London Business School(LBS)での2年間を終えて

はじめに

 

Time flies…
Heathrow空港で東京行きの飛行機を待ちながら、このコラムを書いています。LBSに留学してからの2年間、正しく”光陰矢のごとく”日々は過ぎていきました。

大学生の頃に漠然とMBAを夢見てから10年。今は2年間が終わってしまった事に呆然としています。

前回コラム http://www.lbsjapan.com/archives/3137 にて1年生から「LBSは他と何が違うの?」という点について、とても詳細にレポートされています。私も同じことを感じていました。

今回の卒業を機に「結局LBSの2年間はどうだったのか?」、寄稿する機会をもらいました。

本稿では卒業直後のこのタイミングだから伝えられる、
LBSの「手触り感のある」「ぶっちゃけ」情報をお届けできればと思います。
(*以下、私個人の意見ですのでご留意頂ければ幸いです)

昨年の説明会資料 http://d.kuku.lu/930cd56063 ではLBSの魅力を”Diversity”、”Flexibility”、”Amazing London”の三つの切り口で説明させてもらいました。今回はそこから2年生としての経験を踏まえ、”具体的なアクションベース”で、LBSでの生活について、可能な限りイメージを持ってもらえればと思います。特に受験生の皆さんには、エッセイのネタ出しにお役立ちできれば幸いです。

長文駄文ですが、卒業直後で気が高まっている為、何卒お許し下さい。

 

目次

  1. バックグラウンドとWhy LBS
  2. MBA中の主な活動について
  3. 振り返り
    • 想像以上だった点
    • がっかりだった点
  4. 総括
  5. 受験生のメッセージ

 

1) バックグラウンドとWhy LBS

  • 純ドメ。大学時代に語学研修、ボランティア等で英語圏に短期滞在したことはあるも、長期での海外滞在は今回が初めて。就職後も殆どが国内業務であり、実質「初海外」。(受験は本当に苦労しました。。。)
  • 様々な業種の経営を見たい、海外で活躍したいと銀行に就職。7年間業務に勤しむが、成長曲線伸び悩み。グローバルなフィールドで活躍する為に必要なソフトスキル(コミュニケーションやネゴシエーションスキル)の不足を自覚していました。
  • 加えてハードスキルについても、金融という視点を越えて、ビジネスの本質的な良し悪しを見極めることのできるノウハウ(マーケティング、戦略、経営のノウハウ)の研鑽が必須と考えていました。
  • これらのGapを埋める具体的なイメージとして、

a) 授業内外問わずDiversityの中で多量のグループワークができる環境であること
b)授業にある程度の余裕があり、インターン等課外活動に時間を割ける環境であること
c)多数の課外活動の機会が得られる大都市であること
d)グローバルトップレベルの人材が集まるスクールであること

以上の観点からLBSを志望しました。

 

2) MBA中の主な活動について

当初は少数のクラブにコミットして中心メンバーとして活動する事も考えましたが、むしろ一年目は「場慣れ」と「人脈の拡大」を目標とし、課外活動の数をこなす事に注力しました。キャリアの方向性が決まった二年目は、主にStart-up系の活動に顔出す事に専念しました。

(i)     1年目

① 各種コンペティション:コンサルケース、Venture Capital、Social Impact Investing、Private Equity等

  • 概要:
    • コンサルクラブ、PE/VCクラブ等のLBSのクラブによって主催されるコンペティション。多くの場合は在ロンドンの企業が協賛して行われ、ATカーニー、Cinven等、名だたる企業が資金的・人的サポートをしています。
    • チームを組成し参加。お題となるケース(経営改善提案であったり、投資提案であったり様々)が与えられて以降、通常1週間程度の期間が与えられ、プロポを作りプレゼン、優勝チームが決められます。
    • 多くの場合複数のMBAでコンペが行われ、LBS内での選考後、本選がグローバルに実施されました。
  • Take away:
    • 最初のうちはチーム組成自体で苦戦しました。例えばInvestment系コンペでは、ファイナンス出身者(インベストメントバンカー及びVC/PE出身者 *当方の様なCommercial Bankingはこれに含まれず・・・)は重宝され、ドラフト制でどんどんチームが決まっていきます。
    • 情け容赦なく「声の大きい=押しの強い」ファイナンス出身者がどんどん「自分好みの」チームを組んでいきます。ご多聞に漏れず「スキルを謙遜する、声の小さい、押しが弱い」我々アジア人はあっという間に取り残されてしまいました。とても寂しい、悲しい、あー惨め。
    • しかし、コンペの数をこなすうちに、顔も広がり段々とコツが掴めてきます。特に1年目後半、ジャパントレックでそれなりに日本人として評判が高まった(?)、PEコンペの頃には、自身でメンバーを募り、ある程度「勝つため」の理想的な布陣を構築することも可能に。
    • 限られた時間の中でのチームアップやモチベーション向上等、マネジメント面でのソフトスキル向上に、自信と手応えを得られた様に思います。
    • また、某PEやコンサル出身者から、各社で使われているパワポやモデリングテンプレートを(内緒で)もらい受けることができました。(最初は「企業秘密だから」と出し惜しみしますが、コンペ後半締め切りが迫るとになると皆必死。ドサクサに紛れてゲット。)
    • コンペでは、内容について個別の授業がある訳ではないので、ハードスキルの点では、「いかにしてできるヤツから(こっそりと但し積極的に・・・)スキルを盗めるか」が、自身の成長に関わるような気がします。

② Impact Consulting

  • 概要:
    • ロンドンのNPO向けに、実際にLBS生がコンサルをするクラブ活動。期間3か月程度でMckinsey, Bain等のコンサル経験者が各プロジェクトのマネージャーを担当し、そこに非コンサル出身者数人が入る事で、チームを組み活動します。
    • 依頼が来るNPOは大抵の場合、人が足りていないようです。そのため、支援内容としても「投資家向け説明用の事業計画作成」や、「財務モデリングの作成支援」等々、プロジェクト毎に特徴があります。
    • 当方は在インド(ん?)の貧困地域における母親と子供向け教育・発育支援NPOプロジェクトにアサインされました。最終的には当該NPOの投資家向けアプローチ戦略の立案を支援。
  • Take away:
    • 他の多くのProfessionalクラブの活動は就活対策が多い中、本件は実在する企業に対し実際にコンサル活動をする「Hands-on」な活動で、手ごたえがありました。
    • 依頼するNPO側はとにかく手が回ってないので、プロジェクトリーダーの力量次第で、活動の質が大きく変わります。その点、わがチームはインドとの時差もあり、先方の依頼事項変更に振り回されるケースも多く・・・正直「リーダーしっかりしてくれよ」と思う事もありました。

③      Japan Trekオーガナイズ

    • 今やLBSの学生活動の中でも最も注目されていると言っても過言ではない、一大イベント。Class of MBA2017の代は、出身42か国、120人強の同級生を連れて、約1週間日本のフィールドトリップをアテンド。正直、一年目で最も負担が大きかった活動です。
    • 複数の在校生がポストhttp://www.lbsjapan.com/archives/3091 http://www.lbsjapan.com/archives/2814 していますので詳細は割愛しますが、当方にとっても未だに最も思い出に残っている活動の一つです。自分が生まれ育った環境を世界各国から集まったクラスメイトに見てもらう事、感動してもらう事、そして感謝の言葉をもらうこと。文章にすると淡白ですが、何事にも変えられない体験です。
    • またトレック自体の体験もさることながら、これを境に学生の間に顔が売れ、「日本人、オーガナイズ能力あるから、チーム組むとイイ事あるかも」と、授業・課外活動のチーム編成が格段に組みやすくなりました。

(ii)     2年目の活動

①      LBS Hackathon

  • 概要:
    • LBS Entrepreneurship Club主催により行われる『実践型』のビジネスコンテスト。プログラミングスキルを持つ”ハッカー”と、MBA生及び卒業生を中心とする”ビジネスマン”、”Design guru”をチームメンバーとして、ビジネスアイデアが競われます。
    • 2016年度は、Londonを起点に活動するベンチャーキャピタルBalderton Capitalを主要スポンサーとし、この他にロンドンのAccelerator, Angel Investor, 起業家の協力を受け、11月下旬の週末、2泊3日にて行われました。参加者はLBS生の他、LondonのTech系大学・専門学生や、Oxford・Cambridgeの学生も募り計100名規模で行われました。(詳細ご参照:http://www.hacklbs.com/blog–recap
    • Hackathonが通常のビジネスコンテストと異なる点は、「実際にMVP(Minimum Viable Product:プログラミングによって作成されたビジネスプロトタイプ)の実演が求められる」点が挙げられます。言い換えれば、「アイデアは良くても2日間で動作が形にできないビジネスは評価されない」といも言えます。
    • なお、本Hackathonの卒業生からはLending Club,Crowd Bank,WorldRemit等、著名Start-upの創設関係者が多数輩出され。また昨年優勝のAsset Vault (https://assetvault.co/:アセットマネジメント向けセキュリティツール開発)も、MBA2017の学生により設立されたStart-up。2015年のHackathon優勝後にTech StarからSeed roundの調達を受けています。
  • Take Away:
    • アイデアの創出からロジックによるビジネスプラン化、そしてMVPによる具現化という一連のプロセスに関心を抱き参加しました。
    • プレゼンでは、着目したマーケットの将来性については大きく見せる必要がある一方で、MVPで表現できるレベルにコア技術部分の”落とし込み”が必要となります。そのある種矛盾する二つの方向性についてバランス取るべく、2泊3日間チーム内で常に議論が絶えませんでした。
    • 結果的には参加15チームでトップの評価を得て運よく”優勝”する事ができました。

niiro

②      Fintechカンファレンス”Lend it”でのメディアボランティア

  • 概要:
    • 2016年10にロンドンで行われた、Fintechの中でもP2PもしくはDirect Lending企業に対象をフォーカスしたカンファレンス”Lend It”に、メディア広報ボランティアとして参加しました。http://www.lendit.com/europe/2016
    • 本カンファレンスはNew York、London、Beijingにて年1回ずつ行われている、Fintech Lending系のカンファレンスとしては世界最大規模のもの。当日は25か国から900人を越える関係者(Fintech Start-up、銀行、投資家、メディア関係者等)が集まり、業界動向やNew Technologyに関する発表、ビジネスマッチングが行われました。
  • Take Away:
    • 想像以上のPenetration:勢いを感じました。リーマン以降、市中銀行が手を出せない「ミドルリスクミドルリターン」の企業/個人に融資を拡げることで、英国ではSME(中小企業向け)の融資のうち、実に20%が既にFintech企業からのLendingで賄われています。銀行APIが公開されている為か新規参入が激しく、大小さまざまなセグメントに分かれた多様な企業がプレゼンに来ていました。(Credit Scoringの外注を請け負う企業、スマホからワンタッチで融資申し込みができるインターフェイスを売っている企業・・・等)Traditionalな金融業界から来た身としては、「融資ってこんなにカジュアルになって良いのか・・・」とカルチャーショックを感じ続けました。
    • 人材の豊富さ:Start-up全体に言えますが、実に色々なバックグラウンドの人材が同業種に流れ込んでいる印象。Key Note SpeakerのFunding CircleのSamir CEOも元々はBCG出身。HSBCのStrategy HeadもMckinseyからの転職。ヒアリングをかけたZopaのCredit Analystも元々はIT業界のデータエンジニア。金融「外」から、優秀な人材が流れ込んでいる印象。
    • とあるCEOの「頭が凝り固まっているFinance出身者は要らない。それよりData ScientistとSystem Guruが欲しい」との言葉が印象的でした。

③      大学発MedTech Start-upでのPart time intern

  • 概要:
    • ロンドンのImperial Collegeにて研究中の医療モニタリングデバイス”AcuPebble”の商業化を図る案件。呼吸器及び循環器のポータブルデバイスを通じ、”てんかん”、”睡眠時無呼吸症候群”等の各種疾患の発見・治療を簡易化させることが目的。これをLBS 卒業生のスペイン人実業家E氏がCEOとして事業化を推進しています。http://www.acupebble.com/
    • 研究室側はコア技術の開発、特許は取得しているけれども商業化のノウハウが無し。E氏は過去に2つのStart-upを起業し売却。次にメディカル系のビジネスを目指していたが、コア技術無し。双方の思いが一致し、事業化を目指しています。
    • 足許は、次ステップのClinical Trial(複数の病院と提携して、実業化に向けたテストを実施)を前に、必要となる資金計GBP 3Mの調達を計画しており、イギリスのベンチャーキャピタルを中心に訪問、プレゼン実施しています。
    • 当方は約半年間、プレゼン用の戦略策定、マーケット・競合分析、ファイナンシャルモデル作成、アプローチ先のVC選定などについて、Part-timeでサポートをしていました。
  • Takeaway:
    • E氏は既に複数の事業を立ち上げ、本件が3件目の起業となるSerial Entrepreneur(連続起業家)です。また過去にはIT Start-upおよび戦略コンサルでの勤務経験もあり、彼の論理的思考法、PDCA、立ち振る舞い、投資家/事業関係者へのアプローチ方法、コミュニケーション手法等を、間近で体感することで、大きなインスピレーションを受けました。
    • 同時に、過去の経験では殆ど触れる事の無かった最先端の医療テクノロジー、イギリスの特殊な医療事情等、授業では学ぶ機会のなかった新しい分野に触れる事ができました。
    • ちなみに、このPart-timeを得るまでも中々大変でした。LBSはロンドンにある為、ポータル上でほぼ毎日の様に新しい求人案件が出ますが、MBA以外にもMiM、MiFと多くの学生が在る上に、皆積極的に応募する為非常に競合します。倍率10倍、20倍は当たり前、かつ欧米人は非常にプレゼンが上手い。(実際にスキルが在るかは別として)当方もこの案件に落ち着くまで、10回は落ちました。
    • ただでさえ英語にビハインドのある日本人としては、必然的に「あの手この手」が必要となります。最終的には、今まで出た各種コンペやImpact Consultingのピッチ資料をE氏にあれこれ送り付けて、何とかPart-timeの機会を手にすることが出来ました。そういう点でも、非常に身になる経験でした。

④     各種トレック:

  • 概要:
    • 約70か国から出身者が集まるLBSでは、各国出身者をオーガナイザーとして様々なトレック(Professional、Regional共に)が行われます。
    • 時間ができた2年目は、Octoberfest Trek, India Trek, Peru Trek等、複数のトレックに参加しました。
  • Take Away:
    • 「所詮、単なる旅行でしょ?」と思いがちですが、振り返るとこの期間が最も多くの学生と会話できたように思います。
    • 普段の授業で会話する人は、クラスメイト等どうしてもメンバーが偏ります。加えて、授業中・休み時間くらいしか会話する時間がないので、その「人となり」や「文化」そして彼らの「人生」を知るには、あまりにも時間が足りません。
    • 特にLBSの場合、基本的には授業が終わると課外活動・インターン等の為街中に「散る」ので、自身で能動的にアプローチしないと、中々顔が広がりません。
    • この点で、トレックは非常に良い機会になりました。特に大型トレック(India, Peru等)になると、丸々1週間以上の時間を共にすることになります。
    • また授業や就活時とは異なり、「話さなければいけない」決まったContextも無いので本当に色々な会話が出ます。自身の生い立ちから人生相談、国民性、国ごとの結婚観の違い等、普段のカリキュラムの中では中々知る事の出来ない情報を色々仕入れることが出来た様に思います。

 

iii) 振り返り

(1)     想像以上だった点

①      クラスメイト・同級生のクオリティ

(個人によって感想は違うと思いますが)私には想像以上でした。

  • まずグローバル経験。「海外で生活するの、今回が初めてです」は恐らく日本人がほとんど。(というより日本人でも少数派。)確かに約70か国から人材が集まっていますが、蓋を開けてみればその多くがUS/UK/AUS/シンガポール等の英語圏の大学卒、もしくは就業経験あり。また複数国籍(パスポート)持っている人が驚くほど多いです。
  • そうなると3,4か国語話せるのは当たり前、自然「ブラジル出身だけど米国とフランスでDual Degree取った後、ドイツでエンジニアして、マネジメントを学びにLBS来てみた。あ、ちなみに4世代前がイタリアからの移民だから(イタリア)パスポートもあって、ヨーロッパどこでも働けるの♪」・・・という超ド級のハイブリッド人材が現れます。私には全くもって未知の人材でした。
  • Academicな意味でも差を感じました。彼らの学歴尊重カルチャーは尋常じゃなく、例えばLBS入学前にマスター2つ修了は普通、PhDホルダーも相当数います。中にはMBAが2つ目(なぜ・・・?)という学生も。
  • 恐らく他の国はLBSに入るのにもっと競争が激しく(いや、日本でも相当大変でしたが・・・)、間違いなく各国の上位数%が来ているイメージ。それも巷で言われるコンサル/投資銀行偏重ではなく、起業家・コーポレート等幅広く集まっています。

② Flexibility:

  • こんなに課外活動を拡げられるのはLBSだけではないでしょうか。昨年、米国MBA各校の学生と情報交換をする機会がありましたが、ここまで時間を割けるMBAは、他には無かったように思います。(米国MBAの方が基本的に授業による時間の制約が大きい)
  • 一方、自由な時間が多い分、課外活動を活用していかに自分のキャリア・興味分野に関わる活動ができるかが肝だとも言えます。言い換えると授業面でのTime-Pressureが少ない分、自分でハンドリングできないと学びが得られない、厳しい面もあります。極端な話、授業後に毎日家に引きこもってYoutube見ていても、卒業自体は(恐らく・・・)可能です。
  • クラスメイトの殆どは、何かしらのPart-time、場合によってはFull-timeのインターンをしているイメージです。社費派遣が多い日本人でさえ、その半分以上が何かしらのStart-upの活動をしています。中にはグループメイトと共に在学中に起業している日本人もいます。

③      Start-up他 “London”コミュニティ”

  • 前述”Flexibility”を最大限に活かす事が出来るのは、やはりLBSがLondonの中心地にある点が非常に大きいと思います。バス・電車で20分移動すれば、世界的金融中心地の”City”へのアクセスが可能、また多くのStart-upがひしめくOld Streetへも同程度の時間でリーチが可能。結果として学期期間中にPart-timeでインターンしている学生も多いです。
  • またUnofficialなイベントとしても、近時はMeetup、Eventbrite等各種ツールを用いて学外活動への参加が可能です。Finance、Fintech, Venture Capital, Start-up系のイベントは、ほぼ毎日のようにLondonのどこかで開催されており、例えば授業後に起業家のPitchイベントを見学に行くことも可能です。

(2)     がっかりした点

①      キャンパス

  • LBSにはMBA以外のプログラムも多く、学生数が毎年増え続けているので正直手狭でした。立地が抜群、かつ他のMBAとは異なりUndergradの学部が併設されていない為、これは已む得ない点はあります。
  • 受験生のみなさんはご安心を!!歩いて5分の場所に、ステキな新校舎がもうすぐ竣工予定です。これで相当改善されるはずです。(当初は我々在学中にオープンすると聞いていたのですが・・・涙)

http://www.sheppardrobson.com/architecture/view/london-business-school-the-sammy-ofer-centre

②      授業は”ピンキリ”

  • MBAを志したものとして、誰もが通る道と思いますが、当方も岩瀬大輔さんの「ハーバード留学記」を読んで受験していたので、全部の授業が泣けるのかと。が、そんなことは無く、授業によって当たり外れはあり。(「ハーバードとLBSは違う!」と言われたらスミマセン。。。)「おぉ、これは!!」と思うものもあれば「時間と金返せ!」と言いたくなるものもありました。
  • LBSの学生は教授に対して本当に辛辣、容赦がありません。教授もファーストネームで呼ばれる世界。一回授業出席してみて、「身にならない授業」と判断されれば次回以降、出席者が激減します。
  • 授業は分野(Finance, Strategy/Entrepreneurship, Marketing, Organizational Behavior etc)と授業形式(ケースディスカッション主体、hands-on主体、レクチャー形式 等)共に幅広いので、効果的に情報を収集して「地雷」を踏まないようにカスタマイズが可能です。

③   “Diversity”が過ぎることの弊害

  • 学生のDiversity(92%が英国外からの留学、全70か国から学生が集まる)に加え、教授もこれまた然り。英国出身の教授は意外に少なく、イタリア、インド訛りの英語で授業が行われることも多数。
  • こうなってくると、もはやどこの国に来たのか分からなくなります。印象的だったのは昨年のBrexit。国の行く末を促す根本的な社会問題だが、そもそもロンドン長期在住の、投票権ある学生の方が少ないので、驚くほど話題に上がりませんでした。
  • そもそも、ロンドン自体が世界的にも最も”Diverse”な街の一つです。一説に、市民の半数が”非”British人。在住10年以上の登録上だけ”British”な移民も多いので、実数はそれ以上と思われます。
  • サマーインターンの一環にて1週間ほど米国で研修しましたが、何となくLBSのグループワークの仕方に違いを感じました。LBSでの2年間で、確かにDiversityの中での経験は積めましたが、逆にDiversityがそれほどでもない他の国に行った際に、同じように自信を持って対応できるのか。(そういう点でも、米国への交換留学は良い経験になるのかもしれません)

④      “Attractive London”過ぎることの弊害

  • 必修クラスを終えた1年目の終盤、および2年目になると、クラスメイトもその多くがパートタイムで仕事をするようになります。すると皆、効率性を重視し、学校に来ても、短期集中で一気にタスクを片付け、自分の活動の為に街に散って行くようになります。
  • 感想として、当初イメージしていたような、「放課後食堂に行くと、クラスメイトがたむろしていて、世間話をして、夜になったから飯を食べに行く」・・・といった機会は、思ったより少なかったです。良くも悪くも。

 

iv) 総括 Reflection

  • 本当にTransforming な時間でした。それは決してビジネス/キャリアの話だけではなく、改めて”人生とは何なのか?”、その中で”なんで働くんだっけ?”を考えさせられる時間でした。
  • 留学前の新卒から7年間、今まで会社の中からしか見えなかった世界が、様々な出会い・経験を通じて広がる事。そしてロンドンというフィールドが様々な人種・カルチャーを交えて、尋常じゃなく広い事。
  • 今まで日本でごくごく普通に思っていた「”新卒で就職”⇒一つの企業に勤め上げ⇒定年」、の3段階モデルが世界的には普通じゃないんだ、と気が付いた時。国籍関係なく、”あ、この人のように生きたいな”という、人生のロールモデルを見い出した事。結果として、留学当初の計画からは大幅に違ったキャリアを歩むことに。
  • この刺激的な地を後にし、一旦は東京に戻りますが、TransformingはAlumniになってからも続くはず。世界中に散らばる45,000人のAlumniの一人として、今後どのように社会に貢献できるか、”豊かな”人生を歩んでいけるか。常にチャレンジし続けたいと考えています。

 

v) 受験生へのメッセージ

長らく夢に見ていたMBAが終わってしまい、今は茫然としています。

受験生のとき、自分は非常に出来の悪い学生でした。

3年以上かけて準備したはずなのに、スコアメイクが終わらず。
出願後もGMATを受け続ける日々。予備校の先生からは「なぜ点数が上がらないのか分からない」と、
あきらめにも聞こえるアドバイス(?)をもらう。

出願期限が迫る為、意を決してエッセイを優先し出願後にリスコアする戦略に。
でもエッセイを書きながら「こんなスコアで見てもらえるんだろうか」と不安になる日々。
「あんなに長い事行きたかったのに・・・あんなに努力したのに・・・」
自分の不甲斐なさに、ただただ悔しくて何度も涙が出ました。

 

MBAに行かなかった自分にはきっと違う2年間があるし、他のMBAも分からないけど。
今あの頃の自分に言えることは、

「LBSに行って2年間を過ごして、一片の後悔も無い」ということ

当時はたくさん情報を収集して、精一杯背伸びして、想像してエッセイを書いたけど。
それを遥かに越える出会いと、挑戦できるフィールドが広がっていること。
だから、最後に受験生の皆さんに伝えたいのは・・・

どうか自分と、その未来を信じて最後まであきらめないでください。
絶対に今の苦しさに見合うだけの・・・いえ、その何倍もおつりがくるほどの、
素敵な2年間が待っています。

そして、”いいな”と思った学校には必ず出願してください。
満足いくスコアが出来てなくても、たまにミラクルが起きます。
私自身そうでしたし、そういった人を何人も見てきました。
出願しない限りは、勝負しない限りは、その思い描く未来に1%も可能性はありません。

 

日本人のグローバルなプレゼンス低下が叫ばれる中、

私費、社費問わず多くの方が海外MBAに挑戦してくれれば良いなと思いますし、
Alumniとして全力で応援できればと考えています。

 

最後になりましたが、今週末7月29日(土)に在校生及び卒業生によるLBSの説明会が行われます。

当方も参加予定です。ぜひ皆さんに、生の声をお伝えできればと思います。
登録がまだの方は今すぐ以下のリンクへGo!!

https://lbsintokyo2017.eventbrite.co.uk

 

たくさんの皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

 

MBA2017 K.N.Congregation2

London Business School(LBS)を受験するにあたって

 

2017年も6月に入り、LBSでの1年目が終わりましたので、受験生の方からよくご質問される内容や入学前のイメージと実際に入ってからのギャップ、個人的にLBSで良かったなと思うところ等について記載したいと思います。この内容が皆様の受験の一助となれば幸いです。ただあくまでもこれは私個人の意見ですのでご留意頂ければ幸いです。

 

 A. 結局のところ、LBSは他の学校と何が違うのか?

志望校の選定やエッセイ/インタビュー対策をする上で、数ある学校からなぜその学校が自分にとってベストなのか、という点を検討する必要があろうかと思います。これにあたって、本音ベースではランキングに加え、各校の強み(ファイナンス、ジェネラルマネジメント、アントレ、マーケティング等)や授業/カリキュラムの忙しさ/スタイル、ロケーション(都会か田舎か、気候、旅行先等)、ご家族の意向、コスト(物価、為替等)が主な検討事項かと思います。

一方で、エッセイ作成にあたってはもっと踏み込んで自身のキャリアゴール達成のためにこの学校がベストだと主張できるように、各校の差別化要因を理解する必要があり、そのためにより各校の詳細や生きた情報が必要になるかと存じます。ここでは、こうした情報について私の私見をお伝えできればと思います。

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重
  2. ヨーロッパのトップ層が同級生
  3. MBA以外の生徒との交流
  4. 4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学
  5. ダイバーシティ
  6. ロンドンという立地

 

 

  1. 自由な環境/自主性を尊重

入学してから改めて実感したことですが、LBSは非常に自由な環境だと思います。

 

  • カリキュラムのフレキシビリティの高さ

MBAは最短15か月(大多数は21か月)で卒業できるカリキュラムとなっているため、やろうと思えば、年間3学期ある中で、授業を他の学期に詰め込むことで、1学期(約3か月間)まるまる授業をいれないということも可能です(15か月卒業も可能なので、やろうと思えば2学期(6か月間)まるまるフリーにすることも可能)。これは一部の選択科目(約50個の選択科目)においてはたった一週間で単位をとることができるためです。来年から一部改訂されるようですが、現状、1年目は必修科目13個と0~5個の選択科目、2年目は選択科目のみとなっており、選択科目は二年間で合計10~12科目取る必要があります。

 

そのため、授業以外のことにも注力したい生徒にとっては最高の環境だと思います。ここまでフレキシブルなカリキュラムの学校はそんなにないのではないかと推察します。このフレキシビリティを活かして、先輩や同級生を見る限りでは、夏休み(6月前半から9月前半まで)以外のシーズンに長期インターンをロンドン/海外で実施したり、起業や同級生の起業家の下でバイトしたり、LBSのコンサルティングプロジェクトに参加したり、プログラミングを学んだり、LBSの教授と論文を書いたり、週30~40時間の準備が必要となる大変な授業(Value investing等)を取ったり、子育て/家族サービスをしたり、旅行に行きまくったりと様々です。

 

またMBAに来ると、おそらく当初想定していなかったことにも興味を持ち、その分野を追求したくなる欲求に駆られることもあろうかと思います。その時に、このように学校のカリキュラムがフレキシブルだと、その都度アジャストできるので、留学してから興味をもったところでも集中的に深掘りでき、MBAプログラムとしては魅力的であると感じております。

 

また個人的には夏休み以外の時期にインターンできるのは、競争相手も少ないですし、より多くの企業/ビジネスを生で見ることができるという意味で、自身のキャリアを考えるにあたり、非常に有用だと思っています。特に私費の人にとってはインターンの数が増えることで、より稼げるのも魅力的かと思います。日本人の方でも去年も夏はロンドン、秋は日本でインターンした方もいらっしゃいます。今年も私の知る限り、日本人で二人は夏休み明けにアメリカでインターンする予定です。

 

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  • 必修科目における自主性

特にケーススタディ中心の学校では、よほど英語が得意か授業の既存知識(ファイナンスや会計等)がない限り、日々の授業の準備が非常に大変で、特に忙しい1年目は睡眠時間を削らないと授業についていくのが厳しいという話を耳にされた方もいるかと思います。

 

これは私の個人的な感覚ですが、LBSの1年目(必修科目)はたしかに忙しいときもあるのですが、授業以外のことに手が回らないほど忙しいかといわれるとそこまでではないかと思います。LBSの必修科目は下記の通り13科目あるのですが、その中でも特に重たいのはCorporate Finance(グループワークが数多いのと大変な課題もある)で、自身がファイナンスバックグラウンドであればより負担感は減る気がします。ただほとんどがグループ課題なので、スタディグループの他のメンバーの協力度合によってかなり人によってボラがあるのも事実です。実際、私のグループの一人はグループワークからはかなり逃げていたりしました(うちの他のメンバーは基本的に超真面目タイプだったので特に影響はなく、また真面目さ故に一学期が終わってから自主的に皆がそれぞれにポジティブ/ネガティブフィードバックまでしました、これはマッキンゼー出身のメンバーがおり、そこの文化だそうです)。

 

また必修授業におけるコールドコールも(担当教授にもよるのですが)、正直想定していた以上に少ないです(少なくともMBA2018は)。教授も強制するというよりも、学生が自主的に手を挙げる環境を作ろうとしている気がします。そのため、就活に注力しているが故に事前に読んでくるべきケースを読まずに授業をやり過ごしている同級生も一部いました。

 

実際、授業も学期にもよりますが、週3~4程度です。そのため、数多くの人が週末にLCCを使ってヨーロッパ旅行に出かけています(これのせいでグループワークが回らないこともたまにあり)。

 

また必修科目は違う曜日で開催されている他のクラス(ストリーム)にスワップすることも可能なため、何かイベントやどうしても外せない平日の用事があったとしても特に問題ないです。これは1年目で就活やクラブ活動、コンペティション(コンサルティングやPEコンペ等)に力を注ぎたい人にとっては非常に良いシステムだと思います。

 

上述した内容は、授業が簡単/学びが少ないという話ではなく、どこまで深く学ぶか/追及するかは生徒の自主性を重んじているように思えます。どの授業も教授自らがレクチャーノート以外に参考となるサイドリーディングを数多くアップロードしておりますし、科目によっては補講も開催されていたり、いつでも教授やティーチングアシスタントと質問/コミュニケートできる環境は整っています。グループワーク中心なところも、結局さぼりたいと思えば他の人に押し付けることも可能ではあるというだけで、どこまで時間を割くかは自分次第で、義務感ややらされている感は少ないというイメージです。要はLBSは「大人な」学校なのだと思います。

 

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  1. ヨーロッパのトップ層が同級生

入学して驚いたことは、LBSには思った以上に戦略コンサルティングファーム出身の同級生が多かったことです。マッキンゼーやベイン、BCG等、ヨーロッパの各国で働いていたコンサルタントたちが各スタディグループに一人はいるイメージです。

 

これは上記の戦略コンサルティングファームでは、ヨーロッパやアメリカ、アジアの各オフィスで若手社員へのMBA留学をサポートしている(日本の社費と違い、留学期間中の給料は出なかったり、家賃補助がなかったりと様々)ため、このようにMBAに占める生徒数が多くなっているのだと思います。MBAサポートプログラムのないプロフェッショナルファームである投資銀行(いわゆるセルサイド)出身者は戦略コンサルに比べるとそこまで多くない印象です。

 

もちろん人にもよるのですが、特にヨーロッパの先進国ではない国籍でこうしたファームで働いている人間(ギリシャやポルトガル等)は、その国での超エリートなのか(アメリカやイギリス、日本といった先進国より入社するのが大変だからか)、20代前半/中盤でもあるにもかかわらず(飛び級しているらしいが)、非常に知識があり、分析能力も高く、知的好奇心が旺盛で、正直すごいなと思わされることが数多くありました。

 

実際ウォートンで開かれた今年のMBA Buyout Case Competitionで優勝したのがLBSのチームで、そこにもヨーロッパのコンサル出身者が複数チームに在籍しています(下記の写真をご参照)。

 

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これはアメリカ人の同級生と話した上での推測ではあるのですが、将来的にアメリカで働きたいアメリカのトップ層はやはりハーバード、スタンフォード、ウォートンの3つから自分のカラーにあったところに行っており、将来はアメリカ以外で働きたいトップ層はLBSに来ているということではないかと思います。

 

このようなその国(アメリカ以外のこれから伸びていくであろう国々)を将来背負って立つような人材と一緒にグループワーク/プロジェクトをできる機会を持てることができたため、LBSに来て非常に良かったと実感しています。

 

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  1. MBA以外の生徒との交流

LBSには下記の通り、MBA以外にもファイナンス専門のMiFやシニア向けのEMBAやSloan等があります。彼らの一部はパートタイムでの参加であるため、ロンドンで仕事をしながら授業に通っています。恥ずかしながらこれは入学してから初めて知ったのですが、選択科目においてはMBAの生徒だけではなく、これらのプログラムの生徒と一緒に授業を受けます。そのため、ロンドンで働いている実務家(パートタイムの方々)と一緒に授業で議論したり、グループワークすることができます。おそらくこれはアメリカのトップスクールの半分程度しかMBA生徒がいないために実現できるものだと思います。

 

MBAでの授業の価値は、やはり教授の経験や授業内容に加え、日々コミュニケートする同級生の知見を使って、アカデミックと実務の世界の両方を学ぶ(アカデミックな知識が実務にどう生かされているのか、実務をイメージして学べるか)ことだと思っているので、個人的にはこれはかなりポジティブでした。よくMBAは知識を学ぶ場所ではないと揶揄した意見もありますが、正直なところ、私はM&Aの業務をしておりましたが、こういった同級生や教授を通じて、仕事に役立つであろうファイナンスやストラテジーに関する知識も十分以上に学べている気がします。

 

また私はファイナンスバックグラウンドなためなのか、トレックで知り合ったMiFの学生と、各国のPEのファンディング状況だとかIR/コーポレートガバナンスの整備状況、マルチプル水準など興味のあった内容を聞くことができ、正直MBAより気が合う人が多いんじゃないかと思ったくらいです(比較的MiFのほうがMBAより年齢層は高め)。

 

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  1. 3~4割の生徒が世界のトップスクールへ交換留学

LBS以外の学校との交流ということになりますが、LBSでは交換留学(International Exchange Program)がとても盛んで、1学年の約3~4割の生徒が世界のトップスクールに留学しています。

 

ウォートンやMIT、シカゴやコロンビア、ケロッグ、ハースといったアメリカでのトップスクールとLBSの両方を体験できるのは個人的には非常にお得だと思いますし、LBSほど交換留学が盛んな学校(他校への留学生の枠をもっている学校)もないのではないかと推察いたします。

 

交換留学なのでもちろんLBSに来られる学生もおり、日本人でいうと去年もウォートンから一人LBSに留学されていました。

 

正直なところ、私はコロンビアとLBSのどっちを第一志望とするか迷ったのですが、LBSは交換留学を使えば、両方の学校を体験できお得なので、これもLBSを第一志望として要因の一つです。

 

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  1. ダイバーシティ

アメリカの学校に比べてLBSの生徒はいろんな国から来ているというのは有名な話かと思います。この国籍のダイバーシティにどう価値を見出すか/レバレッジするかは人それぞれかと思います。実際授業で取り上げられるトピックもアメリカ中心ではないです(アメリカの学校がどこまでアメリカの事例を扱っているかは不明ですが、LBS独自のケーススタディはほとんどがヨーロッパやインドのもの)。

 

 

特に日本人にとって国籍のダイバーシティがメリットだと感じる点の一つは、LBSにおける様々なクラブにおいて役員的なポジションに就任しやすい環境/土壌があることではないかと思います。真偽はわかりませんが、アメリカのトップスクールでは、日本人はどうしてもビジネス系のクラブではスタンドアウトしづらく、アジア系のクラブでしかエグゼクティブになれないといった話も聞いたことがあります。実際、私もアメリカの学校にビジットした際に、アメリカ人の生徒が6~7割以上であるためなのか、インターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたのも事実です。LBSではたくさんいる気がしますが、私の知る限り、去年はターンアラウンドクラブのトップは日本人で、今年もエネルギークラブや生徒会等のポジションに日本人がいたと思います。クラブ活動に興味がある方にとってはポジティブだと思います。

 

また将来的にアメリカ以外の国で働きたいという人にとってもお勧めだと思います。たとえば最近はアフリカへの関心が高まってきていると思いますが、こうした途上国で働きたい/途上国関連のビジネスをしたいという人にとってもその国出身の人たちが数多くいるので、実情を聞くこともできるでしょうし、ネットワーキングにもつながると思います。実際昨年のLBSにおけるアフリカクラブによるビジネスカンファレンスは大盛況だったようです(数あるカンファレンスの中で一番評価が高かった)。アメリカの学校と違い、卒業生のほとんどは各国に散らばっていくので、そういった人たちとのアルムナイネットワークの構築がしやすいこともメリットだともいます。

 

このように国籍の多様性によるビジネス面でのアップサイドは多岐にわたると思います。私としてはヨーロッパ各国における商慣習の違いや各政府が力を注いでいるインダストリーの違い等を同級生から聞けたことは良かったと感じております。

 

加えて遊びの面についてですが、国籍の多様性故にさまざまな国のクラブがあり(イタリアクラブ、ギリシャクラブ、ポルトガルクラブ等)、ロンドンという立地を活かして、様々な国への学生旅行(トレック)が企画されます。ちなみにジャパンクラブによるジャパントレックは最大規模で一番人気があるようです。こうしたローカルの学生によって企画された旅行に参加することは国籍の多様性ならではだと思いますし、クラスメイト以外とも友人を作れるのでよい機会だと思います。こうしたトレック以外にも、TATTOOという文化祭が毎年あり、各国の食事やダンスを楽しむことができます。

 

個人的には国籍のダイバーシティがあることがMBAにおいて絶対的に正しいかはわかりかねますが、シンプルにいろんな国の人がいたほうが学生生活は楽しいというのはあるかと思います。

 

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  1. ロンドンという立地

LBSの差別化要因の最後として、当然ながらロンドンという立地が挙げられると思います。

 

この環境をどう生かすかは人々のプレファレンス次第だと思います。例えば、学校以外のコミュニティともネットワーキングをしたいということであれば大都市のロンドンは魅力的でしょうし(学校から20分以内でシティ)、就職活動に注力したい場合も世界のトップ企業が集まっているので不自由はないと思います。実務家をゲストスピーカーとして招くことも容易なため、授業に実務的な視点も組み込めるのも魅力だと思います。また金融やコンサルはいわずもがなかと思いますが、FinTech(最近バズワード的になってきてはおりますが、、)にご興味のある方も、シティ(Global financial centre)とTech Cityがあるロンドンは環境としては素晴らしいと思います。

 

私は都会の学校を志望しておりましたが、その理由の一つとして、現地で働く日本人プロフェッショナルと学生の立場を活かしてお会いする機会をたくさん持ちたいなと思っており、ロンドンはそういった観点からも魅力的です。

 

 

 B. LBSにフィットする人とは?

上述のLBSの差別化要因のまとめのようになってしまいますが、LBSには学校の提供するコミュニティ/プラットフォームやロンドンという立地から、自分のやりたいことは何でもできる/サポートしてもらえる環境は整っていると思います。

一方で学校側のほうからこれをしろ、あれをしろ、下位10%は退学だといった厳しいカリキュラムではないことから、自分の時間をたくさん持つことができます。

 

そのため、個人的に思うLBSにフィットする人材とは、自主性を持っており、能動的にアクションを起こせ、また他者からの刺激を受けることで行動できるような人、なのだと思います。自分でやりたいことが明確な人、もしくはやりたいことを自ら探していきたい人にとっては素晴らしい環境だと感じます(まだ一年しか在籍しておりませんが、、、)。

 

そのため、強制された環境で強引にストレッチしてもらったほうが成長できる/そのような環境を望むような人、にとってはあまりフィットしないかもしれません。

 

また一方でMBAをある種のバケーションだと捉える人にとっても、時間はたくさんあり、旅行もしやすい環境であることから、魅力的な学校なのだと思います。

 

 

 C. スコアはいくら必要か?

2017の先輩が下記のようなわかりやすい図を作成されていたので転用させていただきましたが、受験におけるGMATスコアの重要性はアメリカの学校と比べて低いと個人的には感じております。これは全体的なGMATのスコアが低いということではなく、GMATが700オーバーの受験生が不合格であるにもかかわらず、GMAT600後半の受験生が合格しているということです。実際、LBS全体の合格者のGMAT平均スコアは伸びています(MBA2018の平均は707)。

 

米国の学校は非常に点数至上主義(GMAT)だと感じており、欧州系の学校はGMAT が600 後半であっても(700 に達していなくとも)合格している受験生が一定程度存在しております。LBS については大多数が700over ではあるものの、600 後半の人間も少人数でありますが毎年存在しています(LBS の日本人公式ブログに過去の合格者のスコアが記載されています)。LBS はたとえGMAT が700 後半であっても不合格となり、600 後半の人が合格しているというケースが私の周りで散見されたことから、US に比べGMAT をそこまで重要視していない(エッセイやインタビューのほうをUS よりも重視している)ように思われます。

 

これはUS News MBA Ranking という米国で最も古いかつ一般的な(最も参照されている)、米国の学校のみを対象としたMBA ランキングにおいて、GMAT スコアが学校のランキング/順位に多大な影響を与えているからだと言われております(米国以外の学校は当該ランキングの対象外)。また学校にもよりますが、大多数の学校はアドミッションではなく、アルムナイによるインタビューであることから、面接のプロではない日本人のアルムナイインタビューでのフィードバック結果をアドミッションオフィスがそこまで信用していないのではないか、という噂も聞きました(なお、一方でエッセイの量が数年前に比べ激減していることから、その分インタビューを重要視しているのではないかという噂もあり)。

 

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TOEFLについては他校同様、重要性は高いのだと思います。特にLBSは現状、インタビューにおいて即興のプレゼンテーションが求められますので、そういった受験プロセスからもアメリカの学校同等もしくはそれ以上に英語力については重要視していると感じます。

 

 

 D. LBSはファイナンススクールなのか?

たしかにフィナンシャルシティであるロンドンに立地しており、選択科目の充実度やファイナンス専攻のMiFのプログラムもあることから、ファイナンスを学びたい学生にとっては魅力的な学校ではあると思います。またアメリカの学校に留学している友人とも話しましたが、必修科目であるCorporate Financeの授業で取り扱うケースのレベルもLBSのものは高いようです。この授業で取り扱った敵対的買収のケースは、一物二価の議論(初回TOB時とホワイトナイト参入後における提示価格の違いのロジック等)や州法や米国のTOB規制、対象会社がとるべき買収防衛策のプロコン、対象会社及びシナジーのNPV計算における割引率の考え方等について言及する必要があり、正直難易度は高かったと思います。

 

ただ一方でLBSのMBA生の中でファイナンス志望の人間は実は多くなく、やはり戦略コンサルタントやテック志望が多いイメージです。授業以外にもコンサルティングやハッカソンプロジェクトなど、LBSコミュニティを活用した学びの機会があり、ファイナンス以外を中心に学びたい受験生のほうが多いと思います。

 

私もエッセイ上は、ファイナンスではなく、ジェネラルマネジメントを学びたいという形にしました。

 

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 E. 私がLBSを選んだ理由

最後に私個人の志望理由について、これまでと一部重複もあるかと思いますが、簡単に記載させて頂きます。

 

もともとMBA コミュニティ以外でのネットワーキングや実在する企業とのプログラムを通じたコワーク、生活/食事の充実等といった観点から大都市、とりわけファイナンスバックグラウンドにフィットするNY かLondon(Wall Street やFinancial Centre で働くファイナンス実務家が授業で教えてくれる環境)がいいなと漠然と考えておりました。大都市の学校に行く場合のデメリットとしては、物価/家賃が高いことや学校以外でのコミュニティが豊富すぎるがゆえに生徒同士での結びつきが弱まること等があると思いますが、独身かつ社費なので金銭面での不安はそこまでなく、学校外でのネットワーキングも重要視していたので、都会の学校のデメリットは私には特段問題となりませんでした。そのため当初はColumbia かLBS が私の第一志望でした。

 

最終的にColumbia ではなくLBS を選択した理由としては、主に以下が挙げられます。

・LBS は交換留学が盛んで半分近くの生徒がUS やヨーロッパの学校に留学できる環境が整っていたこと(ロンドンとアメリカの両方の学校に行けるのがベスト、US の学校も交換留学はあるが実施する人は少数派)

・LBS はマジョリティの国籍が存在せず、アメリカだけではなく世界各国の人とコミュニケートし各国のビジネス慣習/文化を学ぶことができること(特にヨーロッパの国ごとの文化の違いに興味あり、アメリカ以外との案件が多い弊社ではより有用だと感じた)

・LBS は毎年日本人合格者が10 人以上出ており、卒業後の日本におけるネットワークが強いこと(加えてUS の卒業生は大半がUS 勤務だが、LBS の卒業生は世界に散らばっていくので、グローバルなアルムナイネットワーキングの観点からもポジティブ)

・LBS は15 ヶ月で卒業も可能なカリキュラムであり、学校以外のことにも精力的に取り組めるプログラム構成であること

・Columbia へビジットした際にインターナショナルの生徒のプレゼンスが低く感じられたこと(US の学校では一般的かもしれないが)

・Columbia のロケーションがマンハッタンのメインから少し離れていたこと

・アメリカの大統領選挙で、Donald Trump の人気度合いからアメリカ人の外国人に対する本音が垣間見えたこと(外国人への排他的感情)

・週末にヨーロッパ各国に旅行できること(LCC が発展している)

 

ただアメリカ人がマジョリティを占める中でどう戦っていくかを学ぶことは非常に重要で、特に卒業後のキャリアとしてUS で働くことを想定している場合には、US の学校に行くことも望ましいと思います。

 

 

 

最後に

MBA2017の先輩が昨年のLBS日本人在校生/卒業生による説明会において使用したプレゼンテーション資料をアップロードさせていただきましたので、ぜひご覧ください。

http://d.kuku.lu/930cd56063

 

また今年も日本人在校生・卒業生による説明会を7/29(土)に開催させていただきますので、是非ご参加ください。在校生やアルムナイの方が数多く参加されますので、より生の声を聴くことができると思います。

下記リンクのEventbriteサイトよりご登録下さい。

https://lbsintokyo2017.eventbrite.co.uk

 

海外MBAで学ぶ意義: なぜMBAは批判されるのか?

「MBA卒のくせに使えない」
「MBAに行くヒマが有ったら仕事を続けた方が勉強になる」

日本では、こんな「MBA不要論」を時折耳にする。斯く言う私も、留学を志す前はMBAに対し懐疑的な一人であった。然し、実際にLBSで2年間MBAを学んでみると、MBA不要論とはMBA教育への理解不足と誤解から生じる不毛な議論であり、この誤解が解消すればMBAが日本でも正しく活用され得ると感じるようになった。

そこで今回は、LBSでの留学生活を踏まえて、
「MBA教育とはそもそも何なのか」
「なぜMBAは日本で誤解され、批判されているのか」
について、私なりの考えを述べてみたい。

 

MBA教育とは何なのか

MBAが誤解されやすい原因は、授業の形式と目的が他の大学院と大きく異なる為、傍から見て実態や効果が分かり辛いことにある。

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MBAの授業は「ケースメソッド」という独特の形式を採っている。ある企業の過去事例を物語調にまとめたものをケースと言い、その主人公は経営課題に直面したCEOである場合が多い。MBAでは金融・戦略・統計など様々な科目が有るが、どの科目のケースでも問われる重要命題はただ一つ。

「もし自分が経営者ならどうしたか?」

学生は、自分がもし経営者であったなら、如何に状況を分析し、戦略を策定し、実行したかを徹底的に考え抜き、仮説を持った上で授業に参加する。科目の違いは、仮説に至るまでのアプローチが異なるだけで、ファイナンスの授業ではマルチプル法、ストラテジーではポーターのファイブフォース分析等を用いて、自らの仮説で周りを説得する上での理論武装を行う。

このケースメソッドの目的は、リーダーとしての「決断力」を鍛えることにある。授業ではレクチャーの時間は最小限に抑えて只管にクラス内ディスカッションを行い、異なるバックグラウンド持つクラスメートと意見を戦わせて、自らの仮説を様々な視座から検証する。この一連のプロセスを、2年間で様々な分野に於ける数百通りのケースを使って徹底的に繰り返し、限られた情報と時間の中で経営者として最適の決断を下すための思考プロセスと判断基準とを、筋トレのように身に付けていくのである。

日本では学校とは知識を得る場所との意識が強いが、MBAに於いてハードスキルとはケースを解く上でのツールに過ぎず、知識の深堀りは重要視されていない為、通常の大学院のようなアカデミックな雰囲気のレクチャーはあまり行われていない。経営判断に普遍的な正解は無いためMBAでの議論は喧々諤々と毎回白熱し、教室内は学び舎というよりもブートキャンプに近い状態となる。

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「何を学ぶか」ではなく「誰と学ぶか」

上記のようなケースメソッドに於いては、ハードスキルとして「何を学ぶか」ではなく、ディベートの相手として「誰と学ぶか」が極めて重要となる。巷に溢れるMBA本でいくら戦略ツールを学んでも、それは玩具の武器を得たに過ぎず意味は薄い。その武器を手に、実際に訓練所で百戦錬磨の将官(教授)の指揮の元、バラエティー溢れる優秀な戦友(クラスメート)と実地訓練(ディベート)を繰り返すことでMBAからの学びは初めて最大化される。class

このプロセスのみが重要なのであって、MBAという資格自体に価値は無い。海外MBAは自己研鑽や国内MBA対比で膨大な時間やコスト、機会費用が掛かるが、それでも敢えて海外のトップ校を志向する理由は、多様で優秀な教授とクラスメートの存在こそがMBAでのトレーニングに於いて極めて重要となるからである。

 

 

ハードスキル習得はMBAの主目的ではない

一方で、MBAに於いて然程重要でないテイクアウェイは、「ハードスキル」である。MBAでは、金融、会計、戦略論、統計学、マーケティング、アントレプレナーシップ等、非常に幅広い分野を学ぶため、僅か2年でこれらの分野を全て実務レベルへ引き上げるのは無理であるし、そもそも既述の通りMBAに於いて知識の深堀りは重要視されていない。

誤解の無いように申し上げると、ケースに基づくプラクティカルな実例を一線の教授から学ぶことで、広範で実務的な知識が身に付くことは確かである。然し、膨大な時間と費用をかけて海外MBAに行く以上は、機会費用の考え方に基づいて、「そのスキルは海外MBAでなければ本当に身に付けられないものか?」という問いを常に考える必要が有る。この見地に立つと、MBAで得られるハードスキルは日本での自己研鑽でも充分得られるし、寧ろ仕事を続けて実務とリンクさせながら学習した方が、より効果的に知識を定着できるはずである。

 まとめると、会計・金融・統計学といったハードスキルは、MBAで学ぶメリットの一つであることは確かなものの、敢えて時間と費用をかけて海外MBAを目指すべき積極的な理由とは成り得ないと考える。

 

なぜ「MBA不要論」が生まれるのか?

以上に述べてきたMBAのメリット・デメリットを踏まえると、世間でよく耳にするような「MBA不要論」が、MBAという教育への理解不足と、MBAホルダーと採用企業側のミスマッチから生じる不毛な議論であることが見えてくる。

日本では、「学校とは知識を得る場所」というイメージが強い為、MBAホルダーに対して全知全能のハードスキルを求め、会計やファイナンス、戦略企画等のあらゆる分野で即戦力となる人材を期待している場合が多い。然し、MBAで得られるハードスキルは限定的であり、そもそも目的ではなく手段に過ぎないので、その不足をもって「MBAホルダーは使えない」と判断することは的外れである。

また、「MBAに行くよりも仕事を続けた方が勉強になる」という指摘も良くあるが、MBAの目的をハードスキルの習得だけにフォーカスすれば、仕事を続けて実務とリンクさせながら学んだ方が効率的且つ実践的なのは当然であるものの、そもそもハードスキルはMBA教育の主目的ではないので、この比較は意味が薄い。

MBAホルダー側にも大いに問題が有り、ハードスキルや「MBA卒」というステータスのみを求めてMBA本や通信制MBAに手を出しても、軍隊訓練型のケースメソッドをこなさなければ意味が無く、通信教育で空手を学ぶ程度の効果しかない。従って、それではMBAを通じて成長できないのは当然であるし、そのくせに自分は即戦力であると自惚れると、周囲からの失笑と反感を買うだけだろう。

他方、MBAの真の目的である「決断力」にフォーカスした場合も、日本企業ではミスマッチが生じている。海外企業の場合、MBA卒は早期にマネージャーとしてのディシジョンメイキングが期待される。然し、日本企業では卒業後も当面はプレーヤーとしての役割が求められることが多く、マネージャーになるまで10年以上かかるケースも有る。MBAは決断力を鍛える場なのに、そのポジションを与えなければスキルが生かせないのだから、「MBA卒は使えない」との評価が下るのも当然である。

 

おわりに

最後に幾つか補足を。

上記に加え、異文化理解や国際人脈の深まりも海外MBAで学ぶことの大きなメリットである。然しこれらは海外留学に共通するものであって、MBA固有の事項ではないことから今回は割愛させて頂いた。

また、MBAは「リーダーとしての決断力」を鍛える場と書いてきたが、海外MBA卒が皆すべて決断力に優れているわけではない。所詮、MBAは訓練であって実戦では無いので、いくら練習を積んでも本番でのパフォーマンスは保証されないし(練習をたくさんしたからといってプロ野球選手になれるとは限らないのと同じ)、リーマンショックやエンロン破綻はMBA卒の強欲な経営者達が起こしてきたことを鑑みれば、歴史的には寧ろマイナスの影響の方が大きかったかもしれない。然し、少なくとも「決断の訓練をしなければ本番で成功できない」ことだけは確実に真なので、たとえ結果が保証されていなくとも、欧米のエグゼティブは皆MBAでディシジョンメイキングの鍛錬を積むのである。

MBAは、斯かるトレーニングの場としてケースメソッドという手法を確立し、時代に合わせてケースのテーマを柔軟に変更しつつ、過去の失敗を踏まえて企業倫理の科目を増やすなど、試行錯誤を重ねて今の形となっている。外から見ると効果や実態が漠としていて見え辛いため、誤解や批判を受け易い学問領域なのだとは思うが、上記の誤解やミスマッチが解消されれば、MBAに行ってから後悔する人や、MBA卒を採用してから後悔する企業の数は確実に減るだろう。MBAへの進学や採用を迷っている方に、本稿が少しでもお役に立てば幸いである。

MBA2015 A.S

MBAに来ることの意義 2

MBAに来ることの意義とは何か。

 

緊張と不安が入り混じった入学式から時が経つのは早い。卒業まで残された時間も残りわずかだ。

新たな職場に胸を躍らせる友人に手を振る日々の中、少し苦いコーヒーを飲みながらその問いがぼんやりと頭をかすめる。

 

小難しいことはやめてみよう。

 

まずは、そうだ。いろんな国出身の、いろんな国で働くであろう友人が多くできた。彼らの国にいつか行ってみたい、もしかしたら仕事でお世話になることもあるかもしれない。Study Groupのメンバー、必修・選択科目のクラスメイト、Tripでお世話した・お世話になった生徒、サマーインターンの同僚、フラットメイト。

MBAが始まった頃は、正直何を話してるのかわからないときもたびたびあった。今ではずいぶんとマシになったものだ。ということは英語も上達したんだろう。いろんな国を知ることで、日本のことをポジティブに見直す気持ちを持つこともできた。

 

わかりやすい。確かな結果だ。

 

あとは・・・学業の中身か。これは整理が難しい。何をもってして、学んだ・得たと言えるのだろう。とか考えると、面倒臭い。そういうのは後回しだ。

カリキュラムは大きく、財務・会計・戦略・マーケティング・オペレーション・組織行動・起業みたいな感じだっただろうか。

財務・会計・オペレーションは手堅い。数字を使って過去・現在・未来の活動を理解・記述する手法や考え方が多少増えた。

戦略・マーケティングあたりは、正直特筆する感じでもない。MBAを卒業した人がどういうフレームワークを気にするかを学んだと言えば学んだ。

組織行動。授業だけではぴんとこない。ただ、知的好奇心を刺激するには自分には合っていた。いや、それだけでもない。昔携わった組織設計やChange Managementの仕事を振り返ってみると、思い当たるフシは結構あったか。

起業については、昔よりも興味は出た。けど、「いま自分がこれを始めたい」と思うほどの情熱・ネタがないこともはっきりした。

 

インプットの話が多い。アウトプットはどうか。そう、発言や行動の部分だ。例えば、企業を分析するときに財務・会計的な観点で考えたり意見する機会は増えたような気がする。

発言、という意味ではその回数も増えたかもしれない。例えば、英語のディスカッションでぐだぐだと遠回りな議論をしている最中、ホワイトボードを使って整理したりするのは気持ち良かった。下手な英語を辛抱強く聞いてくれる前提だったが。

MBAも後半になれば、グループワークの作業設計や役割分担、進捗管理なんかも積極的にやるようになった。各人の性格、得意・不得意を考えるのが私は好きなのだろう。あ、リーダーシップという言葉が浮かんだ。話がややこしくなるから、このへんの整理は他の人に任せることにしよう。

 

仕事という観点では、卒業後にやることが特段変わる予定もないな。

 

 

普通だ。とても普通だ。海外の多くの友人、ということを除けば、MBAでなければ得られない、ということは特段ない。仕事をしながらでも、時間をかければ何とかなる話だ。その時間を圧縮したという点に価値があるのだろうか。しかし、突然変異でも何でもない。問題意識も、得た知識も、行動の変化も、これまでの延長線上にある。

いや、MBAを取得しない人生は生きていないのだから、比較すること自体がナンセンスなのだろうか。ただ、これも言い訳がましい気がする。

 

なんなんだろう。

 

そうか。

そもそも、この問いにいま答えようとすること自体が的外れなのだ。

私はまだ何もしていない。検証は、5年後、10年後、30年後でいい。MBA取得に意義があったかどうかは、これから何をするかで変わるのだと信じよう。

 

幾台もの車が目の前を通り過ぎていく。

飲みかけのコーヒーはすっかり冷めてしまった。

私は少し考えるふりをした後、もう一杯おかわりすることにした。

 

MBA2014 T. T

ロンドンにまつわる二つの誤解(天気と食事)

「天気悪いんでしょ??」&「ご飯マズいんだってね」

9ヶ月前に日本でロンドンへの赴任の挨拶周りをしていた時、たくさんの方からこの憐憫の言葉を頂きました。私もそうでしたが、「ロンドン=天気と食事が最悪」というのは、多くの日本人が思い描く強いイメージのご様子。

然し、実際に住んでみて思うのは、「それ、ちょっと誤解です!!」ということ。天気も食事も思っていたほど悪くないどころか、良いところもたくさん有ります。その理由を、『8つの事実』でご説明します。

 

まずは「天気」のお話。

 

事実①:「ロンドンの降水量は、東京よりもずっと少ない」

確かに雨の降る日は多いですが一日中降ることは稀で、ザッっと降っても直ぐに晴れたり、長く降るにせよ霧雨程度のことが多いです。日本と違って梅雨や台風が無く、夏場の集中豪雨も無い為、年間の降水量で見ると実は東京の3分の1程度しかありません。

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 (出典:気象庁(1981年 – 2010年)及びMet Office “Climate averages 1971-2000″データを元に筆者作成)

 

事実②:「真冬の気温は、東京とほぼ同じ」

ロンドンの緯度は北緯51度。札幌の北緯43度を大きく越えて、樺太中部と同じくらい北に位置します。然し、真冬でも気温が氷点下に下がることは少なく、最低気温は0~5度、最高気温は5度~10度程度。東京の冬と然程変わりません(但し、寒い期間がずっと続くので、コートが必要な期間は長いです)。

ヨーロッパの西岸には暖流の北大西洋海流が流れており、大西洋上の偏西風が常に海流上の暖気を運んでくれることから、ロンドンのように海に近い地方は然程寒くならないんだそうで、パリやベルリンなどの内陸部よりも温暖な冬が過ごせます。

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 (出典:同上)

 

事実③:「夏場は最高!!」

緯度が高いので、6月ともなると22時位まで明るく、テムズ川沿いのパブで太陽を浴びながら遅くまでビールを楽しんだり、仕事帰りにテニスやゴルフに興じる人も多いです。夏場は30度以上まで上がる日も有りますが、湿度は低く日本のような蒸し暑さは全く無いので、日蔭に入れば快適に過ごすことができます。

 

事実④:「でも、日照時間はやっぱり少ない。。。」

と、良いことばかりを書いてきましたが、やはりイマイチな点も有ります。その最たるものが「日照時間の少なさ」でしょう。統計によると、東京の年間日照時間は平均1,900時間程度なのに対し、ロンドンは1,500時間程度しかありません。

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 (出典:同上)

上のグラフの通り、特に11月から3月上旬にかけての日照量がヒドいです。12月ともなると8時~16時位までしか昼間がなく、太陽も「君、ヤル気ある??」と問い詰めたくなるほどにしか上がりません。

しかし、この暗い冬の見返りに上述の最高の夏が有るわけで、プラマイはゼロです(適当)。どうしても太陽が恋しくなったら、週末を利用して地中海沿いのリゾート地へ繰り出して心も体もリフレッシュできます。格安航空を使えば、片道2時間のフライトで往復100ポンド程度です。

 

続いて、もう一つの大きな誤解であるロンドンの「食事」について。

 

事実⑤:「イギリス料理だって、美味しいものも有る!!」

例えば、悪名高きフィッシュ&チップス。確かに、道端の露店なぞで買うとベタっとしたマズいものが出てきます。しかし、学校の近くに有るSeashellという店はいつも地元の人でにぎわっており、新鮮なタラを使用したアッサリとしたフィッシュ&チップスを味わうことができます。その他の料理も全て美味しく、私はこの店でイギリス料理に対するイメージが変わりました。

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事実⑥:「レストランのレベルは非常に高い!!」

世界中から人の集まるロンドンは、レストランの種類も非常に多様で、且つレベルも高いです。特に、歴史的な繋がりからインド料理の質は日本より圧倒的に高いですし、街の中心部には大きな中華街もあります。値段は張りますが美味しい和食屋も有りますし、日本ではなかなか味わえないレバノン料理や中央アジア料理なども満喫できます。

為替の影響もあって、ディナーともなると一人/5,000円~15,000円程度掛かってしまうのが痛いですが、質とバラエティに関してはロンドンのレストランは世界有数の水準だと思います。

 

事実⑦:「食材の質は高い!!」

ロンドンでは新鮮な食材が手頃な値段で手に入ります。日本と比べると、霜降り牛肉や魚のバラエティの点では物足りなく感じることも有りますが、貝類やチーズ、ワインなどは日本よりもずっと安くて良質の物が手に入りますし、野菜も種類が豊富で新鮮です。また、日本食材店も数多く有りますので、食材の確保の点で不自由を感じることはあまり有りません(但し、原材料に近いうちは良いのですが、少しでも人の手が入るともうダメで、パスタソースやソーセージなどですら不味くしてしまう食品メーカーには殺意を感じることはしばしば有ります)。

 

事実⑧:「でも、安くて美味い店は無い。。。」

では、イギリスの食事で何がマズイか??というと、日本のように「安くて美味い!」を実現しているレストランやコンビ二というものが全く有りません。

学校で売られている寿司のシャリは消しゴムの味しかしませんし、街中の不便なコンビニ(日本語が崩壊してますが。。。)のサンドウィッチは、一口食べただけで思わず笑ってしまうほどマズいです。

レストランは上述の通り美味しいところもたくさん有りますが、下調べせずに通りすがりの店に入るとハズレが多いのも事実なので、観光客の方々が英国料理にマズい印象を持つのは已むを得ないと思います。

 

以上を踏まえると、やはり日本人の舌に一番合うのは日本の食生活なんでしょうけれども、ロンドンでも「手間」か「お金」を掛けて自炊や美味しいレストラン探しに励めば、充分に満足の行く食生活が送れます。

 

最後に

一つ注釈を加えると、ロンドンとイギリスは違います。ロンドンはイギリスの中でも特に雨の少なく暖かい地方で、ウェールズやマンチェスター等はロンドンよりもずっと多くの雨が降ります。地方に行くと、美味しいレストランも減ってきますので、「イギリス=天気が悪くてメシが不味い」というのは、強ち間違いでは無いと思います。

然し、繰り返しになりますがロンドンの「天気」と「食事」は、それほど悪くありません。加えて、治安の良さや、英語圏であること、ミュージカルや博物館など文化面の充実、格安なヨーロッパ旅行や街並みの美しさなどを考えると、個人的には東京での生活よりも、今のロンドンでの暮らしの方がすっかり気に入っています。

最後は、使い古された引用では有りますが、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソンの名言を:「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与え得るもの全てがあるから」。この言葉、大いに賛成です。

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MBA2015 A.S.

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