1. 執筆者紹介

  • 進学先: LondonBusiness School (MBA Class of 2009)
  • 他の合格校: Cambridge
  • 途中辞退: Haas
  • ウェイトリスト: Wharton, Haas
  • 不合格校: Wharton
  • 年齢: 32 (出願時31)
  • 職歴: 邦銀5年 (営業・年金運用)/ 米系医療メーカー3年 (人事)/ 英系医
  • メーカー2年 (組織開発戦略)
  • 私費/派遣: 私費
  • 最終学歴: 関西学院大学
  • GPA: 2.74
  • TOEFL: 273 (L28/ G27/ R27/ TWE5.0)
  • GMAT: 680 (M50/ V32/ AWA4.5)
  • 海外経験: ニューヨーク駐在1年、海外出張 (米、英、仏など)年に5回程度
  • コメント: 現実直視力 + 愚直努力 + 仲間力) × 克己心 × 運 = 合格力

 

2. なぜ今MBAを目指すのか?
MBAを初めて意識したのは2004年、紆余曲折がありいったん諦めかけましたが、資金面のメドも立った2006年初頭に一発勝負の受験を決意しました。背景としては、日々の仕事が経営の上流に近づくにつれ、経営者としての視点と知識、そしてリーダーシップの必要性を痛切に感じるようになったことが挙げられます。その後、予備校等を通じて知り合った仲間と一緒に勉強していく中、同じように過酷なプロセスをこなして難関をくぐり抜けた世界中のツワモノたちと、切磋琢磨する「場」を得たいとの思いが強くなりました。

 

3. MBA受験スケジュール、費用
(全般的な受験スケジュール)

2004年1~5月 大手予備校で教育給付金対象のTOEFL、GMATコースを受講。TOEFLは207点から270点まで3ヶ月でUP。気を良くする。OGを1周して受けたGMATは600にも届かず。OGのせいにする。
2004年5~8月 社内の大型プロジェクトに参画直後、リーダーが爽やかに退職。責任を引き継ぐ。仕事と勉強の両立を試みたが、結局楽しい方 (仕事)を選ぶ。
2004年12月 プロジェクト達成感とMBA諦め感の狭間で漂う。漂ったあげく西麻布方面に漂着。週末はクラブで飲みまくり&踊りまくるも、「友達作り」をしているところを彼女に現行犯逮捕され、夜遊び謹慎処分となる。
2005年 自分のキャリアを見つめなおし、転職。
2006年3~5月 MBAに向けて再始動。失効寸前のTOEFLを片付ける (273)
2006年5~7月 某GMAT予備校にて単語からやり直す。100時間超/月の勉強。
2006年8月 GMAT一発終了。総合90%ile、V67%ile、AWA50% (680/ 32/ 4.5)を目標にイメトレを続けてきた結果、680 (Q:50/ V:32/ AWA4.5)とそのまんまのスコアが出る。設定した戦略に従ってGMATはこれで終了とし、遅れていた推薦状やエッセイに取り掛かる。
2006年11月 Cambridge出願。Cambridge出願。予定されていた反応が無いので3週間経ってから問い合わせると、8月に提出したGMATが届いていないとのこと。Pearsonより“Your August 4. GAMT exam score report has already been received by the university of Cambridge.”との確認を得るが状況を打開できず。お金を払って再送し連絡するも“クリスマス休暇だよーん。ばーか。Best wishes!”の自動返信に撃退される。※「ばーか」は脚色。
2006年12月 Haas/ Wharton出願:。Haas, Whartonデッドラインに余裕を持って出願。複数のエッセイに取り組むことで、LBSをはじめ全体のエッセイ熟成度UPを狙った&自分の属するHealthcare産業に強い学校を調べ、この2校を選定した。
2007年1月 LBS出願。及びCambridgeより「GMAT届いたよ」連絡。次いでインタビューに呼ばれる。尚、LBSぎりぎりで出願。
2007年2月 Cambridge合格。1ヶ月のUK出張中にCambridgeでインタビューを受ける。数時間後、合格の知らせが届いている事を、彼女から聞かされる。Wharton, LBS, Haasからインタビューに呼ばれる。
2007年3月初旬 英語アタマな内に、と帰国後数日で残り3校のインタビューを設定。Whartonの想定外の日本語インタビューに焦り、Haasのハブインタビューを楽しみ、LBSの有名なSuper Intensive面接を終え、一息つく。
2007年3月下旬 おしまい。Haas, Whartonからwait-listedの連絡。

退屈なので彼女に結婚を仄めかすもあっさりwait-listed。Wharton, Hassとならび自らウェイト3兄弟の一角を占める。23日、LBS合格の通知。これにて受験生活も終了(その後Haasは辞退、WhartonはWL繰り下がり、彼女からはWL繰り上がり)。

(費用)
2004年: 50万円くらい。
2006年: 120万円くらい。

4 予備校選び
他の執筆者も紹介しているGMAT予備校(アフィアンス)には大変お世話になりました。私にとっての付加価値は以下の3点にあったと思います。

  • GMATスコアメイクのためのポイントを体系的に学ぶ
  • Peer Groupの競争力を知ることにより、緊張感が保てる
  • 何より、共に励ましあい、支えあう素晴らしい仲間ができる

他の執筆者も述べていますが、MBA受験の道のりを1人で走破するのは本当に孤独だと思います。詰まるところ個人的な戦いにはなりますが、志を共有する仲間がいなければ1年に亘る受験を乗り切れなかったと思います。出願戦略全般に関しては、FECが最も信頼できるパートナーでした。

 

最大の特徴はエッセイを「合格する型」にはめ込むのではなく、個人の価値観やそれが形成された経緯などをじっくりと話し合いながら作り上げていくスタイル。結果としてユニークなエッセイが構築され、他候補者との差別化が進みます。また、自身の充実感と満足度も高くなり、インタビューでの勝敗に良い影響を与えます。充実したエッセイに見えても、自分らしさが幽体離脱していればインタビュー突破は難しいですから、やはりFECの実直なアプローチは有効だと思います。もっともFECに言わせれば、他のやり方が考えつかない、とのこと。

 

5. Resume
重要視しました。ポイントは3つ。

  1. オンラインアプリケーションへの記入内容との整合 (言うまでもないことですが、気をつけてください)
  2. インタビューQ&Aを想定して (エッセイに比べると工夫の余地は少ないですが、インタビュー時にメインの役割を果たすこともあるので、ある程度Q&Aを想定しながら作りました)
  3. 構成 (個人の経歴ごとに有効な打ち出し方は変ってくるので、自分のプロファイルの売り方をよく考えて作成してください。文字数が多いとインクパフォーマンス (バリュー@word)が落ちるので簡潔に書くほうが良いでしょう)

MBAツアーなどが9月以降本格化しますので、作っておくと手渡せて便利です。キャンパス訪問の際にもこれがないと質問し続けるハメになり、Adcomの好奇心を満たせません。

 

6. TOEFL
王道の勉強のみで対処しました。

 

7. GMAT
勉強の仕方に関してはこちらも概ね王道系です。結果として1発で卒業したのですが、これは要領の理解と実行力の成果だと思います。要領とは「XXX点を狙うなら前半X問が特に大切だ」や、「RCは捨てないで取る」や、「連続不正解を喫さない」といったような代表的なTipsです。実行力とは頭に叩き込んだルールを粛々と実践する精神力です。本番ではQの難問にこだわる、CRの選択肢を読み直す、V35点超を狙ってSC逆張りをする、といった誘惑に駆られるかもしれません。時期が後になるほどこういった傾向は強くなりますが、最善策は練習してきたとおりに実践することだと思います。プロジェクトマネジメントも、キャリアマネジメントも、人生マネジメントも、そしてGMATのスコアマネジメントも「不確実性の中の選択」に長けることが大切だと思います。

 

8. エッセイ
これはMBA受験の特徴的なカテゴリーであり、多くの日本人アプリカントにとって不慣れなパートだと思います。そして私のようなキャリア10年組に対しては、Adcomが最重要視するポイントでしょう。エッセイ構築に関しては、前述のFECとの議論をベースとしつつじっくり取り組みました。

 

※仕事量をイメージ頂くために以下ご参考
(期間)
2006年8月中旬~12月下旬

 

(提出数)

  • Cambridge 3本 (400 × 3)
  • Haas 6本 (1000/ 500/ 250 × 4)
  • Wharton 4本 (1000/ 500 × 3)
  • LBS 5本 (500 × 2/ 400/ 200/ 150)

 

(ドラフト作成数)

  • Cambridge 31本
  • Haas 51本
  • Wharton 50本
  • LBS 45本

 

(リソース)
FEC、オンラインアドバイザー2社、在校生の友人2名 (Columbia,、IMD)、卒業生の友人1名 (Columbia)。アドバイスを仰いだ友人は3名中2名がネイティブ。

 

さて、取り組む際に気をつけねばならないこと、それは個性の喪失です。多様なアドバイスを受ける中で、彼ら彼女らのアドバイスに沿いたいという気持ちになります。ところが多くの見解をエッセイに反映させると、花柄のパッチワークエッセイになってしまいます。アドバイザーの見解をくまなく盛り込むことでエッセイの完成度が高まっている錯覚、そしてエッセイの個性が縮むリスクに気をつけましょう。びしばし書いているうちに177本も作ってしまいましたが、そういった迷いの時期を経て最後は自分が納得する(or 後悔しない)内容で提出しました。特にLBSに関しては第一志望でしたので、考えに考え抜いて、5本のエッセイが自分の個性を表現するにあたり、一貫性と多様性の両面を担保できるよう工夫を重ねました。成功するエッセイがどのようなものかを話せる立場にはありませんが、全校からインタビューに呼ばれたのはエッセイを軸とした出願戦略が奏功した結果だと思います。

 

9. 推薦状
上司と上司の上司にお願いしました。ひとつは推薦者と一緒に作りもうひとつは完全に任せました。後者に関しては合格した今も何を書いて頂いたのかよくわかっていませんが、ある意味本来そうあるべきだとも思っていました。但し、自分がどのようなvalue positionを学校にアピっているか、は予め伝えておきました。推薦者のお二方には心から感謝しています。

 

10. 志望校、出願先の選定
(London Business School概要)

  • FT MBAランキング世界5位、Non-USランキング1位
  • 15~21ヶ月の期間にて調整可能なプログラム
  • 50カ国以上の国籍から構成される約300名のクラス
  • 超一流の教授陣
  • 卒業後3ヶ月以内の内定率96%
  • 卒業直後年収 (mean): Base $110,687/ Sign-up $25,546/ Year-end Bonus $25,546
  • サマーインターンお小遣/週:$2,203 (Consulting)/ $1,897 (Finance)/ $1,451 (Industry)

 

(LBSに惹かれた理由)

  1. 92%のインターナショナル比率
  2. MBAのグローバルトップ校としての存在感
  3. Student Bodyの協力的な雰囲気
  4. 欧州経済の将来
  5. 卒業生の得る高い給与 (&インターンとコンサルティングプロジェクトの収入)
  6. 5年VISAが出ること
  7. US経験あり
  8. 差別化
  9. 経験年齢

 

※補足
(1、2)
これは非常にパワフルでした。LBSでは多数派のいないクラスルームが互いへの尊重 (Nativeのみが理解できるジョークが飛び交ったりしない、など)を生み出していると思います。大多数にとって英語が第二外国語なので、互いの意見を聞く文化が醸成されているように感じます。受験に際してはUS校4校とLBSの授業見学をしましたが、LBSに関しては、授業が終わった後に「受験に関して何か相談したいことがあればいつでも連絡を」と学生が次々に話しかけてくれ、その協力的な雰囲気に好感を持ちました。

 

(2)
各校の実力を見る際に、仕事で付き合いのあるヘッドハンター(5名)に、企業における各校への評価をヒヤリングしました。また卒業生の進路を調べたり、様々な媒体が公表するランキングを見たりすることで、各校の競争力をイメージすることができました

 

ランキングの高さと合格難易度の高さは概して相関していると思います。そしてHigh in rankingsは少なくとも私たちのキャリアを傷つけるものではないでしょう。でもランキングの扱い方には気をつけてください。ある種の情報ではあるけれど、その並びが私たちのシアワセになれる確度を示すわけではないのです。世間が賞賛する絶世の美女 (イケメン)であっても、実は自分の好みでない場合ってありますよね? たしかにビューティーコンテストみたいな力学もあるので、世論に左右されるのも分かります。そして自分の選択した学校は「普遍的に」優秀な学校であると証明したい欲求は誰しも持つものだと思います。それでも、「自分の行くA校はX番だから、彼の行くY番のB校よりも優越している」といったようなこぢんまりとした発想は捨てましょう。それは、「私のやきそばはあなたのたこ焼きよりも美味しい」と言っているのに似た、不毛な議論だと思います。

 

(4、7)
欧州経済は堅調です。アジア、日本を絡めたビジネスチャンスはこれからも拓けていく可能性が高く、その方面への就業機会に関しては、LBSブランド & ネットワークを得ることが有効だと考えました。またかつて1年間の短期間ですがニューヨークで生活した経験があり、せっかくの機会なので他の国でも生活してみたいと考えました。少し脱線しますが、ロンドンからは欧州ほぼ全ての主要都市に2時間以内で旅行にいけるわけで、それはLife Experience的に素晴らしいチャンスだと思いました。

 

(5)
個人、就業セクター、地域によって異なりますが、LBS卒業生の卒業時年収は概してかなり高い水準にあると思います。加えてインターンでは200万程度、コンサルプロジェクトでも50万程度を稼ぐことが可能です。私費的には勇気付けられるポイントでした

 

(9)
就業年数も軽視できないファクターです。10年選手がゴロゴロいる学校と2~5年目の若手社会人が多数の学校とでは随分と議論の質感も異なるでしょう (皆さんが5年前の皆さんと議論する様子を想像してみてください)。この要素に関しては、自分の経験を持ち出す割合と、他人の経験から学ぶ割合とのバランスを重視しました。

 

11. インタビュー
LBSに関しては専門家による実践英語力チェック、他受験者とのグループディスカッション、そして5分間Impromptu を含む面接 (面接官2名)、と多様な観点からじっくりと審査されます。数時間に及ぶこのセッションはトップ校の中でも最もタフだといわれていますが、私が面接を受けた他校 (Wharton、Haas、Cambridge)との比較では確かにそう感じました。インタビュー対策としては、自分のキャリアやエッセイで書いたことを効果的に説明できるよう、Key wordの整理に時間をかけました。また自分のアプリケーションはつっこみどころ満載 (GPA等)だったので、考えられる部分については回答を準備しておきました。それでも実際の面接では想定外のやり取りも発生します。LBSのインタビューでは社員採用面接の際の基準を議論するような難しい話題になり、「少し時間を下さい」と頼んで、考える時間を取ってから答える場面もありました。

MBAの面接は単純なQ&Aではなく、議論を発展させたり深化させるコミュニケーションスキルを問うものなので、必ずしも英語力の勝負ではありません。議論の内容に関しても、自分のことを良く知っているのは自分自身であり、先方は主としてこちらが提出したデータに基づいて質問をしてくるわけであり、恐れることはないのです。問われたことに対し、自分の考えを述べることが日本語で出来るならば、同じことが英語でもできるはずです。一通りの準備をしてさえいれば、あとは落ち着いて臨めるかどうかで勝負が分かれるように思います。「落ちない」面接を目指すのではなく、合格を「取りにいく」気概で臨んでください。

 

12. その他のアプリケーション提出書類
n/a

 

13. アプリケーション提出後~合格通知入手
待つしかないですよね。毎日やきもきしないように、待ちの期間は出願したことを忘れることをオススメします。

 

14. その他役立つ情報
n/a

 

15. MBA受験を振り返って
GPA3.5ポイントないと・・・GMAT720点ないと・・・学歴が異端なので・・・職歴が浅いので・・・高年齢なので・・・といったような「受からない理由」、を消しこむ作業に没頭していませんか? 確かに気持ち悪いものです。でも例えばGMATがそうであるように、結局はDecision skillを随所で問われるのがMBA受験です。負債 (過去のキャリア・アカデミックな弱さなど)を背負った状態で、リソース (時間、地頭、お金など)が限られる中、結果を最大化するための取捨選択を常に考えねばなりません。完璧なアプリケーションを追求しすぎると、本末転倒な結果になりかねませんし、実際にそういった例はたくさんあります。MBA受験を振り返って今思い浮かぶのは、冒頭にも述べた以下の式です。

 

(現実直視力 + 愚直努力 + 仲間力) × 克己心 × 運 = 合格力

 

勇気を持って冷静に現実を直視し (受け入れ)、愚直に努力することを馬鹿にせず、仲間を大切にして、弱い自分に打ち克ち、あとは運に任せることが大切だと思いました。最後に、MBA受験はとても厳しい道のりです。でもそれを乗り越えたときに、とても大きな満足感をもって、次の成長ステージに臨むことができます。執筆者の皆さんのコメントをばっちり読んで、皆さんの価値観に相容れる部分をどんどん取り入れて頂き、まずは受験に成功されることを祈念いたします。

 

Best,

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る