Term 4は忙しく、驚くべきことにブログ更新が4ヵ月停滞していた。余裕あったのかな、渡英当初と思ってしまうくらいである…。コアよりも選択科目の方が実践的で、より課題が多かったからかもしれない。既に2013年が近づきつつあるが、Term 4にて受講した授業をご紹介させて頂く。基本的にファイナンス系の科目を重点的に受講した。

①Global Business Experience
今年より始まったLBSの必修科目で、NY/ボストン、南ア、トルコ、香港、インドのうちいずれか一つを選択し、教授+学生約80人で特定業界の企業を複数訪問し、同業界の理解を深めるというコース。私は南アを希望したものの、抽選に落ち、9月16日~23日にNY/ボストンへ。同トリップの対象業界はasset managementで、ファンド規模1位のFidelity、2位のState Street Globalなどのmutual fundや著名投資家であるBaupost Group創設者のSeth Klarman氏、Citibankの元CEOであるJohn Reed氏、FRB、Private EquityであるKKRやGeneral Atlanticを訪問させて頂き、アセマネ業界について学習した。また、仲間との滞在はまるで修学旅行のような楽しさがあった。

②Private Equity & Venture Capital(Block Week)
LBSの人気授業の一つ。Private Equity(及びVenture Capital)について、同業界の概要、特性、投資先のvaluation手法等について、毎日2つのケースをこなしながら理解を深めていく授業。Private Equityは基本的には4つの形式でequity returnを確保している:profit expansion, multiple expansion, leverage, foreign exchange fluctuation。PEがどのような点をdue diligenceしているのか、投資判断として何を確認しているのか、どのようなファイナンスを調達しているのか、企業買収後に何をしているのか、等についてLBSが作ったケースを通じて学習した。特定のケースでは、主人公が授業に登場し、企業買収前にどのような点に苦労したのかを実務的な観点から説明してくれ、非常に生き生きとした話も聞けた。

③Behavioural Finance(Block Week)
伝統的なファイナンス理論が効率的市場仮説、βに基づいたCAPMなどの理論を基礎としている中、ファイナンスや投資判断についてはより人間的な心理や行動原則が重要であることを基礎としたファイナンスの講義。具体的な講義内容としては、実際の投資家は合理的ではないことを前提とした上で、過去の特定の株価の動き、株式投資やM&Aで陥りやすい罠、行動ファイナンスをベースとした投資ファンドなどについて心理学的な観点から分析。Value Investmentのco-requisiteゆえに受講したが、行動ファイナンスはふわっとした研究分野でもあり、個人的には後付け的な印象がして、そこまで興味深い講義ではなかった。しかし、その後のGlobal Business Experienceで実際のファンドマネジャーがこれらの行動理論に当てはまるような行動を多く取っていることも知り、投資における当該分野の重要性も感じさせられた。最近、実際にはマーケットが効率でないことを強く信じている。

④Value Investing
Value Investingとは、株式を企業の所有権の一部と考え、株価が企業のintrinsic valueよりも低い時に割安にて投資するという考え方。Ben Grahamが普及させ、その後にその弟子であるWarren Buffettなどの著名投資家も活用している投資コンセプト。コロンビアなどでも大人気の授業らしいが、LBSではビジネススクールには珍しい少数制(生徒数17名)による授業であり(開講前に先生による選定プロセスあり)、実際にNY/LondonにてValue Investingで投資しているヘッジファンドのマネジャーが週次にて夜間に授業を行うもの。毎週stock pitchの宿題が課され、これらの段階的なリサーチを踏まえて最後には30-40枚の最終レポートを作成し、最終講義では複数のファンドマネジャーに対して各自がstock recommendationをプレゼンした。講義は、どのような会社に着目し、どのような機会に目を光らせ、株式市場の評価ではなく企業のビジネスそのものにいかに着目し(最終レポートの会社には、各自が複数のindustry expertにcold callをしなければならない)、株式市場にはない独自の視点で投資するかなどの点についてinteractiveな形で授業が進められた。また、Confidentialの前提でファンドマネジャーである先生が、自身の幾つかの投資事例について紹介。投資にあたり、企業のどのようなポイントに着目するべきか、実際にどのような考え方でvaluationするのか、プロの投資家がどのようなプロセスで投資しているのかなど、レポート作成のため全ての週末を当該授業につぎ込むほど相当intensiveな授業であったが、LBSで最も勉強になった実践的な授業。

⑤Financing the Entrepreneurial Business
LBSの人気授業の一つ。PE/VCの経験がある教授が、中小企業に対していかにequity financeを供与するかを網羅的にカバーした授業。簡単にVCのequity finance手法の基本について最初に学習した上で、毎回ケースが与えられて主要論点について議論していく形式。ケース自体は全てLBS作成によるもの。中小企業の出資にあたるdue diligence、VCによる価値算定方法、ストラクチャーなど広く学習することができたのが有用であった。

⑥Advanced Corporate Finance
教科書的なCorporate Financeの延長である授業。いわば、1年目のCorporate FinanceやCapital Market & Financingの演習を行う授業。毎週ケース及び宿題が与えられ、講義で議論・答え合わせをする形式。DCFを信仰しすぎるのは止めましょうから始まったValue Investingの講義を経験すると、アカデミックな意味合いが強い印象を受け、実務性はそれほど高くないように思ってしまったが、DCFやAPVなどによる企業価値算定、オプション価値算定、プロジェクトファイナンスなどが扱われ、ファイナンス全般の復習となった。

⑦Equity Investment Management
ケースを通じて、株式投資についてどのようタイプの投資手法があるのかを網羅的に学習する授業。Growth/ValueやLarge cap/Mid cap、Momentumなど様々な投資手法を活用しているファンドについて紹介された。Value Investmentのco-requisiteゆえに受講したが、教授の説明がとびとびでイマイチであり、そこまで興味深い講義ではなかった。しかし、あらゆる投資の考え方を知るという点では有用であった。

⑧Topics in Asset Management(Block Week)
Asset Management業界を網羅的にカバーする集中講義。Pension Fund, Sovereign Wealth Fund, Private Banking, PE, Hedge Fundなどあらゆるタイプの投資家についてケースを使って勉強。更に、AM業界の重鎮である講師が強力なネットワークを使って、シティで働く実務家総勢10名以上を招集し、それぞれの資産運用タイプについて専門家が講演をしてくれるという贅沢なコースであった。例えば、PEの回では著名PEであるCVCの創設者がプレゼンした。資産運用業界の概要について理解を深めるのに大変有意義で贅沢な講義であった。

というわけで、実務家がパートタイムで講師をする講義も多く、LBSでは選択科目の方がコアより実務的で楽しいというのが率直な感想。残る授業は1つとなり、帰国が徐々に近づいている。みなさん、いい年越しを!

在校生ブログ「ロンドンビジネススクール(LBS)MBA留学記-国際金融修行中」より転載

(c) LBS Japan Club 2012▲ ページ先頭に戻る