「多様性が当校の特徴。多様性に富んだ学生/教師と共にMBAを学ぶことであなたの学びが最大化される」

MBAを目指す多くの方が、「この学校の特徴は何ですか?」という質問に対する答えとして、上のようなものに出会うことがあると思う。

 

もしかしたら、何人かの方は「そうか、多様性があるから、学びが最大化されるんだな。なるほど!」となるかもしれない。しかし、多くの方にとっては、「はて、何で多様性があると学びが最大化されるのかしら?そもそも何が多様性?」となるように思う。私自身も、Essayの中で、LBSを選ぶ理由として多様性を挙げたが、どこか釈然としていなかった。

 

しかし、1年半MBAで学ぶ中で、その意味がようやく腹に落ちつつある。これは、2013年の夏の説明会でも、紹介させて頂いたテーマだが、もう少し具体的・個人的な経験を基に、多様性とは何なのか、そして、多様性での学びがMBAを学ぶ学生にとって、なぜ有用なのか?をご紹介したいと思う。

 

そもそも、多様性とは何か?定義は色々あるだろう。私が、LBSで学ぶ中で重要だと感じた多様性を3つ紹介したい。

 

1. ビジネスバックグラウンド

MBAで学ぶ前までに、どのようなビジネスの経験があるのか?というのはLBSで顕著な多様性の一つだと思う。世界中で実に様々な経験をした人が集まってきている。コンサル、F1のメカニック、インベストメントバンカー、映画製作プロデューサー、中央銀行の役人。

 

では、こういった人に囲まれていると何がいいんだろうか?

「ディスカッションに色々な視点が入り、面白い議論が展開されるから学びがある」「授業で扱うケースについて、直接的な経験を持つ人がいて学びがある」

こういうことも聞くだろう。まだ抽象的だ。そこで、私が直接経験したエピソードを3つ紹介したい。

 

私のスタディグループに、オーストラリア人でアメリカの大学を卒業し、イギリスで弁護士をしている女性がいた。彼女はネイティブである上に、弁護士という職業柄、非常に言葉が洗練されている。ステディグループでレポートを書いていた時のことだ。私の割り当て分を書き上げ、全体を取りまとめていた彼女に送った。彼女いわく、「タイポとかちょっと直しておいた」とのことだが、最終的に提出されたレポートを見ると、私や他のメンバーの多くのパートが書き直されていた。最初は、私の英語が不十分だったか。。。。とうなだれたが、よくよく見てみると、文法的な間違いだけではなく、より正確で、短い単語や言い回しに変えられていたことに気づいた。彼女の書く英語を見ることで、簡潔で意味を取り違えない、曖昧でない英語表現のストックを増やすことができたのは、私の貴重な学びだった。

 

私がビジネスケースコンペティションに参加していた時のことだが、最終的なパワーポイントのプレゼンを作成している際、あるデータを表にして盛り込もうとしていた。そのデータは、各国での市場規模と成長率、市場での自社のシェアだ。私は、コンサルタントとしての経験から、即座にバブルチャート(2軸のグラフにバブルが置いてあるもの)がよいと思い、それを入れ込んだ。そこで、中国人のチームメイトが「これすごくいいね」と言って、なぜこのグラフなのか、どうしてこれを思いついたのか?等詳しく聞いてきた。彼女からすると、このデータをこのグラフにする、ということが自然なことではなく、彼女にとっての学びだったのだろう(ちなみに彼女はコンサルタントとして働く予定だ)

 

これまた私のスタディグループの話だが、インド系イギリス人の彼は、ヘッジファンドで働いていた。インベストメントバンクやファンド、PE出身の人には共通するが、非常に綺麗なエクセルを短時間で作成する。私もコンサルタントとしてエクセルにはそれなりになじみがあるが、彼のエクセルは、使いやすさや見易さという点で非常に学ぶところがあった。また、コンサルタントの作るエクセルとの構造や作り方の違いも面白い発見であった。

 

2.カルチャーバックグラウンド

各学生が様々な文化の中で育ってきたこともLBSや欧州MBAの特徴だろう。Nationalityについて、USのトップスクールとLBSの比較をしたのが、下記のグラフだ。LBSでは、Nationalityという意味合いで、Majorityは存在しない。まさに世界中の人の集まりなのだ。

 

nationality ratio

 

では、これだけ出身国が異なる人たちに囲まれていると何がいいのだろうか?

私が感じるベネフィットは「学校のカルチャーイベントで色んな国の伝統料理や出し物を楽しむことができる」というような表面的なものではない(LBSにも勿論、Tattooというカルチャーイベントはある)。これも、より具体的に紹介しよう。

 

あくまで、私の極めて個人的な将来に関する話となるが、私は、将来は教育に関する仕事をしたいと思っている。社会人教育というよりも、中高大での教育だ。それが故に、LBSの友人たちがどんな教育を受けてきたのか?ということに興味があり、よくそういう話をする。

例えば、デンマークでは14歳まで試験が一切行われない。フィードバックはあるが、グレーディングされないそうだ。ここまでは知っていた。実際にその教育を受けてどう思うか?という質問をすると、いい面、悪い面ある。個性を伸ばす教育はできるが、勉強の必要性を認識していない家庭では、全く勉強せず、結果的に就職等で苦労する可能性もあると。

例えば、メキシコでは、教師が非常に強い権利を認められており、親が教師なら子供は無条件に教師になれるらしい。(この話をした友人の母親が教師だった。)

例えば、チェコ人と議論していたときには、「なんで日本では英語の重要性が認識されていないのか?就職するのに英語は必須なんだから、みんな勉強するでしょ?」という意見をもらい、日本との違いを認識させられた。

 

上の話は、私のごく個人的なケースではあるが、将来のキャリアを考えたり、自分がふと何かを疑問に思ったとき、グローバルなレベルで比較することで、物事を様々な角度で見ることができる。私の例で言えば、デンマークの教育システムのデメリットを取り除いて日本で導入するにはどうしたらいいか?を考えることができるし、メキシコの教育システムの現状を知ることで、既得権益を切り崩すには、どんなアプローチがあるのか?興味を持って、メキシコの教育改革に注目することができる。

 

3.卒業後のキャリア

もう一つ、重要な多様性を挙げるとすると、卒業後のキャリアの多様性が挙げられるように思う。LBSの学生は世界中からきて、世界中に散らばっていく。ロンドンに残る人もいれば、母国に帰る人、母国以外で働くことを選ぶ人も当然いる。働くフィールドも様々だ。ファイナンスに強いことが有名だが、卒業後、ファイナンス分野で働くのは1/3で、コンサルティングも1/3、インダストリーが残りの1/3という感じだ。

 

では、こういった地理的、産業的に多様なキャリアを積む人と友人になることはどんなメリットがあるだろうか?

 

一つは、卒業後、自分の仕事上でのベネフィットがあるだろう。その企業との取引を考えている時に、貴重な窓口になることもあるだろうし、コンサルタントの私からすれば、例えば、タイの市場調査をする必要がある際に、タイで今まさに暮らしている友人の一次情報は極めて貴重であるし、もしかしたら、その産業についての概要を教えてもらえるかもしれない。

 

もう一つは、これは日本人の私費留学生が言っていた話だが、LBSの学生がどんな仕事を、どこで、どんな条件でしようとしているのか?を知ることで、世界の労働市場を俯瞰することができる。それは、自身のキャリア選択にとって非常に貴重な示唆を与えてくれる。どの地域でどんなスキルを持った人が必要とされているのか?を知ることは、確かに自身のキャリアをグローバルで考える際に、必要な情報だろう。それをロンドンにいながら、各国のヘッドハンターに聞くなどという、手間のかかったやり方でなく、簡単に手に入れることができるのは、魅力的だと思う。

 

LBSはファイナンスに強い学校と認識されていると思うが、私がLBSで学ぶ中で、卒業後の人生を間違いなく充実させてくれると思ったのが、多様性の中での経験だ。極めてソフトなテーマであるだけに、できるだけ具体的に紹介させて頂いた。皆さんのLBSへの理解の一助になれば幸いである。

(MBA2014 S.T)

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る