リンダグラットン教授の授業「The Future of Work」を受講しました。

ズバリ「未来」をテーマに、毎回刺激的なクラスディスカッションと豪華なゲスト講演者との対話が繰り広げられ、LBSのキャッチフレーズである「London Experience, World Impact」を象徴する授業だったかなと感じています。個人的にはこれまでの1年半でベスト授業でした。

 

■教授について

著書「LIFE SHIFT」「WORK SHIFT」がベストセラーになり、最近では日本政府人生100年時代構想会議のメンバーを務めている事もあり、日本でもよく知られるようになったかと思います。

人材論・組織論に関する世界的権威、Thinkers50の常連、ダボス会議毎年登壇、LBSでは1989年(!)から教授を務める重鎮で、今も世界中を飛び回っていますが、実物は笑顔が素敵できさくなおばちゃんです。日本が大好きで最近は日本料理を作ることにトライしているそうです。

日本語でもたくさん記事がでていますが、個人的にはこれが一番彼女らしさが出てるかなと思います。http://www.1101.com/lynda2/

 

■授業について

テーマは「人と組織の未来」。選択科目のひとつとして、1週間・全10コマの集中講義形式でMBA・Executive MBA約80名が受講しました。「LIFE SHIFT」「WORK SHIFT」の内容を題材にしつつ、豪華なゲスト講師もたくさん招きながら、毎回幅広くふかーいクラスディスカッションが重ねられました。詳細はここに書ききれないのですが、エッセンスだけでもお伝えできればと思います。

 

最初の4回の授業は、私たちの未来に大きな影響を与える事象である「テクノロジー」「エネルギー問題」「グローバリゼーション」「長寿化」の」4テーマについて議論しました。

例えば「テクノロジー」では、AIやロボティクスをはじめとした技術革新に伴い、個人の働き方、企業・政府の役割などが今後数十年にわたってどのように変わっていくか、変わっていくべきかといったテーマについて議論しました。LBSの多様性を象徴するように、テック企業出身者・建築家・医者など様々な背景を持つ受講生から多面的な意見が出て非常に刺激的なセッションでした(この点は全回共通)。ゲストは、インドのTataの方がカルカッタからSkype参加、同社の先進的な働き方や従業員向けの教育システムについて紹介いただきました。

「エネルギー問題」はShellの方がゲスト。Shellが長年取り組んでいるシナリオプランニングによる未来のシナリオについてプレゼンがありました。

「グローバリゼーション」では英Economist誌の著名ライターをゲストに、グローバル化の進行に伴い世界各地で現れている都市化、貧富の差の拡大やポピュリズムといった課題、またソーシャルネットワークによる影響などの幅広いトピックについてホットな議論が交わされました。「長寿化」では世界の人口構成の変化に伴う影響を取りあげ、リンダ教授の目下最大の関心事である日本についても多く時間が割かれました。(ちなみに毎回のように日本に関する言及があったのですが、英語を話せる人が少ないことや起業家の少なさについては周りの学生からとてもとても驚かれました。)

 

後半の6回では、クラスでの講義・ディスカッションおよびグループワークを通じ、前半4回の世界的な潮流を踏まえ、企業・政府がどのように対応すべきか、またわれわれ一人ひとりがどのように生きていくか、を考えていきました。

ゲストにはStandard Chartered Bank元CEO・英国元貿易大臣のMervyn Davies氏、世界最大のNPOのひとつであるSave the Childrenの元CEO Jasmine Whitbread氏を迎え、急速に変化する現代・未来におけるリーダーシップのあり方・人としての生き方について多くの示唆的な言葉を得ることができました。ちなみに、このクラスのゲストを呼べるのはリンダ教授の人脈のなせる業と思います。

 

以上のとおり、議論のテーマは果てしなく幅広いもので、何時間でも議論が尽きないのですが、それをファシリテートするリンダの教授力は圧巻でした。

話の引き出しの量と深さもすさまじいです。「その点についてはデンマークに面白い会社があって。。」「前にシンガポールの大臣とこんな議論をしたんだけど。。」「こないだチャドに行ったときにこんな話があってね。。」とかそんな感じ。

 

授業では教授の著書の内容に加えて、出版後に本人が世界を回って考えたことや、最新の研究内容(例えばhttps://sloanreview.mit.edu/article/the-corporate-implications-of-longer-lives/)もカバーされ、学生・ゲストとのディスカッションとも相俟って「この教室の中でしか得られない学び」を得た感覚を強く持っています。

 

「LIFE SHIFT」のメインテーマであり、リンダ教授が人生100年会議でも発信している事ですが、日本人の多くが100歳まで生きる可能性が高い中、企業の雇用・働き方の仕組み、また個人の人生設計もがらっと変えていく必要が大いにあるなぁと改めて痛感しました。リンダ教授はこうした課題について第三者的にでははなく「我が事」として考える事を常に強調され、私自身このクラスでの学びを踏まえ、自分のできる事を具体的に行動を移して行きたいと思います。

リンダ2リンダ

 

 

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る