2社で寡占している繊維商品のケースを素材にPricingについて習った。

このケースはExhibitを除けばたったの2ページだったが、非常に濃い内容のROIが高い良ケースの典型。(個人的には20ページ読んで4~5ページにエッセンスをまとめられるようなケースは好きじゃないので、好感。)

ケースの内容は、
・2社で寡占している繊維商品の市場。
・需要はここのところ一定。
・歴史的に自社・競合ともに売価$3。自社シェア55%で安定していたが、1年前に営業利益が赤字ということで自社のみ$4に値上げし、競合と価格差がついてシェアが55%から33%まで落ちた。

さて、このままの価格を維持しようか、値下げしようか、どうしましょうかというお題。

ケースの中でも疑問として、

・競合も赤字のはずだから値上げするのでは?
・$3に戻したら競合も$3をKeepするか?更に値下げするかも?
・この製品の価格変更の他製品への影響は?

などが提示され、様々な角度から分析を進めていく。

ケースディスカッションの議論の流れとしては、2ページ+Exhibitにある①価格と数量のHistorical data、②各数量のコストの変動費・固定費Breakdownから、

・自社が赤字、という認識に対しては、「営業利益算出にあたって、SG&AがFactory CostのMark upを使用しており必ずしも正しくない。限界利益の金額で見ると実は$3の方が儲かる。」

・競合も値上げするかも、という仮説については、「(上記に加え)赤字市場のPrice elasticityを考えると、$4に上げると総需が下がる。その前提で、競合が値上げすることはないだろう」

などと次々と分析を繰り出し、ざっくり定量的に$3が良さそうだ、という分析をして、終了。

価格設定は、

1.コスト分析
2.需要・シェアへの影響
3.Strategic Consideration
4.Profit analysis

の順番でやれ、という基本概念を教えられて、このパートは終わり。

前職でもやってたなぁ、と感じつつ、「でも、待てよ。なぜ今回の分析は前職の実務より面白かったのだろう」と思い、理由を考えた。

一番大きいのは、

「日系企業は値上げというオプションは(死に行くビジネスを除けば)殆どのケースでやらないよな」、ということ。

よく言われることだが、日系企業は、成功のUpside<<<失敗Downsideなので、

分析時に
① 100%行けると確信するか(大抵のビジネスではこのタイミングは一生来ない)
② 相当追い込まれてない(「死に行くビジネス」はこのパターン)

と値上げという話にならない(or 途中で案がつぶされる)。

すると、段々思考停止気味になってきて、価格設定も「何%値段を下げて、利益影響は何%です。」みたいなエクセルの報告会のような感じになってくる。

ケースの良いのは、擬似とはいえ、様々なビジネスパターンがあることを体感し、自分の思考のパターンを凝り固まったものから解放してく過程。

内面化できる元々のネタが自分の中にある授業はやはり面白いなぁと思った。

在校生ブログ「ロンドン留学生活|音楽とサッカーとPintと」より転載

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