勤務経験: 広告会社 (7年)
海外経験: 出張を10回程度

 

1. MBAを志したきっかけ
私の場合、新卒就職時に海外志向は微塵もありませんでした。外資に就職しても最終的に仕事のイニシアチブがとれないと思っていたので、むしろ日系企業に就職してメインストリームで責任のある仕事をしたいと考えてました。しかし、入社3年目あたりになって、大企業に勤め続ける限界を考えるようになりました。「このままこの会社にいても、15年後に中間管理職になって、数字合わせの収益予測をつくって、部下の管理に頭悩ませるだけかぁ。」そう考えると非常にむなしい感情がわきあがり、いっそ転職を感得たのですが、ある先輩に「今やりたいことがあるなら、躊躇すべきではないが、そうでないなら5年は我慢したほうがいい。今辞めてもキャリアにならないから、この3年間が無駄になるよ。」というアドバイスをいただきました。自分自身でも納得できたので、もう少し今のがんばろう。ただ、数年後に自分の価値を高めて転職オプションを広げておきたい。であれば、仕事をやりつつもMBA留学の準備をしておこう、これが留学を志したきっかけです。
2. LBSを選んだ経緯
まず、受験校をチョイスするにあたって、以下の三つの条件を設定しました

  1. ランキングトップクラスであること
  2. 2年制であること
  3. 大都市にあること

私は私費留学なので、卒業後に転職することを視野にいれてました。となると当然ながらランキングは高ければ高いほど良い。また、2年制の方がインターンも経験できるし、初めての海外生活なので「できれば2年くらいはいきたい」みたいなことを考えてました。あと、個人的な嗜好として「学校と家を往復するような生活はいやだ。」と思ってたので、都会にあることを条件に設定しました。受験当初はアメリカしか考えてなかったので、実はLBSのことを知らなかったのですが、上記スクリーニングによってひっかかってきました。ところが、LBSについてよくよく考えてみると、

  • イギリスにはウィンブルドンがある (テニス好き)。
  • 旅行もできる(スペインで本場のイベリコ豚を食べ、パリでフランス料理のフルコースにチャレンジし、もちろんフレンチオープンをみて、北欧でオーロラをみて)。

というオプションがもれなく付いてくることに気づき。一瞬にして自分の中のランキングがあがりました。それに加えて、私の大学時代の友人がチューリッヒに留学しておりまして、彼がヨーロッパについて語ってくれたことを思い起こしました。文化的にも、思考的にもヨーロッパは洗練されている。多様な民族の人たちが住んでいるので、お互いのカルチャーを尊重する姿勢が出来上がっている。真にインターナショナルなのはヨーロッパだと。ということで、硬軟とりまぜてLBSがトッププライオリティになりました。

 

3. スケジュール

2005年秋 プリンストンレビュー (当時)でTOEFLの講座をうける。
2006年春 もともと忙しかった仕事が殺人的になり、何回かTOEFL (CBT)を受けるも、リスニングがはじまったとたんに爆睡。GMATの勉強を始めるも、予備校の授業中に爆睡。ちょうどiBTが始まろうとしてた時期で、こりゃ今年は無理だと悟る。
2006年初夏 社内異動。新しい仕事を覚えるのに手一杯でしばし受験勉強中断。
2006年秋 勉強再開、iBT用にTOEFLの勉強やり直し。初回のテストで90点、2回目で96点が出て、「こりゃ簡単に100点こえちゃうんじゃーん?」と思ったが、その後なかなか点数あがらず。
2007年春 ようやくTOEFL100点越え、ただしスピーキングは17点。とりあえずGMATの勉強を開始する。前回のテキストがあるので、予備校の講座はとらず、不明な点だけネットで質問したり、予備校の教師に個人レッスンを受ける。
2007年6月 TOEFLで104点 (S:23点)。スピーキングが過去最高点なので、いったん区切りをいれてGMATに集中。予備校の学校紹介のイベント等に出る。
2007年夏 7月に第1回GMAT受験660点 (AWA4.5)、8月に第2回受験690点 (AWA5.0)。AWAの点数もよかったし、そろそろエッセイを書き始めなければならないので、GMATは打ち切る。
2007年9月~翌年1月 エッセイを書いてUSの7校 (1st、2nd)に出願。
2008年3月 全部不合格。がびーん。この時期会社で希望していた海外部署への異動が叶うという通知があり、半年後には海外赴任といわれMBA受験を続けるべきか迷う。
2008年9月 段々仕事の内容もみえてきたが、やはり自分にとってはダイナミズムに欠け、海外赴任もなさそうなのでMBA受験を再開。TOEFLを受けつつカウンセラーを変えてエッセイを全部書き直し。
2009年1月 LBSを含み7校出願。全て2nd。
2009年2月 インタビュー3校。
2009年3月 LBSに合格!

4. TOEFL
間違いなく私のMBA受験中の最大の難関。合計で20回以上は受けたでしょうか。とくに純ドメの場合はスピーキングがネックになると思います。トップスクールを目指される方々は109点以上を目標にされるでしょう。私もそこを目指したのですが最高点は106点 (R:30、L:29、S:19、W:28)どまりでした。ただし、このスコアは今年の3月に出たので、実際には2007年6月の104点 (R:28、L:28、S:23、W:25)を使いました。結局スピーキングで23点が出たのは、この回だけだったので。2007年10月に105点もでたのですが、スピーキングが19点だったので、使いませんでした。

 

日本人泣かせのiBTは、まず1回受けることをおすすめします。回数制限はとくにないですし、テスト会場のキャパも限られているので。また、リーディングやリスニングが25点以上いった場合、早めにGMATの勉強に移行するのをお勧めします。私もGMATを勉強してから安定してリーディングが28点以上、ライティングも25点以上をとれるようになりました。リスニングも、語彙と文法が強化されればある程度伸びます。それと、受験生の皆さんはやられていると思いますが、通勤時にiPodで英語 (BCCなり、CNNなり、市販の参考書なり)を聞き、こちらも27点以上とれるようになりました。

 

後は受け続けてスピーキングがぽっと上がるのを待つ…、という我慢大会。振り返れば全てはスピーキングに行き着くので、漫然と受け続けるよりも、もっと早くスピーキングの集中トレーニングをやっていればよかったかなと思います。100点の壁とかいわれて、それを超えたことで甘く考えていたのですが、実際のトップスクールの合格者をみてみるとやはり105点以上が当たり前のような気がします (というか合格者は帰国子女が多いので当然なのですが)。

 

5. GMAT
GMATは2回で目標点に達したので、これだけは唯一計画通りに行きました。アゴスのテキストをやり、OGを全問つぶし、Prepを解きました。この3つに関しては、知らない単語や、疑問点が一個もないように何回も何回も解きました。アゴスの中山先生もおっしゃってましたがGMATの勉強はあまり手を広げない方がいいような気がします。2007年の3月から勉強を始めて、2007年7月に660点 (AWA4.5)、8月に690点 (AWA5.0)でした。

 

6. エッセイ
1年目に失敗したのはやはりエッセイに問題があったのかなと思っています。某予備校のカウンセラーを頼みました。彼自身は非常に頭の良い人物だったと思うのですが、今思うとMBAのカウンセリングの経験に乏しかったのだろうと想定しています。何が良いか、何が悪いかの判断を全面的にカウンセラーに依存することになりますので、カウンセラーに関してはよく情報収集をして、定評と実績のある人物を選ぶのがよいと思います。2年目はカウンセラーを変え、1年目よりは自分に正直に、しかし自信をもって仕上げる事ができました。ここで志望動機やら強みやらのベースがしっかり作れれば、後のインタビューの練習がすごく楽になります。

 

7. インタビュー
とはいえ、1年目はそれでも複数校からインタビューに呼ばれたのですが、結局どこも合格しませんでした。インタビューにも問題があったと思っています。今回は、1月頭に一通り典型的な質問の回答準備をすることから始め、その後モックインタビューをいろんな人としまくりました。皆さんからの質問内容は似ていることが多く、改善点としてあげてくださる点(「もっと簡潔に!」が多かった)も共通していましたので、有益だったと思っています。インタビューの練習方法は色々とあると思います。私はMBAの受験でよく質問される以下のカテゴリーに回答内容をまとめて、キーワードをフックに1分間でまとめてしゃべれるように練習しました。

  • 強み/ 学校への貢献
  • 弱み/ その克服方法
  • リーダーシップ/ チームワーク経験
  • 自己紹介/ キャリア紹介
  • 学校/ MBAの志望理由
  • 何か質問は?

実際にモックインタビューすると「自己紹介して」、「これまでのキャリアと何故この学校なのかを説明して」などと、人によっていろんな形で質問をされるのですが、ようはどれも回答のテンプレを用意しておけば対応できます。狙った「落とし所」に落ち着かせるテクニックが必要かな、と思いました。LBSのインタビューは噂どおり長丁場でしたが、なぜか余裕をもって回答する事ができました。キャリア的にも、点数的にも突出したところのない自分が合格したのは、このインタビューのおかげではないかと想像しています。プレゼンで勝つ、広告代理店の面目躍如。

 

東京でやる場合、2ndのインタビュー候補者は英会話学校に集められて、約1時間グループディスカッション+英語テスト、それと約1時間卒業生2名との面接が行われます。後者には5分間の即興プレゼンも含まれます。

グループディスカッションでは、「麻生首相は辞めるべきか。」などの時事ネタが5個ぐらいセットされていて、これについてアプリカント3名でディスカッションしました。英語テストはディスカッションの最中に順番に呼ばれて1対1で10分ぐらい、キャリアや志望理由について話します。

 

卒業生インタビューでは、インタビュアーの方々が既にアプリケーションを読み込んでいるので、典型的な質問はほとんどなく雑談のような感じでした。「この人は我々のコミュニティにフィットするか、コミュニティに貢献してくれるか」などの人格面や価値観を深く知ろうとしてるように見受けられました。

 

即興プレゼンは、LBSが指定するトピックの中からひとつインタビュアーが選んで、5分間準備の後5分間プレゼンをします。「Aという問題に対してXという意見があります。あなたの意見を述べなさい。」という典型的なものなので、AWAやTOEFLのテンプレートを使えばまず大丈夫でしょう。後はその場のひらめきで答えました。なお、インタビュー後は待つのみだったと思っていたのですが、発表日が迫ったある日にメールがきて「英語チェックをしたいから、明日の夜電話する。」ということでした。インタビューの英語テストのときに「ところで個人的な疑問なんだけど、あなた海外に住んだことないんでしょ。どうやって英語勉強したの?」「ラジオですかな。」「うそー信じられないわ。」なーんて会話があったので、英語は問題ないと思ってたのに!

 

恐らく過去の合格体験を読む限りそんなに悪い話ではないだろうと思ったのですが、それでもここで落ちたらしゃれにならん。と思ってたので、ずいぶん緊張しました。やはり話している人が見えないと自分の英語が通じているのか不安です。実際どーも伝わってるのか怪しかったし。内容は10分程度で、主に趣味について話しました。あと「LBSの英語コースがあるけど、行く?」という質問もあったので、「初めての海外生活だから一応行きたいです。」と正直に答えました。翌日無事に合格のメールをもらいました。英語のConditional付き。おそらく英語テストの段階で合格は決まっていたのでしょう。

 

8. 受験を終えて
MBAの合格者の集まりなどにでて、LBSに実際に通ってみて、受験時代にみえなかったことが多少見えてきた気がします。やはりMBA受験は就職活動のようなものだと思います。英語ができるのは前提条件 (日本で言えば「大卒のみ採用」のようなもの)であり、経歴 (外人にとって分りやすい実績。ベンチャー起業したとか。チャリティ活動で何千万円集めたとか)で判断され、仮にそれがなかったとしてもエッセイでアピールできればまだ挽回の余地がある。残念ながら面接は結構「ご縁」。

 

とても月並みなアドバイスですが、あなたが点数もばっちりあって帰国子女で有名コンサルティングファームの社費派遣でもないかぎり、よほど他人と差別化しないと合格を勝ち取るのは難しいと思います。もちろん差別化できとしてもそれが学校に受ける保障はありません。テストはとりあえず基準点をクリアするとして、自分の売りはなんなのか、どの点が他人と違うのか、自分を入学させると学校側にどういうメリットがあるのか、これらの点を明確に主張し、過去の事実で裏づけした説得力のあるエッセイを仕上げてください。もちろん、言うは易し、行うは難しです。私も約3年にわたる時間と、お金も200万以上つっこんできたので。当然受験中は「あー、あと20万円払うのかぁ。」などと暗い気持ちになりました。私は1年目に全部おちたので、受験生の不安な気持ちはよく分かるつもりです。

 

インタビューまで行って「ここはいける」と思った学校に受からなかったときの絶望感。その後次々に来る不合格通知への焦燥感。それにも段々慣れてきて全部の学校落ちたときはあきらめの境地。いままでお世話になった方々に申し訳ないやら、恥ずかしいやら。ただ、それだけに2年目に合格したときの喜びは格別です。私は今年、帰りの地下鉄のなかで、携帯から合格メールを確認しました。それまでの調子が芳しくなかったので、緊張しながらメールを開いたところ、「…are absolutely delighted to offer you a place…」の文字。思わず、表現がまわりくどい、とつっこみそうになりました。最初は合格した事が信じられず、何回も文面確認をし、人生でそう何度も味わえないであろう瞬間をかみしめました。

 

学校が始まって数ヶ月。今は英語と格闘しながらなんとか授業についていっています。ロンドンは住みやすいですし、LBSの生徒はみな大人で、いい奴らばかりです (実年齢の若い奴はいっぱいいますが)。今となってはLBS以外の選択肢はまず考えられません。MBAの受験で一番大切なのは最終的には精神力だと思います。皆さんも是非最後あきらめず、留学の目標を実現してください。ご活躍をお祈りしております。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る