今回は、LBSと米国のビジネススクールの違いについて私自身の経験から語りたいと思います。私は、LBSに留学する直前まで、米国のビジネススクールで1年間勉強していました。派遣元会社の方針など紆余曲折があり、現在は2校目のビジネススクール、LBSで学んでいます。

表題の件については、すでにさまざまな場面で語られていて、すでに皆さんもご存知かと思いますが、私自身の実感を基に少しお話させていただきたいと思います。LBSと米国ビジネススクールの比較と言いつつ、米国については私が通った米国ビジネススクール1校の体験をベースとしているため、少し偏った意見もあろうかと思いますが、ご容赦ください。

 

 

①カリキュラム

 

まずはビジネススクールの根幹、カリキュラムについてです。欧州、米国に限らず、たいていのビジネススクールでは、講義が「Core(必修科目)」と「Elective(選択科目)」に分かれています。必修科目でビジネス知識の基礎を習得し、選択科目では自分の興味にあわせてその知識を専門的に深度化します。

必修科目の内容についてですが、私が米国ビジネススクールで学んだ科目とLBSで学ぶ科目に大差はありませんでした。米国のビジネススクールでは、必修科目を入学から短期間で修了するようなハードプログラムになっていることが多いのですが、LBSでは1年間かけてゆっくり基礎知識を習得し、同時に選択科目も履修するといった具合です。

一方、選択科目については多少差が出てきます。例えば、LBSはファイナンスに強いスクールであると言われており、選択科目のラインナップを見てみると、ファイナンス科目の多さが目につくと思います。しかし、だからといって他のマーケティングやマネジメントを学べないのかというとそうではありません。私が米国ビジネススクールで履修したファイナンス以外の分野についても、LBSで充分に学ぶことが可能です。

したがって、各スクールの特徴で「○○に強い」と言われる場合、○○を中心にしか学べないのではないか、という危惧は必要ありません。どのスクールに行かれてもビジネス分野全般が学べます。

 

 

②カリキュラムの密度

 

それでは①のカリキュラムをどのようなスケジュールでこなしていくのでしょうか。選択科目は学生自身の興味に応じて履修しますが、必修科目はスクール側から予め時間割を決められることになります。

まず、LBSでは約1年かけて必修科目を修了させ、必修科目と選択科目を同時並行で履修するスタイルが取られています。一方、米国のスクールでは、私の通っていたスクールを含め、はじめの半年で必修科目を終わらせ、その後は選択科目のみを履修するというスタイルが多いように思います。

どちらが自分のスタイルに合うかは人それぞれだと思いますが、私の場合、米国のスクールに在籍していた当時は、毎日遅くまで(朝近くまで)予習に追い立てられ、講義内容を消化したとは言い切れない時もありました。

上述した通り、LBSの時間割は米国スクールとは異なっており、比較的余裕をもったスケジュールになっています。したがって、学業以外の課外活動にかけられる時間も比較的多く取ることができます。しかし、米国のスクールのように勉強する環境をスクール側が作り出してくれるわけではないため、自覚をもって行動しないと学びが少なくなってしまう危険性もあると感じています。

 

 

③ダイバーシティ

 

欧州と米国のビジネススクールで最も注目されている違いは「ダイバーシティ」かと思われます。実際、私もこの違いについてはかなり感じているところです。

まず、スタディグループの構成メンバーが大きく違います。LBSでは5人もしくは6人のメンバーの国籍が全員異なるように意図的に割り振られており、私のスタディグループのメンバーは、イギリス人、オーストラリア人、カナダ人、スイス人、インド人と私の6人グループです。一方、米国スクールでの私のスタディグループのメンバーは、アメリカ人3人にインド人と私、という構成でした。

米国スクールにいたときは、スタディグループの半数以上がアメリカ人ということもあり、彼らは言語や文化的なバックグラウンドが似通っているため、課題やプロジェクトを彼らだけでリードすることも多かったと思います。したがって、インド人と私は絶えず貢献する機会をうかがいながらチームワークを高めようとするのですが、知らないうちにアメリカ人同士で話をして課題を終わらせてしまうなどなかなか苦労しました。

現在のLBSではメンバーの国籍が全員違うため、米国スクールであったようなことはありません。その分、課題やプロジェクトを終わらせるのにかかる時間は倍以上になっていますが、私を含め、全員がグループに貢献「しなければならない」土壌が備わっており、グループ全体で何かを成し遂げているという一体感を感じることができています。

この点についても皆さん自身がどちらの環境を好むかによると思います。米国スクールのマイノリティの中で自分の存在感を発揮するためにもがき、自分自身のステイタスを獲得していくスキルは、仕事や社会においても当然必要とされるため、米国スクールは非常に良いトレーニングの場になるでしょう。一方、LBSではこれ以上無いインターナショナルな環境で、一つの物事をグループメンバーと協力して進めていく経験を積むことができ、これはすなわちインターナショナルな環境でいかにビジネスを進めていくのか、ということの予行演習になるはずです。

 

 

④課外活動(クラブ活動など)

 

この点については、スクールによって全く異なるということを承知の上で書かせていただきますが、私の経験上、概ね以下のようなことが言えるのではないかと感じています。

LBSはそのダイバーシティを反映するかのように、クラブ数はかなり多く、プロフェッショナル(Consulting Club, Marketing Clubなど)やリージョナル(North America Club, Japan Clubなど)なものを含め充実しています。特にリージョナルなクラブについては各国のビジネス界とコネクションを持っているクラブも多く、就職活動をする学生にとっては一つの有効なツールとなっているようです。

一方、私が通っていた米国スクールのクラブはプロフェッショナルクラブが多くを占め、リージョナルクラブはあまり活発に活動していませんでした。しかし、プロフェッショナルクラブは米国のビジネス界と強力なコネクションを持っており、米国の有名企業の担当者がスクールを訪れ、講演なども行っていました。米国に就職希望の方は、これらのメリットが享受できる米国スクールが有利かと思われます。

就職活動を行わないとしても、クラブ活動はさまざまな経験をできるいい機会になるため、MBA生活の中でも非常に重要な要素だと思います。カリキュラムだけでなく、志望校のクラブ活動がどのような状況なのかも是非調べてみて下さい。

 

 

以上、LBSと米国ビジネススクールの両方に在籍した経験から語らせていただきました。書いてみて感じるのは、世間で言われている「欧州と米国ビジネススクールの違い」と私が実際に経験し、感じた違いは大きく異なるものでは無いということです。これらのことも踏まえ、志望校選択の参考にしてもらえれば幸いです。

 

 

日本は猛暑ということですが、ここロンドンでは夏真っ盛りだというのにかなり涼しい日が続いています。

アプリカントの皆さんはこれからMBA受験も佳境に入るということで体力的にも厳しい日々が続くと思われますが、お身体に気をつけて頑張って下さい。

ロンドンから皆さんの志望校合格をお祈りしています。

 

MBA2016  S.K.

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る