London Business School を目指されるアプリカントのみなさんにとって、私の合格体験記が一助となることを願い、乱筆ながらも筆をとらせて頂きました。

1. 留学を志したきっかけ
JT一筋10年。技術職としての採用後、たばこの生産管理、若手社員の採用と育成、製造現場の運営管理などなど、製造部門においてさまざまな職種を経験しました。2006年、事業企画室という部署に配属となり、それまでの部門最適思考を全体最適思考へと転換する機会に恵まれた。「将来的には主体的に会社の経営に関わりたい」と兼ねてから考えていた私にとっては、願ってもいない機会でした。

事業企画室への配属後は、会社の持続的成長を遂げるために必要となる種々の施策の企画・実行、つまりは「会社の明日を描く仕事」に従事しました。「自分の会社の明日を経営幹部と一緒に考えられる!」そう考えると忙しいながらも、毎日が楽しくて仕方なかった! 一方で、広範囲な業務に携わるなかで改めて自分の弱みを実感することに。

例えば、広範囲なビジネススキル。部門横断的な施策を企画、立案、実行するためにはマーケティング、財務、会計など、それまで経験していこなかった職務についても包括的にマネージメントしなくてはならない。もちろん、相手は「これぐらいの知識は持ってるよね!」ってな感じで喋ってくる。

例えば、グローバル感覚。1999年の外資企業買収後、「日本」たばこ産業においても共通言語は英語。事業企画室配属後は国際的な最適設備投資に関して議論することも業務の一つでした。投資の決定 (どの国の工場に、何をどれだけ投資するか)に際しては、各国の経済状況や地理的優位性、はたまた国際政治などを網羅する必要があり、業務を遂行しながらグローバル感覚の欠落を痛感。

業務に忙殺されながらも、更なる自身のステップアップへの道筋を模索しているまさにその最中、弊社による日本企業における史上最大の企業買収がリリースされました。UK Gallaher社の買収です。2006年冬、「広範囲なビジネスフレームワークの習得に加え、グローバル感覚(国際的な視野やネットワーク)を獲得するためには、MBAをおいては他にない!」との想いのもと、MBA留学を決意 (今思えばこれが悪夢の始まりでした・・・)

2. 留学準備 (TOEFL ~ エッセイ)
海外経験については大学の卒業旅行と業務での2回のみという純ドメ粋日本人であり、かつ英語についても苦手意識 (MBA志望時のTOEICスコアは、恥ずかしながら600点台)がありましたが、無謀にも1年間で結果を出すことを自分自身にコミットし、以下の受験対策スケジュールを策定。

  • TOEFL (2007年8月までにTOEFL iBT 100点突破!)
  • GMAT (2007年9、10、11月と3回受けて、680点突破!)
  • エッセイ (2Rでの出願 (主に1月締切)向けて、12月はエッセイ一本!)

もちろん現実は甘くありません。結果は以下のとおり・・・。
(TOEFL)

  • 「まずは語学力を上げなければ!」ということで、2007年1~6月、AGOSのTOEFL対策授業を受講 (ほぼ全てのTOEFLコースを受講)
  • 2007年3月末、TOEFL初受験。49点で呆然
  • 4~6月、毎月1回のペースで受験。毎回10点程度のアップで6月になんとか90点
  • ここからが長いトンネルで、毎月1回+アルファのペースを保って受験するものの、6~9月は90点台前半をいったりきたり。通勤電車で3800とiPodを利用しての学習が続く
  • 10月、ようやく97点 (実際、LBSにはこの点数でアプライ!)
  • 11月以降、月2回のペースで受験するも、96、97、95、97・・・
  • 1月末、点数あがるも99点どまり、結局これが最高得点でした

(GMAT)

  • 2007年7~8月、AGOSにおいてGMAT対策授業を受講
  • 9月に初受験、640点で「まあ、初回はこんなものか」と安堵
  • 10月の受験では1回目の受験点数を下回り (620点)、なめてかかったことに大きく反省
  • 11月の受験で660点。ほぼ目標点数を獲得できたため、ひとまず終了 (アプライ点数!)
  • 2月、エッセイも落ち着いたことからなんとなく受験、680点
(エッセイ)
  • 11月、12月は寝てもさめてもエッセイ、エッセイ!
  • 2008年1月初旬の各校出願期日までに、なんとかLBSをふくめた5校に出願終了

総括してみると、私の場合、TOEFL対策に予想以上に多くの時間をとられてしまったというのが一番の反省点です。大げさにいえば、人生において英語から逃げ続けてきたにも関わらず、「英語なんてやればできるさ」と容易に考えていました。実際は上記の結果が示すとおりに甘いものではありませんでした。最終的にも当初の目標点をクリアすることができなかったことが何にもまして悔やまれる点ではあります。「一夜城のように語学力を積み上げることは不可能」と痛感している私ではありますが、まずは十分に自分の実力を知ってから、現実的なTOEFL向上計画を策定すべきであったと、今更ながら反省しています。しかしながら、年齢的にも受験に2年間を費やすことは極力避けたかったということもあり、秋口からはGMATとエッセイに強制的にシフトしていったことが、私の場合、結果的には吉と出たのかと思います。実際、エッセイやGMATをこなす中で、記述力や速読力が増したことは実感しました。TOEFLの苦労話を話し始めるとキリがないのですが、今ではこの時に苦労したからこそ、MBA留学を実現した今において、学校の授業やクラスメイトとのディスカッションになんとかついていけるようになったのだと思っています。

一方で、多くのアプリカントが「苦労した!」と言う、エッセイのネタ出しにはさほど苦労はしませんでした。一つの会社ではありますが、10年間さまざまな職場で働いてきたという事実、つまりは現場第一線での実務経験と事業企画室での戦略策定に代表される企画業務経験、ならびにこの体験記の冒頭で書いた将来の夢を紐解けば、エッセイのネタで苦労することはありませんでした。また、今まで事あるごとに日記つけていたのも幸いしました。私にとって、業務に関する大きなイベントは定量的には良く覚えているのですが、「実際にあの時、自分はどんな事を考えていたっけ?」といった定性的な感情を思い出すことは容易ではありません。よって、内省の意味を込めて、深く考えた際には日記をつけるようにしていたのですが、エッセイ作成にあたっては功を奏しました。これらは、MBA受験を振り返ってみて、唯一といっていい私の長所だったかもしれません。加えて当時32歳であった私は、「若造なんかに負けるかい!」的、オジサンのりで楽しくエッセイを書いていたことを記憶しています。なにはともあれ、唯一MBA受験を楽しめる時間であったことには間違いありません。

3. 留学準備 (インタビュー)
多くは語りませんが、LBSは世界中に数あるMBAの中でも日本人にとって最も中身の濃いインタビューの一つであることが知られています。実際、グループ討議 + 英会話力 + 通常インタビュー + ショートプレゼンテーションの4セクションからなる、合計2時間にわたる面接は、私が経験した中で最もタフな面接であったことは間違いありません。LBSの面接では、これらの一連のセクションを通じて、通常の学校の面接で問われる「志望動機」 「熱意」 「英会話力」に加え、「リスニング力」 「コミュニケーション力」 「ロジカルシンキング」などを包括的に問うているものと考えます。なので、付焼刃的な準備では到底太刀打ちできません。

LBSの面接に挑むに当たっては、通常の準備(想定問答や質問の準備)に加え、FTでの時事情勢のチェックや友人やカウンセラーとのモックインタビューを何度も何度も重ねました。例えば、ショートプレゼンテーションに備えるべく「東京には黒い車が何台ある?」なんて質問に即答するために、どのようにロジックを組立て、具体例を用い、シンプルにコミュニケーションするかを練習しました。

また、事前準備の一環として学校訪問を行いました。加えて、みなさんが今読まれているこのサイトのメアドに投稿し、MBA2009の先輩方にコンタクトをとり、私の渡英に合わせて話をさせて頂く機会を設けていただきました。個人的には「実際に自分で見て、感じたことを語る」のと、「人から聞いたり、記事を読んだりして得たものを語る」のでは、その重さに格段の差があると思います。業務都合などでなかなか時間の取れないかたもおられることと思いますが、可能であればインタビュー前にLBSを体感されることを私はお勧めします。

実際の面接では「グループ討議」においては、「日本人の英会話力を向上させるためにはどうすればよいか?」という、私にとっては「答えがあったら、俺に教えてくれよ!」と叫びたくなる質問にたいして議論し、またショートプレゼンテーションでは「企業にとってCSRは如何ほど重要か」という、これまた自分の業務には直結しないところを突かれました。しかしながら、上記事前練習の甲斐もあってか、面接終了後には「言いたいことはすべて伝えられた」という心地よい感触を持てたことを覚えています。

日本人アプリカントにとって、LBSのインタビューは難関なものと考えられています。また自身の経験からも、短期間で飛躍的に英会話力を向上することは不可能だと思っています。できることは「準備」による苦手意識の払拭ではないでしょうか。とりわけ海外経験が皆無に等しい私のようなアプリカントの皆さまにおかれましては、自分の書いたエッセイを暗唱できるほどに読み返し、想定問答を行い、かつ上記のような準備を重ねることで自信を持ってインタビューに臨まれることをお勧めします。

4. 留学準備 (追加インタビュー)
実は、私の場合、これで終わらなかったのです! というのも、2時間にもわたるインタビューを行ったにも関わらず、アドミからの一通のメールのもと、追加の電話インタビューが設定されたのです!

この時点では1月末に受けたTOEFLの結果 (といっても99点ですが)が帰ってきていたので、「TOEFL99点になったよ、正式に点数証明送りましょうか?」とジャブしたのですが、「いいよ、電話するから」とカウンターで。結局、最も苦手としていたネイティブとの電話インタビューから逃げられないハメに。電話インタビューまでに残された日数は5日。「アドミを引き付ける何かがあるから、電話インタビューがあるのだ。」 「もし落そうとするなら、電話インタビューなんてするはずがない」と強く自分に言い聞かせ、最後チャンスをものにすべく、寝る間も惜しんで特訓しました。

結局、アドミとの追加インタビューは「Why MBA」に代表される、典型的な質問に終始し、「最後に何かあるか?」と聞かれたため、準備していた質問2、3に加え「ここまで私に誠意を示してくれたのはLBSだけです。ありがとう!」と伝えて終了。やはり、低TOEFLのため、語学力の確認を行いたかったのでしょうか? 詳細は今もって不明・・・。でもって一週間後に、合格!!

5. なぜ、LBS?
MBAを志した当初は色々と悩みましたが、最終的には3つのマスト要件と2つのベター要件に最もマッチするのがLBSでした。

  • マスト要件 (ランキング、雰囲気、国際性)
  • ベター要件 (家族、2年制)

 

(マスト要件)
まずは、「ランキング」ですが、「行くならトップ校!」との想いはだれもが一度は持つ想いだと思います。何が「トップ“なのか?」については、それぞれに意見があると思いますが、各社が出しているランキングは、もっとも客観的かつ他人に対して説明力のある指標の一つであることに異論のある方は少ないはずです。私の場合TOEFLやGMATの点数 (以下参照)で現実を直視し、たびたびくじけそうになりましたが最後まで「なせばなる!と自らを奮い立たせました。

二つ目に上げられるのが「雰囲気」です。これは非常に主観的な概念で人それぞれに相違があります。しかしながら、私にとってこの概念は、ある意味、もっともプライオリティーの高い概念のひとつでした。たとえば、大学時にサークル活動経験のある人は、サッカー、テニス、スキー、音楽、イベントなどなど、数ある中からまずは「何を行うか?」を決めたでしょう。その上で、「どこのサークルに入るか?」については、そのサークルに属する先輩やクラブ活動、新歓コンパなどを見て、自分にマッチしそうなサークル = 自分が楽しめるサークルへ入ることを決めたのではないでしょうか? 私はMBA留学に際しても同様の考え方をもち、先輩もしくは卒業生と可能な限り直接会って話し、「雰囲気」を感じ取るように心がけました。自分に合わない場所で、2年間、勉強ばっかりではつまんないですから!!

「国際性」。US一辺倒の経済が、今後EUや中国に代表されるBRICSの台頭でますますグローバル化し、複雑になることは容易に想像できます。群雄割拠するなかで、どの国が頭角を現すのかについては現時点の私には分かりかねます。しかしながら、経済の更なるグローバル化に備えて広範囲の国際的な視野を持ち合わせておく必要はあると考えます。また、これは業務とも直結していました。JTはスイスのジュネーブに海外拠点本社を構え、かつ100ヶ国以上でたばこの製造または販売を行っています。社費ということもあり、留学後に会社にもどることを考えた場合、国際的多様性を留学時に経験しておくことは私にとってのマスト要件でした。この国際性を考慮に入れた瞬間、USの学校はすべて私の頭から消えてしまいました。もちろん、LBSのように「90%以上が外国人」なんてプログラムはそうそうありませんが、「過半数がアメリカ人」というMBAプログラムにどうしても強い興味が持てなかったというのも事実です。

(ベター要件)
MBAを志した当初から、家族 (妻一人、子二人)連れで留学を考えていました。私にとっても家族にとっても初の海外移住となることを考えると、家族にとっても住みやすい国、地域であることがベターでした。日本人コミュニティーの有無、食材、安全、医療などなど、ポジティブ要素はなくとも、せめてネガティブな要素がないかについて考えました。2年制であること。これはある意味、社費である自分への「甘え」かも知れませんが、正直1年では短すぎるとの思いがありました。各校のプログラムをWebで閲覧したり、先輩がたの話を聴く中いたりしては、詰込み型の勉強ではなく、実践重視のプログラムであるか否かを強く意識しました。

そうなんです! すでに多くのかたがお気づきのことと思いますが、私のわがままな要件を満たしてくれるのはLondon Business Schoolしかなかったのです! MBA留学を志した当初はあれこれと浮気することもありましたが、一たびLBSを本命と決めてからは、「相手 (LBS)に気に入ってもらえるようにするには、どうすればいいか?」を考え、実行しつづけました。

6. 今後留学を目指す方へのメッセージ
「人は思ったところまで行ける」と言います。留学準備は長い道のりで、挫折しそうになることも多々ありました。しかしながら、その先にある夢を実現するためにも、決してあきらめず、同志で励ましあい、相談できる恩師を持ち、みなさんが初志を貫徹されることを心よりお祈りいたします。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る