以前の投稿ではインパクトコンサルティングプロジェクトが取り上げられましたが、今回は私が1st Termに参加したPrivate Equity(以下PE)コンペについて書こうと思います。

 

LBSには数多くの学生主導イベントが存在します。大きく分ければ、ゲストスピーカー、トレック、コンペ(プロジェクト)、勉強会などに分かれます。コンペは複数種類のものが計年間20個程度行われ、ケース、PE、ヘルスケア、投資、ベンチャーキャピタル(VC)、スタートアップ、NPOなど様々な分野で行われます。例えば、ケースコンペではあるケーススタディをチームで分析し企業のストラテジーを立案するという内容、VCコンペではある企業がテーマとして与えられ、投資のTerm sheetを作成するという内容でした。

私は入学してすぐに、オランダのRotterdam School of Managementが主催し、LBS内ではPEクラブが主導するRSMコンペティションという大きめのPEコンペに参加しました。9月の頭に募集及び説明会があり、その後各自が仲間集めをします。周りの人たちに声をかけることからスタートです。私は英語も得意じゃないですが、こちらからポジティブにアクションを起こすと簡単に周囲と打ち解けられます。

声をかけると必ずバックグラウンドを聞かれます。各チームは多様なメンバーにしたいと思っており、私が入ったチームもM&A1人、コンサル1人、弁護士1人、PE1人、エクイティリサーチ1人という布陣になりました。国籍もバラバラです。チームを作った後はお題が与えられます。このコンペでは、あるアメリカのフードチェーンが対象企業として与えられ、そのバイアウト、バリューアップ、売却すべてのプロセスのストーリーを考え、最終的にプレゼンするという流れでした。5人メンバーで以下のような点を議論・分析しました。

(1) その会社が何をしているのか、
(2) その会社の競合は何をしているのか、
(3) バイアウトしたのちPEとしてどうバリューアップできるのか、
(4) 業績予想、
(5) LBOストラクチャーを組み、
(6) 売却手段(出口戦略)、
(7) ポテンシャルリスクは何か。

提出締切まで1週間半しか与えられた時間がなかったので、毎日4時くらいまでみんなで議論し、プレゼンを作りました。当初、議論は正直交錯しました。バリューアップの手段について議論し始める人もいましたし、プレゼンの見た目に大変こだわる人もいて、思うように議論が進みませんでした。また、フリーライダーを非常に嫌う性格のUK育ちのメンバーが他のあるメンバーに対してこの点をはっきり指摘して重い空気になることもありました。皆のやる気が停滞した時もありました。(日本人としては普通ですが)私が徹夜で業績予想を立てて翌日持っていったら、「ジャパンハクレイジー」的なことを言いながら他のチームメイトが自分のパートを急いでやり始める、なんてこともありました。議論や仕事の進め方が各々バラバラなので大変でした。

提出日当日にほぼ徹夜で完成させた15枚のプレゼンスライドを提出し、翌日の夜にはその結果が出ました。「ファイナリストに選ばれました。明日、プレゼンテーションを持ち時間30分でお願いします」とのこと。急だなおい。。。と思いつつも、そこからいきなりプレゼンの練習が始まります。英語が苦手であることには無関係に、役割を分担し、リハーサル。そしてダメ出しの嵐(みんなプレゼンが非常にうまいことに感激しました)。チーム全体で声のトーンや話すスピード、ワーディングに指摘を入れあい、なんとか翌日プレゼンを行いました。

結果として、優勝は逃しました(優勝するとアムステルダムのPEカンファレンスでプレゼンできる権利が与えられたのですが残念)。優勝したチームのプレゼンでは、バリューアップ戦略について具体的かつ緻密に述べられていて、法律面も含め戦略の現実的な遂行について深い議論がされていました。

さて、終わって振り返ると、全くよくわからない分野の物事にとりあえずガッツだけ持ってチャレンジしにいくと、大変色んなことを学べるんだなと、当たり前のことを再認識することができました。本当に多様な経歴の人たちがいるので、そういう人たちから学ばない理由はないな、と思いながら今は過ごしています。最初は「別にPEの勉強しに留学しに来たわけじゃないし。。。」と思ってこのコンペへの参加は見送ろうかとも思っていたのですが、「どうせリスクもないんだし、やってみればいいじゃん」という友人のコメントに従いとりあえずやってみたのが大正解でした。もともと無知だったLBOモデルなども、チームメイトが組んでるのを見る中で大変理解が深まりました。

また、チームワークも勉強になりました。どのチームにもモチベーションの濃淡はあります。私のチームも、あまりコミットしない人、モチベーションが大変高い故に他の人に無理やり頑張らせようとしている人、意見を必ず口に出す人、控えめにしているけど譲れないところは必ず声をあげる人、色々いました。モチベーションが停滞したときに、どうやったらみんなのやる気を引き上げられるんだろう、そう思った時もありました。その時は自分が無茶苦茶がんばることで皆をうまく刺激することができましたし、そういう経験をしたのは生まれて初めてでした。結果には満足できなかったものの、そういう勉強をできたのはいい経験でした。

反省点は、もう少し議論に対する時間の使い方をコントロールできればよかったなと思っています。課題を与えられるとやらなければならないことは膨大ですが、その中でどの部分が最も重要で時間をかけるべきなのかを考えるべきだったな、と。もっとバリューアップをどうやるのか、ユニークな具体策をもっと織り込むべきだったと反省しています。次に活かします。

さて長く書きましたが、この記事が学生イベントの一つであるコンペをイメージすることに役立てば幸いです。

 

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る