日本人が無視しがちなMBA校選定基準

交換留学でUCLAに来て、2週目が終わった。

天気も良いし、兎に角キャンパスが広くて気持ちよい。Undergraduateの生徒の方が多いので、若々しい雰囲気に満ちているのも新鮮である。

LBSの2年生は学年の3分の1がこうやって交換留学の機会を得て、アメリカ、他欧州、南米、アジアなどで1学期間を過ごす。これだけ多くの機会を作り出せているLBSは本当に素晴らしいと思う。

さて、ビジネススクールを選ぶ基準というのはランキングやブランドといったものから、授業の特色まで色々とあると思うけど、日本人が意外と無視しがちなのが「立地」だと思う。

前職は本社は何故か青山・六本木エリアに構えているが、メーカーなので駐在するとしたら工場や倉庫と隣接した田舎(もしくは郊外)に行く確率がかなり高かった。一方、MBA留学となると色々と理由をつけて、立地を自分の好みに合わせて選べる。単純な好みの話だが、幾分都会育ちなもので、田舎(もしくは郊外)の学校を選ぶIncentiveは自分の中に存在せず、「学校として良さそう」×「住みたい場所」でApplyする学校をどんどん切っていった。

後から振り返ってみればこれは大正解で、結局「学校の質」と「立地」があなたがアクセスできる学内と学外のリソースを決めてしまう。欧州でインターンや就職活動したい場合は、ロンドンが圧倒的に案件も豊富でネットワーキングの機会も多いし、もし米国でエンタメ企業に興味があるのであればLAが圧倒的にネットワーキングに有利である。そして、シリコンバレーに興味があるなら圧倒的にスタンフォードだろう。

UCLAでは二つのエンターテイメント関連の授業を取っているが、教授はリアルビジネスに生きている人(1人は映画関係でマトリックスなど製作に関わっていた。もう1人はTVでFOX、MTV、Oprah Winfreyの会社などで働いてた)だし、一つの授業でそれぞれ自己紹介した時は学生の大半が夏のインターンを映画製作・配給会社、TV局や音楽会社で過ごしていた。

特にキャリアチェンジを前提にMBA留学される方、海外でのインターンやFull time就職に興味のある方は、ランキングも大事だが、MBAを通じて何を得たいのかを考え、そのリソースがその学校の学内及び学外のリソースで得れるか、を十分調査して行く学校を決めてほしいと思う。

在校生ブログ「ロンドン留学生活|音楽とサッカーとPintと」より転載

1年目終了~MBAで得たモノ③

前回予告した元々のWhy MBA?を超えて、得られたモノについて。

1)自分が如何に日本を好きか、アイデンティティ的に日本によっているか、ということを強く認識した。

ジャパントリップ前には気づけばいつも日本の売り込みをしていたし、そのお陰もあってか自分のStudy Groupから3人+パートナーの4人がジャパントリップに来てくれた。旅行者として日本を愛さない人はいないと思うし、東京のDynamismはやはり凄いと思う。

2)LBSの学生は地理的にホントにグローバルなので、世界中の友達ができ、世界を身近に感じるようになった。

たとえば南米に行くのもアフリカに行くのも中東に行くのも「ちょっとあいつに聞いてみよう」ということでパッと顔が浮かぶメンバーが何人もいる。これは本当にLBSの分かりやすい醍醐味だと感じた。

3)時間の配分を繰り返し考えた。

LBSは非常に自由なので、究極何をやっても良いのだが、「何をやってもよい」という環境に放り込まれたとき、学校の活動・就職活動・ソーシャル・学外の活動など何処にどれだけ時間を使うのか?その時間の使い方で究極何を成し遂げたいのか?言い訳無しで、問を突きつけられる機会が多かったし、その度に時間配分の仮のプランを立てて、何度も軌道修正した。

4)OnとOffが如何に大切かということを認識した。

一旦オフィスを離れてしまえば仕事モードから解放される留学前と違い、家で予習・宿題などをやることでOn/Offのメリハリがなかなかつかないこともあった。個人事業主として働いている友人たちの時間管理は素晴らしいと思う。

5)キャリアだけでなく、プライベートも含め圧倒的に視野が広がった。

3年前、人材業界で働く友人に「長期ビジョン策定シート」というのを貰って、仲の良い仲間4人でここ5年、10年後、20年後のビジョン+キャリア・プライベート・趣味含め具体的なイメージ像をA3 1枚の紙に落としていった。久々に振り返って、その時見えているものから想像していた手に入れたいモノと、今見えているものから想像して手にしたいモノの差があまりに大きくビックリしてしまった。

受験準備を始めたきっかけは、「皆に奨めるわけじゃないが、君の場合はMBAに行く価値があると思うよ」とある先輩に言われたことだった。MBA留学はある程度良い学校に行ってしまえば、学校によるカラーの違いはあれど、用意されるメニューはあまり変わらない。だからこそ、そこから自分がどれだけの経験を持って帰れるかが勝負。あと1年を有意義に過ごしたいと思う。

1年目終了~MBAで得たモノ②

前回に続き、MBA1年目の振り返り。

下記のMBA受験時に思っていたWhy MBAをベースに1のキャリアについて振り返ったのが前回。今回は2と3、SoftとHardのSkill setについて。

1. キャリアに関する広い視座を得る
2. 海外でのリーダーシップ(SoftなSkillset)の向上
3. Finance、AccountingなどHardなSkillsetの向上

 

2. 海外でのリーダーシップ(SoftなSkillsetの向上)

正直な感想を言うと、これは想像以上に苦労した。

MBAの授業では(お題の性質上仕方がなかったり、その場にいる皆がお題に対する経験が浅かったり、また皆のバックグラウンドが違い過ぎて共有している物が少なすぎるという理由で)フワフワとした議論が行われることも多いのだが、その中で自信を持って断定的な口調でガンガン皆がコメントを残していく中で取り残されるように感じたことは、一度や二度ではない。「とりあえず言う」という文化への壁、「要するに・・でしょ」と一言でその場を刺すような英語が出てこないという語学面の壁などを感じる場面があった。

準備で差をつける、日本人的な勤勉さや誠実さでチームでの信頼を得る、自分の得意分野で活躍しておく、などSurviveしていく上で必要な所作は身につけたが、能動的にインパクトを残せるようにまずはインターンの場で努力していきたい。

3. Finance、AccountingなどHardなSkillsetの向上

この点は、色々な科目を全体的にさらっと見たけど、実務でやるレベルでは全然足りない、という感じだろうか。「経営に必要な項目とフレームワークに一通り触れることで、考えるための取っ掛かりを増やすことは出来た」、というのがMBA取得者の定番文句なのだが本当だろうか?まあこれから、実務に戻って実感できるのだろうと信じているが・・

ほぼゼロスタートのファイナンスよりも、むしろマーケティング・個別の事業戦略・ブランドマネジメントなどやってきた分野、Organizational Behavior(OB)など元々興味のある分野は興味を持ってサイドリーディングも読めたし、知見が深まった気はする。マーケ・OB系の科目を通じて、「いかに人が不合理な生き物か」というのをつくづく実感させられ、限られた情報の中での人間の判断の癖(特に自分の癖)などにAwareになったと思う。これについては、後々自分の学びを整理していきたい。

正直、上司や顧客からのフィードバックがある仕事と違って、宿題・テストなどは単発・やりっぱなしで終わってしまうことが多い。「MBA行くより、仕事していた方がよっぽど成長する」ということを言う方もいるが、ある一本道のスキルがより深まる/磨かれる、ということを言っているのなら個人的にはAgree。だからこそMBAの醍醐味は新しい世界観に感受性の扉が開いた状態でバシバシ触れ、インターン含めちょっと無理目な挑戦をSafe environmentの中でやってみることなのだと個人的には思う。

ここまで元々のWhy MBAとその距離感を振り返ってきた。次回は元々の3つには入っていなかったが、得れた経験について書きます。

在校生ブログ「ロンドン留学生活|音楽とサッカーとPintと」より転載

1年目終了~MBAで得たモノ①

先週のGlobal business environmentのテストを持って、1年生の必修科目が終了。残すところは選択科目のレポートのみとなった。

1年生も終わりに近づき、周りの仲間と「MBAのこの1年で得たモノ」について話すことも結構あり、思ったことを書いておきたい。

端的に言うと、「MBAは視座を広げ新たなキャリア機会を掴む自己変革の場としては本当に有効だが、単線的にスキルをバリバリ鍛えたいなら仕事を続けていた方が良い」というのが私の結論である。

長くなってしまうが、MBA受験時に思っていたWhy MBAをベースに一つずつ何が期待以上で、何が期待レベルほどでもなかったのか振り返ってみたい。

1. キャリアに関する広い視座を得る
2. 海外でのリーダーシップ(SoftなSkillset)の向上
3. Finance、AccountingなどHardなSkillsetの向上

1. キャリアに関する広い視座を得る

これは日本にいた時の想像を上回るレベルで広がった。

日本に帰る場合の就活も、ロンドンでの就活も体験し、MBA受験時代にはなかなか見えていなかったものが見えた気がする。

グローバル企業・プロフェッショナルファーム・国際機関・スタートアップなど様々な組織がトップスクールのMBAをどのようなポジションを募集しているか?どのようなポジションなら、採用してもらえる芽があるか?MBA王道のコンサル・投資銀行キャリアではなく、日本のメーカー出身で自分が、世界だとどういう立ち位置なのか?

など、マーケット側の事情は実際に就職活動をしてみて分かることが多かった。

また、自分が本当に何を大事にして働きたいのか、人、金、会社の事業内容・理念、ロケーション、事業フェーズ、自分の役割、期待できる成長度合い、など「ありたい姿」を探ることにも本当に時間を使った。もともと色々なことをさっさと決める性格なのだが、今回ばかりは最後まで粘りに粘った。迷った時に様々な角度から議論に付き合ってくれた昔からの友人には感謝しても感謝しきれない。

結局1年生の終わりごろまで就職活動することになってしまったが、LBSに来なければ手に入れられなかった環境で来週から働くことが出来ることを素直に喜びたい。

長くなってしまったので今回はこの辺で・・

在校生ブログ「ロンドン留学生活|音楽とサッカーとPintと」より転載

MBAで圧倒的人気のプライベートエクイティ

Term 3も期末が近付いており、テストが終わるといよいよ夏休みとなる。MBAにはキャリアチェンジで来ている人がほとんどであるため、LBSにいる多くの友人も6月半ばからインターンに突入することになる。周囲の就職活動を見ていて感じたのは、投資銀行や戦略コンサルを上回るPrivate Equityの圧倒的な人気である。それだけ入るのは個人的なネットワークに基づいた狭き門だ。

恥ずかしながら学校に来る前にはPrivate Equityの存在すら知らなかったが、要は銀行団から必要資金の60-80%のLeveraged Buyout Financeを借り入れ、残りの資金をエクイティで賄って企業を買収し、経営合理化等をした上で、5年くらいを目途に投資家に売却したりIPOしたりすることでexitして大きなリターンを得るビジネスのことだ。自分自身も無知ゆえ日本で「ハゲタカ」のようなイメージで一括りにして認識していたが、話を聞いていると投資の目利きだけでなく、会社のvalue upのノウハウも求められるため、経営全般の知識が要求される業種であり、投資銀行や戦略コンサルの経験者が多い。更に今はデットを使った金融エンジニアリングだけでなく、本当の事業改善が投資家から要求されるため、実際の事業のノウハウもより求められているようで、ビジネススクールの学生が憧れるのも頷ける。ただ、その人気に反して、英国のメディアでは、投資銀行と同様、高い報酬が批判の的になったりしている。日本と異なり、メインの産業が金融であるのにも関わらず、RBSの国有化などを通して金融業界全般にあまりイメージがないのは不思議な感じだ。

自分自身もLeveraged Buyout FinanceとProject Financeの類似性(特定資産のキャッシュフローに依拠してファイナンスする点、契約書の建て付け等)から興味を魅かれ、LBSの先生が執筆した教科書を読んでみた。先日、ソニーの出井元社長と幸運に会食させて頂いた際には「仕事と家庭と関係ない第3の時間を作れ」とアドバイスを頂いたが、興味で学んだことが役立つ日はあるのかなあ。

在校生ブログ「ロンドンビジネススクール(LBS)MBA留学記-国際金融修行中」より転載

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る