MBAに来ることの意義とは何か。

 

緊張と不安が入り混じった入学式から時が経つのは早い。卒業まで残された時間も残りわずかだ。

新たな職場に胸を躍らせる友人に手を振る日々の中、少し苦いコーヒーを飲みながらその問いがぼんやりと頭をかすめる。

 

小難しいことはやめてみよう。

 

まずは、そうだ。いろんな国出身の、いろんな国で働くであろう友人が多くできた。彼らの国にいつか行ってみたい、もしかしたら仕事でお世話になることもあるかもしれない。Study Groupのメンバー、必修・選択科目のクラスメイト、Tripでお世話した・お世話になった生徒、サマーインターンの同僚、フラットメイト。

MBAが始まった頃は、正直何を話してるのかわからないときもたびたびあった。今ではずいぶんとマシになったものだ。ということは英語も上達したんだろう。いろんな国を知ることで、日本のことをポジティブに見直す気持ちを持つこともできた。

 

わかりやすい。確かな結果だ。

 

あとは・・・学業の中身か。これは整理が難しい。何をもってして、学んだ・得たと言えるのだろう。とか考えると、面倒臭い。そういうのは後回しだ。

カリキュラムは大きく、財務・会計・戦略・マーケティング・オペレーション・組織行動・起業みたいな感じだっただろうか。

財務・会計・オペレーションは手堅い。数字を使って過去・現在・未来の活動を理解・記述する手法や考え方が多少増えた。

戦略・マーケティングあたりは、正直特筆する感じでもない。MBAを卒業した人がどういうフレームワークを気にするかを学んだと言えば学んだ。

組織行動。授業だけではぴんとこない。ただ、知的好奇心を刺激するには自分には合っていた。いや、それだけでもない。昔携わった組織設計やChange Managementの仕事を振り返ってみると、思い当たるフシは結構あったか。

起業については、昔よりも興味は出た。けど、「いま自分がこれを始めたい」と思うほどの情熱・ネタがないこともはっきりした。

 

インプットの話が多い。アウトプットはどうか。そう、発言や行動の部分だ。例えば、企業を分析するときに財務・会計的な観点で考えたり意見する機会は増えたような気がする。

発言、という意味ではその回数も増えたかもしれない。例えば、英語のディスカッションでぐだぐだと遠回りな議論をしている最中、ホワイトボードを使って整理したりするのは気持ち良かった。下手な英語を辛抱強く聞いてくれる前提だったが。

MBAも後半になれば、グループワークの作業設計や役割分担、進捗管理なんかも積極的にやるようになった。各人の性格、得意・不得意を考えるのが私は好きなのだろう。あ、リーダーシップという言葉が浮かんだ。話がややこしくなるから、このへんの整理は他の人に任せることにしよう。

 

仕事という観点では、卒業後にやることが特段変わる予定もないな。

 

 

普通だ。とても普通だ。海外の多くの友人、ということを除けば、MBAでなければ得られない、ということは特段ない。仕事をしながらでも、時間をかければ何とかなる話だ。その時間を圧縮したという点に価値があるのだろうか。しかし、突然変異でも何でもない。問題意識も、得た知識も、行動の変化も、これまでの延長線上にある。

いや、MBAを取得しない人生は生きていないのだから、比較すること自体がナンセンスなのだろうか。ただ、これも言い訳がましい気がする。

 

なんなんだろう。

 

そうか。

そもそも、この問いにいま答えようとすること自体が的外れなのだ。

私はまだ何もしていない。検証は、5年後、10年後、30年後でいい。MBA取得に意義があったかどうかは、これから何をするかで変わるのだと信じよう。

 

幾台もの車が目の前を通り過ぎていく。

飲みかけのコーヒーはすっかり冷めてしまった。

私は少し考えるふりをした後、もう一杯おかわりすることにした。

 

MBA2014 T. T

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る