LBSに関心をお寄せ頂きありがとうございます。現在1年目のTです。

一般に、海外MBAを考える人は、キャリアチェンジ(企業・職種・地域を変えたい)という人が大半(LBSでいうと、クラス全体の85%程度)なのですが、日本企業および大手コンサル・一部のPEファンドには社費制度があり、キャリアチェンジは考えていないしMBAは必須ではない、ただし現在のキャリアの延長線上でのステップアップを見据えた際、何かが足りない・ クオンタムジャンプが必要である、そんな人がアプライするケースが多くあります。

私もそんな一人であり、これまで通りの業務を続ける・海外移籍を目指す・出向する等の選択肢の中から、悩みながらMBA受験を決め、ロンドンでの生活も3ヶ月が過ぎました。

似たような境遇にある方々の参考になればと思い、どのようにMBA受験を決めたのか、新生活を始めて実際にどう感じているか、簡単に綴りたいと思います。

 

1.基本情報

A)    職歴:外資コンサル4年 (M&A、コスト競争力強化を通じた日本企業の製造業の支援)

B)    留学形態:社費

C)    英語・海外経験:中国語圏に1年留学、インド・バングラでの短期間のプロジェクト経験

D)    受験校 (欧州のみ受験)LBS/INSEAD/Oxford

E)    合格校(Waitlist除く):LBS/Oxford(Fast track)
(INSEADからはGMATスコアを上げればインタビューに呼ぶというメール。時間もなかったので断念)

F)    GMAT(GRE)スコア:650(V29、M49)  

G)    IELTS:7.5(R8.5、L8.0、S6.5、W6.0)

H)    LBSへのキャンパスビジットへの有無:なし

 

2.Why MBA?

元々19歳の台湾留学時までパスポートすら持っておらず、「海外?英語?なにそれ美味しいの?」というレベルでした。台湾・上海での一年を経て、日本企業の海外での可能性、具体的には栄養・インフラ・公害といった世界的な社会課題に対して日本企業は多くの潜在的   ソリューションを有していること、しかしその活用には経営/人材面の課題が多く、このままでは海外の列強に置いていかれるどころか実現できるはずの課題解決すらできない、という意識をぼんやりと持つようになり、国境をまたいで経営課題を支援できる外資コンサル会社を志向しました。

仕事では、まさに思い描いていたチャレンジが用意されており、辛いことも多いながら仕事も会社も本当に好きと自信を持って言えるようになりました。インドに放り出されても、難治療と言われる案件でも、チームで力を合わせればなんとかできると思える胆力も身につきました。

このまま仕事を続けることへの不満は全く無かったのですが、19歳からずっとコンプレックスであった英語、ひいては国籍や職歴が全く異なるチームメンバーと協業していくうえでの グローバルコミュニケーション力という点において、このままではまずいという認識がずっとありました。さらに結婚という転機を迎えてもなかなか妻と時間を取れないということにも危機感があり、環境を大きく変えてみる良い機会なのではないかと思い立ち受験を決めました。

 

3.Why LBS?

入社後、日本の競争力が高く、インフラという大きい課題にアプローチできる製造業の支援を行ってきました。製造業は特に裾野が広い産業であり、一つの機械を作るのにチェンナイのハードウェアエンジニア・上海のソフトウェアアウトソーサー・ミュンヘンのパートナーと協業しながら東京の会社が開発をし、アメリカ西海岸で売る、といったことは珍しくありません。その上で、日本や欧米の人だけと一緒に仕事を進めていくのではなく、世界中のチームメンバーと協業できるリーダーシップおよび言語能力を伸ばしたい、というのが受験理由でしたので、生徒・教授の多様性が高い欧州の学校のみを志望していました。妻の生活環境も考え、英語の通じる大都市のスクールに的を絞り、LBS、INSEAD(Singapore)、Oxfordをリストアップしました。自社から三校へ留学した先輩方の話を伺うにつれ、ある程度のフィットも感じることができましたので、志望校を確定させました。

 

4.受験スケジュール及び準備

2016年4月からIELTSを始め、4回目くらいの6月中旬の受験で7.5が出たのでIELTSを終了させ、GMATに移行しました。同期間に並行してMBAホルダーに話を伺ううちに、MBA受験プロセスは自分の目標や足りないものを見つめ直す絶好の機会であると感じるようになり、7月からはGMATに並行してエッセイ作成を開始しました。濱口塾の濱口先生にスカイプベースでエッセイ作成を進め、10月にはほぼ骨子が固まっていました。

一方GMATは大変苦労し、5回受験したにも関わらず目標スコアが出ず2回目の650で出さざるを得なくなりました。

 

5.使用教材、予備校、カウンセラー

エッセイの濱口先生は、先輩方の評価が総じて良いこと、日本語でディスカッションし日本語で作成したものを英訳して頂けるという点、スカイプなので移動時間が無駄にならないという3点が良いと思い契約しました。あとでわかったことですが、非常に生徒・卒業生とのコミュニティづくりを大切にしてくださる先生で、合格後飲みに連れて行ってくださったり卒業生も紹介頂いたりしており、大変感謝しています。

インタビュー準備は濱口塾と提携しているMatthew Aldridgeにお願いしました。効果的かつ前向きなアドバイスに加え、何度受講しても固定価格という点も良いと感じました。その他、個人でサービスをしているJohn Kania、英語が得意な親戚にもモックインタビューを依頼しました。Johnは外資コンサルの顧客が多く、業界状況を理解した上でアドバイスをくれるためこちらもおすすめです。

IELTSは独学、GMATはYESに1ヶ月程度通学しました。

 

6.受験生へのメッセージ

辛いプロセスにも楽しさはある: 

多くの人が辛いと語るエッセイですが、私にとっては人生を見つめ直す最も楽しいプロセスでした。エッセイやインタビューでは5年後、10年後の夢を語る必要があるため、最初は無理やり志望動機を語らざるを得ませんでした。しかし受験プロセスを通じ、濱口先生、先輩や同期、社外の知人たちに相談するうちに最初は作り話のように語っていた夢がブラッシュアップされ、現実味を帯び、いつからか心から語れるようになっていきました。入社後忙しさにかまけて忘れかけていた学生時代の夢を思い出し、将来の目標と現在の仕事との一貫したストーリーを構築できたことで、日々の仕事に「意味付け」ができ仕事をより一層楽しめるようになりました。

スクールの事前評判は正しい: 

LBSが謳う多様性およびそのマネジメントという観点において、スクールは最高の環境を提供してくれています。例えば現在行っているプロボノコンサルでは、インド・ルーマニア・アメリカ・スペイン・シンガポールのチームを率いてイギリスのクライアントに対してどうバリューを出すか、という経験ができています。また、スクールは「ロンドンという街で学んでほしい」という点を大切にしていると聞いていましたが、実際に極めてフレキシビリティの高いプログラムを提供してくれており、アカデミックを学びたい人、クラブ活動を楽しみたい人、インターンに集中したい人などあらゆるニーズに応えてくれます。私は1年目の後半からは授業を週1-2日に寄せ、ロンドン郊外のEV(電気自動車)スタートアップでのインターンを予定しています。

 

受験プロセスでは多くの人が何かに躓き、途中で断念する方も多いと聞きます。それはスコアメイキング、エッセイライティング、卒業生とのネットワーク発掘等、全く違う能力を試されるからであり、当然の苦労とも言えます。私の場合はGMATをやっている期間は精神的に本当に辛く、キャリアチェンジを望んでいないからこそ、なぜこんなことをやっているのかと自問自答する日々でした。そんな中では、「このままの延長線上で、5年後、10年後、30年後、本当に仕事を楽しめるのか」「留学後の自分ならもっと活躍できるのではないか」そう考えることでモチベーションを保つ他ありません。

思うように進まない受験準備ではありますが、辛いプロセスを乗り越えたからこそ待ち望んだ機会を楽しめるのであり、ぜひ諦めずにやってほしいと思います。その上でもしご縁があったならば、毎年4月に行われるLBS Japan Clubの同窓会にて、ぜひ桜を見ながら語り合えれば嬉しいです。

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る