

 

一方、MBA授業を面白くさせる三要素は、テンポ・ケース・アナロジー、およびこの3つの相乗効果であると考えている。

 

「テンポ」:テンポは、語り口、内容展開、それぞれの速度のことで、これが心地よく進まないと退屈してくる。落語やオペラ、ミュージカルといった観劇産業では、「良い音を良いテンポで出していると、音が全く意識されないようになり、観客は言葉のみに集中できる」そうだが、全く同じである。

 

日本の大学では、何年間もアップデートしていないページを上から順に読みあげるのみの退屈な教授がいると聞いたことがあるが、同じ科目でも、生徒が入れ替わるし時代も進む以上、生徒の理解度・興味は昨年と今年では違う。その場の雰囲気に合わせてテンポをカスタマイズして、盛り上がったところは時間を使い、そうでないところはカット、という臨機応変な対応ができる教授は面白い。

  

「ケース」:ほとんどの授業ではケースやゲストスピーカーが用意されるが、これらは満足度に大きく影響する。生徒をengageさせられるケース・ゲストスピーカーは下記の条件に沿っている場合が多い。

 

  • 「手触り感のあるケース」:技術難易度が高く背景説明が複雑になるケースや、抽象的な描写に終止しているケースはどうしても盛り上がりにくい。反対に、「トッテナム・ホットスパーの新スタジアム建設の投資判断」といったトピックはイメージしやすく、敷居が低く面白い。

 

  • 「具体的な裏話が聞けるゲスト」:表面的な戦略論に終始しがちな方に比べて、現場で血反吐を吐いてきた起業家や経営者の苦労話、例えば著名な広告展開の裏にどんな葛藤があったのか、といった話は人を惹き付けることが多い。まさにこの点が大都会に位置するLBSの強みであり、多種多様な産業のトップリーダー・起業家を招聘している。

 

「アナロジー(比喩):「腹落ち感」という言葉がコンサル業界ではよく使われるが、それは「なんとなく分かっていることだけれど、改めて強く納得し」、「行動に一歩近づく」ことである。MBAでも、完全に知らなかった知識を教わってふむふむ、ということもあるが、AHA!となる瞬間の多くはこの「もやっとしたものが整理される」腹落ち感であり、そこには教授による効果的なアナロジーが寄与していることが多い。

 

更にいえば、アナロジーは遠い世界から持ってきたほうがAHA!感が高まる。例えば、「テレビの価格戦略をPCの価格戦略と比較する」よりも、「テレビの価格戦略を、千両みかんの事例からの意味合いで考える」方が圧倒的に面白いのである。(詳細は東洋ビジネスオンライン・御立尚資氏の記事を参照のこと)

  

2. 参加性

日本の大学で寝ている生徒が多く、LBSではそれがありえない理由の一つに、この参加性がある。授業は教授の語りだけで完結するものではなく、生徒・ゲストスピーカー・ホワイトボード・スライド・映像の一体商品として捉えるべきである。

 

ウェストエンドの人気ミュージカル、マンマ・ミーアは、ショーの最後に、総立ちの観客を煽り、観客・オーケストラ・キャストが一体となってABBAの曲を手拍子し、踊る一幕があり、これが楽しくて足繁く何度も通うファンが続出する。

 

それと同じく、エンターテイナーとして知られる教授は、生徒を本当に効果的に巻き込む。Strategy and Entrepreneurshipの看板教授、Costas Markides教授は、生徒のengagementにおいて最高峰といえる。人の認知の癖と、それが組織に与える影響を説明するために、まず生徒に紙や数字を使った簡単なエクササイズをさせたり、それを元にディベートさせたりする。ついつい生徒が盛り上がりすぎた結果、まんまと教授が導きたい(間違った)結論にたどり着いてしまい、それを指摘されガクッとなる。この一連のプロセスのあとに説明される理論の腹落ち度は格別であった。

 

3. 「良い人」であり続ける

「良い人そう」な人の話は少々出だしが躓いても聞きたいと思うし、「なんか癪に障る」人の話は出来るだけ聞きたくない、この反応は古今東西共通するのではないか。

 

「熱心に聞き、発言にも参加する」生徒の割合、いわば授業の「視聴率」を維持するため、冒頭で恐怖政治に走る教授がいる。例えばいきなりコールドコールからスタートしたり、デバイス利用を禁じたり、事前課題を読んできたか確認する、等々。結果として視聴率は高まるけれど、この手の教授の話は大体面白くない。語りだけで視聴率を維持できないからこそ、恐怖政治に走るのかもしれない。

 

人気授業として先輩から代々語り継がれる教授は、このようなことはしない。前述のCostas教授は、まず愛嬌たっぷりの笑顔と口調で、開始3分で心を鷲掴みにする。その後も、独特のホワイトボーディング(ポイントワードだけ書くのではなく、結論をハイトーンボイスで話しながら文章全体を書き殴る)およびギャグセンス(出身のキプロスの自虐や、非ネイティブであることを逆に面白可笑しく使った誇張的な形容詞遣い等)、あるいはなんとも目が話せないテンポの緩急により、恐怖政治をせずとも9割以上の視聴率を保ち続ける。

 

 

MBAの本質は授業以外にある(ネットワーク・リーダーシップ等)というのは間違いないのだが、一方で授業もいずれ陳腐化する知識それ自体ではなく、名うての語り手の話を見れる、という視点で観ると大変に学びが多い。言葉の技術はほとんどの職種で必要となるだけに、MBAはこのような観点でも学びがある、ということをお伝えできれば幸いです。

MBAとコンサルで迷っているあなたへ

「将来の起業へ備え、今よりも経営寄りの仕事がしたい」

「グローバルでリーダーシップを発揮し、インパクトを生み出したい」

このような想いで、MBA(海外)やコンサルに興味を持ち、その2つで迷っている方が非常に多いように感じます。私はコンサルを経験した後にLBSに来ましたので、様々な方のキャリア相談をお受けするうち、どちらに行くべきか、あるいはどちらを先に行くべきか、等でお悩みの方に多く出会いました。

キャリア選択に答えはないため一概にお答えできませんし、筆者の限られた経験から語らざるを得ないという制約はありますが、本稿が上記のような志をもつ皆様へ参考になればと幸いです。

 

(細かい比較論をする前に)考慮すべき大前提

  • キャリアゴール・興味・リスク嗜好・年齢・学歴等により向き・不向きは大きく異なる:当たり前のことですが、「日本の金融に貢献したい、35歳、学部、子持ち、帰国子女」という方と、「製薬のイノベーションに携わりたい、28歳、MD、独身、純ドメ」という方を一緒くたに議論し、「MBA行ってからコンサル行きましょう」などと一般化することはできません。更に、コンサルもMBAも「とりあえず行っとけ」という認識を持たれがちですが、いずれに関しても向いている人とそうでない人もいますので、まずはご自身のバックグラウンドや興味を客観的に整理してから、取り得るオプションを検討する必要があります。

 

  • 宝くじ的な要素が大きい:MBA(本稿では海外に限った話をします)にしろ、コンサルにしろ、どの学校/会社を目指すのかによって難易度は大きく異なります。仮にいわゆるTier1スクールや トップファームと呼ばれるところを目指す場合、枠が(特に景気後退時は)非常に少なく、宝くじ的な要素が大きくなります。例えば、FT Rankingの上位10校や、MBB(McKinsey, BCG, Bain)でなければ行きたくない、ということになれば相応の実力に加えて運が必要となりますし、時間をかけてプランを練っても思うような結果が出ずに計画崩壊、というリスクも小さくありません。トップスクールでなくてもどうしてもMBAに行きたいのか(あるいはトップファームでなくてもコンサルに行きたいのか)、あるいは他オプションも受容できるのか、というバックアッププランを練り、心づもりをしておくことは大切であると考えています。

 

MBAとコンサルで得られるものの違い

  • Global exposure/leadership: コンサルは外資・日系ともに海外出張や海外転籍などの機会が豊富に存在します。それは事実です。しかしそれは、グローバルレベルでのコミュニケーション力を有しているコンサルタントに限った話です。あくまで仕事であるため、例えば英語すらままならない純ドメと、日中ハーフの帰国子女(三ヶ国語堪能)の同期同士で比較した際、どちらが海外案件に入りやすいのか、というのは一目瞭然です。特に外資トップファームには英語に苦労しない人材が豊富にいるため、社内での競争な苛烈です。日系であれば、案件さえあれば海外に長期で行ける人もいるようですが、私の友人は「海外には行けるけれど、日本語もしくは日本式のコミュニケーションになってしまっている」という悩みを持っており、日系は日系なりの悩みがあるようです。
    一方、MBAは合格さえしてしまえば、英語力にかかわらず、海外で外国人とグローバル・コミュニケーションをすることになります。外部の機会も多いため、インターン等で海外での勤務経験を積むことも可能です。これは英語を苦手とする人にとっては大きなポイントでしょう。

 

  • 本気度:再度当たり前シリーズですが、コンサルティングはクライアントのために行う仕事であり、MBAは学校です。いくらMBAにはインターンや疑似コンサル授業などがあるとはいえ、当然ながらその質・本気度はコンサルティングと比較できるものではありません。学校は自分さえよければそれで問題ないですが、コンサルタントは自分のために仕事をしているのではなく、あくまでクライアントのカウンセラーであり、クライアントにインパクトを生み出さなければ無価値です。誤解されることも多い職業ですが、少なくとも私が出会った同僚たちは、クライアントのために無私に、がむしゃらに働く人達でした。一社一社、一人一人異なるクライアントのために価値を出し続ける、その強烈なプレッシャーのもとで日々働くというのは、学校での勉強と異次元の成長カーブを生み出すことになります。

 

  • 成長ループ:MBAの真骨頂の一つは、「自分で立てたキャリアやリーダーシップの仮説をもとに、多様な機会を自分で選択し、試し続けることができる」ことにあります。仕事ではないので、こんな業界に興味がある、こんな起業アイデアがある、こんなリーダーシップスタイルを試したい、等の仮説をもとに、人に会いに行ったりインターンをしたりグループワークをしたりして、成功や失敗をし、自省して学びを得る、というループを3ヶ月単位ほどの高速で回すことができます。仕事と違い制約が少ないため、いくらでも試し、失敗することが可能です。つまり、自ら仮説検証していく、「内省型の成長ループ」といえます。
    一方コンサルの良い点として、「尊敬できるロールモデルから、高頻度でフィードバックをもらうことができる」という点があります。厳しい環境をくぐり抜けた先輩・後輩や、CxOレベルのクライアントから、日々直接的・間接的にフィードバックをもらうことができるため、自省だけでは気づき得ない視点を得ることができます。このような、「外部フィードバックによる成長ループ」を最大化するために、ファームによっては週次でのフィードバックが文化として根付いています。筆者がMBAに来てからすぐに感じた不安点として、客観的なフィードバックが入りにくいということがありましたが、「学生が故の選択の自由度の高さ」と、「責任が少ないが故のフィードバックの緩さ」はどうしてもトレードオフになってしまうのだと思います。

 

結論: すべては志次第

色々と書かせていただきましたが、一番お伝えしたいことは「どのような志をお持ちか、それ次第である」ということです。相談をお受けしていて、「コンサルとMBAのどちらが有利ですか」「とりあえずMBA(またはコンサル)に行っておいた方がいいですか」といった、「損得勘定」でお話を進められる方が数名もいらっしゃいましたが、これは個人的には大変残念なことです。無論誰にでも生活があるため損得勘定は非常に大事なことですし、志が一番と語る私は青すぎるのかもしれません。しかし、MBA受験、コンサル業務はいずれも過酷であり、「とりあえず行っておくか」という方が務まるほど甘くないという側面もあります。更に、MBAもコンサルも、未来のグローバルリーダーを輩出することが社会的な意義の一つであり、私も日々そのような意識で会社のチームメンバーと接しているつもりです。5年後でも、20年後でも良いので、社会に対してどのような貢献をしていきたいのか、そのためにどこにいたいのか、どのような経験・スキルを身に着けたいのか等の観点を踏まえ、社内外のロールモデルと話した上で自分なりにしっかりと立ち止まって考えることで、MBA or コンサルという悩みにアプローチすべきではないかと思います。

稲盛和夫氏は、「仕事をやり遂げるには大変なエネルギーが必要。そのエネルギーは、自分を励まし燃え上がらせることで起こってくる。自分が燃える一番良い方法は、仕事を好きになることです」と述べ、仕事の志の大切さを説いておられます。MBAもコンサルティングも本当に素敵な選択肢であると私は思っており、読者の皆様がどちらに行くにせよ、ご自身の志に向かって燃え上がることができることを祈っています。

LBS Japan Trek 2018

掲載が大変遅くなってしまいましたが、本年も4/2~8の一週間、毎年恒例のLBS Japan Trekを開催しました。関係者各位の多大なるご支援・ご協力に御礼申し上げますと共に、この場を借りて概要をご報告させて頂きます。

 

1.Japan Trekとは

LBSでは学生主催の旅行=“Trek”の開催が非常に盛んです。地域のみならずテーマも様々で、ビジネスに重点を置き特定の業界の企業訪問等をメインにするものから、その地域の文化や歴史を学ぶもの、変わったところではスポーツの大会・試合参加がメインのものまで、数十件は下りません。ヨーロッパ各国は勿論、アフリカ、中東、北米、中南米、アジア、オセアニア・・と、要は全世界へのTrekが毎週のように開催され、ディープな目的地にも事欠かず、まさにLBS自慢の多彩なDiversityの面目躍如です。

 

各国の学生がホスピタリティを競い合う内容の充実ぶりに加え、Trekのメリットは他にも多くあります。一つは同級生と文字通り寝食を共にし、人間関係を深められること。普段の学生生活以上に密度の高い数日間を送り、自分の国、あるいは将来について深く語り合うことができるのはTrekならではと言えます。もう一つは学生主催のプロジェクトとしての側面です。企画から実行まで全てを学生が自主的に進めるため、チームで議論を重ねて形にしていく作業はプロジェクトマネジメントの貴重な体験と言えるでしょう。

 

前置きが長くなりましたが、Japan TrekはLBSで数あるTrekの中、毎年群を抜いた規模と人気を誇ります。日本の魅力と過去の先輩方の毎年の努力の蓄積で、入学前から楽しみにしている学生も少なくありません。決して安くはない参加チケットですが、皆“LBSで参加すべきイベント”として認識して予算を確保しており、日本人学生には“俺のチケットを絶対に確保してくれ‼”と入学直後から猛プッシュが殺到することになります。

 

2.開催までの準備

・ オーガナイザーチームの発足

入学直後の9月からすぐに準備を始めました。既にホテルの確保を始めて頂いた2年生から引継ぎ、MBA+MIFの日本人学生15人で活動開始。さらに日本人以外のオーガナイザーも公募、日本の“コアファン”とも言える7人の生徒が熱い参加表明を持ち込んでくれ、総勢24名という大きなチームで発足しました。大所帯であることから全体を5つのチームに分けて担当。各チームリーダーを中心に毎週月曜に集まることとし、このWeekly Meetingは3月まで半年間続くこととなりました。

 

・     概要の決定

本年度から始まったTailored Coreカリキュラムの影響で春休みがなかなか確定せずに苦労しましたが、学校のプログラムオフィスとも調整を進めて日程を確定。その中で訪問先を議論して絞り込み、以下のスケジュールとなりました。

参加人数: 141名

日程: 4/2~4/8 (6泊7日) 京都2泊+有馬温泉1泊+東京3泊 

*3日目は京都・奈良・広島に分かれて1日観光

*4日目は東京直行/金沢経由(1泊)に分かれて移動

まず本年度一番のチャレンジは参加人数の拡大です。前年まで120人と既に非常に大きい規模でしたが、それでも人気のあまりチケットを買えない人が続出している状況でした。せっかく興味を持ってくれた同級生には一人でも多く参加してほしい・・という思いから、思い切って更なるキャパシティの拡大に踏み切りました。

もう一つのチャレンジはFlexibilityでした。事前調査では、既に来日経験のあるリピーターから初来日まで知識が様々であること、期待する内容も幅があることが判明。多くのゲストに満足してもらうには日程の選択肢を設けることが必要でした。昨年同様に西日本パートで1日観光のチョイスを設けたほか、今年初めての試みとして選択制で一泊の金沢訪問を組み込んでいます。昨年より1日短い日程に限定される中でどのようにスケジュールを盛り込むか?という点は、準備の前半で最も頭を悩ませた点です。

 

・     チケットリリース

毎年の悩みはPricingです。インバウンド需要が好調な日本国内の宿泊費用が高騰しており、今年も昨年比でコストが上昇、やむなく値上げでのリリースを決定しました。その後学内説明会の開催、SNSでの発信・・・を行いましたが、同じタイミングでケニア・中国・シリコンバレー等の複数の競合人気Trekが開催されることもあり、ギリギリまで各ストリームのネットワークを駆使したプロモーションに奔走することになりました。

12月のリリース当日、オーガナイザーは会議室に集合して正午のリリースを待ちます。値上げの影響やキャパシティ増もあり、本当に売れるのだろうか・・・という不安も何のその。始まってみればみるみる残数が減り、わずか30秒での完売!まずは第一歩の成功をチームでシャンパンで祝うと共に、チケット確保を文字通り飛び上がって喜んでいた同級生の顔を思い浮かべ、その期待の高さに身が引き締まる思いだったのをよく覚えています。

 

・     Trek前の各種イベント

既に当Blogでも紹介しておりますが、Japan Clubでは日本酒イベント、装束・雅楽イベント等の多くのイベントを企画しているほか、LBS Perspective*という各国を紹介するイベントにも日本人学生の有志チームが参加。Club全体での積極的な活動を通じて様々な側面で“日本”を知る機会を設けたことは、Trek参加者にとっても事前の知識インプットや期待向上といった点で大きな盛り上がりにつながりました。

(*LBS Perspective: 学生有志による、各国の歴史・現在・未来について個人の視点で語るプロジェクト。ほぼ毎週開催され、これまで日本のほかにイラク・ギリシャ・ベネズエラ・インド等の学生がプレゼンを行っている。)

 

3.旅の様子

カリキュラム変更により例年以上にタイトなスケジュールとなり、直前の3月は期末試験とも並行しての追い込み準備となりました。思いつく限りの準備を行い万全を期しましたが、それでも140人という未知の規模での旅行では想定外の出来事は避けられません。最後は各Organizerの“運動神経”で全力を尽くそう・・・という覚悟を決め、各々京都に降り立ちました。

 

・     前半: 西日本

前半戦は日本の文化・歴史に重点を置いたプログラムを企画。京都集合後、初日のWelcome Partyは純日本建築・庭園の会場で開催しました。Kanpai!!!の連呼は勿論、登場した舞妓さんの美しい姿に参加者全員が虜に。写真撮影の列が途絶えず、長時間のフライトの苦労を忘れて初日から大いに盛り上がりました。翌日は全員で金閣寺や嵐山など京都の名所を観光。ちょうど満開のピークに達した桜にも恵まれ、自らの和服の写真を早速SNSに投稿する姿が多く見られました。

 Japan Trek_Kyoto

 

3日目は西日本で4グループに分かれて京都/奈良/広島をそれぞれ観光。酒蔵やウィスキー醸造所、座禅体験など工夫を凝らしたアクティビティも楽しみました。筆者は広島オプションに参加し、平和記念資料館や原爆ドームの見学等を行いましたが、ボランティアガイドの皆様に直接交流の機会を頂くこともでき、非常に充実した訪問となりました。真剣に聞き入る各国の参加者からも“直接広島の地を訪問し歴史と向き合うことに大きな意味がある”という声を聞き、改めてトレックの意義を強く感じた一日でした。

夜は有馬温泉に全員集合しての大宴会。浴衣で大広間に全員が並ぶ姿は壮観でした。慣れない大浴場にも多くの学生が挑戦。二次会のカラオケの大盛況ぶりまで含め、Trekの“Memorial Night”だったと評価する声が多く聞かれました。

 Japan Trek_Arima

 

・     後半:東京 / (一部)金沢→東京

今年の新たな試みは金沢訪問でしたが、白川郷や金沢の美しい街並みを観光。日本へのリピーターを中心に、京都とも東京とも異なるエリアを体験する機会を提供することができ、参加者からの評価が非常に高いオプションとなりました。

 Japan Trek_Kanazawa

 

一方で後半の東京については、前半と違う“現代の日本”を知ってもらうというテーマのもとに多くのアクティビティを組みました。浅草や築地、秋葉原といったメジャーな観光スポットに加え、渋谷・新宿・銀座などのエリアもオーガナイザーの手作りプランで案内。手間はかかりましたが、“日本人同級生と一緒だから見つけられる“ディープな東京を案内できたのではないかと思いますし、各自違った視点で日本を見ることができたのは意義があったと考えています。また夜もグルメ巡りを楽しんだのは勿論、多くの参加者がクラブに繰り出し東京のナイトライフをエンジョイしました(オーガナイザーにとっては、改めて同級生の昼夜問わぬタフネスぶりを存分に思い知らされることになりました・・・)。

最終日の夜は天王洲でFarewell Partyを開催、東京湾の夜景を望むカクテルクルーズで日本にお別れとなりました。直前まで必死の準備で完成させたムービーを上映、怒涛の一週間を振り返った参加者からは心から満足した笑顔と感謝の言葉が寄せられ、本当に疲れが吹き飛ぶ思いでした。鏡割りで参加者・全オーガナイザーと共に最後のKanpai!!を行った日本酒の味は一生忘れられないものです。

 Japan Trek_Tokyo

 

4.Trekを終えて

Trek後のサーベイでは、参加者から以下のようなフィードバックを得ることができました。

–     Trek経験全体の評価(10段階): 97.5%が8以上と評価

–     日本を家族や友人に勧めますか(10段階): 97.5%が8以上と評価

全体を通して非常に高い満足度を達成することができました。個別のフィードバックも含め、日本を様々な視点から見る、また日本人学生と一緒だからこそのディープな日本を体験できるという狙いは充分に達成できたと考えています。

また内容に加えて特筆すべきはオーガナイザーの献身的なリードに対する感激・感謝の声が非常に大きかったことです。参加者やそのパートナーから感謝のレターまで頂くことができたのは本当にチーム全員の宝物になりました。半年にわたる準備も含めた緻密なプランニング、また当日の親身かつ柔軟な対応、そしてそれを個人のみならずチームとして一体となって達成している姿は、日本人学生を中心とした組織運営のスキルの高さを大いにアピールすることができたと思っています。

 

5.最後に

私個人の話になりますが、今回のTrekは間違いなく入学以来最も力を注いだプロジェクトです。内容的な充実度は言うまでもありませんが、個人的にはリーダーを務めさせて頂く中で学ぶことが非常に多くありました。20人を超える大所帯のチームを率いることは当然ながら初めてですし、上手くいかず苦労することや反省点も沢山ありましたが、振り返ればその試行錯誤もチームマネジメントの貴重な経験でした。一緒に全力で取り組んでくれたメンバーの皆さんには本当に感謝の言葉しかありません。

ぜひ今年以降の留学生の皆さんも、こういったプロジェクトのリーダーシップに興味があればぜひ積極的に挑戦して頂ければと思います。一緒に取り組んだ仲間、参加者との絆が深まるのは何物にも代えがたいものですし、何より日本で同級生と最高に楽しい一週間を過ごすことができますよ!

 

最後になりますが、Japan Clubスポンサー企業の皆様、宿泊先及び訪問先の皆様なくしてこのTrekの成功はありませんでした。各位の多大なるご支援に改めて心より御礼申し上げます。チームとしても個人としても、このTrekをきっかけに今後も益々日本をアピールできるよう活動を続けていきたいと考えております。

また、例年に引き続き今年も近畿日本ツーリスト太田様に全面的にサポート頂きました。LBSはじめ多くのビジネススクールのTrekも手掛けていらっしゃる太田様のサポートは非常に心強いものでした。今後Trek開催を検討される他校の留学生の方も、ぜひご相談されてはいかがでしょうか。

近畿日本ツーリスト株式会社グローバルビジネス支店 担当:太田様

TEL: +81-3-6891-9200

*他校留学生の方など、Trekにつき詳細ご関心の方はお気軽に連絡フォーム経由ご連絡ください!今回の情報共有含め、できる限りお手伝いさせて頂きます。

在校生及び卒業生によるMBAプログラム説明会

London Business SchoolのJapan Clubは、今年も毎年恒例のMBAプログラム向け説明会を東京で実施することに致しました。LBS生活全般やMBAプログラム詳細への理解を深めるとともに、ご自身との相性を肌で感じて頂く貴重な場ですので、奮ってご参加下さい。

 

■    日時:2018年8月4日(土)14:00-16:00 (開場13:30)

    会場:ホテルニューオータニ 「おり鶴 翔の間」

     東京都千代田区紀尾井町4‐1

   http://www.newotani.co.jp/tokyo/access/

 

    主催:Japan Club

 

    LBS側参加者:在校生並びに卒業生(合計約20-30名を予定)

 

    当日の内容

‐開会のご挨拶:

 木越純氏(MBA1990年卒、バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ東京支店 副会長)

‐学校紹介並びにMBAプログラムの概要説明

 高垣のりこ氏(MBA2019、在校生)

‐卒業生によるパネルディスカッション        

 小川竜平氏(MBA2011卒、日本マクドナルド、Director of Digital & Marketing)

 間瀬裕介氏(MBA2013卒、WealthPark, 取締役/COO)

 松尾直弥氏(MBA2014卒、ヤフー、企業戦略本部 エンゲージメントマネージャー

 新色顕一郎氏(MBA2017卒、ベインアンドカンパニー、コンサルタント)

‐在校生及び卒業生とのネットワーキングセッション

 

    参加費:無料

 

    言語:日本語

 

    ご登録方法:こちらのリンクよりお申込み下さい。

 

本イベントは在校生・卒業生だけの気軽なイベントです。直接選考とは関係ありませんが、多くの在校生・卒業生から一度に多くの情報を纏めて入手できる機会です。今年出願予定の方に加えて、まだMBA受験を決めていない方等も含めて、お気軽にお越し下さい。尚、席に限りがあるため、先着順で締め切らせて頂く場合がありますので、お早めにお申し込み下さい。

LBS MiFがFinancial Times Masters in Finance (Post-experience) ランキングで1位を獲得

先日Financial TimesがMasters in Finance Post-experience 2018を公表し、LBSのMiFが見事1位(2年連続7回目)を獲得しました。

(ランキング)

http://rankings.ft.com/businessschoolrankings/masters-in-finance-post-experience-2018

(評価基準)

https://www.ft.com/content/288c40c0-69ab-11e8-aee1-39f3459514fd

ランキングをご覧いただければお分かりの通り、実務経験者向けのファイナンス修士課程は数が限られており、例年Cambridge Judge Business Schoolのそれと事実上の一騎打ち、というのが実際のところです。しかしながら、総合大学として世界的に権威のあるケンブリッジをほぼ毎年抑えているのには確かな理由があるように思います。以下は、勝手に筆者が思いついたLBSのアドバンテージです。

・金融センターであるロンドンという地の利を活かした就職活動が可能です。特にFTランキングとの関係では、卒業後の給与レベルや上昇度合いに重めのウェイトが設定されているため、ロンドンでの就活の容易さは重要なファクターとなります。金融街が近いということは、単にインタビューの際の移動が楽、というような単純な話ではなく、ネットワーキングやパートタイムのインターンが容易になるなど、様々なアドバンテージがあると思います。(参考:「MiF生の就職活動」http://www.lbsjapan.com/archives/3480)

・これも地の利を活かしていると言えますが、2年間のPart Timeコースが開設されており、金融街で働く多くの金融マンたちがLBSで学んでいます。Full Timeにいる筆者から見ると、忙しい中余暇を学習に充てている彼らは、目的意識がはっきりしており、モチベーションが非常に高いように感じます。彼らがいること自体が学生の質の平均値を押し上げていることは間違いないですが、(Core Courseこそ別々に学んでいますが)Electiveやその他のイベントを通じて彼らから受ける刺激はFull Timeやその他のコースの学生にも好影響を与えているとも言えるでしょう。(Part Timeについては後日Part Timeの同級生が何かしら記事を書いてくれるものと思います)

・ファイナンスと一口に言っても非常に幅広いElectiveが開設されており、各々のキャリアに沿った履修が可能です(ケンブリッジのElectiveリストを見たことがないので比較できませんが、少なくてもマンモス名門MBAにもないようなファイナンス系の授業が開設されているようです)。逆に言うと、「あまり将来の自分の業務に活きないな・・・」といった科目を履修する必要がないということでもあり、一年間という短い期間では非常に重要な点だと思います。これは、金融街から実務家を招きやすい立地や、MiF・2年制(従って多く選択科目を履修する)MBAその他の修士課程が開設されていることによるファイナンス系の学生の層の厚さなどに支えられているものと思われます。

・なお、同種のコース数が少ないという意味でコンペティティブでないということは、学生の質が低いことを全く意味しません。他の選択肢がある中で敢えてファイナンス専門のコースを選択しているということもあり、世界トップレベルMBAを有するLBSコミュニティの中にあっても、ファイナンス系のクラブ活動や授業におけるMiF生の存在感はかなり大きいと言えるでしょう。

・・・とここまで書きましたが、ケンブリッジには総合大学としての強みや世界的なブランド力があると思われますし、あの独特な雰囲気で過ごす学生生活にはロンドンと違った楽しみがあることでしょう。筆者としては、ケンブリッジと競争するというより、両コースが互いの特色を生かしつつ金融でステップアップを目指す方々の留学先としてより有力な選択肢になるよう、ともにファイナンス修士というもの自体を更にアピールしていきたいと思っています。少しでもMiFに興味を抱いてくださった方は、ご遠慮なく問い合わせフォームにご連絡をいただければと思います。ここには書ききれない内容も含めお伝えできることがあるものと思います。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る