1. 志望動機
多くのビジネススクールが学校の特徴として多様性 (diversity)を謳っているものの、USのスクールの多くは学生のバックグラウンドが同国出身者に偏っているのが現実だと感じていました。一方、LBSは学生の出身が本当に多様であり、真にdiversityを経験するには最適の学校であると考えた点が私が当校を志望した大きな理由です。また、マネジメントの分野に視野を広げることも間違いなくMBA留学の大きな目的の一つでありましたが、自らが金融のバックグラウンドということもあり、ファイナンスの分野で名高いLBSは私にとって非常に魅力的な学校でした。

 

他に出願した学校の場合、「Why this school?」と言われても、本心でその学校に行きたいという理由 (あるいは学校側からして、その学校を希望しているともっともらしく考えられる理由)をなかなか見つけることが出来ず、エッセイの内容についても他行向けに書いたものの焼き直し的な要素が強くなってしまいました。キャリアゴールとその学校を志望する理由との整合性も弱かったように思いますし、アドミッション・メンバーに対してあまり訴求力のあるものになっていなかった様に思います。その点LBSについては、学校研究を進める中で、自分のキャリアゴールやMBAを追及する理由と学校の特徴が無理をしなくても一致することが分かったため、志望する理由がスムーズに伝えられたのではないかと思います。

 

2. 受験プロセス/ 全体スケジュール
結果的にはLBS合格という形で受験を終了できましたが、私の場合、留学準備を進めるにあたって全てのプロセスが少しずつ後倒しになってしまったことが個人的な反省点です。4月に社内で海外派遣留学生として選抜された後も十分に受験モードに入ることが出来ず、秋口近くまで惰性で勉強するような生活を続けてしまいました。最終的には何とかなるのではないかという甘い考えから、本当の意味で自分を追い込めずにいましたが、もっと早くMBA受験の厳しさに気付いて計画的に勉強するべきだったと思います。

 

全ての過程において対策が後倒しとなってしまったことには、他のMBA受験生もよく口にすることですが、TOEFLの制度が大幅に変更となったことも少なからず影響したと思います。昨年度迄の多くの受験生にとっては、「夏期を目処にTOEFLの対策を終わらせて、夏の終わりから冬の始めにかけてはGMAT対策に集中、秋後半から年末年始についてはエッセイに取組む」という大まかなイメージを持つことが出来たかと思いますが、TOEFLがiBTに変更になったことにより、多くの日本人アプリカントにとっては従来以上にTOEFL対策に時間を割く必要が出て来ていると思います。実際、私も含めて周囲の受験生の多くも出願直前までiBTを受験し続けていました。

 

当初、私は、社内の先輩受験生がとっていたスケジュール通りにTOEFLを終わらせてからGMAT対策を開始しようという思いが強すぎたため、GMATの勉強を開始する時期が9月中旬に遅れてしまい、これがその後のエッセイ準備や実際のアプリケーション提出にも影響しました。GMAT、特にVerbalの勉強を行っている間にも英語の実力は伸び、それがTOEFLにも活きてくると思いますから、今後準備を進められる皆さんは、多少iBTのスコアが (CBT換算した際の過去の受験生のスコアと比較して)不足していても早めにGMATの学習を開始された方が良いかと思います。

 

3. 留学準備概要
(1)TOEFL
TOEFLについては、4セクションの点数がなかなか思うように揃わず苦戦しましたが、以下に各セクションの感想と私が採った対策を簡単に記したいと思います。

 

(Reading/ Listening)
iBTではSpeakingが導入されたことが注目されていますが、Reading、ListeningのボリュームもCBT対比大幅に増えており、各パッセージの全体像を掴む力がより求められているように思います。また、登場する単語のレベルも確実に高くなっていると思います。文章の中で推測しながら読むことも可能ではありますが、上述したようにReadingのボリュームが増えたことを鑑みると、単語はなるべく暗記しておいて時間短縮に繋げた方が有利かと思います。

 

(Writing)
Writingに関しては、過去の先輩からの評価の高かったインターフェイスのWritingコースに通いました。担当の先生は自らの採点経験を活かして、どのように文章を展開していくのが試験で高得点に繋がるかを明確に示してくれたように思います。授業時間自体は少ないので、ここで示されたエッセンスを意識しながら自ら時間を設定して継続的に練習することが重要かと思います。

 

(Speaking)
Speakingについては、AGOSのコースに通った以外には特段の対策を行いませんでしたが、テストの限られた時間の中でそれなりの論旨を伝えるという点において、この中で使用したテンプレートは役に立ったと思います。また、このセクションでは30~45秒の準備時間の中で自分が話すポイントを素早く列挙して話の展開をイメージする瞬発力が重要になってくるかと思います。

 

(2) GMAT
多くの受験生同様、私にとってもGMATは非常に緊張感が高く、プレッシャーのかかる試験でした。この試験は (もちろん実力がなければ点数は出ませんが)、ある程度実力があったとしても、やり方を間違えるとそれが必ずしもスコアに反映されるとは限らない性質の試験だと思います (当日のコンディションも大きく影響する試験だと思います)。GMATでは、各問題において正解、不正解と判断する思考プロセスや各々の問題にかける時間配分等が人によってそれぞれ異なると思いますので、どのスタンスで試験に臨むのが一番自分に合っているのかを見極めることが非常に重要だと思います。私の場合は、あまり焦って解答時間を短縮しようとすると正答率が急激に低下するのに対して、少し長めに時間をかければかなり高い正答率が確保できたため、1問にかける時間は少し長めに設定し、最後の数問は始めからランダムクリックする方針で試験に臨みました。人によっては正解率をそれ程犠牲にせずに解答時間を短縮出来るケースや、分からない問題に幾ら時間をかけても時間の浪費になってしまうケースもあると思いますので、まずはどの方法が本番で一番高得点に繋がるのかを考える必要があると思います。

 

(3) エッセイ
エッセイについては予備校でのカウンセリングも使用しましたが、エッセイのそもそもの根本的な考え方 (大学側が何を求めているのか)や文章の展開の方法といったより本質的な部分については、留学経験のある上司から親身になってアドバイスを貰うことが出来た点が大きかったように思います。エッセイに盛り込む内容が重要なことは勿論ですが、質問に上手く関連づけて自分の強みや志望動機をアピールすることも重要ですし、同じ内容を伝えるにしても、限られた文字数の中でその魅力を最大限伝えられるような文章構成能力も(MBAが将来のリーダーになり得る人物に教育機会を与えようとしていることを鑑みれば、その為の基礎能力の一つとして)アドミッションは重視していると思います。

 

(4) インタビュー
インタビュー対策としては、Essayやレジュメに盛り込んだ内容 (Career History/ Career Goal/ Why MBA?/ Why this school?/ Achievement/ Failure/ Leadership Experience/ Strength & Weakness/ Contribution to the School/ Extracurricular Activities)等を一通り整理して原稿に纏め直し、繰り返し反復練習を行いました。出願ラウンドや日程の都合等によって若干の違いはあるものの、基本的にLBSのインタビューは合計で約2時間かかる上、途中で課題を与えられての即興プレゼンテーションも求められるなど、日本人アプリカントにとっては非常にタフな内容になっていると思います (私の場合は日本で英国人のアラムナイと1対1のインタビューでした)。

 

相手は事前にアプリケーションを読んでいる上に時間も長いため、単に想定問答のように準備した志望動機や自分の強みを話すというものでなく、こちらが話した内容に対して更に深堀した質問がなされるので、その場で素早く考えを纏めて論理的に話をつなぐ必要がある等、受験準備の中で積み重ねてきた内容にとどまらず、各人の総合力が問われるインタビューになっていると感じました。入学審査プロセスにおけるインタビューのウエイトは相対的に大きく、確かにタフな内容かと思いますが、逆に考えれば自分の魅力や志望の高さをアピールするチャンスではないかと思います。

 

4. 最後に
MBA受験は確かに大変なプロセスではありますが、日々の仕事に打ち込んでいた自分から一歩引いて自らを見つめ直す貴重な機会であったと思います。また上司・先輩等からもいつもとは違ったかたちで多くの支援を頂き、改めて周囲の方々に支えられていることを強く実感する機会でもありました。入学後はまさに当初志望した通り、日本でそのまま仕事を継続していたらまず経験することは出来なかったであろうdiversityの中で非常に刺激的な生活を送っています。今後留学を目指す皆さんも、この貴重な機会を十分に活かし、また最後まで自分を信じて頑張って頂きたいと思います。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る