LBS Japan Trek 2017

多くの方々のご支援のもと、本年度も3月25日から4月1日にかけLBS Japan Trek を開催できましたので、こちらでご報告させていただければ思います。

 

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 1.Japan Trekとは何か

LBSでは学生が自ら企画・運営する旅行(通称Trek)が毎年、数多く開催されています。ニューヨーク、香港などの都市を訪れ、その土地のビジネス慣習を学んだり企業訪問を行うTrekから、その国の文化・伝統を体験をするカルチャー系のTrekまで、毎週のように何かしらのTrekが行われています。

特にLBSには世界80か国以上から学生が集まっており、各国出身の学生が中心となり企画するこのTrekをおかげで、なかなか訪れる機会が少ないような国でもその土地ならではのディープな体験をすることができます。スペイン、イタリアなどの欧州各国やインド、ブラジルなどの大国はもちろん、南アフリカ、ナイジェリア、ジョージア、チェコ、ブルガリア、ミャンマー、などなど、数え上げればきりがありません。

さて、その中でも例年随一の人気を誇っているのがJapan Trek。過去の先輩方のおかげで、LBS生活の中で必ず参加すべきもの、という評判が確立されており、今年の日本人学生も入学するやいなや、「今年のJapan Trekの開催はいつなんだ?」「どうやったら確実にチケットがとれる?」と質問攻めにあったくらいです。

 

2.Japan Trek開催までの足跡

(1) Organizerチーム結成

校内屈指の一大プロジェクトということで、入学後すぐの9月初旬から準備を開始しました。より一層Japan Clubの活動のすそ野を広げ、多くのプログラムより参加者を募るため、今年度は(おそらく)初めてMBA・MIF両プログラム合同チームでの企画となりました。また、こちらも初めての試みとして日本人以外のオーガナイザーを公募し、8名もの生徒が参加を表明してくれました(アメリカ人、ブラジル人、イギリス人、ドイツ人、インド人など)。結果、総勢17名のチームとなり、さらに各々が担当をもち、トレック直前の3月末まで毎週欠かさずにミーティングを行っていくこととなりました。

また、このTrekの目的として、将来活躍が期待される世界中のビジネスエリートの卵達に日本のことを知ってもらい、好きになってもらい、“コアファン”を増やすことを掲げ、このTrekでしか得られることができない経験を参加者に提供できるようオーガナイザー一同がその目標に向かって走り始めました。

 

(2) Trekの概要決定

過去のデータをもとに議論し、以下のように骨子を決定しました。

参加人数:120名(最終的に128名)

旅行日程:2016年3月25日~4月1日(7泊8日)

訪問先:京都(2泊) ⇒ 有馬(1泊) ⇒ 飯田市(長野県)(1泊)⇒ 東京(3泊)

昨年度のアンケートの結果、6泊7日では短いという声が多数であったこと、また、本年は飯田市出身のオーガナイザーがおり、彼を通じて飯田市役所の全面協力を得られることとなったので、例年の旅程に飯田市訪問を加え、全体として7泊8日の旅程となりました。また、より多くの参加者に対して興味に沿った内容を提供できるように数多くのオプショナルツアー、ディナーを提供することとしました。

 

(3) プロモーション・チケット販売

上記概要を決定後、具体的なプランを詰め始めるのと同時に、校内へのプロモーション活動も開始しました。SNSを通じての情報発信や、説明会を開催などを行いつつ、オーガナイザー自身のネットワークベースで属人的な売り込みも積極的に活用しました。

Japan Trekは随一の人気イベントではあるものの、今年はBrexitの影響もあり、前年比大幅な円高ポンド安となってしまい、ポンド建てで20~30%のチケット値上げが避けられない状況となってしまいました。参加者のすそ野を広げるために、なるべく値段を抑えたいと思う反面、赤字は避けなくてはなりません。チケットリリース直前までいくらにプライシングするか議論が続きました。

そして、チケットリリース当日。会議室に集合し、オーガナイザー一同で緊張しながらリリース時刻を待ちます。このときはすべて売り切れるか不安もありましたが、いざ発売が開始されるとわずか20秒ほどでチケット100枚以上が完売。その場にいた全員が喜びを爆発させました。その日のLBSでは、Japan Trekのチケットが取れたかどうか、という話題で持ち切りとなり、改めて期待の大きさを実感しました。

その後2月にはオプショナルツアーに関する説明会、3月には日本の文化、宗教、伝統、流行等を紹介する勉強会等を開催し、参加者のTrekへの期待は最高潮に達しました。

 

(4) スポンサー企業様への協賛ご依頼

12月からは、各企業様向けにJapan Trekを含めたJapan Clubの活動趣旨をご説明申し上げ、Clubへのご協賛をご依頼させていただきました。例年同様、今年も多くの企業様にご協力いただき、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。残念ながらLBSの授業等で日本に関連する事項が取り上げられる機会はあまりありませんが、このTrekを含むClub活動を通じて、学生達の間で日本企業への関心度が上がっていると感じております。

 

3.Trekの様子 

総勢130名近くの団体をプロのガイドなしで我々学生だけで引率するというのは非常にチャレンジングでTrek中は寝る暇もない日もありましたが、幸い大きな問題もなく、非常に満足度の高い旅ができたと思っています。日本人は細部を気にしがちですが、なるべく我々オーガナイザー自身も旅を楽しめるよう、事前には入念な準備を行い、旅が始まってからは無理のない範囲で個々人が対応するように心がけました。

過去のトレックの様子は以下のリンクでもご覧いただけます。

2016: http://www.lbsjapan.com/archives/2814

2015: http://www.lbsjapan.com/archives/2593

本記事では2017年Trekにおいて、新たに取り入れたことを中心にご紹介したいと思います。

 

(1) 京都

本年度は初日のWelcome Partyに芸妓をおよびし、芸を披露していただきましたが、日本人も含め、ほぼ全員が初めて見る宴会芸に興味津々でした。

また、2日目のディナーは例年よりもオプションの選択肢を多くし、なるべく参加者の満足度を高められるよう意識しました。どのディナーも非常に評判がよかったですが、特に京野菜料理など、京都特有のものに関しては特に喜んでもらったように思います。

 

(2) 京都・広島・奈良

3日目には、昨年同様、参加者の希望に応じて京都のさらなる探索、広島、奈良の三手に分かれてのツアーとしました。

昨年、広島の原爆資料館訪問に際して、参加者の関心が非常に高かったというフィードバックがあったため、今年は地元のボランティアの方にガイドを頼み、これが非常に好評でした。真剣に歴史を学ぼうとしている参加者にたいして、良い機会を提供できたのではないかと思います。

 

(3) 有馬温泉

3日目の夜には全員で有馬温泉に宿泊し、大宴会を行いました。全員で浴衣を着て、宴会ゲームや、カラオケ大会などを行い、一同大盛り上がりでした。ちなみに、Trek後のアンケートによると、この宴会がTrek期間中で最も評判の良いディナーでした。

 

(4) 飯田市(長野県)

今回、Japan Trek史上、初めての試みとして、長野県飯田市へ訪問させていただきました。例年の予定に加えて飯田市を訪問することで、通常の観光とは違う、このTrekでしか得られることができない経験を参加者に提供することを目的としました。

まず到着後、京都外国語大学の学生や地元の高校生のボランティアガイドの案内で、飯田市内を散策したのち、4人組のグループに分かれて、全32軒の地元農家の方のご家庭で農家民泊体験をしました。各農家の方々に、日本農家の伝統的な暮らしをご紹介いただくなど、おもてなしをしていただきました。茶室にて茶道を体験させていただくグループもあれば、五平餅などの伝統的な料理をふるまわれたグループもあり、非常にバラエティに富んだ経験ができ、何よりも農家のみなさまの暖かい心遣いに多くの参加者が非常に感動しました。写真はその内の1グループでの、農家のご夫婦を囲んだ晩御飯でのショットです。

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翌日は、伝統芸能である文楽の観劇と、天竜川舟下りを楽しんだ後、焼肉パーティーをご用意していただきました。そのパーティーには市長含む関係者の方にも多くお越しいただき、また、太鼓によるパフォーマンスなどいたれりつくせりの歓迎をいただき、参加者一同大いに食べて飲んで楽しみました。

この体験の様子は、多くのメディアでも報道されましたが、一例として日本農業新聞にて取り上げていただいた記事(同記事がYahoo!ニュースにも掲載)をご紹介させていただきます。

“「インバウンド効果」地方に波及へ 来日したら農泊でしょ 「観光立国」推進も・・・”(日本農業新聞2017年4月1日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00010003-agrinews-soci

(日本語記事リンク切れの場合以下の英語版ご参照)

http://english.agrinews.co.jp/?p=6508

今回の飯田市訪問を通じて、大都市の観光地を回ることでは難しい「人との交流」が農家民泊などを通じて行うことができたと思っております。多くの参加者が一生に一度の素晴らしい体験になったと喜んでおりました。

このような機会をいただき、我々を受け入れるために多くの時間を準備に割き、我々の訪問中は温かいおもてなしをしてくださった飯田市役所のみなさま、農家の方々、学生ガイド、地元ボランティアの方々には感謝してもしきれないほどのご厚意をいただきました。本当にありがとうございました。ここに改めて御礼申し上げます。

 

(5) 東京

いよいよ旅の最終目的の東京に到着です。旅の後半ということもあって、少しバテ気味ではありましたが、東京を楽しみにしていた人間ももちろん多く、連日遅くまで夜の街に繰り出していた参加者もいたようです。

東京では個々人がそれぞれの興味に沿ったオプショナルツアーを選び、少人数に分かれて行動しました。新しい試みとしては、浅草公会堂にて日本舞踊、長唄、三味線、尺八、お囃子、茶道の先生方19人を招待し、日本文化を学び・体験するツアーを提供しました。師範の方々に直接教わり体験できたことは貴重な経験であったとの声が大きかったです。

また、日本酒造組合連合会さまにご協力いただき、Shochu & Sake tastingを体験するツアーも日本の酒情報館で実施しました。焼酎に関するレクチャーをいただき、その後のテイスティングでは焼酎7種類を試飲させていただきました。

Trek最終日は昨年同様、渋谷スクランブル交差点からほどない天空レストランでのFarewell Partyを行いました。酒樽の鏡開き、フォトコンテストや旅の思い出ムービーの放映など、最後の夜を全力で楽しみ、参加者全員が口々に最高のトレックだった、というのを聞いて、我々オーガナイザー一同も達成感で一杯になりました。

 

4.Japan Trekを終えて

(1) 参加者の声

Trekの途中、また、ロンドンに帰国後も、参加者から様々な声が寄せられました。それらに加え、帰国後に実施したSurveyの結果から、我々が掲げた『日本のことを知ってもらい、好きになってもらい、“コアファン”を増やす』という目標を達成できたと感じています。以下、一部サーベイの結果を抜粋します。

①     総合満足度:5段階評価4.78

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②日本をまた訪問したいか:全員が訪問したい、7割以上が5年以内に訪問

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③日本を家族・友人に勧めたいか:全員が勧めたい

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(2) 最後に

なぜこのTrekをやろうと思ったのか、このTrekを通じて得たものはなんだったんだろうか、考えてみるといろいろと思いつきはするのですが、うまく言葉にできません。

Trek運営は、給料が発生するわけでなく、言ってしまえばボランティアなわけです。また、時としてプレッシャーは大きく、多くの時間を取られることもありました。そんな中で、なぜ最後までみんなが力を合わせて頑張れたのか。それは単純に「楽しかったから」だと思います。過去このTrekのオーガナイザーをしてきた先輩方も口をそろえて、「大変だけど、それ以上に楽しかった!」とおっしゃっていました。

みんなで力を合わせて、一つの目標に向かって頑張ることの素晴らしさをこのTrekは教えてくれました。これから先の人生で、Trek参加者やオーガナイザーに再会したときに、「あのとき、こんな楽しいことがあった」「あんな失敗をした」などの話で盛り上がるのが今から楽しみです。

最後になりますが今回のTrekの成功は、御支援頂いたスポンサー企業の方々、私達の細かい要望に応えて下さった受入れ先のホテル・旅館・レストランの皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 

今回も例年に引き続き、近畿日本ツーリスト様の太田様にサポートいただきました。旅行運営に関して素人である我々にとって、訪日団体旅行を幅広く手掛けてらっしゃる太田様の細部にわたるご支援がなければこのTrekは実現することができなかったと思います。今後新たにJapan Trekの開催を検討される留学生の方等いらっしゃれば、是非ご連絡を取ってみみてはいかがでしょうか:

近畿日本ツーリスト株式会社グローバルビジネス支店

担当:太田様

TEL: +81-3-6891-9600 / FAX: +81-3-6891-9600

E-mail: dmcjapan「アット」or.knt.co.jp:「アット」を@に変換下さい)

 

 

R. O.

*詳細についてご関心の方は個別にご連絡下さい(rogiwara.mba2018「アット」london.edu:「アット」を@に変換下さい)

Executive MBAについて

Executive MBAはフルタイムで働きながら20ヶ月でMBAを取得するプログラムで、4つのコース・6つのクラスがあります。

  • Executive MBA (London) (September intake / January intake): LBS単独のプログラムで1年目のコアコースはロンドンで隔週金土に行います。9月入学と1月入学があります。
  • Executive MBA (Dubai) (September intake / January intake): LBS単独のプログラムで1年目のコアコースはドバイで毎月4−5日のブロックウィークで行います。9月入学と1月入学があります。
  • EMBA-Global Americas & Europe: LBSとColumbia Business Schoolの共同プログラムで1年目のコアコースはロンドン・NYで毎月4−5日のブロックウィークで行います。5月入学のみ。
  • EMBA-Global Asia: LBSとColumbia Business School・Hong Kong Business Schoolの共同プログラムで1年目のコアコースはロンドン・NY・香港で毎月4−5日のブロックウィークで行います。5月入学のみ。

 

7-22年の職務経験が求められるため、フルタイムMBAと比較して年齢層は高めで、30代を中心に40代・50代の生徒も見られます。また、キャリアを中断せずに通学できるため職業バックグラウンドは多様で、金融・IT・コンサル等の他、ヘルスケア・資源・建設・不動産・メディア、弁護士・医者・経営者等幅広い生徒が見られます。金融は最も多いセクターであるものの、トレーダー・セールス・IT部門等とMBAと関連の薄い部門が多いように思われます。

働きながら通うため、EMBAは各地域周辺の在住者が多い傾向にあるようです。ロンドンのコースはロンドン・欧州在住者が中心で出身地も欧州・インド・中東が多く、フルタイムMBAと比較して日本を含むアジア・米州出身者は非常に少ないです。

 

カリキュラムは、1年目は15のコア科目(Understanding General Management, Executive Leadership, Managerial Economics, Financial Accounting, Developing Effective Managers and Organizations, Corporate Social Responsibility Ethics, Date Analytics for Management, Understanding International Macroeconomy, Corporate Finance I & II, Strategic Management, Decision and Risk Analysis, Marketing, Operations Management, Developing Entrepreneurial Opportunities, Managerial Accounting)、2年目は6-8の選択科目、1年目後半~2年目前半にGlobal Business Assignmentがあります。

選択科目はAccounting, Economics, Finance, Management Science and Operations, Marketing, Organisational Behaviour, Strategy & Entrepreneurshipの分野の70以上の科目から選択でき、他コースの学生とともに学びます。ロンドンの他、ドバイ校舎で学べる1週間のコース、Columbia Business School等提携校で学べるチャンスもあります。

Global Business AssignmentはDubai, China (Beijing), South Africa (Cape Town), Argentina, Mexicoから1地域を選択し、1週間のプログラムに参加します。South Africa・Mexicoはコンサルテーションワーク、その他は現地企業等に訪問します。

 

Applicationは、CV・卒業証明・語学能力証明、リファレンスのコンタクト先、エッセイ、GMAT又はExecutive Assessmentのスコアを提出します。Executive AssessmentはGMAT の負担を考慮し、2016年より導入されたシステムです。

Masters in Financeとは

ロンドンビジネススクールのMasters in Finance (MiF)は、ファイナンスプロフェッショナルに不可欠とされる高度な実務スキルを10ヶ月間 (パートタイムは22カ月間)という短期間で集中的に学び、修士号 (MSc in Finance)を取得するプログラムです。入学者数もフルタイムが約120人、パートタイムが約70人と、少数精鋭となっています。

MiFは、世界各地の金融機関などで働き、既にファイナンスのバックグラウンドを有するビジネスマンからの「より広く深く体系的にファイナンスを短期間で学びたい」というニーズに応える形でスタートしました。

MIFは、広い意味におけるファイナンスプロフェッショナルが実務において直面する新たな問題に対し、柔軟かつ創造的に挑戦できるよう、徹底的に鍛錬することを目的にしています。具体的には、4つの必修科目を通じて、ファイナンス実務の基盤となる基本的なアプローチおよびビジネスリーダーシップについて修得した後、約30科目程度の多彩な選択科目の中から自分のキャリアゴールに即した7~10科目を選択し、極めて実践的な内容を集中的に学びます。選択科目の一つとして、本プログラムを通して習得した知識・技術を、プロジェクトと呼ばれる修士論文として応用することが求められます。
これらの講義やプロジェクトの指導は、ファイナンスにおいて世界的な名声を有し、実務にも精通したロンドンビジネススクールの教授陣によるものであることは言うまでもありません。また、選択科目はCorporate Finance、Financial Engineering、Asset Management、Private Equity /Venture Capitalと非常に多岐に渡るとともに、Core Coursesで学んだアプローチを実務に応用することを目的とした内容となっており、卒業後、幅広いファイナンス関連の業務にそのまま生かすことができます。

以上のような充実したカリキュラムに加え、チャレンジ精神にあふれ多様なバックグランドを持つプロフェッショナルな学生が世界各国から集うことが、MiFの大きなもう一つの魅力です。銀行、証券会社、ヘッジファンドといった金融機関のみならず、中央銀行、政府機関、事業会社、経営コンサルタント、会計士、格付機関、弁護士、非営利団体等で、平均6年程度の実務経験を有する生粋のファイナンスのプロフェッショナルが、お互いの豊富な経験から最先端の実務を無数のグループワークを通して学び合うという素晴らしい環境です。世界における最先端のファイナンスを日々体感することができることから、金融機関等において実務経験を有する方にとっては特に有意義なプログラムといえるでしょう。 また、選択科目、クラブ活動、各種イベントを通じ、ロンドンビジネススクールMBA 等のの他のプログラムと交流する機会も豊富です。

以上のように、MiFは、①金融機関等において実務経験を有し、短期間で実務に即したファイナンスを体系的に理解したい方、②金融工学やM&A、Private Equity等のDealなど、高度なファイナンスの知識が要求される仕事での勤務、転職を予定されている方、③ファイナンス以外の分野における実務経験や学識を有する方で、実務に即したファイナンスを短期間に集中して学習したい方等に最適といえるでしょう。

MiF or MBA (あるいはMiFで学ぶ意義)

MiFへの出願を考えている多くの方は、一度くらいはMBAへの出願も考えたことがあるのではないでしょうか。

そこで、本稿ではMiFとMBAの違いについて、書いてみようと思います。※

【※本稿は必ずしもMiFを何が何でもお薦めするためではなく、あくまで違いをなるべく客観的に分かっていただいた上でそれぞれにあった判断をしていただくために書いています。筆者は現在MiFの学生ですが、昨年は別の学校でMBAコースに通っていました。それは1年制で別の学校なので必ずしもLBSのMBAとMiFを直接比較しているわけではないこと、また、あくまで筆者自身の経験に基づいた主観であることについては、御理解いただければ幸いです。】

 

(目的)

まず、MiFとMBAではその目的が異なります。

どちらのコースも、グローバルリーダーを育てることは共通の目的ですが、MiFはファイナンスのエキスパートを育てることが目的あるのに対し、MBAは経営全般のジェネラリストを育てることが目的です。ただし、例えば企業戦略等の経営面は財務諸表や株価等のファイナンス面に顕著に表れるという意味においては、MiFが経営全般を見ていないというわけではなく、ただファイナンスというツールを通して経営全般を見ている、ということなのだと筆者は考えています。

 

(カリキュラム)

MBAではファイナンスはもちろんのこと、マーケティング、組織行動論、企業戦略、アントレプレナーシップ、イノベーション、経済学など様々な科目を広く学ぶと同時に、プレゼン、コーチング、文化の多様性の理解、リーダーシップ論、グループワーク等のソフトスキルにもかなり力を入れます。また、MBAでは上記の様々な科目を統合して、総合的なビジネスプランの作成や起業家の立場となって投資家向けプレゼンを行うといった授業があります。

一方で、MiFでは学ぶ内容はとにもかくにもファイナンスです。コーポレートファイナンス、会計、投資がコア科目で、選択授業も一部を除いてファイナンスです。MBAでのファイナンスはいわゆるコーポレートファイナンスが中心ですが、MiFではデリバティブや、証券分析等の投資関連の授業も多く、自分の興味に応じて「Corporate Finance」のほか、「Risk Management & Derivatives」「Investment Management & Analysis」の三つの中から専攻が選べます(選ばなくても大丈夫です)。もちろん、MiFもプレゼンやグループワーク等のソフトスキル教育を行います(ただし、MBAと比べると少ないと思います)。

 

(コーホート)

他の大きな違いとしては、生徒のバックグランドが挙げられると思います。一般的にイギリスのMBAは3年程度の実務経験を要する点ではMiFと同じですが、MBAでは業種に特に制限はありません。一方、MiFではファイナンス分野での経験である必要があります(もっとも、「ファイナンス分野」の捉え方はそれなりに広く、銀行やアセットマネジメント等でなければならないということはなく、一般企業の財務部、コンサルや官庁等からも経験次第では十分入学可能です)。MBAではほぼ全員が異なる分野・ポジションの経験者であり、その多様性が議論に幅を持たせてくれたり、新たなアイディアが生まれる一方、MiFはファイナンスをよく知っているということが前提であり、それによりファイナンスに関する議論のクオリティと深度を保つわけです。

 

(メリット・デメリット)

MiFのメリットとしては、1年間、実務経験ある仲間たちと深くファイナンスの勉強に集中できることです。その点、1年制MBAでは、一年間であまりに多くの分野をカバーするため、良くも悪くも「広く浅く」となります。また、MBAではファイナンスのエキスパートのような生徒もいれば、初めて触れるという生徒もいるので、進度はある程度後者に合わせる必要がありますが、MiFにおいては授業スピードがとても速く、例えば筆者が1年制MBAで40時間程度の授業で学んだコーポレートファイナンスの範囲は、MiFでは1学期の最初の15時間弱の授業でほぼカバーしてしまったように思います。

一方、MiFにもデメリットはあります。特に就活における認知度はMBAの方が圧倒的に高いと言わざるを得ません。MBAなら誰でも知っていますが、MiFと言われてすぐに分かる人はイギリスの会社の採用担当者でもそうはいないようです。もちろん、LBS自体は広く知られていますが、そもそもMBAしか採用されないポジションもあり、そこのフィルターに引っかかってしまうこともあるようです(LBSのキャリアセンターの方針としては、学校での採用説明会において「MBAのみを対象とする説明会」は断っていますし、MiFとMBAとを「同等」に扱うよう働きかけているようですが、まだ道半ばというところのようです)。また、MiFと聞いて、実務経験前コースを思い浮かべる人が多いようです。実際、イギリスで実務経験者のみを対象としたファイナンス修士コースを提供している有名校はLBSとケンブリッジくらいですし、世界でもそう多くはありません。MiFは実務経験を有し、理論も体系的に学んだ、ファイナンス分野の「即戦力」なのですが、そのことが必ずしも十分に浸透していないことが一つのネックであると言えるかもしれません。就活中のクラスメイトたちは、MiFについてきちんと「実務経験後のコース」であることなどを採用側に分かってもらう努力をしているようです。

 

(どちらを選ぶべきか)

MiFとMBAは似て非なるものです。MiFはMBAの代替手段ではありませんし、逆もまた然りです。ビジネススクールというとどうしてもすぐにMBAを思い浮かべてしまいがちですが、自身のニーズに応じた様々なコースがあります。実際、LBSにもMiFとMBA以外にもMiMやMFA、Sloanなど様々なコースがあります。ファイナンス分野でのキャリアを追っていくのであればMiFは最適だと思いますし、MBAも言うまでもなく強力な武器です。一方、ファイナンス分野以外で働きたいが、知見を広げる目的でファイナンスを学びたいというのであれば、MiFは「たすきに長し」だと思います。

MiFとMBAのどちらを選ぶべきかは、当然ながら、結局のところ自身の将来のキャリアゴール次第です。いずれにしても決して安くない授業料と機会費用を払うのですから、今一度そのゴールを良く考えてみた上で後悔のない選択をしていただきたいと思います。

 

本稿がそのための一助となれば幸いです。

MiFの必修科目(MiFFT2017)

MiFの必修科目は、Investments、Financial Accounting and Analysis、Corporate Finance and ValuationおよびPurpose of Financeです。秋学期(9月上旬~12月上旬)に開講されますが、Purpose of Financeのみ変則的で、年間を通じて4回の授業があります。

必須科目では、その後の選択授業において前提となる知識を獲得することができるだけでなく、事前に座席やスタディーグループが固定されているので、同級生と交友関係を築く良い機会にもなります。

 

Investments

現在価値計算に始まり、Fixed Income、Stock Valuation(Golden Growth、P/E multiple、CAPM、マルチファクターモデル)、Derivative(オプション、先物・先渡し)まで広範に学びます。基本的な内容が中心ですが、論文を素材に最新の議論にも触れる機会があります。

授業は秋学期の前半に集中し、週2回およびTeaching Assistantによる週1回の補講があります。毎週、計算演習を中心としたグループ課題があります。教科書は、Zvi Bodie、Alex Kane、Alan J. Marcusによる「Investments」を使用します。

 

Financial Accounting and Analysis

Pre Moduleで学ぶ会計知識を前提に、USGAAPおよびIFRS双方をカバーした財務諸表分析の手法を深く学びます。講義では、実際の企業をケースにとり、そのAnnual Reportから経営状況を示す計数を算出する方法を学ぶとともに、財務諸表の計数と企業の実態に乖離がないか丁寧に読み解く訓練をします。

授業は秋学期を通じて行われ、週1回および隔週でTeaching Assistantによる週1回の補講があります。企業のAnnual Reportを分析する課題が隔週であるほか、他の週には授業に関連する時事記事を要約して提出します。教科書はChris Higsonによる「Financial Statements: Economic Analysis and Interpretation」を使用します。

 

Corporate Finance and Valuation

Investmentで学ぶ現在価値計算、Stock ValuationおよびFinancial Accounting & Analysisで学ぶキャッシュフロー分析の知識を前提に、投資意思決定、企業価値の計算方法(DCF、Multiples、APV)、負債政策および利益還元政策を学びます。

授業は秋学期の後半に集中し、週2回およびTeaching Assistantによる週1回の補講があります。毎週、実際のケース分析のグループ課題があります。うち一つは、企業を1社選択してアナリストレポートを作成するもので、最終授業でプレゼンテーションを行います。教科書はRichard A. Brealey、Stewart C. Myers、Franklin Allenによる「Principles of Corporate Finance」を使用します。

 

Purpose of Finance

「金融は何のためにあるのか」との問いから始まり、金融業界が抱える課題、IT技術革新などの外部環境変化が金融業界にもたらす影響、金融のプロフェッショナル倫理を考える授業です。金融危機以降、金融業界に対する批判的意見が高まったことを受け、真の金融プロフェッショナルを育てる目的で2016年に必須科目として設置されました。

既出の通り、年間を通じて4回の授業があります。毎回の授業に向けて、プレゼンテーション作成やエッセイ作成といった準備課題がグループに課されます。教科書は、Stephen Davis、Jon Lukomnik、David Pitt-Watsonによる「What they do with your money」です。

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