職務経験:銀行12年
1. なぜ今MBAか?
MBAを目指すことを決意した最大の理由は、金融機関を取り巻く環境が益々国際化する中で、将来、インターナショナルなチームのリーダーとしてやっていける素地を身に付けたかったからです。留学前の4年間は海外のナショナルスタッフとの密なコミュニケーションが求められる仕事に携わっていました。担当者としては十分な仕事ができていたと思いますが、自分の次のキャリアステップを考えた時に、このままで本当に将来、国籍もバックグラウンドも異なるメンバーから成るチームのリーダーとしてやっていけるのか不安でした。マネジメントポジションに就く前に、MBAというグローバルな環境下で、グループワーク等を通じ、チームワークやリーダーシップを体感しておくことは、今後の仕事の質・レベルの向上に大きく寄与すると考え、MBA受験を決意しました。

 

2. LBSを選んだ経緯・志望校選定

LBSの志望理由は以下の通りです。

①   実際に何人かのLBSの学生・卒業生と会ってみて、フィット感を感じたこと。

②   ロンドンという場所柄、実ビジネスの感覚を維持しながら学べる環境であること。

例えば、シティーで仕事を終えたばかりのインベストメントバンカーが来校され、欧州の経済環境について議論する、あるいは、コンサルティングクラブのメンバーで授業後、コンサル会社のオフィスを訪ねて、最近のコンサル案件について話しを聞く等、授業で学んだことが実際のビジネスの現場でどう活かされるのか実感できる機会は切りがない程あります。

③   学生の出身国・バックグラウンドが極めて多様であること。

④   個人的に興味のある資源・エネルギー系分野の学びの機会(授業の他、Clubも含めて)があること。

⑤   ファイナンス・ストラテジー分野に定評があり、ランキングが高いこと。

⑥   スタディーグループ制度があること。

 

3. スケジュール
以下のような流れ(着手順)で準備を進めました。

2010年2月末                     社内公募で留学候補生として選ばれる

3月初旬                  卒業大学の成績を確認

3月初旬~10月下旬         志望校選定・TOEFL対策

4月上旬~8月下旬          エッセイのネタ出し

5月上旬~9月上旬          GMAT対策

7月下旬~8月上旬          エッセイカウンセラーの選定

8月上旬~9月末            レジュメの作成

9月初旬~11年1月上旬       エッセイの作成

10月初旬~12月下旬        推薦状の依頼

12月初旬~末             オンライン出願項目の入力

2011年1月上旬~3月上旬            出願・インタビュー対策

3月下旬                    LBSより合格通知

 

4. 費用
合計で約230万円。内訳は、TOEFL対策50万円、GMAT対策90万円、レジュメ・エッセイ・インタビュー対策60万円、キャンパスビジット(米国)20万円、出願費用10万円。

 

5. レジュメ
基本的には、レジュメで頭出しした事項は、エッセイやインタビューでアピールすることになることから、トータルで見た自分のアピールポイントをレジュメに落とし込んで行き、9月末までに完成させました。

 

6. TOEFL

TOEFL対策は元々の英語力によって個人差があり、また、テクニカルな部分は予備校で教わるのが宜しいかと思います。以下、全般的に参考になると思われる事項を列挙致しました。

①   テスト会場

テスト会場は茅場町やお茶の水にあるプロメトリックの会場が、私にとって、最も集中できる環境でしたので、会場が発表される月初には毎日、朝昼夜と最低3回、TOEFLのサイトをチェックして、空きがあればすぐに予約するようにしました。(最高スコアが出たのも茅場町でした。)

②   予備校

予備校は、回答にあたってのアプローチの仕方、勉強のやり方を教わる場所であり、教わった型に沿って、スポーツと同じような感覚で、時間をかけて身に付くまで練習を繰り返す必要があると感じました。予備校の授業は極力前倒しで4月中には全て消化するようにしました。

③   問題集(飽くまで個人的な印象です)

Official Guide(基本書です)、Longman(あまり効果がありませんでした)、その他、TOEFL模試(1回USD45×4回、最も効果がありました)、Barron’s(本番同様PC画面でできるのは良かったです)、Delta’s、The Princeton Review(問題の質は良かったです)、Z会「受験英語からのTOEFL」、旺文社「TOEFL iBT大戦略シリーズ」(左記2つは問題の質は別にして、速読とヒアリングの練習には役立ちました)等を使いました。

④   コンディション作り

私の場合、睡眠が足りないと仕事も勉強も全く能率が上がらなくなってしまうため、どんなに追い込まれた状況でも一日5時間は寝ました。(試験前日は最低7時間は寝ました。)食事は3食しっかり取ることはもちろん、試験の直前は甘いものをたくさん取り、10分休みにもチョコレートを食べる等、糖分の摂取に心がけました。個人差はあるかと思いますが、コンディションが良い時は、試験途中、あまり出来なかった問題があっても、気持ちを切り替えながら、うまくリカバリーできたように思います。

 

7. GMAT
全般的に、基本パターンの習得と時間配分が重要かと思います。3月に市販の問題集(GMAT完全攻略(アゴス))を購入し、試験問題を確認。Mathは独学で対応可と判断。VerbalとAWAは5月の連休明けから予備校のコースを取り、5月末までに基本パターンを習得、6月中はじっくり時間をかけて問題に取り組み、7月以降は、SC:1問平均1分15秒、CR:2分15秒という時間配分を意識して、SC, CR, RCを織り交ぜながら、練習を繰り返しました。6月末、7月中旬、7月末に本番をイメージしながら、本番と同じ時間帯でPrepに取り組み、8月の初回受験時に目標スコアを取ることができました。

 

8. エッセイ
エッセイは出願プロセスの中で最重要タスクであり、最も時間をかけました。3月頃、興味のある学校の過去の質問事項を確認し、どんな事項が問われるのか、イメージを持った上で、4月上旬から、予備校のワークシートを使って、自己の人生の振り返りとネタ出しを行いました。エッセイは、9月初旬に着手しましたが、以下、エッセイ作成にあたって、工夫した点を記載致します。

①  エッセイ完成までのアプローチ

カウンセラーの薦めで、字数が多く、質問内容がオーソドックスな学校から書き始めました。当初、1校目を完璧に仕上げてから、2校目に進もうと思っていましたが、エッセイ内容がある程度のレベルに達すると、かける時間の割に質が上がらないことに気付き、1校目のエッセイは心情的には7割ぐらいの仕上がりでしたが、10月中旬には2校目に進みました。学校によって、質問の視点が異なるため、同じトピックでも違った角度から考えさせられ、3校目・4校目と進む毎に、エッセイ内容により深みが出てきました。そうして、全ての志望校のエッセイを一通り書いたところで、また1校目に戻ってリバイズして行きました。

②  カウンセラー以外の相談相手

私自身、自分をよく知る方のアドバイスも頂きたかったので、1校目の大学のエッセイがだいたい形になった10月下旬に、カウンセラー以外にビジネススクールを卒業された上司や先輩・後輩(計4人)にエッセイを見てもらいました。様々なアドバイスを頂き、中にはカウンセラーの意見と相反するものもありましたが、最後は、自分の納得の行く方向で仕上げて行きました。カウンセラーも私のやり方に理解を示していました。

③  エッセイ全体のバランス

私は業務経験が長く、どうしてもエッセイの内容は仕事に関連するものの比重が大きくなりがちでした。しかしながら、ビジネススクールはエッセイを通じて、出願人の人間性を見ようと、パーソナルな経験も非常に重視します。したがって、自分の人格形成に影響を与えた過去の仕事外での経験をあぶり出しながら、キャリアゴールへ展開する等、意識的にエッセイ全体でパーソナルな内容を織り込むよう努めました。

④  選択形式の質問

学校によっては、いくつかの質問が選択式になっています。そのような場合は、学校が今年度から新たに出題した質問等、学校側が出願人に回答してほしいと期待している質問(往々にして最もチャレンジングな質問)を選択するようにしました。

⑤  学校調査

ほとんどの学校で、何故当校なのか?どんな貢献ができるのか?について、直接・間接に問われます。ここでは、その学校に対する熱意が如実に表れます。学校のサイトやパンフレットに書いてあるキーワードに触れるだけでは薄っぺらい印象となってしまいます。私の場合、将来自分が進みたいと考えているエネルギーファイナンスに関連する分野について学ばれている学生や卒業生を紹介してもらい、スカイプ等を通じて、じっくり話しを伺い、そこで自分が感じたことや考えたことを素直にエッセイに反映して行きました。

⑥  ストーリーの構築

予備校が作成している各学校のエッセイ課題を分析したマニュアルを使って、学校は質問を通じて何が聞きたいのか、何を期待しているのかをまず確認しました。それを念頭に置きながら、最適なネタを選んで、ストーリーを作りました。自分の経験をもとに書く場合、何故、自分がそのような行動を取ったのか、何故、そのように思考したのか、徹底的に掘り下げて考えた上で、質問に応じたストーリーを構築しました。事実でないことを書いてはいけませんが、スポットの当て方、説明の仕方次第で、エッセイの質が大きく変わってきます。尚、LBSのエッセイでは、特に「国際性」「貢献」を強く意識しながら、仕上げました。

 

9. 推薦状
推薦者に対する質問事項をサイトで公表している学校と、推薦者情報を登録した後でしか質問事項が開示されない学校があります。1校目のエッセイ骨子が概ね固まったところで、前者のタイプの学校の推薦者への質問事項を確認し、どういう内容の推薦状を書いて欲しいか、ある程度整理した上で、出願当時所属していた部署とその前の部署の上司に推薦状を依頼しました。
10. インタビュー
志望校全ての出願を終えてから(1月上旬)、インタビュー対策を依頼始めました。カウンセラーはエッセイとは別の方にお願いしました。まずはよく聞かれる一般的な質問事項(約30個)について、エッセイの内容と重複するものもありますが、1問につき、1分30秒~2分を目途に回答できるよう繰り返し練習しました。回答はキーワードだけメモし、最初はメモに目をやりながら、最終的にはメモを見ないでもすらすら話せるまで練習しました。毎日キッチンタイマーで時間を図りながら練習し、週1回、カウンセラーに見てもらいました。カウンセラーの薦めで、カウンセリング内容は全て録音し、カウンセラーが使うこなれた言い回しを覚えるように心がけました。

2週間ぐらいで上記のステップを終え、学校別モックインタビューに進みました。カウンセラーから出願校の過去のインタビューでの質問リストをもらい、回答メモ(キーワードのみ)を作成、練習を繰り返し、週1回カウンセラーとのモックインタビューに臨んでフィードバックを受けました。当然、エッセイとは異なる質問が多々あるため、エッセイで触れなかったトピックについても話す必要があり、回答案の作成に時間がかかりました。基本的にSituation→Task(自分の役割)→Action→Result→Take awayという構成でストーリー考えておき、実際の回答にあたっては、ポイントを先に明確に話す、Situationは省略する等、会話の流れやその場の状況に応じて、柔軟に対応しました。但し、Resultだけは必ず伝えるように心がけました。

どの学校も面接官はレジュメを見ながら質問するため、レジュメに記載している事項は、自分で想定Q&Aを作成し、練習しておきました。更に、面接官がエッセイを読んだ上で質問する学校(LBS等)もあるため、エッセイについても、想定Q&Aを作成し、練習しておきました。また、時事ネタがよく質問される学校もあります。(LBSもその一つ。) 対策として、CNNや英字新聞で、英米に関するニュースや、日本のニュースで英米人も知っているようなものをチェックして、自分の意見を整理しておきました。

本番の面接では、本題に入る前にSmall Talk(世間話的なもの)があり、面接に向かう道中で、天気等の当たり障りのない話題を考えておきました。また、面接の際中に、機会を見て、キャンパスビジットや学校説明会で感じたこと、学生・卒業生と話して感じたこと等を会話の中に織り交ぜ、自分自身のその学校に対する熱意を伝える努力をしました。

LBSのインタビューは、最初にグループディスカッション(約1時間)、英会話講師との1対1の英語チェック(グループディスカッションの最中に一人ずつ呼ばれる形式で10分程度)、次に日本人LBS卒業生2人との面接(約1時間)、最後にプレゼンテーション(面接の最後10分で行われます)という流れでした。グループディスカッション対策は中々やりようがないというのが正直な印象ですが、プレゼンテーションは何度かインストラクター相手に練習しておいた方が良いかと思います。

 

11. 受験を終えて
TOEFL、GMATのスコアメイクは大変ですが、レジュメ・エッセイ・推薦状・インタビュー対策も同様に重要で準備に相当な時間を要します。限られた時間内でこれらのタスク全てについて、ある程度の質を確保しつつ仕上げるためには、早め早めに着手・行動することが肝要かと思います。

また、何といっても、時間の確保が最重要課題となります。仕事をこなし、睡眠時間を確保した上で、一日4~5時間の勉強時間を取るためには、周囲の方々の理解と協力が不可欠です。私自身、何とか結果を残せたのも、会社の上司や同僚、家族の支えのお蔭と心から感謝しています。

受験プロセスは精神的にきついものでしたが、振り返って見れば、多くの方々との出会いがあり、自分自身の生き方を真剣に考えさせてくれる貴重な機会であったと感じています。自分を信じて、あきらめないで頑張ってください。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る